「アルテミス、本艦の受け入れ要請を了承。臨検官を送る、とのことです」
 「分かったわ、ありがとう」

 まあ、速いもんだな? 俺が親爺さんを捕まえて『コミュニケーションの相互確認』をしているうちに
アルテミスの見える宙域に着いちまった。早急にブリッジに上がれ、と言われて来たら『コレ』だ。
おいおいマリュー・ラミアス? 手放しでノコノコ入港する気か? プラントの住人が反乱起こす前、
ユーラシア連邦は仮想敵国だった時機も有る。…笑顔の裏には拳銃かナイフを背後に隠している。
そんな隣人だ。

 「ありがとう、で済ますなよこの羽頭! AAの国籍・船籍コードが付与されてるか確認したか? 
 小細工したとは言えな、この艦の扱いは軍事機密だ。まだ船籍コードも無い状況かも知れん」
 「…いい歳をして殴り合いの喧嘩ををする人に…羽頭だなんて…」
 「何か言ったか女ぁ? 」

 マリューの前に流れた俺は左眉の辺りを下げ、睨み据えながら無駄にデカイ乳を両手で鷲掴みに
して、微妙に緩急を付けて揉む。テメェ、誰に向かってモノを言ってやがる? あれは喧嘩以前の
『お話』だ。アレくらいで喧嘩と言われてはなぁ、戦場でのハンガーの遣り取りは『殺し合い』だぞ?

 「んぅ…あンッ! 」
 「大分こってるなか? …堅い。まだデカくなるんじゃないのか? 」
 「…大尉、セクシャルハラスメントは程々にして下さい…男性クルーが任務を忘れます」
 「貴様も揉んでやろうかバジルール少尉? 多少は固いのも柔らかくなるかも知れん」
 「な…! 」
 「あ…ァン! 」

 俺は最後の仕上げに、ブラジャーに包まれたまま勃起したマリューの両乳首をピン、と指で弾き、手を離す。
ブリッジを見渡すと、ノイマン以外のクルー全員がこっちを向いていた。…注意力を失うと死ぬぞお前ら?
痛め付けてやったとは言え、『G兵器』の三機、イージス、ブリッツ、バスターは健在だ。…追撃は必ず有る。

 「何ぼさっと見てる! 火器管制スタンバイして置け! …出てくるようなら臨検官の船をロックして置けよ!」
 「な…何を考えているんですか大尉! 仮にも友軍の臨検官を殺す気ですか! 」
 「人質にするんだよ! ノコノコ出て来る馬鹿が悪いって事だ。全く…あいつらと来たら要塞作りだけは
  巧いんだからな…ロシアの穴熊め…」
 「『アルテミスの傘』、開きます! 速やかに入港せよ、との事です」

 チッ…虎穴に入らねばならんか。流石にただの馬鹿では無いな? ジェラード・ガルシア少将閣下は!

 「アーノルド坊や、180°回頭! 『艦長』、余韻に浸らずしっかり頼むぜ? ナタル? 」
 「ヴァリアント砲門、『港』に向けろ! …白兵戦用意を発令して下さい、『艦長』…きゃ! 」
 「そう固くなるなよ少尉? ケツまで強張ってるぞ? …ハンガーに行く。後は頼んだぞ」

 判ってるじゃ無いか、ナタル・バジルール? 一を聞いて十を知る、だ。…まだまだ場数が必要だが、な?
フン、お目付け役兼『護衛』の『アーノルド・ノイマン』君? 背中が震えてるぜ? 怒りで我を忘れて操舵をとちるなよ? 

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最終更新:2007年04月22日 22:35