9.29「教科書検定意見撤回を求める県民大会」から1年 主催者が那覇で会見

比嘉康文2008/10/02


昨年9月28日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」からちょうど1年たった29日、主催6団体が沖縄県政記者クラブで会見し、文科省に「検定意見撤回」など大会決議の実現を求める声明を発表した。

「9・29県民大会決議の実現に向けた、新たな結束を!」を呼びかける玉寄さんたち。
 高校の歴史教科書に沖縄戦の集団自決での「軍命」記述を求めた昨年9月28日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」からちょうど1年たった29日、主催団体だった沖縄県婦人連合会や沖縄県子ども会育成連絡協議会など6団体が沖縄県政記者クラブで会見し、文部科学省に「検定意見撤回」など大会決議の実現を求める声明を発表した。

【9.29県民集会の報告記事】(音声付き)

 教科書検定意見の撤回を要求する動きは継続されており、8月5日には県議会にたいして超党派の結束を再び要請するなど、動きが活発化している。また、「大江・岩波裁判」の一審判決で軍命を推認する判決があるなど、「軍命」は歴史認識として動かし難い事実となってきた。

 県民大会の副実行委員長だった玉寄永哲さんは「文科省は県民大会以降も検定意見の撤回をしていないし、日本軍が強制した集団自決の記述も認めていない」、また文科省は「沖縄県民が『なぜ怒ったのか』全く理解していない」と批判した。そして「教科書審議官が歪曲(検定意見)の拠り所にした『大江・岩波裁判』にしても、裁判では原告の主張がことごとく退けられ『軍命は推認できる』と明確な判決が下された。しかも、9月の大阪高裁の最終弁論で原告側は、この裁判は『政治的意思』もあったとし、教科書検定意見を『大きな成果の一つだった』ことを明らかにしています。つまり、当初から政治的意図で『沖縄戦の歪曲』を企図していたことになります。改めて私たちはこのような動きに組みした文科省の責任を不問にするわけにはいきません」と述べている。


県民大会の決議の実現を訴えに関心を示した大勢のマスコミ。
 「大江・岩波裁判」の第二審の最終弁論で原告側が「政治的意思」を持ったものであることを明らかにしている以上、文科省は「歴史教科書を歪曲している側に組みし、政治的な意図で教科書の軍命強制を削除させた」ことになる。つまり、文科省は自ら政治的に偏向した教科書づくりをしていたことが明らかになった。教科書検定で、文科省がいつも口にする「中立」「公正」の姿は、今回の教科書裁判にはまったく見られないということになる。

 玉寄さんは「沖縄戦の事実は事実としてしっかりと教科書に残すべきであり、事実を歪めてはならない。そのことを私たちは求めているのです。だが、現状は何ら解決されず、しかも今後中学校教科書にも懸念されるような動きがあり、私たちは引き続き『県民の思いを持続』させなければなりません。その意味で『まだ道なかば』といわざるをえません」と延べ、運動の継続性の必要性を訴えている。

 玉寄さんたちが県議会に要請した超党派での再結束については、今のところ、自民党が態度を決めていない状況である。