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中国建設の日本人慰霊墓、日本が管理費支援

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中国建設の日本人慰霊墓、日本が管理費支援


写真
方正県政府が管理を続けてきた日本人公墓=牧野田亨撮影


 中国東北部(旧満州)の黒竜江省・方正県で、敗戦時に死亡した日本人入植者の慰霊のために建てられた「日本人公墓」(共同墓地)に、日本政府が初めて維持管理費を支援することになった。

 中国側が日本人のために建てた唯一の墓として知られ、これまでは方正県政府が全額負担してきた。地元では「改めて中日友好の礎にしたい」と歓迎の声があがっている。

 敗戦の混乱のなか、方正県では厳寒と飢え、伝染病で入植者たちが次々に死亡。その数は約5000人に上る。生き延びた入植者の要望を受け、県政府は1963年、「日本人入植者も日本軍国主義の犠牲者だ」として遺骨を埋葬、高さ約3メートルの墓石を建てた。別の麻山地区で集団自決した約500人の墓石も隣に建てた。

 日本に戻れなかった入植者たちは残留婦人や残留孤児となった。公墓近くには、国交回復後に帰国した残留孤児が、中国人養父母を追悼する墓石を建立。一帯は「中日友好園林」(約1万4000平方メートル)として整備され、日本から毎年、遺族ら約1000人が訪れる。方正県からも親族訪問などで年間約2000人が日本を訪問し、友好の歴史に根ざした交流が続いている。

 県政府によると、常駐の管理人が清掃などを担当し、維持管理費は年間約20万元(約260万円)。2年前には約700万元(約9100万円)かけて園林に至る農道を舗装し、利便性を高めた。

 ただ、農業中心の県の財政は厳しく、今年に入って日本政府に費用の一部負担を打診。日本政府は40年以上もきちんと管理されてきた経緯を踏まえ、9月末、日本人公墓の維持管理費として年間3万5000元(約50万円)を支援することにした。

 県政府の王偉新・外事弁公室主任(38)は「日本の支援は大きな助けとなる。中日の懸け橋として、園林の役割は一層高まるだろう」と話している。(方正県で 牧野田亨)

(2009年10月10日14時09分 読売新聞)

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