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2-5 防災業務関係者等の教育及び訓練

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2-5 防災業務関係者等の教育及び訓練



(1) 教育

緊急時における災害応急対策が円滑かつ有効に行われるためには、国、地方公共団体の担当部局の職員はもとより警察機関、消防機関、自衛隊等の防災業務関係者が冷静沈着に判断、指示及び行動をすることが重要である。特に、周辺住民等の心理的な動揺あるいは混乱をおさえるためには、防災業務関係者が原子力防災対策に習熟することが最も重要となることから、国、都道府県、市町村等において、種々の災害応急対策を実施する防災業務関係者に、原子力防災対策に関する教育を行うことが必要となる。

教育の内容及び程度は、防災業務関係者の有している原子力に関する知識と防災体制における役割によって異なるが、原子力に関する基礎的な知識のほかに、原子力防災に関する内容として次のものが必要であると考えられる。

(イ) 原子力防災体制及び組織に関する知識
(ロ) 安全・防災対策を含む原子力施設に関する知識
(ハ) 放射線防護に関する知識(防災資機材の使い方、放射線の健康への影響等)
(ニ) 放射性物質及び放射線の測定方法に関する知識
(ホ) 防災対策上の諸設備に関する知識
(ヘ) 被ばくに対する応急手当の知識

これらの教育については、日本原子力研究開発機構及び放射線医学総合研究所等が実施している原子力防災に係る研修コースを充実して、活用することも重要である。

(2) 訓練

緊急時において種々の災害応急対策を円滑かつ有効に行うためには、前述の周辺住民等への情報提供及び防災業務関係者に対する教育訓練とともに、模擬的に防災システムを動かすことによって実効性の向上を図ることが重要である。そのため、定期的に防災訓練を行い、その結果を第三者も含めて評価検討し、防災体制のさらなる改善を図っていくことが必要である。

訓練の実施に当たっては、原子力防災対策の特殊性及び一般防災対策との共通点に着目する必要がある。原子力防災対策においては、原子力防災対策に関する教育を受けた防災業務関係者が、専門家等の指導・助言を受けて適切に周辺住民等に対して指示等を行い、これを受けて周辺住民等が秩序ある行動をとれば、一般防災対策と変わりなく実効性のある措置を講じることができる。したがって、防災業務関係者の教育や地域防災体制の整備状況とあわせて、通報、緊急時モニタリング、緊急被ばく医療等の防災活動
の各要素ごとに熟練度を高めていく訓練と、周辺住民等の参加も含め、国、地方公共団体、原子力事業者等の関係機関の連携を確認するための総合的な防災訓練を適切に組み合わせ、防災体制の充実強化を図っていくことが重要である。

防災訓練としては、その訓練ごとの目的を明確にしつつ、以下のような訓練について、実施することが必要と考えられる。この際には、様々な緊急事態の想定を行ったり、訓練対象区域や重点的訓練ポイントを変化させるなど実効性のある訓練としていくことが重要である。

(イ) 緊急時通報連絡訓練
(ロ) 緊急時モニタリング訓練
(ハ) (イ)、(ロ)及び周辺住民等に対する情報伝達等を組み合わせた訓練
(ニ) 国の支援体制を含めた各地域ごとの総合訓練
(ホ) 国による原子力災害対策本部の立ち上げ等を含めた総合合同訓練


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