Scar of Braingeyser
Top Notch Tech: Black in Standard
最終更新:
braingeyser
Top Notch Tech: Black in Standard
- 原文
- Top Notch Tech: Black in Standard
- 著者
- Brian Kibler
- 訳者
- o) nira.
- 投稿日
- 2002-02-23
- 更新
- 2003-05-23
は暇な時いつもデッキをつくる。この間もそうだった。暇で暇で、OBCをやる人もいなかったから、スタンダードのデッキをつくることにした…Tormentは黒のカードを満載しているんだから、もちろん黒をベースにしよう。これでこの『黒いセット』がトーナメントでちゃんと活躍するかどうか分かるってもんだ。
さて、ここで二つの選択肢にぶちあたった:コントロールでいくか、ビートダウンに走るか。俺はMutilateとかCabal Coffer+Soul Burnとかを満載するのも面白いが、やっぱり今の青いコントロールに対抗するためにはビートダウンがいいと言う結論に達した。様々なカウンターやFoFの嵐をたっぷり搭載してあるクリーチャーで切り抜ける、と言うのはかなりいいアイデアに聞こえた。
つーわけでビートダウンだ。一番このデッキに入れたいカードは何だろう?
Nantuko Shade。決まってんじゃん。このパンプつき2/1は黒ビートダウンがSTDで生き延びてゆくために必須であるカードだ。序盤のカウンターをくぐり抜けられる程度に軽く、序盤からダメージを継続的に与え続けることができる癖して、中盤・終盤と時計が進んでもそのころにはエンダーになることができる。Nantuko Shadeは第2ターンでも第20ターンでもニコニコしながらプレイし、場を支配できる代物だ。
残念ながらNantuko Shadeに匹敵する程強いクリーチャーは今黒にはいない…1マナ2/2ゾンビの時代はもう去ったのだ。もちろんMagicにとっては良いことかも知れないが、我々の崇高な目的…黒ビートダウン…に問っては不幸以外の何ものでもない。石器時代のアグレッシブな黒デッキにはかならず入っていたErg RaidersもFallen Askariも今はもういない…Phyrexian Negatorでさえも。ましてやBad Moonなんて期待する方が間違っている。ああ、あの古き良き日々よ。
がそんんあことは気にしない。もちろん1ターン目のDark Ritualから5/5トランプルや2/2を3体だすなどの胸がスカッとすることはもうできないにしても、相手を暗黒で包み、その顔を苦悶の表情でゆがめることはできる…昔よりちょっとだけ遅く。SkizzikやRaging Kavuのようなクリーチャーでガンガン逝っちゃうことは今はできないとしても、今のクリーチャーだけで相手を死に至らしめることは十分にできる。
もっとディープにTormentのリストをじっくりと見ていると、もっといろいろ見えてくる。Mesmeric Fiendは限定戦でかなりの評価を受けたカードだが、あまり構築戦では評価されなかった様子だ。だがコイツはDuressと同じように相手の重要なカードを潰すことができる。Chainer's Edictは最初から評価が高かった。どんなクリーチャー(愛しのEnforcer様でも)が場にいたとしても、コイツが手札か墓地にあれば攻撃を通すことができる!
Tormentはアグレッシブなデッキに様々なクリーチャーやユーティリティーを与えてくれる。いいっすよ。
- Aggro Black
-
- Land
-
- 16 Swamp
- 4 Tainted Peak
- 4 Sulfurous Springs
- Creature
-
- 4 Nantuko Shade
- 4 Mesmeric Fiend
- 4 Ravenous Rats
- 4 Phyrexian Rager
- 4 Braids, Cabal Minion
- 4 Flametongue Kavu
- 2 Ichorid
- 2 Shambling Swarm
- Spell
-
- 4 Duress
- 4 Chainer's Edict
- SIDEBOARD
-
- 4 Slay
- 4 Phyrexian Arena
- 2 Shambling Swarm
- 2 Mortivore
- 2 Persecute
- 1 Ichorid
このデッキは、ただ単にビートダウンデッキをつくろうとしただけではなく、ちゃんとメタゲームに参戦できるような構築にしたつもりだ。この環境では、Raging Kavu、FoF入りPsychatog、そしてEnforcerのすべてに対応できるようなデッキでなくてはならない。あ、Terravoreも忘れずにね。
ただ単にアンチサイカトグやアンチ赤緑を作っただけでは、メタに入れてなかったデッキをあたったときに死ヌルので、Kai Buddeでもない限りはやらないほうがいいだろう。つまりこの環境ではコントロールにもビートダウンにも耐性がなくてはならない。
このデッキの基本的な戦術は簡単だ。コントロールに対しては、きちんとしたマナカーブにそったビートダウンクリーチャーと、DuressやMesmeric Fiend、そしてBraidsのような妨害カードをフル活用して叩きのめす。手札を見れるハンデスはカウンターかクリーチャー除去を抜くのが1番賢いやり方になるだろう。それでこそShadeで潰したりBraidsで相手の土地を食べたりすることができるのだ。そもそもBraidsに対応できるデッキはとても少ないと言っても良いので、かなり有利な戦局となるだろう。
ビートダウンに対しては、テンポ良くかなりのカードアドバンテージがとれるはずだ…Ravenous Rats、Phyrexian Rager、Shambling Swarm、Flametongue Kavuをガンガンに使っちまうのだ。Chainer's Edictは邪魔なヤツラをブチノメスし、パンプしたNantuko Shadeに勝てるようなやからはなかなかいないだろう。常にカードアドバンテージとテンポアドバンテージがとれるであろうこのデッキではBraidsはとってもいい。また、アグレッシブなデッキには土地の枚数がかなり切り詰めてあることが多いので、マナ・カーブを保つためにはBraidsをどうやってか除去しなければならない。そして、Braidsが除去されたなら、ますますカードアドバンテージがとてることとなるだろう。
ごたくはいいから、結局、このデッキは勝てるのか?と言いたい読者も入るだろうから、本題。
結論:勝てる。
このデッキを使い、ふたつのオンライントーナメントに参加してみたところ、両方1位でフィニッシュすることができた。
メタ
- Psychatog:
-
スタンダードの王。私がこの黒赤をデザインするときに気をつけたことは、まずこのPsychatogデッキに確実に勝てるようにすることだった…そしてその試みは成功した。
Togデッキは、ただ単に邪魔されることに慣れていないのだ。DuressやMesmeric Fiendが手札を奪っていく間に、展開したクリーチャーはライフを奪ってゆく。また、Nantuko ShadeはTogデッキが対処するには大きすぎる程だし、Edictは相手がFiendの妨害をくぐりやっとだしたPsychatogはあっさりとChainer's Edictで殺される。また、いくつかのゲームは序盤のBraidsであっさり勝負がついてしまった。長期戦になった場合でも、繰り返す悪夢のようなIchoridで殴り殺すことができた。
また、サイドボードでは対ビートダウン系のカードをPhyrexian Arena、Persecute、Ichoridなどに変える。手札をささっともぎ取り、クリーチャーでビートダウンしつつArenaでカードを引き続けていれば、気付いたら勝っているだろう。
- Enforcer:
-
Togとあまり変わらない。だが、Wrath of Godが相手にある分、Fiendでのハンデスがいくらか難しくなる。Chainerはあのノーマッドな神秘家をささっとツブしちゃうし、Ichoridは最後の数点を0にするだろうからいいのだが。
また、サイドボードでは相手がCoP:BlackやCompostを入れてくる可能性がなきにしもあらずなので多少は警戒する必要があるが、ArenaはCompostと良い勝負だし、BraidsはCoPのマナを潰してくれるだろうから、おそらく大丈夫だろう。Flametogue Kavuはあまり残しておきたくないが、唯一の黒でないダメージソースとしてとっておきたいところだろう。
- Balancing Act+Terravore:
-
相性よすぎ。20回中19回かつことができた。%95。
DuressとFiendは相手のキーカードを持ってゆくし、Chainer's EdictはTerravoreをあっさり殺ることができる。またBraidsは相手のObliterateのマナをかっさらってゆくだろう。またこれはIchoridが一番輝くマッチアップだ。相手によっぽど良いサイドがない限り、まけることはないはずだ。
- 赤緑等ビートダウン:
-
赤緑にも勝てるように放っている。妨害系のカードはあまり効率的ではないが、Braidsはそこそこ効くだろう。
一番良いのはテンポアドバンテージを十分に活用することだ。Rats/Rager/Kavuで2:1交換を強い、Swarmで4:1交換をも狙う。Swarmはいま黒が必要としている一番いいカードだろう。場に出たらあいては殺さないようにできるだけ注意しなければならない。
サイドではIchoridやFiend(Duressもかも)、そしてBraidsが数枚抜け、SwarmとSlayが4枚になる。そしてMortivoreが大活躍。完全に黒コントロールにしてしまうのはCompostが出てくると都合が悪いので止めておくことにした。
他にもスタンダードにはデッキがまだあることだろうが、ここでは割愛させてもらった。ほぼ勝てたしね。
黒の作戦は昔からアドバンテージの取れるクリーチャーを補助呪文でバックアップする、というもので、Tormentはまさにそのようなデッキをつくるために作られたものだと思う。面白いスタンダード環境ができそうじゃないか。
当ページは、2ちゃんねるの卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。