15年戦争資料 @wiki

[uniting-peace][14374] 私の反論(上)河内謙策

最終更新:

pipopipo555jp

- view
管理者のみ編集可

[uniting-peace][14374] 私の反論(上)河内謙策


  河内謙策です。ni 0615さんに対する私の見解を「私の反論(上)」「私の反論(下)」として2分割で送らせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。





[はじめに]


  河内謙策と申します。(このメールの転送・転載は自由です。)

  皆様ご存知のように、ni0615さんから、市民の風の運営委員会に対し、市民の風がその事務所を保田・河内法律事務所に置いているのは問題である旨の申し立てがなされました(本書面の末尾に添付したni0615 さんの10月14日付メール参照。ni 0615さんは「事務局」という言葉を使っていますが、現在「事務局」は存在しませんので、以下「事務所」で統一します)。それで、ni 0615さんの提案の是非について去る11月20日の運営委員会で討議がなされた結果、その日に結論は出ず、12月25日の運営委員会で討議が継続されることになりました。

  私は、ni0615さんの申し立ては独断とデマに基礎を置くものであり、事務所を移転すべき根拠といわれるものも理由はないので、ni 0615さんの申し立てを却下すべきであると考えます。

  以下、私がこれまでしてきた反論を整理・補充して記載しますので、皆様の御検討をお願いしたいと思います。(このメールの末尾に、ni0615さんからの申し立てに関連した二つのメール及び東本高志さんのメールを添付させていただきました。議論の正確性を担保したいからです。)


[ni0615さんの申し立ての基礎は独断とデマです]


  私は、ni0615さんの申し立ては、趣旨不明瞭で、独断とデマに基礎を置くものであると思います。

  ni0615 さんの申し立ての特徴は、きわめて漠然として、申し立ての趣旨が不明瞭である、ということです。二つのメールをみても、河内が問題だという見解はしきりに述べられていますが、私の思想や行動の全体が問題なのか、私の特定の思想や行動が問題なのか、その根拠は何なのか、はっきりしません。これは、どうしたことでしょうか。

  私の思想や行動の全体を問題にするというのであれば、大変なことです。一人の人間の思想や人格を裁くというのは、昔の特高や連合赤軍がやったことと同じです。連合赤軍事件では、人の思想をとことん断罪し、殺人事件までが発生しました。今日の日本のブルジョア刑法でも罪刑法定主義といって思想や人格それ自体を問題にしていません。ni 0615さんの人権感覚は、それ以下の水準であると言わざるをえません。11月20日の運営委員会で、ni0615さんがそれに近い趣旨の発言をしたので、私がその根拠を聞いたところ、ni0615さんは、私がメールで「右翼」の見解をたくさん引用していることだ、と答えました。

  そもそも引用の問題は、文献を引用した文章に即して論じられるべきことで、引用された文献の執筆者の思想から引用した文章の思想やその是非を判断するのは、本末転倒の論理です。「右翼」の見解を引用するのは問題だとか、「右翼」の文献を吟味しないで引用しているから「右翼」を肯定しているとか、「右翼」の見解を引用すれば引用した人の思想が「右翼」だというのは、世間で通用しない独断的論理です(この論理でいけば、ブルジョア文献をたくさん引用して『資本論』を書いたマルクスはブルジョア学者であることになってしまうでしょう)。これでは、「右翼」しか研究していない分野については、引用もできないのだから、「左翼」は一切研究ができないことになります。また、ni0615さんは、「左翼」の研究が様ざまな面で「右翼」に立ち遅れている現状についてあまりにも無知である、といわざるを得ません。現在生起している問題については、中国問題がそうであるように、「左翼」で発言している人はきわめて少数なのです。それゆえ、「右翼」の見解を基礎にして「左翼」の見解を論じるという論法も十分有りうる研究方法なのです。

  ni0615さんの独断は、きびしく排斥されなければなりません。

  ni0615さんが、私の特定の思想や行動を問題にしていることについて述べます。

  ni0615さんが、私のどの思想や行動を問題にしているのかは不明瞭ですが、11月20日の運営委員会の討議の経過から言えば、少なくとも、私が「尖閣沖漁船衝突事件について(続続)」というメールで、10月2日の「がんばれ日本!全国行動委員会」の組織したデモに関連して、田母神俊雄氏との連帯をめざす旨の「発言をした」、というのがni 0615さんの主張のようです。

  しかし、私が田母神氏との連帯を主張したことはありません。にもかかわらず、“言った、言った”と大騒ぎをするのは、大問題です。これは完全な濡れ衣、完全なデマであり、そのようなデマを根拠にした申し立ては絶対に許されない、と考えます。

  私が何回も述べているように、私が書いたのは「国民の右傾化を心配するよりも、日本を思う人たちとの連帯を考えるべきべきだと思うのです」という文章です。すなわち「日本を思う人たちとの連帯」は強調しましたが、それ以上のことは言っていません。だから私のデマの根拠は何かという質問に対して、誰も私の文章を引用する形でその根拠を示すことができないのです。

  また、「尖閣沖漁船衝突事件について(その四)」で明確にいっているように、わたしは今日の時点において平和主義者が組織するデモの理想的な形としては自衛隊の尖閣諸島配備反対のスローガンがかかげられるべきだと考えていますから、そのようなデモに田母神俊雄氏が参加する、したがって連帯を呼びかけることを考えるはずがありません。

  11月20日の討議の中で、ni 0615 さんは、私が田母神俊雄氏との連帯を主張している根拠として、私が「尖閣沖漁船衝突事件について(続続)」というメールの中で、東アジア黙示録と宮崎正弘氏のサイトを引用していることをあげました。

  しかし、両サイトを引用したのは、10月2日のデモを紹介しているサイトとしてあげたのです。いわば、“参照してください”という趣旨で引用したのです。当時は「左翼」のサイトで10月2日のデモを紹介しているサイトはなかったのです。また、田母神俊雄氏との連帯の趣旨で引用したのでないことは、引用した一方のサイトの宮崎正弘氏が評論家であることからも明らかです。評論家に運動の連帯の話を持ち込む馬鹿はいません。ここでも「右翼」のサイトを引用するのは問題だ、というni0615さんの独断が基礎になっているのです。

  ni 0615さんの見解を支持する人の中には、「このサイトの写真を見た人は誰でもそう思うはずです」という人もいます。しかし、私は、そのような人に対し、貴方の論理は、「普通の人は貴方を赤だと思うはずだから、貴方は赤だ」という、戦前に(そして戦後も)共産党員や良心的リベラリストが苦しめられた論理、マッカーシズムの中で一部の人間が使用した論理と同じではないではないか、と言いたいのです。すなわち、人間の主観は多様で間違いやすいものですから、普通の人にどう見えるか、という論理を使えば、主張する人間の発言を肯定する「普通の人」はいくらでも製造することができ、恣意的な人権侵害が発生するのです。この歴史の教訓を、考えてほしいのです。ちなみに、刑事裁判で、事実の存否の問題については「普通の人はどうみるか」という論理は原則的に使用されていません。検察官の主張を裏付ける証拠にはなりえないのです。

  私は、この田母神氏との連帯の問題について、私はそのことを言っていないと訴え続けてきました。しかし、ni 0615さんは、その私の主張を認めません。ni 0615さんを支持する河内バッシングも展開されるという異常事態が継続しています。普通であれば「自分の言ったことはそうでないよ」「ああそうか」で済む話なのに、ni0615さんを支持する人には、どれだけ理をつくしても分かってもらえません。私は、これでどれだけ悩んだか知りません。どれだけ不眠の夜をすごしたか分かりません。それゆえ、私は、ni 0615さんの、人の言っていないことを言ったといってデマのプロパガンダをはり、数を頼んで押し切り、論敵を社会的に抹殺するという手法を許せないのです。その手法は、かつてスターリン、ヒトラー、毛沢東、日本の左翼の一部が行った手法で、民衆運動の中には絶対に持ち込んではならないものであることを強く、強く主張したいのです。

  以上より、ni 0615さんの申し立てにつき、趣旨が不明瞭で、その申し立ての基礎が独断とデマであることは、明らかであると思います。

[ni 0615さんの主張する根拠が事務所移転の理由にならないことについて]


  ni 0615さんは、10月14日のメールにおいて、市民の風の事務所を保田・河内法律事務所から移転しなければならない理由につき、3点の理由を挙げています。以下、具体的に検討してみます。

  まず第一の理由として「[事務所を保田・河内法律事務所におけば、市民の風が]河内謙策さんの思想を体現している会だと誤解される」と述べています。

  しかし、事務所は事務所、河内は河内です。もしこんな奇妙な理屈が成り立つならば、私は、人に誤解を与えないように発言を自粛しなければならなくなります。それは、私の発言の自由を侵害する論理ではないでしょうか。

  また、ni0615さんの論理には、生き生きした個が存在することが全体にとっていいことだ、という発想はありません。これでは、個は全体に従属すべきだという論理につながります。ワールドカップに出場した本田圭佑選手は「個あっての団結」といって波紋を巻き起こしましたが、私は、彼の発言にともすれば全体を強調しがちだった日本の左翼・平和運動の反省の契機があると思うのです。

  さらにni0615さんは、団体に所属していても、団体の決議に反しない限り、個人の見解の発表は自由である、ということも忘れています。尖閣沖漁船衝突事件については、残念ながら市民の風は未だ統一的見解をまとめていませんから、個人の見解と団体の見解の衝突は問題にならないのです。

  第二の理由として「河内法律事務所に間借りしている恩義から、河内氏への批判を手控えるおそれがある」と述べています。しかし、私が何回も述べているように「おそれがある」という論理は無限定で、人権を侵害する論理なので民衆運動では使うべきではないのです。1970年代の青法協攻撃では、最高裁が青年法律家協会に所属している裁判官に対し、裁判は中立でなければなければならない、裁判官が青年法律家協会に所属していると、普通の人は裁判が中立になされていると思わないし、中立を逸脱する恐れがある、といって青年法律家協会所属裁判官の思想の自由を侵害したのです。ni 0615さんは、この最高裁の論理そのものを主張しているのです。あんなに「右翼」を忌避するni0615さんが「右翼」の論理を堂々と使用して恥ずかしくないのでしょうか。

  第三の理由として「[会の事務所が保田・河内法律事務所にあると]名簿、議事録、出納簿などの保安問題はどうか?」と述べています。しかし、名簿等は私の法律事務所にはありません。ni 0615さんは、あるかどうかも調べないでとにかく申し立てをしたのです。こんな不自然なことがあるでしょうか。だから私は、ni0615 さんの申し立てには、表面に出ていない政治的意図があるのではないか、と考えるのです。

  以上より、ni 0615さんが事務所を移転しなければならない、としている理由が全く成り立たないことは明白です。

[ni 0615さんが11月6日のメールで述べていることについて]


  ni 0615さんは、11月6日のメールの中で、上記の論理を補充するべく、「私の危機感は全く解消していない」として3点の理由を述べています。

  第1に述べている「河内謙策様の尖閣憤りの情報源は、殆どが「頑張れ日本!全国行動委員会」の指導者あるいは扇動者サイトにあること。しかも無検証であること。」について言えば、私の「尖閣沖漁船衝突事件について」のシリーズを見てください、としか言いようがありません。良くこんなデマをいうものです。「無検証」の問題について言えば、一一検証の言葉を書かなければ検証にならないというのは、ni0615さんの独断にすぎません。

  ただ、ni 0615さんの論法について一言述べると、彼は「『右翼』は悪い」がすべての前提になっていますから「右翼の文献を引用してはならない」「右翼と同じことを言ってはいけない」と「考える」のです。しかし、私はそう考えません。文献の引用の問題については先に述べましたが、「右翼」の言っていることでも正しいことは正しいというべきだと考えるのです。こんな簡単なことが、私には30年間も分かりませんでした。先日、ドイツの歴史家ゴーロマンの『ドイツの青春』を読んでいたら、彼も同趣旨の発言をしていて意を強くしました。私に言わせると、ni 0615さんの主張を「善意」に考えると、意識してかどうかは分かりませんが、先の二つの論理に見られるように、スターリニズムの影響下にあるようです。

  第2に述べているのは、「[右翼の]人たちの主張である尖閣沖縄戦争準備論もしくは尖閣紛争に伴う改憲論への批判を、河内謙策様は何一つなさっていない」ということです。ni 0615さんは私のメールの何を読んでいるのですか。私は、9月27日の「尖閣沖漁船衝突事件について」で「日本の支配勢力も馬鹿ではありませんから、今回の事態を利用して『だから中国に対する防衛力を強化しなければ』とか『だから、日米
同盟でアメリカの力を借りなければ』というキャンペーンが今後強まるでしょう」と警鐘を鳴らしていますし、10月3日の「尖閣沖漁船衝突事件について(続)」の中でも、「尖閣沖漁船衝突事件は、終わった事件ではありません。軍事的な紛争=戦争の可能性を秘めて現在も展開中です。私は、日本の自衛隊の尖閣諸島への配置に反対です」と主張しているのです。こんな明白な私の主張も捻じ曲げデマを宣伝するからこそ、私はni 0615さんの主張は単なる意見の違いではなしに、政治的意図を持ったプロパガンダだと考えるのです。

  第3に述べているのは、「今回の尖閣沖漁船衝突事件は、日本だけでも、日本と中国だけの事件でもありません。世界の人は、中国帝国主義、中国覇権主義に対処するテストケースとして見ています」という私の主張が、「多くの人にマイナスを与えるであろう」ということです。私は、どのようにマイナスを与えるか分かりません。中国がからむ問題は、中国の謀略的手法の影響で、様ざまな見解が噴出します。だから私の見解に対して賛成の人も反対の人もいます。ni 0615さんは、どうして私に反対の見解の「心配」ばかりをするのでしょうか。私は、私の上記の主張が事務所の移転を基礎づける理由にどうしてなるのか全く分かりません。

  以上より、事務所移転の論理を補充しようとしたni 0615さんの試みは、完全に失敗していることが明らかです。



河内謙策 〒112-0012 東京都文京区大塚5-6-15-401 保田・河内法律事務所
(電話03-5978-3784、FAX03-5978-3706 Email: kenkawauchi@nifty.com)







目安箱バナー