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共同通信 集団自決「軍が深く関与」 元守備隊長らの請求棄却

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集団自決「軍が深く関与」 元守備隊長らの請求棄却




判決後に記者会見する作家の大江健三郎さん
=28日午前11時6分、大阪市北区の大阪司法記者クラブ

 太平洋戦争末期の沖縄戦で軍指揮官が「集団自決」を命じたとする岩波新書「沖縄ノート」などの記述をめぐり、沖縄・慶良間諸島の当時の守備隊長らが、岩波書店と作家大江健三郎さん(73)に出版差し止めなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は28日、請求を棄却した。元守備隊長らは控訴の方針。

 判決理由で深見敏正裁判長は「集団自決に軍が深く関与したのは認められる」と指摘。その上で「元守備隊長らが命令を出したとは断定できないとしても、大江さんらが命令があったと信じるに相当の理由があった」とした。

 この訴訟は軍の「強制」の記述削除を求めた教科書検定意見の根拠の一つともされたほか、ノーベル賞作家の大江さん本人が出廷し証言するなど司法判断が注目を集めていたが、判決は史実論争に一歩踏み込んだ形となった。

 判決は、軍が関与した理由として(1)兵士が自決用の手りゅう弾を配ったとする住民証言(2)軍が駐屯していなかった島では集団自決がなかった-を挙げた。

 その上で「守備隊長の関与は十分推認できる」としたが、命令の伝達経路がはっきりしないことから「本の記述通りの命令まで認定するのはためらいがある」とした。

 深見裁判長はさらに、沖縄ノートの記述について「かなり強い表現が使われているが、意見や論評の域は逸脱していない」と指摘。これまでの教科書検定の対応や、学説、文献の信用性などから「記載の事実には根拠があった」と結論づけた。



2008/03/28 11:47 【共同通信】
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