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南京大虐殺と日本の現在

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週刊金曜日 1997.12.5
南京大虐殺60周年特集 p15


南京大虐殺と日本の現在

本多勝一

今年は南京大虐殺から六〇周年にあたるので、日中両国でそのための記念行事が行なわれるほか、アメリカ合州国でもシンポジウムが開かれた。

この「六〇周年」はしかし日本の場合、単なる十進法のキレのよい数字というだけのものではない。現在の情況と深くかかわっている。いうまでもなく、歴史改竄主義史観(かれらのいう「自由主義史観」)をはじめとする反国際的キャンペーンが一定の影響力をもちはじめたことだ。科学的には全く破産した捏造(ねつぞう)や改竄による刊行物でも、ナチと同じくウソも千回くりかえせば、自分で直接調査したこともない一般読者は「そんなものか」と思いこまされる。しかもドイツと違って、この種の反国際的改竄には閣僚経験者を含む「主流日本人」が旗をふっており、文春をはじめとする“主流”出版社を舞台にしているのだ。こんな潮流に対して正面から戦うマスコミさえもなくなった。

「反国際的」ということは、国際的孤立を招いて再び亡国の道を進むこと、したがって「売国的」ということでもある。この亡国的な「日本の現在」に少しでもブレーキをかけるべく、正確な事実認識による「愛国的」な南京大虐殺特集を編集した。


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