放影研の「原爆被爆者の死亡率に関する研究 LSS第14報」に関する資料


 この報告 第14報の特徴は、それ以前の報告に比べ、被ばく線量とがん死亡との 線形的な関係を鮮明に 結論付けたことです。そして固形癌に関しては、「 ゼロ線量が最良の閾(しきい)値推定値であった。」 と言い切っています。被爆者の高年齢化による癌死亡率の高まりが、6年前に比べて低線量被曝領域での統計的精度を高めたものと思われます。

ERR:過剰相対リスク, colon dose:結腸被曝量, L:線形モデル, LQ:線形―2次モデル, どちらのモデルが相応しいかを検討したもの。CI:信頼区間。 


むしろ低線量ほど、線量当たりのリスクは高い。


被爆時年齢が若いほどリスクは高い、若くして犠牲となる率が高い。
線量当たりの過剰相対リスク
age at exposure:被曝時年齢, attaind age:到達年齢


歳をとっても被曝時に若かった人ほどリスクは高い
(10万人×年)当たり線量当たりの過剰絶対リスク


健康リスクはがんだけでなく、がん以外の循環器系、呼吸器系、消化器系の疾患にもおよぶ。
各疾患のグラフの形状が、初期の報告では下に凸だったものが、直線に変わっています。

A:全非がん疾患
B:循環器系疾患
C:呼吸器系疾患
D:消化器系疾患
E:全固形がん


■放射線影響研究所(放影研)のWEBサイトの、寿命調査(LSS)報告書シリーズのページ
http://www.rerf.or.jp/library/archives/lsstitle.html
   寿命調査LSS第14報の、「英文全文」、「要約」、「参考資料」にリンクしています。

■報告書原文の放影研によるコピー(英文全文)
Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors,
Report 14, 1950–2003:
An Overview of Cancer and Noncancer Diseases
http://www.rerf.or.jp/library/rr_e/rr1104.pdf

 放影研の寿命調査LSS第14報について、放影研は趣旨がまったく異なる2種の概要を研究所WEBサイトで発表してます。おそらく、論文筆者による論文趣旨を伝えたい「要約」と、論文趣旨を伝えたくないと思われる人が書いた「参考資料」です。

 2種の概要の存在は、確固とした事実です。どちらも放影研の公式WEB siteに同居しています。

A)は上記リンクの「要約」です。
http://www.rerf.jp/library/rr/rr1104.pdf
B)は上記リンクの「参考資料」です。
http://www.rerf.or.jp/news/pdf/lss14.pdf
B)は、A)の記述を必死に薄め、否定するような文章です。

A)では
「全固形がんについて、線形モデルに基づく男女平均の1 Gy 当たりの過剰相対危険度は、30 歳で被爆した人が70 歳になった時点で0.42(95%信頼区間[CI]:0.32, 0.53)であった。そのリスクは、被爆時年齢が10 歳若くなると約29%増加した(95% CI:17%, 41%)。全固形がんについて過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は0–0.2 Gy であり、定型的な線量閾値解析(線量反応に関する近似直線モデル)では閾値は示されず、ゼロ線量が最良の閾値推定値であった。
と述べていますが、
B)では
全固形がんについて過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は0–0.2 Gy であり、定型的な線量閾値解析(線量反応に関する近似直線モデル)では閾値は示されず、ゼロ線量が最良の閾値推定値であった。
この部分が完全に抜け落ちています。LSS第14報を快く思わない人、もしくはそれを正確に伝えたくない人が書いた解説なのでしょう。

解説B)について
次のような批判が出ています。B)自体が書き換えられたようです。
放射線影響研究所が論文の日本語概要を「改ざん」
http://fukushimavoice.blogspot.jp/2012/08/blog-post.html



  • 原爆被爆者の死亡率の研究 報告14 前半の対訳仮 by ni0615 PDF 426 KB