事後公表盛り決定 教科書検定見直し/審議会報告書 文科相に提出


 【東京】沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」をめぐる教科書検定問題を契機にした検定手続き見直しについて、教科書検定審議会総括部会は二十五日午前、議事概要を事後公表するなどの改定策をまとめた報告書を正式決定し、塩谷立文部科学相に提出した。報告書を受けて、文部科学省は検定基準や検定規則の改正案を部会に提示。二十六日から来月二十四日までのパブリックコメント(意見公募)を経て、来年二月に告示、四月から施行する方針。


 報告書は、教科ごとの部会・小委員会の議事概要を審査終了後に公表するとし、「外部からの圧力がなく静謐な環境の下、委員が自由に議論し合意形成することが必要」と指摘、部会自体の公開は見送った。

 検定意見書の原案として教科書調査官が作る「調査意見書」や合否判定案も新たに公開対象とする。

 申請された教科書の情報が流出し、審議に支障があると判断された場合、審議の一時停止を取ることを明確化。訂正申請の内容などについて情報管理の徹底を求めた。

 一九六九年に定められた調査官の選考基準として、三十五―五十五歳とした年齢制限や「思想が穏健中性で身体健全である者」「人格が高潔で円満である者」などの要件がある。報告書は「今日的な状況にそぐわない面がある」として見直しを求めた。調査官の氏名や職歴も公表する。

 検定意見の伝達方法に関しては、時間的余裕を持って補足説明の場を設けるなど、より丁寧に伝わるよう運用改善を図るとした。

 教科書記述については「著者の一面的な見解や複数ある学説の一つを断定的に記述している」場合に、「選択・扱いの公正を求める規定」を適用するよう基準を見直すとした。

 塩谷文科相は「国民の信頼を得て、公正な手続きで検定が行われることが必要。教科書会社が(改定の)趣旨を理解し、著作・編集を行うよう文科省としても周知したい」と述べた。