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産経【田母神氏招致・詳報】(9)(10)(11)

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産経【田母神氏招致・詳報】(9)(10)(11)


(9)「国家観なければ国は守れない」


 11日の参院外交防衛委員会での田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人招致の詳報(9)は以下の通り。

【共産党・井上哲士氏の質問】


 井上氏
「小松基地でアパグループ会長の元谷氏以前に自衛隊協力者として民間人をF15に搭乗させた例はあったのか」

 浜田防衛相
「現在確認できる範囲では小松基地における部会者のF15への体験搭乗は平成18年度において6月に1回、同年8月に1回、同年12月に1回、計3回実施している。また20年度においては4月に1回、7月に2回の計3回を実施している」

 井上氏
「戦闘機に搭乗するのはまれだが、民間人の搭乗手続きとその決裁者はだれか」

 浜田防衛相
「部外者を自衛隊の航空機に同乗させて飛行する場合は航空機の使用および搭乗に関する訓令に基づいて幕僚長、または権限を委任された部隊などの長が自衛隊の広報業務を遂行するにあたり、とくに有効な場合において部外者の搭乗を承認している。昨年の8月21日の元谷会長らのF15体験搭乗については当時の航空幕僚長が承認している」

 井上氏
「なぜ異例の便宜供与をされたのか」

 田母神氏
「元谷代表は平成10年から小松基地金沢友の会の会長として、第六航空団および小松基地所在部隊を支援していただいた。この10年間の功績に対して元谷代表の希望もあり、部隊の要請もあり許可をした」

 井上氏
「アパグループはホテルも経営しているが、自衛隊員がこのホテルを利用する場合、何か特別な利用契約があるのか」

 浜田防衛相
「自衛隊員は私的にホテルに宿泊する際は福利厚生を目的に防衛省共済組合が契約した株式会社JTBベネフィットに申し込むことができる。この場合、JTBベネフィットが提携する複数の宿泊施設のひとつとしてアパグループの施設が含まれていることから、結果として同ホテルの宿泊料金の割引の適用を受けることができる」

 井上氏
「今年の1月30日に熊谷基地を視察して講話されていることが埼玉新聞に報じられているが、記憶にあるか」

 田母神氏
「はい、講話を行った記憶はあります」

 井上氏
「基地視察などに航空幕僚長が行う講話とか訓話はどういう性格のものか。職務権限に基づく教育的な中身と考えていいのか」

 浜田防衛相
「講話とか訓話について厳密な定義はないが、講話は部会者に対して広報目的で実施して、訓話は上級者が部内のものに対し教えを諭すことが多い」

 井上氏
「当日、1月30日に我が愛すべき祖国日本と題した講話の記録文書では、専守防衛は国策だが、これがずっと続くかは検討されなくてはいけないとか、南京大虐殺はだれもみていないとか、決して日本が侵略のために中国にいったわけではないと述べているが、記憶にあるか」

 田母神氏
「私はいつも前置きをしてしゃべるが、これは私の私見である。正しいかどうかはみなさんが判断してください、と。これは私の考えですということで話しているが、内容は論文と同じだと思います」

 井上氏
「今年の4月1日に空自の訓練の場で訓話にたって、南京大虐殺に触れ、自虐史観を悲観したと報道されている。論文と同じ趣旨の内容をさまざまな場所で訓話や講話をしている。その場で教育をしている。その内容が政府見解にも反しており、一自衛官の言論の自由という問題ではない。強力な権限をもっている人がその権限として講話をしている。重大ではいか」

 浜田防衛相
「大変重大との認識のもとに今回おやめになってもらった」

 井上氏
「参考人の講話では、自衛隊は親日派、保守派の代表として外に向かって意見をいわないといけない。問題が起きたときは航空幕僚長を先頭に、航空自衛隊が頑張るしかない。問題はなんぼ起こしてもいいから頑張ってください、と言っている。これはけしかけている。今回の集団応募の背景にもこういう問題がある。参考人は基地視察でどういう懇話や訓話をしてきたのか明らかにしてほしい」

 浜田防衛相
「すべて確認していませんので、今後検討させてください」

 井上氏
「田母神氏は平成16年の雑誌で『統幕学校では今年の一般過程から、国家観・歴史観という項目を設け、5単位ほどわが国の歴史から伝統への理解を深めさせるための講義を計画した。主として外部から講師を呼び実施している』。これは事実か」

 田母神氏
「はい、事実です」

 井上氏
「この一般過程の創設を主導したということでよろしいか」

 田母神氏
「はい。日本の国をですね、やっぱりわれわれがいい国だと思わなければですね、頑張る気になれませんね。悪い国だ悪い国だと言ったんでは自衛隊の人もどんどん崩れますし、そういうきちっとした国家観、歴史観なりをですね、持たせなければ国は守れない、と思いまして私がこの講座を設けました」


(10)「カリキュラムの中身は把握しておりません」と浜田防衛相


 11日の参院外交防衛委員会での田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人招致の詳報(10)は以下の通り。


【共産党・井上哲士氏の質問は続く】


 井上氏
「当時、統合幕僚学校長だったわけだが、陸海空のすべての幹部教育の体系を改定したということ。この教育はすでに4年間行っている。教育目的としては、上級部隊指揮官または上級幕僚としての職務を遂行するに必要な広範な知識、技能を習得させるとなっている」

 「具体的に平成16年度の教育目標をみると、健全な歴史観・国家観を育成し、防衛戦略研究および将来の部下指導に資する、となっている。平成20年のものをみると、例えば『大東亜戦争史観』『日本国憲法の本質』とある。ほかの年度をみると『東京裁判史観』という項目もある。こうした呼び名自体が侵略戦争を否定する中で使われる言い方だ。大臣は先日『今後とも、村山談話などの政府見解を踏まえた適切な幹部教育に務める』といわれたが、こういう内容の歴史観、国家観教育が適切とお考えか」

 浜田靖一防衛相
「いやあの、私もですね、今、委員からお話があったようなそのカリキュラム、中身については私も把握しておりませんので、今、その件に関して私の考えは申し上げられません。中身をみさせていただいて、どういうことなのか、ということは確認したいと思いますけれども、今この場で、発言はひかえさせていただきたいと思います」

 井上氏
「何が行われているかを把握していない。重大だ。資料では、講師名は伏せてある。なぜ伏せる必要があるのか。実は、平成18年の内容の一部は、大正大学の福地惇教授が4月17日に行ったとホームページで明らかにしている。講義目的は、第1に昭和の戦争は東京裁判の起訴状と判決によるような侵略戦争ではまったくなく、自存自衛のためにやむを得ない戦争だったこと。それが了解できれば、現憲法体制は論理的に廃絶しなければならない虚偽の体制だと断言できることを論ずることであります、と言っている。論文で明らかにしたにとどまらない、村山談話にも政府見解にも反するような、特異な歴史観を自衛隊幹部全体に職務として教え込むというやり方が、田母神氏が主導したといわれる。大臣、重大だとは思わないか」

 浜田防衛相
「その部分につきましてはですね、われわれ、統幕学校において平成15年度から一般過程でですね、歴史観国家観という科目を設けられておりまして、その科目がわが国の歴史について部外講師を講義などに実施している、ということも招致しております。ただ部外講師による講義は、歴史認識を含めさまざまな事項についてバランスの取れた見解と幅広い視野を有する自衛官を育成するために有意義であると考えております。他方、部外講師の選定については、自衛隊員が偏向した歴史認識を有することなく、歴史を客観的に理解することができるよう考慮しつつ、慎重に行う必要があると考えているところであります」

 「今、ご指摘にあったことがですね、逆に言えば、これを確認するという意味ではまだわれわれとすればそういったことも意識のなかにございませんし、逆に言えば、今、先生からご指摘のように、これは重大なことではないかといえば、まだこの影響がどのようにでているか把握をしておりませんので、今この場でお答えすることは控えさせていただきたいと思います」

 井上氏
「公然といえるような雰囲気、土壌を作ってきたことが問題だと思う。およそ、バランスが取れた中身だとは私は思えない。講師名を明らかにすること、幹部教育の内容の全容を明らかにしていただきたい」

 浜田防衛相
「先生のご指摘のことに関しましては、ご本人の意思の確認もさせていただかねばならないし、それに関してはお時間をいただきたい。ただ、こういうことを自由に議論しているからこうである、というご指摘がある半面、他の議員の先生からもっと議論をしてしっかりとはき出させることも重要だというご指摘もあり、われわれとしては今後、よい方法を選んでいきたいと思います」

 井上氏
「一自衛官の議論の自由という問題ではない。幹部教育として、任務として集めて教育している。もっと認識していただきたい。こういう事態のまま、自衛隊を外に出していくことは厳しく問われているし、この問題の一層の徹底究明が必要であって、テロ新法の採決は論外だ、ということを申し上げて質問を終わる」


(11)完「日本だけが悪いと言われる筋合いはない」


 11日の参院外交防衛委員会での田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人招致の詳報(11)完は以下の通り。

【社民党・山内徳信氏の質問】


 山内氏
「職責にある人が、個人と同じように論文を書くこと、あるいは若い自衛官の前で講話することが許されていいのか。本人は『逸脱していない』といった。したがって、政府として、防衛省として、自衛隊の再教育、自衛隊の中の総点検をする必要があると思うが、大臣、決意のほどを」

 浜田靖一防衛相
「それこそ、この案件というのが先程来、委員の先生方から極めて重大な問題というご指摘を、私自身も受けておるわけでございますので、その点は、今委員からご指摘の思いをしっかりと体してやっていきたいと思っておりますし、この問題、今日の委員会というものをですね、終わったからそれでいいというふうにも考えておりません。われわれは、しっかりと答えを出していかなければならないと思いますので、今の先生の決意ということでございますので、しっかりやっていくということを申し上げておきたいと思います」

 山内氏
「悪かったこと、教訓にしなければいけないこと、反省しなければいけないことは、政府はもちろん、現職の自衛官諸君もそういう視点に立って、国家観 歴史観を持たなければ、偏った歴史観、偏った国家観を持つと、その刃はどこに向くかは、戦前の日本の軍隊が示している。私は、怒りと、この時点で伝えておかなければならないことを言った。一言でいいから、私のこの見解に対して、反省する所があるかないかだけ尋ねる」

 田母神氏
「先生のおっしゃっていることが、私は、全面的に正しいとは思いません。悪いことを日本がやったというのであれば、じゃあ、やらなかった国がどこですかと、私は論文に書いてますが、日本だけがそんなに悪いといわれる筋合いはないし、また、私の論文が論文といえないということです。それは私が評価したのではなくて、審査員の先生方が評価してくれたことですから、それは私には関係ありません」

 山内氏
「集団的自衛権も行使できない、武器の使用も制限が多い、攻撃的兵器の保有も禁止されていると、田母神氏は文章の中で強調している。私は文章を読んで思った。田母神さんは相当、不満を持っていると。あなたは、集団的自衛権も行使し、あるいは武器も堂々と使用したいというのが本音ですね」

 田母神氏
「ええ、私はそうするべきだと思います」

(終わり)



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