2-09 従軍慰安婦にお金は支払われていたのか…
さきに示した陸軍慰安所規則のなかに下士官兵は二円とあったが、その後もほぼこの金額が支払われていた。一人二円としても日に何十人も相手にさせられるのだから相当の金額になる計算だが、日常のチリ紙代などのほかは慰安所の管理者か御用商人が預かることになっていた。ただし、兵隊が支払うのはすべて軍票(ぐんぴょう)だったから日本の敗戦とともにその預けた金すべては紙屑(かみくず)になった。
- 34)軍票(ぐんぴょう)
- 軍用手票の略。物資を調達するため、戦地・占領地で発行される特殊紙幣。日本は太平洋戦争でこれを大量に発行し、現地住民から物資を奪い取った。