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大江・岩波裁判の一審判決報告 外間明美

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大江・岩波裁判の一審判決報告


季刊 戦争責任研究第60号 2008年夏
http://space.geocities.jp/japanwarres/center/somokuji.htm
大江・岩波裁判の一審判決報告
外間明美(ほかま・あけみ/沖縄平和ネットワーク)


はじめに


 二〇〇八年三月二八日、大阪地方裁判所で言い渡された沖縄戦「集団自決」訴訟の判決は、原告梅澤裕氏と原告赤松秀一氏の請求を「いずれも棄却」し、被告大江健三郎氏と被告岩波書店が全面勝訴した(深見敏正裁判長)。判決は、沖縄戦の実相と沖縄戦研究の成果を踏まえ、慎重かつ丁寧に事実認定を行い、正当で妥当な判決といえるものであった。

 判決言い渡しのあったその日は、六三年前に渡嘉敷島で「集団自決」(強制集団死)が起こった正にその日でもあった。新聞では、裁判の結果と合わせて同島での慰霊祭の様子が報道され、この勝訴判決に対して、体験者や遺族そして教科書検定問題や裁判支援に関わってきた人々の安堵の声と「教科書検定意見撤回」に向けた決意の声が紙面を飾った。

 私は、二〇〇五年一〇月に沖縄平和ネットワークで立ちあげた「『集団自決』・集団死プロジェクト」の事務局に席を置き、また、二〇〇六年一二月に結成された「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」の運営委員として、本件訴訟の支援活動に関わってきた。ここではこの裁判について報告する。

一、沖縄戦「集団自決」訴訟とその争点


(提訴)

 二〇〇五年八月五日、原告を沖縄戦当時座間味島に配属された元隊長の梅澤裕氏と渡嘉敷島に配属された元隊長の故赤松嘉次氏の弟秀一氏の両氏、被告を大江健三郎氏と株式会社岩波書店として、原告らが被告らに対し、出版差止等を求める裁判が大阪地方裁判所に提訴された。

(請求)

 原告らの請求は、(1)被告岩波書店は、家永三郎著『太平洋戦争』、大江健三郎著『沖縄ノート』を出版してはならない。(2)被告岩波書店及び被告人江健三郎は、新聞に謝罪広告を掲載せよ。(3)被告岩波書店は、原告らに対し、各一〇〇〇万円を、被告大江健三郎は原告らに対し、各五〇〇万円を支払え、というものである。

(訴因)

 原告らは、被告岩波書店が出版している被告大江健三郎氏の著書『沖縄ノート』と家永三郎氏の著書『太平洋戦争』の渡嘉敷島・座間味島における集団自決に関する記述は虚偽であり、両島で起きた集団自決が隊長の命令によるものではなかったと主張した。そして一九七〇年に出版した『沖縄ノート』は三五年の間に虚偽を訂正するに十分な時間も機会もあったにもかかわらず、執拗極まりない虚偽記載による名誉毀損を続けており、家永三郎氏の『太平洋戦争』も『沖縄ノート』と同様に名誉毀損を続けている。従って、前記各書籍の虚偽の記述によって原告梅澤裕氏と赤松大尉の社会的評価を低下させられ、両氏の名誉が傷つけられたのであり、原告赤松秀一氏は、兄である赤松大尉に対する敬愛追慕の情を侵害されたのであるから、被告らに対して前記各書籍の出版差止等を求めるというものである。また「集団自決」が両隊長の命令によって行われたとの説は、渡嘉敷島・座間味島の住民が、援護法の適用を受けるために捏造したものであり、その本質は、住民の自発的な死であり、「家族愛による死」或いは「無理心中」であり、「国に殉ずる美しい死」であるというものである。

(争点)

 以下に、座間味島と渡嘉敷島の隊長命令の有無に係る部分に限定してその争点を簡単に整理する。

(座間味島・原告主張)
 座間味島における「集団自決」については、原告梅澤は自決の命令を下していないと主張し、それが真実であることの最大の根拠として宮城晴美著『母の遺したもの』(高文研、二〇〇〇年)をあげた。この書籍は著者である宮城晴美氏の母初枝氏の手記が収録されたものである。原告梅澤は、この書籍について「隊長命令を否定し、『集団自決』は村の助役命令によって行われたこと、戦後、援護法の適用を受けるために『隊長命令説』が作り出された経緯を明らかにした書籍」であると主張した。更に助役の実弟で座間味村の戦傷病者戦没者遺族の援護業務を担当していた宮村幸延氏から援護申請の際に、梅澤隊長の自決命令があったと虚偽の記載をして申請したことを認めて詫び、同氏がその旨を記して、原告梅滞に渡したとする念書を証拠として提出した。

(座間味島・被告主張)
 それに対して被告らは、「母の遺したもの」に収録された初枝氏の手記は、原告梅澤は、宮里助役らの「爆弾を下さい」という申出を聞いた後、「今晩は一応お帰りください」と答えたとなっており、原告梅澤の主張と食い違うことから、「隊長命令説」を否定する根拠となりえないと主張した。更に著者の宮城晴美氏は被告申請の証人として法廷に立ち「母は、隊長が自決をするなと言っていれば日記にそう書いているはずだ。母からそのような話は聞いたことがない」と証言し、「母の遺したもの」の出版後、新たに出てきた資料や証言をあげて、原告らの主張を正面から否定した。助役の妹が「兄は『軍からの命令で敵が上陸したら玉砕しなさいと言われている…』と語っていた」と証言し、それが陳述書として提出された。

 宮村幸延氏の念書については、同氏自身は沖縄戦当時、座間味島にはいなかったので係る事実について知り得る立場になく、原告らが提出した念書は、原告梅澤らに酒をすすめられ、泥酔状態で書かされたもので本人はまったく覚えてないと証言し、その証言をもとに書かれた論文宮城晴美著「仕組まれた『詫び状』(『歴史と実践』第二六号二〇〇五年七月)」を証拠として提出した。

(渡嘉敷島・原告主張)
 渡嘉敷島における「集団自決」についての原告赤松の主張は、兄の赤松大尉が、「集団自決」を命じた『神話的大悪人』に仕立て上げられ、一九七〇年三月に渡嘉敷島に渡ろうとした際に、反戦団体などの抗議によって、島に渡ることが出来ないという事件が起こり、これを全国の新聞、雑誌が騒ぎ立て赤松氏の悪評が一気に広がり、赤松大尉や家族に対する批判も広がった。しかし、一九七三年に出版された曽野綾子著『ある神語の背景』(文芸春秋)によって、赤松大尉が隊長命令を出したという証拠はなく、隊長命令説が虚偽であるということが明らかになり、それ以降、赤松隊長命令説は虚偽であったということが一般化しているというものである。

 更に援護法が適用される前に支給対象者の調査担当者であったという琉球政府社会局援護課の元職員の証言によっても捏造であったことが明らかになったと主張した。この元職員は「渡嘉敷島で一〇〇人以上の人から聞き取りをしたが、軍命令とする住民は一人もいなかった」、「赤松大尉に命令を出したことにしてほしい」と依頼し、赤松大尉の同意を得た上で遺族たちに援護法を適用するため、軍による命令ということにし、自分達で書類を作り、その書類を当時の厚生省(当時)に提出したと証言している。

(渡嘉敷島・被告主張)
 それに対して、被告らは、「ある神話の背景」については、著者である曽野綾子氏は、取材過程において兵事主任に会ったことはないと述べているが、曽野綾子氏が渡嘉敷島を調査した一九六九年当時、兵事主任が、渡嘉敷島で二回ほど曽野綾子氏の取材に応じていることが明らかになり、「ある神話の背景」は一方的な見方によって、不都合なものを切り捨てた著作であるといわざるをえない。また、琉球政府の元職員については、琉球政府の人事記録を確認したところ、元職員は、「集団自決」に援護法の適用が決まった一九五七年には援護課に在籍しておらず、また厚生省(当時)に提出したとする書類を同省に公開請求したところ、そのような書類は確認出来ないとの回答を得た。従って、元職員の証言は信用でないと反論した。


二、一審判決(深見判決)について


(名誉毀損)

 一審判決は、まず名誉毀損が成立するか否かということを判断している。

 名誉毀損については刑法二三〇条に規定されている。その成立要件は大きく三つに分けることができる。(1)公然性、(2)事実摘示性(但し民事訴訟は評論を含む)、(3)名誉毀損性である。判決は「沖縄ノート」と「太平洋戦争」の記述はこれらの要件を満たしていると判断し、前記各書籍が、原告梅澤と赤松大尉の社会的地位を低下させていると判示した。

 しかし、表現の自由との関係で、刑法二三〇条の二が規定され、名誉毀損行為が「公共の利害に関する事実に係り、かつその目的がもつぱら公益を図るものである場合に、摘示された事実が……真実であることの証明があった時には」これを罰しないと規定されている。更に最高裁判例で「仮にその事実が真実であることの証明がなくても、行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときは、その故意又は過失が否定され、不法行為は成立しないものと解するのが相当である」(最高裁判例昭和四一年六月二三日判決)ということが確立している。これが真実相当性といわれるものである。

 従って裁判所は、「沖縄ノート」と「太平洋戦争」の記述は、外形的には名誉段損を構成しているが、前記の真実性及び真実相当性の有無を検討し、不法行為が成立するか否かの判断を加えていった。そして結論は、「原告梅澤及び赤松大尉が座間味島及び渡嘉敷島の住民に対しそれぞれ本件各書籍にあるような内容の自決命令を出したことを真実と断定できないとしても、これらの事実については合理的資料又は根拠があるといえるから、本作各書籍の各発行時及び本訴口頭弁論終結時において、被告らが前記事実を真実であると信じるについての相当の理由があったものと認められ、被告らによる原告梅澤及び赤松大尉に対する名誉毀損は成立せず、従って、その余の点について判断するまでもなく、これを前提とする損害賠償はもとより、本件各書籍の出版等の差止め請求もまた理由がない。」と判示した。

(真実性および真実相当性)

 では判決は、どのようにして真実相当性を導き出したのかについて判決の内容を紹介する。

(座間味島について)
 座間味島については、「集団自決については日本軍が深く関わったものと認めるのが相当」であり、その理由として「体験者らの体験談は、具体性、迫真性を有し、その信用性は相互に補完し合う」、「第三二軍が防諜に意を用いていた」、第二戦隊の野田隊長が慶留間において「敵上陸の暁には全員玉砕」と住民に対して訓辞をしていたとの証言があること、米軍の「慶良間列島作戦報告書」で「民間人たちは捕らわれないように自決するよう指導されていた」との記述、日本兵から手榴弾が渡されていたこと等をあげた。

 そして第三二軍を最高機関として、座間味島では原告梅澤を頂点とする上意下達の組織であったと認められるから「座間味島における『集団自決』に原告梅澤が関与したことは十分に推認できる」とした上で、体験者の供述等から、原告梅澤による自決命令の伝達経路等が判然としないこと、原告梅澤の言辞を直接聞いた体験者を全証拠から認められないこと、「鉄の暴風」等は取材源が明示されていないことから、「『太平洋戦争』にある『老人・子どもは村の忠魂碑の前で自決せよ』との梅澤の命令それ自体まで認定することには躊躇を禁じ得ない」としたが、これまで認定した各証拠から、原告梅澤が「集団自決」に関与したものと推認できること、日本軍の隊長が住民に対して自決命令を出したとするのが通説であったこと、緒文献とその信用性があることから「原告梅澤が、座間味島の住民に対し、『太平洋戦争』記載内容の自決命令を発したことを直ちに真実と断定できないとしても、この事実については合理的資料若しくは根拠があると評価できるから、…被告らが前記事実を真実であると信じるについての相当の理由があったLと判示した。

(渡嘉敷島について)
 渡嘉敷島については、座間味島と同一の理由に加えて「赤松大尉が上陸した米軍に渡嘉敷島の住民が捕虜となり、日本軍の情報が漏洩することをおそれて自決命令を発したことがあり得ることは容易に理解でぎる」し、赤松大尉の北山陣地北方の盆地への集合命令後に発生していること、赤松隊の住民に対する加害行為を根拠に座間味島よりも強く赤松大尉の関与があったことを認定している。

 また手榴弾は極めて貴重な武器であったことから「手榴弾が『集団自決』に使用されている」こと、原告ら申請の皆本証人が手榴弾の配布について「戦隊長の了解なしに勝手にやるようなばかな兵隊はいなかったと思う」との証言をあげて、「赤松大尉が『集団自決』に関与していることは、強く推認される」としている。そして座間味島と同様に、第三二軍を最高機関として、渡嘉敷島では赤松大尉を頂点とする上意下達の組織であったことから、「『集団自決』については日本軍が深く関わったものと認めるのが相当」であり、「渡嘉敷島における『集団自決』に赤松大尉が関与したことは、十分に推認できる」と判示した。

 そして結論は、「『沖縄ノート』にある『…住民は、部隊の行動をさまたげないために、また食糧を部隊に提供するため、いさぎよく自決せよ』との赤松大尉の命令の内容それ自体まで認定することには躊躇を禁じ得ない」が、赤松の「集団自決」への関与が推認できること、隊長の自決命令は通説であったこと、諸文献の存在とその信用性が認められることから「赤松大尉が『沖縄ノート』にあるような内容の自決命令を発したことを直ちに真実と断定できないとしても、この事実については合理的資料若しくは根拠があると評価できるから、……被告らが前記事実を真実であると信じるについて相当な理由があった」と判示した。また、援護法の適用をうけるための捏造説については、両隊長命令説は「援護法の適用が意識される以前から存していたことが認められるから、援護法適用のために程造されたものであるとする主張に疑問が生ずる。また、…隊長の命令がなくても戦闘参加者に該当すると認定された自決の例もあったことが認められるから、梅澤命令説及び赤松命令説を捏造する必要があったのか直ちに肯定し難い」と判示した。

(書証や証言の評価)

 裁判所は、結論を出す上で、これまでの学説の状況、各種資料等を丁寧に検討し、それぞれの書証に評価を与え、原告らが提出した書証については、悉く「信用できない」「隊長命令を否定するものではない」等と判断し、「母の遺したもの」については、初枝氏が木崎軍曹から手榴弾の交付を受けたとの証言記述が存することから座間味での「集団自決」に軍が関係したことを窺わせると指摘している。

 また、沖縄戦体験者の体験談等の真偽を慎重に検討した結果、体験者の体験談は、「具体性、迫真性を有し、その信用性は相互に補完し合うという認定をし、「集団自決」に対する日本軍の深い関与の最大の根拠としている。

 これは裁判所が、沖縄戦の実相に真摯に向き合った姿勢の現れであるとともに、より本質的には、これまでの沖縄戦研究において沖縄戦体験者の証言とその客観性を高めることを追及してきた研究成果の具体的反映でもあったということができる。

(玉砕訓示と手榴弾配布について)

 第三二軍を最高機関として座間味島・渡嘉敷島では原告梅澤と赤松大尉を頂点とする上意下達の組織であったと認められることから、その組織の最先端にいる日本兵から貴重な武器である手榴弾が住民に渡されたということ、また、第二戦隊の野田隊長が慶留間における「全員玉砕」と住民に対する訓辞についての証言、米軍の報告書に「民間人たちは捕らわれないように自決するよう指導されていた」という記述からして、座間味島・渡嘉敷島の住民も慶留間と同じ状況に置かれていたことが推認できるとしたのである。しかも判決は、手榴弾の交付について、渡嘉敷島にいた皆本証人が「恐らく戦隊長の了解なしに勝手にやるばかな兵隊はいなかったと思います」と証言したことや、「原告梅澤自身も、……村民に渡せる武器、弾薬はなかった」との供述を踏まえ、「原告梅澤の了解無しに木崎軍曹が宮城初枝氏に手榴弾を交付したというのは不自然である」、「貧しい装備の戦隊長である原告梅澤がそうした部下である兵士等の行動を知らなかったというのは、……極めて不自然である」と判示している。沖縄戦当時の軍隊の実態が、はからずも旧軍人の証言によって明らかにされたことは極めて重要であり、このような間接事実をいくつも積み上げることによってなされた認定過程からいえば、貧しい装備の戦隊が隊長の命令無しに手榴弾を配るということはありえないとの結論でもおかしくない。

(実相に踏み込んだ判決)

 裁判支援活動を進めていく中で「判決に沖縄戦の実相を委ねる立場ではない」ということを繰り返して確認してきた。そして裁判所も「当裁判所としては、事実の存否の解明それ自体が目的ではなく、これまで判示した損害賠償請求等の要件へのあてはめを立証責任を踏まえて判断することになる。……しかし、集団自決が発生して相当時日が経過し、関係者の多くが既に死亡していると考えられることから、集団自決を体験したと供述し、諸文献に記載されている諾文献の作者に対して反対尋問権を行使し得ず、その弾劾ができない場面に遭遇せざるをえない」と司法的な限界も存することを述べている。それでも我々の予測以上に沖縄戦の実相に踏み込んだ内容となった判決は、多くの人を励ましてもいる。「時間の壁」に挑んだ裁判所の姿勢は、現在の沖縄戦研究に通じるものがある。そういう意味でも更なる判決の検証が必要だと考える。


おわりに


 一審判決は、被告らの立場から見れば完全勝訴といえる内容であった。しかし、一方では、沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)研究に対して課題を提起しているものと考える。梅澤・赤松両隊長命令説については「真実と断定できない」とし、その理由は隊長による自決命令の伝達経路が判然としないこと、両隊長の命令を直接聞いた体験者を全証拠から認められないこと等をあげている。

 しかし、繰り返しになるが、一審判決は、裁判所が検討した各書籍、資料、体験者の証言、証人・本人尋問での各供述から「軍命・隊長命令があったことは認定できる」との結論になってもおかしくない論理構成である。

 真実相当性から真実性に近づくために「自決命令の伝達経路の解明」が課題として提起されている。本訴訟において「集団自決」(強制集団死)は、軍の上命下達の関係の中か、軍の住民に対する防諜対策を徹底する中で発生したことが確認されている。従って、地上戦が始まるまでの軍による住民統制の実態を検証が必要なのではないかと考える。

 尚、一審判決後、原告らの訴訟支援組織の代表である藤岡信勝氏は、「新証言」ということで座間味島の宮平秀幸氏から聞き取ったとする証言を雑誌やホームページに載せ、隊長命令説を否定する準備を着々と進めている。しかし、宮平秀幸氏の証言には一貫性がなく、その信用性に疑いが存することはいろいろな方から指摘されているところであるが、沖縄戦の実相を書き換え、「集団自決」を「美しい死」に仕立てあげようとする原告らのプロパガンダは益々活発になっている。

 判決報告集会において、岩波書店や弁護団から「一審で勝訴したからといって控訴審での勝利が必ず約束されているものではないので更に気を引き締めて臨んでいきたい」という趣旨の発言があった。我々も同じ気持ちで控訴審を支援していきたい。現在、支援組織では「一審判決を維持し、控訴棄却」を求める署名活動を展開している。多くの方の協力を呼びかけるとともに支援活動に参加していただきたいとお願いをして結びとする。

(ほかま・あけみ/沖縄平和ネットワーク)


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