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電力会社の秘密警察を務めたエネ庁と科学技術館

東京新聞2011.11.20より

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 Contents


1面「反原発の記事中傷 エネ庁への報告」

東京新聞2011.11.20一面トップ



反原発の記事 中傷
エネ庁への報告 詳細判明

経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)がメディアの原発報道を監視してきた問題で、チェックされた報道の詳細が、本紙が情報公開請求で入手した同庁資料で分かった。エネ庁は事業の趣旨を「不正確な報道の是正」と説明してきたが、事実関係が正しいかどうかにかかわらず原発の推進に反する記事が収集され、「低俗な社説」「勝手な反対派を勇気づけるだけ」などと中傷されていた。

資料によると、二〇〇八~一〇年度までの三年間で新聞や週刊誌の記事計二百七十五件が「不正確」として報告された。事業は外部委託で行われ、各年度とも異なる財団法人が受注しており、いずれも電力関係者らが役員を務めている。

報告記事は、原発に関する日々のニュースを伝える一般記事のほか、社説、読者投稿、広告まで及び、漫画も含まれていた。

地球温暖化対策として原発推進に言及した環境相に苦言を呈した二〇〇九年九月三十日の南日本新聞の社説に対しては「このような幼稚な社説を掲載する論説委員の質が問われる」と指摘。原発反対を訴え徒歩で旅をする男性を取り上げた同年四月十四日の佐賀新聞の記事には「目立ちたがりの行動をなぜ写真入り、三段抜きで報道するのか。勝手な反対派を勇気づけるだけで、社会の大多数のための政策の推進を阻害する」と報告した。

同年一月六日の朝日新聞に掲載された電機メーカーの広告は、太陽光発電への取り組みをPRする内容で原発に触れていないにもかかわらず「原子力の数倍の発電量を生み出せるような誤解を招く」と指摘していた。

報告された二百七十五件の八割は、主に原発が立地する自治体をエリアとする地方紙の記事で、最多は県内に伊方原発がある愛媛新聞の二十八件。以下、柏崎刈羽原発を抱える新潟日報が二十五件、玄海原発がある佐賀新聞が二十一件と続いた。

新聞や週刊誌を対象とした同事業は昨年度で終了しているが、本年度はブログやツイッターなどのインターネット情報に対象を変更して継続。外部委託費の総額は四年で一億三千万円に上る。エネ庁によると、これまでメディアに訂正を求めたことは一度もない。

◆あくまで検討資料
資源エネルギー庁原子力発電立地対策・広報室の話 正確な情報の発信が必要かどうかの観点から情報を分析しており、「原発推進に反する記事の収集」との指摘は当たらない。委託先の判断により不正確と思われる情報を当庁に提供してきたものであり、あくまで当庁として正確な情報の発信を検討するための途中段階の資料だ。

◆全てエネ庁に報告
09年度の事業を受注した日本科学技術振興財団の話 「不正確情報」は外部の原子力の専門家三~四人に作成してもらい、職員が内容を確認した上で、全てをエネ庁に報告した。できるだけ多くの判断材料を提供した方が良いと考えたからだ。何ら間違ったことはしていない。
(東京新聞)

引用者註:
秘密警察的事業を請け負った日本科学技術振興財団とは、東京都千代田区北の丸の「科学技術館」を運営する公益財団です。
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/2515495/



28面 メディア監視事業で「不正確」とされた事例

東京新聞2011.11.20-28面


これはまるで、教科書検定官の検定意見を観るようです。
驚くべきことに、新聞報道が隠れたところで検閲を受けているのです。
地方新聞およびその記者が、公然もしくは隠然と圧力を受けていたことが、容易に想像できます。

戦前の、特高資料や内務省警保局資料を読む思いでもあります。
こうした言論抑圧行為は、今も「ネット監視」という形で拡大しています。


(書きおこし)
エネ庁のメディア監視事業で「不正確」とされた主な事例
No 記事内容 エネ庁への報告
1 高レベル放射性廃棄物も数万年の管理が必要とされる(2009年4月24日、新潟日報) 生活環境に影響を及ぼさないよう隔離するため、特段の管理は必要ない
2 プルサーマルで講演会(09年6月8日、佐賀新聞) 記事全文が不正確、反対派の講演会開催を記事にする場合は、推進側の開催案内も同様に記事にすべきだ
3 高遠増殖炉もんじゅを訪ねた。…重い課題を次世代に背負わせるのではないか(09年8月2日、愛媛新聞 高速増殖炉には人類の存続がかかっている。「重い課題」ではなく「大きな夢」がかかっている。
4 どんな機械も寿命が設定されているのに原発にはないらしい(09年9月11日、朝日新聞 声) 自動車も廃棄した時が寿命だ。高経年化対策で理論的には寿命はいくらでも延ばせる
5 環境相意見書 原発推進の前に安全を(09年9月30日、南日本新聞社説) 環境とエネルギーは切り離せない。環境相がエネルギーの観点をふまえた意見を出すのは当たり前。幼稚な社説
6 (原発依存は)遠い将来の核廃棄物の処理まで考えれば、最悪の選択(09年10月6日、東京新聞 本音のコラム) 原発依存をやめればエネルギー対策として重大な支障を生じて、もっと重大なツケを子孫に残す
7 (チェルノブイリ原発事故のような)恐ろしい過ちを二度と繰り返さないためにも、太陽光発電などに転換(09年10月12日、東京新聞 中学生の投稿) 過ちを繰り返さないため原発をやめるならば、技術の進歩はない。太陽光などはあくまで補完エネルギー。幼稚な意見
8 核燃料サイクルにかかる費用、効果を検証することが欠かせない(09年11月8日、中国新聞) 費用はすでに試算できる範囲で試算されており、そのコストは他の電力に比べても違いはほとんどない
9 高浜原発で使用するMOX燃料は、危険性が高いにもかかわらず、国の審査基準はあいまい(09年12月3日、福井新聞) 運転30年超の原発もあるが、主要機器類は最新仕様のものに取り換え、決して“老朽化”ではない
10 潤沢な原発マネーを活用し、体育館や診療所、宅地などを整備(09年12月5日、デーリー東北) 「原発マネー」という表現は、前向きなイメージを壊すような印象を受ける
11 東京電力は(燃料破損のまま)二カ月間運転を継続。知事が停止要請をした後にようやく運転を止めた(09年12月16日、新潟日報) 東電は不正な運転ををしたのではなく、知事の横車にやむなく応じたというのが真相だ。冷やかし的な記事は慎むべきだ
12 上関原発工事「妨害で損害」 祝島島民ら中国電力が提訴(09年12月16日、山口新聞) 反対運動はごく少数の地元および他県から乗り込んできた者たちの活動。反対運動を支持するような報道姿勢は疑問
13 トラブルが相次ぎ、工程延期を繰り返してきた六ケ所再処理工場…(09年12月17日、東奥日報) 大小さまざまなトラブルを一様に報道するメディアの姿勢も問題。頑張っている所員の姿も報道してほしいものだ
14 核のごみの安全な処理、処分システムが確立されていない中で、原発依存だけが進む事態は、決して正常とはいえない(09年12月24日、北海道新聞) 技術の問題というより、住民の合意が最大の課題である。望ましくはないが、正常でないと断じるのはいかがか
15 (プルサーマルに関連し)自治体は拙速を避け、幅広い視点から検討をを進め、住民が納得できる結論を得る姿勢が重要だ(09年12月25日、河北新報) 拙速を避けるのはともかくとして、いつまでも結論を出さないのでは、困るのは国民である
16 (浜岡1,2号の廃炉について)低レペル廃棄物の処分先が未定のままなど課題は多い(09年12月28日、静岡新聞) 原手カ発電施設の廃止措置はすでに実績があるので課題が多いとはいえない。このような報道は不安をあおる
17 (柏崎刈羽6,7号の再開問題について)原発再開に欠かせぬ公開議論(10年1月12日、新潟日報、61歳男性の投稿) とんでもない要求である。住民が何を判断できるのか。このような際限のない要求が原発の設備利用率の悪化をもたらしている
18 伊方プルサーマル中止を、抗議文104通四国電に提出(10年1月15日、愛媛新聞) 反対活動はごく一部。四国電力ではプルサーマルについてHPで詳しく紹介している。これについて紹介する方が多くの読者に利する
19 伊方原発プルサーマル、『費用高く危険』、松山で勉強会、鎌田(慧)氏ら講演(10年1月18日、愛媛新聞) 鎌田氏の論調には合理性もなく、出まかせ。このような反原発者の意見を写真入りで大々的に論じることが問題である
20 9割『ノー』対岸の島、警戒、『温室効果ガス25%削減』建設後押しも(10年1月31日、東京新聞特報面) 「90年の水準で生活」とは電気を現在より40%使わない生活。原発がなければさらに27%の使用削減を強いられ全く不可能
21 柏崎刈羽原発で04~09年度、放射線管理区域内にたばこやガムが持ち込まれた(10年2月6日、新潟日報他多数) 原子カは記事の宝庫とはよくいわれるが、意図不明の記事はお粗末で陰湿なイジメ的でもある
22 (もんじゅ運転再関について)「原発推進の一機関に過ぎない保安院が再開を求めても信頼できず」(10年2月11日、福井新聞) 国の権威ある機関(保安院)の決定であり、これ以上の決定機関はない
23 敦賀1号40年超え了承を伝違 地元市民、経済界、理解示すも残る不安(10年2月22日、福井新聞) 「日々劣化が進み」「老朽原発」などの表現で不安をあおっているが、キチンとした点検、対応策を講じ、誇大表現というべきものである
24 原発回帰 頼りすぎてはいけない(10年2月24日、東京新聞、社説) 全体として原子力反対のトーンの社説。温暖化対策で原子力の位置づけは明らかになっている
25 核燃サイクル「破綻」伊方 市民団体が抗議集会(10年3月7日、愛媛新聞) 核燃サイクルが破たんしているというのは誤り、わが国は国策として着実に推進中である
26 女川原発3者協議 プルサーマル容認 安全徹底求める 地元住民 色濃い消極的賛成(10年3月8日、河北新報) (プルサーマルは)国策として着実に推進している。(反対派の)誤った勝手な発言を掲載するのは問題である
27 温暖化対策に原発?安全性尽きぬ不安(10年3月9日、東京新聞特報面) 反対派の意見を掲載し、タイトルには反対派の見解を大きく取り上げ、読者の不安をあおる記事になっている。意図的な偏った報道で問題
28 井野博満東大名誉教授は「原発事業者は都合よくデータを解釈している。国も、原発の寿命延長ありきの審査体制だ」(10年3月14日、毎日新聞) 科学的立場からの反原発の論客。しかし健全な立場をとる先生方の支持は受けていない。少数反対派の見解を掲載するのは問題
29 先が見えぬまま巨費が投じられ着々と進む原子カ政策(10年3月19日、北陸中日新聞) 原子カ政策に巨費が投じられているというのは誤解。原発の発電コストは安く、太陽光発電のコストは高い

引用者註:
上記は、ごく一部のようです。まんが「美味しんぼ」に対する中傷は、この表には有りませんが、29面記事に詳しく書かれています。
右欄の「エネ庁への報告」はどれも、虚偽もしくは感情的な中傷です。



29面 あきれた報道監視 美味しんぼ原作者「税金使って愚行」






(書きおこし)
あきれた報道監視

美味しんぼ原作者「税金使って愚行」
エネ庁の事業

  謎に包まれていたメディア監視事業の実態が、明らかになった。経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)の建前は「誤った報道の是正」。その裏側で、実際には委託業者を通じて幅広く反原発報道を集めていた。情報公開請求で開示された報告書には、感情的な中傷の言葉が並び、反原発の動きに神経をとがらせる本音が見える。
(森本智之、加藤裕治、1面参照)

 「あきれた。これでは批判のための批判ではないか」。南日本新聞の大野弘人論説副委員長は、自らの社説への言いがかりに驚く。

 大野氏は二〇〇九年九月三十日の社説で、原発推進の姿勢を明らかにした小沢鋭仁環境相(当時)を批判。推進をうたうより前に、民主党政権が公約で示した安全確保の確立と国民への丁寧な説明をするよう求めた。

 しかし、報告書は環境相の姿勢を「当たり前のこと」と肯定した上で、記事を「幼稚な社説」などと一方的に非難。記事の誤りをチェックするという本来の目的を逸脱し、社説の主張自体にクレームを付けた。

 大野氏は「報告書からは、周辺住民らが根強く持つ原発への不安に応えようどする姿勢が見えない。行政機関は、報道から施策の問題点を探って前向きに生かすものだと思っていた」と嘆く。「この社説を書いた後、現実に原発事故が起きた。残念です」

 新聞のコラムも標的になった。東京電力柏崎刈羽原発7号機で〇九年、燃料棒から放射性物質が漏れるトラブルがあり、新潟日報の同年十二月十六日の記者コラムは、新潟県の泉田裕彦知事の要請に応じて運転を停止した経緯を振り返った。

 これに対し、報告書は「あたかも東電は不正な運転をして、知事の注意で運転停止したような書きぶりである。実際は知事の横車にやむなく応じたのが真相だ」と書き立てた。

 このほか、現在の原子力行政に批判的な識者らが記事に登場すると、やみくもに攻撃する記述も目立った。

 批判の対象は新聞記事だけではない。人気グルメ漫画「美味しんぼ」も標的になっていた。漫画誌「ビッグコミックスピリッツ」の〇九年十二月七日号に掲載された回では「食と環境問題」と題し、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の問題点を論じた。

 すると報告書は、作中で主人公の新聞記者の同僚が「もし大事故が起こったら最悪の環境破壊です」と語った部分などの描写六点について、細かく批判。「いたずらに不安をあおる」などとなじった。

 原作者の雁屋哲さんは「書いたことは不正確ではない。電力会社に不都合なだけだ。報告書のコメントこそ不正確だ」と反論。「私も漫画の登場人物も、実名を明らかにしている。コメントした(財団の)人も実名を明らかにしなさい。エネ庁は国民の税金を使って電力会社の秘密警察を務めている。この愚行が公になって恥を千載(長い年月)に残すだろう」と憤った。

 一方、報告書は漢字の書き聞違えなどずさんなミスも多い。象徴的なのは「健全性」を「兼先生」と記した部分。それぞれ別の新聞記事へのコメントを記した二カ所で見つかった。誤記載を含む全文が一言一句同じで、一つの記述を使い回した跡がうかがえる。

 新聞名を実在しない「新潟新聞」「福島民法新聞」などと書いたり、掲載日の二〇〇九年を二〇一〇年としたりした箇所もあった。
(東京新聞)