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戦火のガザ パレスチナ農業救済委員会 (PARC)

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戦火のガザ パレスチナ農業救済委員会 (PARC)



◎イスラエルの攻撃が残す災禍、ガザの環境破壊を憂う
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「戦争は最悪の環境破壊である」としばしば言われます。今回の
イスラエルのガザ侵攻もその例外ではありませんでした。実際、
イスラエルの戦略において、ブルドーザーが大きな役割を果たし
ているのは、今回の侵略に限ったことでもありません。農地、
緑地地帯を破壊するのはいとも簡単なことなのに対し、厳しい
中東の気候の中、その回復にはどれほどの忍耐、努力、コストが
必要になるか、考えただけでも気が遠くなりそうです。

以下、パレスチナ農業救済委員会による、主に戦争の環境被害に
ついて述べた報告書の邦訳です。ガザのアブデルワーヘド教授が
送って下さったものです。
〔共訳: 坂野正明(前文とも)・岡真理/TUP〕
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※凡例: (原注) [訳注]
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戦火のガザ
―― 人々は殺され、生活は打ちのめされ、土地は占領される

[パレスチナ]農業救済委員会 (PARC)
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2008年12月27日土曜日正午、イスラエル空軍はガザ地区の何箇所
か、なかでもガザ市の複数の箇所を中心に、攻撃を開始した。
そして攻撃初日からイスラエル軍はすべての幹線舗装道を避けて
農地の中に進軍した。そしてその農業用地に軍事基地を建設した。
そしてその農地の上に新たに軍用道を築いた。これらは主に、
ガザ市東部、あるいはガザ市北方にあるベイト・ラヒア村とジャ
バリーヤ村の付近の話である。実用的には、イスラエル軍は保安
緩衝地帯の幅をもとの 50~100メートルから 3000メートルに
拡げた。場所によってはそれよりもさらに広い、つまり、時には
軍用地はそれよりもさらに広くなった。そういった仕事が
済んだあと、無人偵察機、ヘリ、F16戦闘爆撃機の支援のもと、
イスラエル軍は重戦車、軍用車、ジープ、大砲に軍艦までも動員
して大規模な地上攻撃を開始した! 結果、住宅地に甚大な損害が
でて、何千人もの民間人が死に、負傷し、精神的に深い強烈な
傷を負い、困惑し、あるいは住み家を失った。

現在まで 22日間昼夜にわたり、ヘリコプターや F16 戦闘爆撃機
や戦艦による監視行動と爆撃とに、前日あるいは前夜から何らか
の変化があったことは一度もなかった。イスラエルが民家や子供
の遊び場や公園を狙ったあと、その地でひっくり返らなかった
小石一つ残らない。たとえば、アル=ナーセル地区では夕べ、
少なくとも 9軒の家が F16に攻撃された! いずれも高層ビルの
アパートだった。1月14日水曜日には、F16のミサイルがシュイフ・
ラドワーン墓地に着弾し、17個の墓を破壊し、[そこに埋められて
いた]死体を掘り起こした! こういう行動を見ていると、イスラ
エルはあとどこを攻撃するのだろうという疑問が出てくるし、
軍指揮官は他にどこを破壊しようと考えているのかと訝ることに
なるだろう。ガザ市の医療当局は、死者数 1300でうち子供が
420人、女 118人、高齢者 118人で、それに加えて 5500人が負傷
したと発表した。イスラエルの侵略により精神的外傷を負ったり
恐慌を来した人の数は当然含まれていない。助けの手も救助する
人もなく瓦礫の下や農地のただ中で死んだ人々の数も当然
含まれていない! 医者の言葉によると、何百人もの負傷者は
二度と回復することもなければ、ふつうの暮らしに戻ることも
ないという! 何百人もが身体障碍者として生きることになる。
マスコミや衛星テレビはシファー病院からの報告として、一本の
ヴィデオの映像を流した。そこに写っていたのは、両脚をひざの
上から切断された 15歳の少女、片脚しか残っていない少女、両目
を失った少年、そしてほかの人々……。[病院の]外科手術室の
数は限られ、使える設備も貧弱な中、住民の健康状況はどんどん
悪化している。パレスチナ人の外科医を支援しにアラブ諸国と
いくつかのヨーロッパの国々から駆けつけた 60~70人の医師が
助けになってくれているが、しかしそれでもなお、ガザには
いかなる治療も受けることができないでいる負傷者がいる。
……また、13人の救急医療隊員が、勤務中に命を落とした。何台
もの救急車が、負傷者を救出し遺体を運ぼうとしている最中に
撃たれているのだ! ガザ地区で何が起きているのか語ろうとする
とき、すべて感嘆符つきになる!

第2週、イスラエルの攻撃ヘリコプターは、すべての人権と国際
協定を公然と無視して、白燐弾を使った攻撃を開始した! イスラ
エルは国際社会のことなど何一つ気にしていない。これらの爆弾
は負傷者に火傷を負わせる。実際、それによって多くの負傷者が
命を落とした! マッツ・ギルバットという名のノルウェーの外科
医がガザに数日間滞在し、シファー病院の救急部で外科手術を
執刀した。ギルバット医師は 2009年1月12日に発って帰国した。
同医師は次のように語った。「ガザで負傷したり死亡した民間人
の数は、イスラエルが住民全体を計画的に攻撃していることを
証明する。……(中略)……病院は能力の限界に達している。
すべての医者が昼夜なく手術を行なっていて、しかもまだ何千人
もの人が治療を受けられずにいる。……(中略)……これは、ガザ
地区のパレスチナ民間人に対する全面的戦争だ。……(中略)……
檻の中の 150万人の人々を爆撃している。」この証言は、同医師
へのスカイ・ニューズ[英国のニュース局]によるインタビューと
して以下から参照できる。
http://www.youtube.com/watch?v=Ev6ojm62qwA&eurl=

また、侵攻第2週には、外科医をはじめとした各国からの医師が、
病院で支援するためにガザに入ることを許された。一方、シファー
病院の外科で何日も働いていたノルウェーの医療チーム(外科医 2
名)はガザを去って帰国した。エジプト、ヨルダン、アルジェリア、
サウジアラビア、ギリシャ、スーダンからも医師が駆けつけてい
る。スーダンの医療団はまだ到着していないが、スーダンの人々
が献血してくれた血液バッグをもってガザに向かっている途中だ。

食料品や生活必需品や燃料といった何千トンもの寄付の品々が
ラファを通ってガザに運ばれるよう、手はずが整えられた。そう
して運ばれた物資は、UNRWA[国連パレスチナ難民救済事業機関]に
より、ガザ市内の UNRWA本部構内に保管されていた。ところが
予想外のことに、1月15日に突然、全世界が驚き衝撃を受けること
になった。イスラエルの航空機の攻撃により倉庫が燃やされたの
だ。倉庫全体が炎に包まれた! 誰もが攻撃を非難した! この攻撃
の結果、家を追われたり避難してきた何千人ものガザ地区の人々
が人道の危機に見舞われることになった。

控え目に言っても、毎日、新たな日が訪れるたびに、死者の数も
負傷者の数も家を追われた人の数も、破壊被害の数々も、都市部、
農村部の両方で増加の一途をたどっている。夜が訪れるたびに、
何千人もの子どもたち、女性とその一家がよくない夢、悪夢に
うなされている! ガザの通りひとつひとつに痛ましい物語があり、
家族ひとつひとつに痛ましい物語がある、そういう状況を想像し
て頂きたい。すべてが大災害、混乱、地獄と破壊に覆われている。
そのうえ、病院をはじめ多くの場所にも知られざる物語と痛まし
い情景とがある! タル・エル=ハワー地区では、イスラエル陸軍は、
アル=クドゥス病院の一棟から有無を言わせず患者を避難させ、戦
車で砲撃した。およそ 10台の救急車もイスラエルの戦車で破壊さ
れた。イスラエルは 3台の救急車を破壊したうえで、タル・エル=
ハワーで軍事用バリケードとしてそれらを使ったのだった。

攻撃の結果として、何千人もの人々が自宅から逃げ出すことに
なった。そういった人々は、空襲や砲撃、爆撃で家を失ったか、
命からがらすぐ隣のそれまた戦闘地域に逃げ出したか、あるいは
イスラエル軍に自宅から避難するように命令されたかだった!
何千人かの人々は、市内や町内で相対的に安全だと思われる地域
の親戚や友人を頼って、そのもとへ逃げ出せた。しかし、そんな
頼れる親戚がいない人々には、隠れる場所はひとつしかなかった。
つまり、UNRWAの学校にすし詰めになった。ところが不幸にして、
それら学校のうち 3校がイスラエル軍の標的にされた。ジャバリー
ヤの UNRWAの学校は、戦車により 3発の砲撃を被った。その攻撃
で 67人の避難民が死亡し、40人以上が負傷した。攻撃にあった
三つ目の UNRWAの学校はベイト・ラヒア村にあって、少なくとも
10人が死亡し、何十人かが負傷した。現時点で UNRWAの 40の学校
が、戦争から逃げてきたパレスチナ人をかくまっている。それ
ぞれの学校に 120家族がいて、UNRWAが提供する毛布と一日 3度の
食事にたよって、生き延びている。[パレスチナ]農業救済委員会
(PARC)も含めて地元の複数の NGOも救援活動に貢献している。

戦闘と間断ない空襲のさなかには、環境破壊に目を向けるものは
いない。しかし、軍事作戦がやむと、間をおかずその危機が宣言
されるだろう。環境問題の中で最小のものは、街角に積もった
ゴミの山だ。また、爆撃された家々から出る黒煙の厚い雲も健康
上有害だ。それを吸いこもうものなら、鼻がブロックされ、胸に
痛みを覚えることになる。地区にいて、その匂いをかぐことに
なる人なら誰でも、それは現実問題だ。さらに深く憂慮すべき
心配な問題は、火薬や爆弾の負の副作用だ。白燐弾については
言うまでもない。白燐弾は人体、建物、木々に被害を与える。
いや、白燐弾は、人間であれ、家、病院、木々、そして他の何で
あれ、狙ったもの全てを破壊し、焼き尽くす。大気汚染をはじめ
とした環境汚染や人糞はいたるところに見られ、逃げ出すことは
不可能だ。誰もそれらから安全ではいられない。それから、農業
は混乱の極みに追いやられてしまった。何千台もの戦車や軍用車
が畑を走り回り、イスラエル軍が作戦展開したいところは好き
放題、どこもかしこも軍事用ブルドーザーが植物を踏み潰し木々
を根こそぎにした! 一方で、イスラエル軍は国境近くに点在する
農家に極めて厳しい姿勢を示した。イスラエル軍は国境近くに
住むものは誰かれ問わず罰したのだ。そこに住むのは誰あろう、
農地や(もし所有していれば)家畜の面倒を見ながら、質素な生活
を営む小農家に過ぎないのに! 兵士らは農民を殴り倒し、しかも
多くの場合には、服を脱がせ目隠しをし背中に回した手に手錠を
かけ、全家族を一緒にして非人道的な状況でひと部屋に長時間
閉じ込めたうえで、そのまま立ち去った! 農業関係でもっとも
悲愴で重大な襲撃は、木々、収穫物、井戸、電線、温室も含めて
全ての農業用地が破壊されたことだ。農業地域が軍事基地や軍用
道へと転用されたのも頷ける。くわえて、一例に過ぎないが、
ガザ市の東部の約10000ドゥナム[10平方キロメートルに相当;
ドゥナムはイスラエルで使われる土地面積単位]の土地が軍用ブル
ドーザーで意図的に破壊され、不毛で荒れた土地に変わり果てた!

憂鬱になる話の一つに、ガザ市東部に家族とともに 30年以上在住
しているパレスチナ人の農民、フサイン・アル=アイディ氏の話が
ある。軍がやってくるや、氏の家を 2回砲撃した。氏と妻と子ど
もたちは、かろうじて隣の兄弟の家に逃げ出せた。家族のうち
6人(女 3人と子ども 3人)が、初日の攻撃の爆風で負傷した。58歳
のフサイン、82歳の母、父の 2番目の母 80歳、そして他に 27人
の人が一緒にいた。フサイン氏の子どもたちと、氏の二人の兄弟
の子どもたちだ。家族は、石と硬い岩との間に閉じ込められる
ことになった。周辺全域はイスラエル軍の戦車と装甲車によって
制圧されていた。フサイン氏と兄弟の家々は、ガザ市から 3キロ
離れた場所にある。全てを残していくという条件のもと、フサイ
ン氏らは家を離れてイスラエル軍制圧下の地を通っていくことを
許された。そこで、一同は白旗を掲げ、3キロの道のりをイスラエ
ルの戦車の中を横切って通り、市内の相対的に安全な場所まで着
くことができた。そして一同ホームレスとなった! 氏らは力なく
UNRWAの学校で寝泊まりしている! 昨日フサイン・アル=アイディ
氏は、自宅および母と 2人の兄弟の 3軒の家が、家具の上にただ
の瓦礫となっているのを見届けた! 全てを失ったのだ!

ごく控え目に言っても、ガザの全ては、長期にわたる復興・復帰
支援計画が必要だ。それは子どもたちや女性、高齢者に対する
ものから、病院、学校、住宅、環境、農村部や都市郊外の農業・
畜産業に対するものと多岐にわたる。物質的損害は、20億[米]ド
ル[約2千億円]と推定されていて、その半分は農業に関するものだ!

そこで、これら異常でおそろしい、憂鬱な、耐え難い非人道的状
況と血生臭い事件の数々を鑑みて、[パレスチナ]農業救済委員会
(PARC) は支援活動のための緊急部隊を編成した。それぞれの部隊
は各々の地域で招集され、草の根の組織と連帯していく。最初の
必須の段階として、PARCは即時実行するための緊急支援計画を
出し、次期のための計画も考案した。PARCが緊急に実行した最初
の計画は、UNRWAの学校やほかの点在する場所に避難してきたり
家を追われてきた人々へ援助物資(食料品以外)を提供することだっ
た。40の UNRWAの学校が、避難民と家を追われてきた人々への
避難所となっている。それぞれの学校は、一家族の人数によって
違うが、80~100の家族を収容している。PARCの計画は、使える
財源や資源に限りがあるため、限られたものになる。だから、
PARCはそれらの全ての学校を援助することはできない。この実行
された計画の一つは、洗剤、衛生用品、子どもの社会心理的側面
を支援する用具、幼児を含めた子ども用服、スカーフ、タオルを
寄贈することだった。この早期処置は、1000家族を目標とした。
SDC[The Swiss Agency for Development and Cooperation; 「ス
イス開発協力庁」――パレスチナ援助を目的としたスイスの公的
組織]の協力もあり、計画は完遂された。

PARCによる他の緊急計画の中には、主要病院の炊事場に基本的な
食料品を供給することも含まれる(入手できる限りだが!)。という
のも、ガザの全ての病院は食料品と飲料水の不足に苦しんでいる
からだ。この計画は、クウェイトのアラブ財源組織の協力で実行
される。PARCは、新鮮な食料品ひとかごを配布していく計画、名
付けて「貧乏農家から貧乏家庭へ」を今後とも続けていくつもり
である。この計画は、傷ついたり家を追われた家族への支援だ。
イスラエル軍が耕作地を広範囲にわたり破壊したため、新鮮な
果物や野菜を見つけるのは困難ではある。しかし、PARCは全力を
尽くしてできるかぎりのものを入手していく所存だ。この計画は、
クリスチャン・エイド[英国の民間組織]と協力して実行していく
予定だ。なおこれは恒久的計画であり、都市近郊の 3割の農民を
支えるものだ。

また、PARCは、ガザ地区の避難民や家を追われた家族に冷凍食品
や乾燥食品のかごを届けることも計画している。UNRWAが、食料品
関係の輸送経路を確保することを協力してくれる。他の将来計画
では、家を追われた家族に新鮮な飲料水を供給することも考えて
いる。加えて、PARCの任務には、荒廃した灌漑網、農道、畜産資
産、温室、農業への投入資本などを復興することも含まれている。
たとえば、種苗、肥料、灌漑用具、ホース、ビニールシートなど
を供給することだ。

PARCの処置計画は、たかだか数千人の人々に供するに留まる。
PARCは活動において、一切の努力を惜しまず、尽くし、可能な
限り援助の対象を広げていく所存だ。しかし、PARCの能力も使え
る資金も限られている。ガザの壊滅的状況は、世界の NGO人道
組織と寄贈者の方々の揺らぎない援助を必要としている。その
ため、PARCは、この状況の改善のため、一歩踏みだしてきて
支援下さるよう、全ての人道組織に要請する。

2009年1月16日金曜日、ガザ市の PARC本部は攻撃を受けて、被害
を被った。主要事務所のあるビルには、通常、30人ほどの職員と
数十人のボランティアが働いている。

控え目に言っても、ガザのどこでも、子どもたち、女性、高齢者
への、長期にわたる精神的また社会的な復帰支援計画を必要とし
ている。また、病院と学校の再建は緊急の課題だ。環境、農村部
と都市郊外の農業、畜産業のすべての面での復興も緊急の課題だ。


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緩衝地帯について ―― 懸念とおそれと憂慮
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PARCは、イスラエル軍がガザに侵入してきたことに対し、深い
懸念と憂慮を表明する。10年前、イスラエル人は 50~100メート
ルの国境緩衝地帯を設定した。今、イスラエル人はそれを、ガザ
地区の東部で 1000メートルに、北部国境地帯で 2000メートルに
拡張した。PARCは、イスラエル人が軍事地帯を東部で 2000メート
ルかそれ以上、北部で 3000メートルに拡張し、それを既成事実と
して固定化しないかと恐れている。かくして、すでに狭いガザ
地区の農業地帯はさらに縮小されることになる(ガザの耕作可能
面積は 175000ドゥナム[175平方キロメートル]。50000ドゥナム
[50平方キロメートル]が侵攻前にすでにイスラエル軍の制圧下に
あった。今やほとんど 50パーセントの耕作可能地がイスラエル軍
によって制圧されている)。したがって、50パーセントの農民が
財産を失った。何千人もの農民とその家族とが生産者からホーム
レスの失業者へとなり果て、[地域]経済に負担をかける羽目になっ
た! 国境地域はガザ地区の中でもっとも肥沃な土地だ。PARCは、
ガザ地区の食料庫である農地[の現状]について、強い憤りを覚え
る。それは、周辺全域の人々にとって、食糧安全保障を担うもの
である。農民が普通の生活に、土地に、水源に、そして自宅に
戻れるようにならなければならない。我らの農業部門は、世界の
NGOと政権による強力なロビー活動と支持とを必要とする。


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最新情報
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この報告を発表する直前に、我々は PARCの本部とゼイトゥーン
地区西部にある主要事務所を訪れた。そこで見たものは衝撃だっ
た。イスラエル軍は建物を攻撃し、被害を与えていた。そのあと、
イスラエル軍は軍用駐屯所として使うため、建物を占拠した。
イスラエル軍は、全てのコンピューター、テーブル、事務机、
棚を破壊した。無傷な家具は一つもない。PARCの書類は破られ、
建物から外へと投げ捨てられ、あたり一面に散乱しているありさ
まだった。また、イスラエル軍は、PARCのテレビ会議室を完全に
破壊した。同テレビ会議室は、PARCの西岸支部と連絡をとる唯一
の手段だったものだ。これらの損害は、20万[米]ドル[約2000万円]
相当と見積もられる。

加えて、PARCの庭もブルドーザーで破壊された! 全ての木々、
植物、温室、水源、電線、そして他のあらゆる農業設備が荒され、
破壊された。PARC職員のうち 2人の自宅も攻撃を受けた。ひとつ
は、PARCのガザ副支部長のアブドゥルカリーム・アシュールの
ガザの家で、イスラエルの砲撃で焼けた。もうひとつは、農学者
のマスウード・キシュタのラファの家で、やはり粉々にされた。

これらの損失と悲惨な状況にもかかわらず、この朝、あるだけの
ものでできるだけの仕事を再開すべく、PARCはガザ市内のアパー
トの一室を借りた。

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原文: The Agricultural Relief Committees (PARC) 発信の文書。
Prof. Abdelwahed から送られてきたもの。
※全文をつける限りにおいて、御自由に転送・転載なさって下さい。
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