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琉球新報社説:検定透明化 審議の全面公開が必要だ

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pipopipo555jp

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検定透明化 審議の全面公開が必要だ

2008年12月5日

 教科書検定手続きの透明化に向けた具体的な改善策を、教科用図書検定調査審議会(検定審)の作業部会が了承した。

 文部科学省の教科書調査官が作成した「調査意見書」の原案を公開の対象に加えるなど一定の前進は見られるが、会議自体は非公開のままだ。教科書検定の在り方が大きく改善されるわけではなく、根本的な解決策には程遠い。

 教科ごとの中身を審議する部会や小委員会は、開催日、出席委員、付議事項、決定事項、審議概略を検定審査終了後に公表するが、個々の委員の意見ややりとりは伏せる方針だという。

 これでは形式的に公表の体裁を整えただけだ。文科省などにとって都合の悪い意見は割愛される可能性が大きい。

 高校日本史教科書検定で沖縄戦「集団自決」の日本軍の関与が削除・修正された問題を通して浮かび上がったのは、検定過程の密室性だった。

 沖縄戦を研究する委員が一人もいない中で、教科書調査官が示した意見書に沿って結論を出した。審議会とは名ばかりで、ろくに議論もなされていない。

 同じ轍(てつ)を踏まないためには、審議内容を全面的に公開することが不可欠だ。部会、小委員会に所属する全委員の氏名、専門分野を事前に公表すると同時に、委員に委嘱した理由もつまびらかにすべきである。

 委員の人選に際し、学術的実績よりも政治的背景が優先されることは決してあってはならない。教科書が誤った方向に改変され、歴史をゆがめる恐れがあるからだ。

 どんな人が教科書の内容を決めているかという、基本的な事項さえ事前に公表しないのは到底納得できない。

 少なくとも、偏った考え方を持つ人物が検定に携わっていないか、国民があらかじめチェックできるようにすべきだ。審査が終わってからでは後の祭りだ。まず、教科書調査官や検定審委員の人選過程から透明化するよう強く望む。



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