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中日春秋
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中日春秋
2010年2月2日
「過去に目を閉ざす者には現在も見えなくなる」「未来に負担を負わせながら現在を楽しんではならない」
▼ともにワイツゼッカー元ドイツ大統領のよく知られた言葉だが、当然といえば当然のこと。例えば、前の晩、飲みすぎたことを認めなければ、今の二日酔いは説明がつかない。その上さらに度を越した飲み方をすれば、明日はもっとひどいことになる。現在は過去の未来であり、未来の過去である
▼日中両国の有識者による初の歴史共同研究の報告書がまとまった。歩み寄った部分もあれば依然、認識に溝がある所もあって評価はまちまち。確かに、政治体制の違いやナショナリズム感情への配慮もうかがえる
▼だが、双方が冷静に「過去」を見つめ合おうとする試み自体、両国の「現在」と「未来」のために、大きな意義があることは間違いない。もとより一度やれば劇的に進展するというような簡単な話ではない。何としても継続していってほしい
▼日本と中国、あるいは韓国との間にしても、その関係は、過去と現在と未来がそうであるのと同様、断ち切りがたい。いくら「もう、隣にはいたくない」と思ったとしても、日本がインド洋に移動する訳にも、中国や韓国が大西洋側に引っ越す訳にもいかないのだから
▼「けんかはしても兄弟だ」というのに似ている。どんな問題も、まずはそこを基点に考えたい。
