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2-9 核燃料物質等の輸送時の防災対策
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「原子力施設等の防災対策について」原子力安全委員会
第2章 防災対策一般
第2章 防災対策一般
2-9 核燃料物質等の輸送時の防災対策
核燃料輸送物は収納される放射能量等により、L型輸送物、A型輸送物、B型輸送物等に区分されており、また、臨界安全性の確保が必要な輸送物は核分裂性輸送物として区分されている。このうち、収納される放射能量が多いB型輸送物及び臨界安全性の確保が必要な核分裂性輸送物については、国際原子力機関(IAEA)輸送規則に基づき、過酷な事故を想定した落下試験(9m、非降伏面落下)、耐火試験(800℃、30分)、浸漬試験(深さ15m、8時間など)等の特別の試験条件が課されているため、輸送中に事故が発生したとしても、これらの輸送物の健全性は基本的には確保されると考えられる。
万一、放射性物質の漏えい又は遮へい性能が劣化するような事故が発生した場合には、原子力事業者及び原子力事業者から運搬を委託された者により、炉規法に基づき、必要に応じて、救出、消火活動、立入制限区域の設定、汚染、漏えい拡大防止対策、遮へい対策等の緊急時の措置が行われるとともに、国により、放射性物質輸送事故対策会議の設置、国の職員及び専門家の現地への派遣等が行われる。
これらの事故対策が迅速かつ的確に行われることにより、核燃料物質等の輸送時の事故が、原子力緊急事態に至る可能性は極めて低いと考えられるが、万一原子力緊急事態に至ることを想定したとしても、事故の際に対応すべき範囲が極めて狭い範囲に限定されること、輸送が行われる都度に経路が特定され、原子力施設のように事故発生場所があらかじめ特定されないこと等の輸送の特殊性を鑑みれば、原子力事業者と国が主体的に防災対策を行うことが実効的であると考えられる。
なお、核燃料物質等の輸送に係る仮想的な事故評価について付属資料3に示す。