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11月分総括byとほほ

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pipopipo555jp

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11月分人口問題総括


さて、11月に入りいよいよあわただしい気配が南京にも迫ってきている事が11月分の日記からは感じ取る事が出来ます。しかし、それでも上旬のうちは12日の日記にも見られるように、壊れたミシンの修理であるとかまだまだノンビリと日常の業務の中にいる様子が感じられます。

慌しさを感じるようになるのは南京陥落まで後1ヶ月を切った15日の日記あたり、ラーベが政府の撤去を予測する辺りから始まります。

問題は現実にこの時点でどのくらいの人口が脱出していたかですかね?これまで検証してきたように空襲からの避難のため富裕層の脱出する様子は見受けられますが、それ以外には大きな脱出劇は感じられません。私はこの時点で人口の10%も脱出していないように思えるのですがいかがでしょう?

あくまでこれはラーベの日記から受ける印象に過ぎないのですが、10%と言うのも大きめに見積もったつもりです。まず外国人はほとんど脱出しているでしょう、外国人の人口はもともと無視できるほど問題ではないと思います、【南京の富裕層】というのが当時南京市にしめる割合はどのくらいだったのでしょうか?通常、この時代の都市部の経済を考えた場合、人口比率にしてほんの数%に過ぎないと思います。

実際ラーベの日記の中でもこれまでの記述の中にはほとんど出てきません、よく言われるラーベが目撃した大量の脱出民とは、政府の撤退時期の脱出民です。日記からは政府の撤退によるパニック状態、それも政府関係者の脱出劇ですね、それぞれの官僚や行政府職員やそれぞれの家族に従う使用人とその家族などが脱出劇の主役のようです。そしてそれは南京陥落のわずか1ヶ月前からはじまっています。

政府の大がかりな移転が始まったのが17日

それでも19日の時点では食料品等の店は開いているようです。
韓はかなりの金額を集金してきた。
店がまだ開いているうちに食料品が買えるだろう。
そしてこの日に国際委員会が発足してます。

さて具体的な数字となると。

11/28
言いかえれば、役人はだれひとりここには残らないということだ。何十万もの国民のために、だれも身をささげないとは・・・・・・。さすが、賢明なお考えだ!
警察庁長王固盤は、南京には中国人がまだ二十万人住んでいるとくりかえした。
位が出てくるのみです。しかも王固盤は29日には辞任し脱出しようとしている様子でシュペアリングから電話。王固盤が辞任し、後任が指名されたとのこと。スマイスは、「こんどの警察庁長は、警察といっしょに逃げ出すようなことはないだろう」と言っている。

とても南京の残留数を把握できる状態ではないと思います。「まだ20万人が残っている」とは王固盤の単なる主観に過ぎないと考えた方が良いのではないでしょうか?

以前にもこの例えをあげたことがあるのですが、正月の東京は閑散として東京から人間が誰もいなくなったように感じます。テレビの様子では各交通機関や首都高の混雑振りを連日報道します。しかし、東京には実際にはどのくらいの人が残っているのでしょうか?80%もの人が果たして東京からいなくなっているでしょうか?

王固盤が慌しい市街の脱出の様子そしてその後の閑散とした様子から「20万人位」と言う数字を主観的に伝えただけではないかと思います。実際30日の日記からは国際委員会の課題として「正確な人口の把握」があげられてますので、人口はわからない状態でしょう、大まかに掴んでいる人口についてもおそらく王固盤の言ってみれば「あてずっぽう」の20万人が根拠である、と結論しても良いのではないでしょうか?

以上が私の11月分の総括となります。

さて十二月に入り陥落まであと12日、ここまでが私の検証担当ですが、あと12日間の間に果たしてどれだけ脱出できるものなのか?日記からそれを知る手がかりが見つかるのか?検証を続けていきたいと思います。



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