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陣中日誌とは(作戦要務令より)

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陣中日誌とは(作戦要務令より)




アジア歴史資料センターに原本の画像複数あり
その1つ

件名標題(日本語) 作戦要務令 第3部
階層 防衛省防衛研究所>陸軍省大日記>大日記乙輯>昭和15年 「検閲典範令原本綴 共12冊 第四冊」
レファレンスコード C01002501500
言語 jpn
資料作成年月日 昭和15年05月17日
規模 156
http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/listPhoto?IS_STYLE=default&ID=M2006090103370184148
「第9篇 陣中日誌及び留守日誌」は、複写P.149より



作戦要務令
第三部
第9篇 陣中日誌及び留守日誌

第308  陣中日誌及び留守日誌作成の目的左の如し
  • 甲、 各部隊若しくは各人の経歴、及び遭遇したる実況、ならびに所見を記載し、戦史の資料と為す
  • 乙、 編制装備、教育、補給、給養、衛生、武器、弾薬、器材、器具、材料、燃料、化学戦資材、被服、装具、馬等に関する軍事の経験を録し、将来改良の資料と為す

第309  甲の目的達成の為には、左記事項に就き記載す
  • 一、 毎日の位置(某地を去りて某地に停る等と記し、各地に分散して位置せるときは詳細に記述す)
  • 二、 作為せる命令、報告、通報中主要なるもの
  • 三、 行軍、宿営に関する事項
  • 四、 戦闘の景況(地上及び空中戦闘の顛末を詳細に記載し、又隣接部隊及び協力部隊との関係ならびに連絡施設の状態を明確ならしめ、且つ緊要なる時期に於ける部隊の位置要図を添附す)
  • 五、 人馬の異動及び現員の概要
    転任(転出入の実月日を記す)死傷(将校、各部将校、准士官は官職、氏名を、下士官及び兵は其の所属部隊に在りては官等級、氏名を、上級部隊に在りては其の数を、又、馬は用役別、頭数を録す)勲功者の事績等
  • 六、 主要なる時期に於ける部隊の編成表及び将校、各部将校の職員表
  • 七、 宣伝に関する事項
  • 八、 其の他1日間に於ける緊要事項等 記載順序は前掲の順序に拘泥することなく、生起せる事実の経緯を明瞭ならしむるに勉め、要すれば要図を附し、時刻(時々日出時刻、日没時刻をも記入す)、地点を詳記す。又、自己の部隊に影響せる事項(気象、明暗、地形、道路、住民の状態等)は適宜附記す。又、飛行部隊、気球部隊等は毎日の飛行記録又は昇騰記録を添附す

    軍隊区分に依り自己の指揮に入りたる他部隊の状況は固有の部下部隊に準じて記載し、一時指揮を脱したる固有の部下部隊の行動は要すれば後日輯録(しゅうろく)して之を補修す

第310  乙の目的達成の為には、左記事項に就き記載す
  • 一、武器、弾薬、器材、器具、材料、燃料、化学戦資材、被服、装具等に関する事項
  • 二、編成装備及び諸規則の作戦に及ぼしたる影響
  • 三、補給、給養、及び衛生に関する事項
  • 四、教育及び軍紀に関する事項
  • 五、馬其の他軍用動物に関する事項
  • 六、非常の際取りたる処置等 記述は単に毎日の経験に止むることなく、勉めて某期間の経験を綜合し、其の判決を明かならしむ

第311  戦闘詳報を作為せる場合に於いては、陣中日誌と重複する事項の記載を省略することを得。然るときは其の旨を附記し、戦闘詳報写を陣中日誌に合綴す

第312  陣中日誌は左の各部隊に於いて作製す
大本営の各部及び各課 高等司令部(編制上、部、課に区分するものは各部、課) 連隊、戦隊、大隊、中隊(之に準ずる部隊、其の他中隊を成さざる小隊、長時日独立して行動する小隊等を含む) 連(大)隊の段列及び材料廠 航空地区司令部、兵站地区司令部、野戦輸送司令部、野戦鉄道司令部、鉄道監部、鉄道輸送司令部、停車場司令部、船舶輸送司令部、碇泊場監部、碇泊場司令部、軍補給諸廠、及び此等の支部又は支廠 其の他の独立部隊(編制上、司令部、本部、班等に区分するものは其の区分毎) 師団及び独立して作戦する部隊の前方行李を纏めて行動せしむるときは、其の指揮官に於いて其の期間に限り記述す 留守部隊に在りては、乙の目的を達する如く、概ね前項の区分に従い留守日誌を作製す

第313  陣中日誌及び留守日誌は、各部隊動員令受領の日若しくは之に準ずる日より、毎日記載す。而して、特設部隊等に在りては、先ず編成委員之が記載を始め、後之を主任者に移すものとす

陣中日誌及び留守日誌は事件の発生するに従い直ちに之を記載するを要す。日誌記載の終局は各部隊復員完結、若しくは之に準ずる日とす

第314  受領せる命令、報告及び通報、ならびに住民、間諜等より得たる情報、死傷表、兵器、瓦斯防護資材、及び燃料損耗表等は、其の要領を摘み、記事の後に低書して参照に便ならしむ。但し、各原本は種類毎に一括して保存す

極秘に関する計画、特別任務等にして、当時之を日誌に記載するを不利とするものは、別冊とし特別の取扱を為し、後日其の妨なきに至り日誌に転載す

第315  各部隊長は、適時陣中日誌、留守日誌を点検し、捺印又は署名すると共に、時々部下部隊の日誌を点検し要すれば所見を記入するを要す

第316  陣中日誌は約1箇月毎(戦闘継続し記述の遑なきときは其の一段落後直ちに)に、留守日誌は復員完結若しくは之に準ずる日以後、速やかに順序を経て一部を大本営(参謀本部)に提出し、一部を其の部隊に保管するものとす

第317  陣中日誌及び留守日誌は通常規格版罫紙を用い、其の上部輪郭の内側に約3糎を隔てて横線を画し、之と上部輪郭との間に日時、気象、宿営地其の他記事中重要なる事項を摘記して見出と為し、横線の下方に記事を記載す。陣中日誌の用紙は、時宜に依り適宜の紙を使用し、又炭酸紙等を用いて複写することを得


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