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質疑 空本誠喜君(民主)

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質疑 空本誠喜君(民主)





○川内委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 参考人に対する質疑は、理事会の協議に基づき、まず、各会派を代表する委員が順次質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。空本誠喜君。

○空本委員 おはようございます。民主党の空本誠喜でございます。

 本日は、参考人の皆様におかれましては、本当にお忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。

 貴重なお時間でございます。早速質問をさせていただきます。

 まず、福島県、そしてその近郊における汚染の問題についてお聞きしたいと思います。

 現在、かなりの地域、また私も、東北自動車道もしくは東北新幹線を、線量計を持って測定をしながら動いたことがございます。最近も、先週福島に行ってまいりました。その中で、やはりいろいろな地域で点在してホットスポットが今あるようでございます。そういった中で、これから、今福島県の方々が避難されておりますが、そういった方々がいつ戻れるのか、そういったことを考えていかなければならないかと思います。

 菅総理が五月四日、埼玉県で避難されている双葉町の町長さんの方に、年明けにはもう一度モニタリングを行って、それで結果を出して、帰れるかという判断をするというふうなことをおっしゃっておりますが、チェルノブイリのときに強制移住ということがございました。九一年に強制移住の正式な法律がウクライナとかでできたりしております。そのときには、年間五ミリシーベルトで強制移住という形をとっております。

 また、八六年、チェルノブイリ事故があってすぐは、旧ソ連邦においては若干甘い数値がありまして、しかし、これは国際的な非難を相当浴びました。さらに、これが一因となってソ連邦の崩壊にもつながっていった、国の崩壊につながっていったということもございます。

 そういった中で、今、線量マップ、汚染マップと言われておりますけれども、かなりの地域で高濃度の汚染がされている。五ミリシーベルト・年間、こういったものではなく、その数十倍、数百倍でございます。そういった地域において、これから移住、もしくはリエントリー、もう一回戻れるか、そういったことをどういうふうに判断されるかお聞きしたいと思います。

 まず、久住先生から御意見をいただければと思います。

○久住参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃるとおり、チェルノブイリにおきましては、事故の五年後に、五ミリシーベルトということで強制移住ということが法律上も決められたと承知しております。

 現在、福島県におきましては、関連の地域でそれより高い地域がございますが、先ほど来、別の参考人の方もおっしゃいましたけれども、非常に計画性を持ってうまくその汚染された地域を除染、改善措置をしていくということで、できるだけ広い地域に対して、住民の方々が帰れるような努力をするということがまず第一に必要ではないかと思います。

 では、その限度をどうするかということでございますけれども、私は先ほど、チェルノブイリの教訓も生かしてということで、その後国際的に議論された数字を示しましたが、私ども安全委員会といたしましては、国際的な基準に沿って、放射線の防護に対する助言を申し上げます。ただ、それをどのように判断され、総合的な判断が必要ということを先ほど申し上げましたけれども、どのように総合的に判断されていくかということは、議員の皆様初め行政の判断ではないかと思っております。

○空本委員 大変厳しい状況に今福島はございます。そういった中で、特に発電所近くの地域においては、除染をしても大変厳しい。ということならば、早い時期に、避難されている方々に対して正しい情報、そして、移住が必要ならば、そういった地域に移住していただくような対策を早期に提示すべきだと思うのですが、武田先生、そういった点で御意見をいただければありがたいのですが。

○武田参考人 日本の技術力、工業力、財力をもとにして、福島原発の近くも含めて一年一ミリシーベルトに下げて、数字をいじくるのではなくて、一年一ミリシーベルトに下げるということが不可能であるということは、私は全然そう思っていません。きちっと動員をして予算をかけてやれば、私は大地を取り戻すことができると思いますし、日本は国土が非常に大切ですから。

 今は、例えば年明けまでに帰れることを検討すると言っておられますけれども、何をして下げるのかということが全く示されておりません。これこそ、国が真っ先にやる。どうしても三ミリシーベルトぐらいまでしか下がらないというのであれば、その具体的な方法と時期を示して、そして説明をすべきだというふうに私は思います。

○空本委員 ありがとうございます。

 その中で、小学生の校庭の使用についての二十ミリシーベルトという値、先ほど申し上げましたが、チェルノブイリで強制移住が年間五ミリシーベルトです。これで二十、文部科学省の方は九・九九というような数字を出してきておりますけれども、大変厳しい状況にあることは間違いございません。そういった中で二十ミリシーベルトを与える。

 そして、そういった中でもう一点気になるのは、先ほど先生方からDNAに対する影響というのがございました。放射線を百ミリシーベルト以上与えると、顕著な、有意な、見えてきやすいと。本当は、レス百ミリシーベルトでも実際はその確率はありますということがございます。

 そのときに、一点お聞きしたいのは、年間百ミリ当たった場合と、例えば十年で百ミリ当たった場合、年間十ミリずつ当たった場合、そういったときの健康影響について、どのような影響があるか、どのような違いがあるか、崎山先生にお聞きしたいのですが。

○崎山参考人 それは線量率の問題で、例えば百ミリシーベルトを一遍に浴びる場合と一年かけて浴びる場合とは違う、そういう実験データはあります。

 そのために、ICRPは、六十年近く追跡調査した広島、長崎のデータ、そのリスクに二分の一を掛けているんです。二分の一を掛けて、先ほどお示ししましたような結果が出ているわけです。

 二分の一を掛けることが妥当かどうかということには議論がありまして、例えばヨーロッパの放射線リスク委員会は、それは掛ける必要はない、二分の一は多過ぎる、一でいいと。それから、アメリカの科学委員会は一・五分の一でいいと。だから、ICRPは一番過小評価して二分の一にしているわけです。ですから、あのデータはもう既に、分割というか遷延照射を考慮に入れたリスクであるということなんです。

○空本委員 ありがとうございます。

 年間の線量と、そして逆に累積の線量の考え方。線量、浴びた全量と浴びている率、これの考え方がやはり私たちはなかなかわかりづらいと思うんです。そこをしっかり理解しながらといいながらも、人工的に浴びる放射線というのは、発がんのリスク、確率的な影響のリスクを必ず持っているということを考えるならば、校庭の年間二十ミリシーベルト適用というのは、子供たちにとって、また妊婦さん、胎児にとってやはり影響を及ぼす可能性があるというふうに考えてよろしいでしょうか。崎山先生。

○崎山参考人 もちろんそうなんですが、特に胎児とか小児は細胞分裂が盛んですから、放射線に対する感受性は大人よりもずっと高いわけです。

 研究者によっては、年齢にもよりますけれども、ゼロ歳から九歳までで被曝した場合と、四十歳で被曝した場合では、そのリスクが十倍ぐらい違うと。これは広島、長崎の傷害調査でもそういうふうに言われています。ですから、特に子供の場合は注意しなければいけないということです。

○空本委員 ありがとうございます。

 本当に、子供さん、また妊婦さん、胎児の問題というのは大変重要な問題でありまして、感受性が高いということは間違いございません。その中で、今、年間二十ミリシーベルトを基準にしながら学校の、暫定的、夏休みまでと言っておりますけれども、これはやはり危険であるということは間違いないと思います。

 そういった観点で、即刻、安全委員会の方、しっかりと文部科学省に意見をいただきたいので、最後、久住先生からお願いしたいんですが。

○久住参考人 ただいま先生言われましたとおり、文部科学省は夏休み明けまでということを言っておりますが、先ほど私が一から二十ミリのバンドで、現存被曝状況と放射線防護的に申しますけれども、考えたということを申し上げました。あの場合は、必ずしも二十にしなければいけないというものではもちろんないわけです、先生御存じのとおり。もちろん、一から十の間、ただ、十といったときは十から一を目指す、できるだけ努力をして目指すという精神が入っておりまして、たとえ二十にしても、二十からできるだけ早く一を目指すという精神は入ってございます。

 私どもが文部科学省から事前に御相談を受けましたときには、いろいろ文部科学省のモニタリングデータ等を見せていただきますと、セシウムと沃素の割合が半々のところまで、フォールアウトが初めのときは、沃素が十でセシウムが一だったというように割合を記憶しておりますが、沃素の方は半減期が短いので、一対一まで減衰しておりました。その時点で一対一であるということは、沃素の影響というのは間もなく消えるであろう、計算上は一カ月では消えるであろうという計算をいたしました。

 それから、室内と室外ではかってみますと、室内では校庭の十分の一の線量であるということを確認いたしました。ということで、私どもは、文部科学省は一から二十ということを言ってこられましたけれども、そのとき私どもは、多分、二分の一になり十分の一になるという見込みでもって、そのバンドで開始されることは支障はないのではないでしょうかという御返事を申し上げたという趣旨でございます。それも、一年間そのまま累積してしまうということではなくて、あくまで、夏休みの終わるまでにいろいろな手段をとってくださいよという精神を込めて申し上げたつもりでございます。

○空本委員 ありがとうございます。

 とにかく、安全委員会から強く言っていただかなければこれは動きませんので、お願いいたします。

 そして、最新のパブリケーション一一一、二〇〇九年版では、一から二十の低い方でとれというふうに勧告されております。それをとるべきでありまして、また、一から二十のバンドの上は、九〇年勧告においては二十は職業人です。全くもって理解の仕方が違っております。そういった意味でも、正しい助言そして指導をお願いいたします。

 ありがとうございました。





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