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三 学校では加害の歴史を教えてくれない

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中国女性にとっての日中十五年戦争

三 学校では加害の歴史を教えてくれない

学校教育の多くの現場で、平和のための戦争学習が真剣に取り組まれているのは、大変大切な成果であるが、加害問題として婦女凌辱の問題を戦争学習教材にとりあげた実践はまだまだ少ないのではなかろうか。そもそも日中十五年戦争やアジア・太平洋戦争を日本軍国主義のアジア諸国民への侵略・加害に視点をあてて学習させることも十分とはいえない状況にある。

私が大学で担当している東洋史概説で、日中十五年戦争をテーマにして日本軍の侵略・残虐行為にも触れて講義をしたところ、多くの学生からは、南京大虐殺の内容は初めて学んだという感想が寄せられた。そして日本軍の侵略・加害の歴史を知った多くの学生は、次のような意見を寄せてくれた。

◇私の知人が、宮沢首相が韓国で卵を投げつけられた映像を見ながら、「あの時代は、世界がそういう時代だったのだから、戦争を知らない私たちにいつまでも文句を言われても困る」と言
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った。しかし、これは私たちが加害者であったから言える言葉だと思う。心と体に傷を受けた人たちはその恨みを死ぬまで忘れないだろう。亡くなった人に償うことはできないが、せめて生きている人には心からの謝罪と補償が必要だろう。そしてまず何よりも私たち自身がかつて自分の国が犯した過ちをしっかり見極めて反省し、二度と起こさぬよう次の世代へと語りつぐことが必要だと思う。(U・Y)

◇日本人は戦争についてまだ半分も知っていないのではないかと思う。それはもちろん私も含めて加害者としての日本を知らないということである。なぜPKO派遣について日本が東南アジアの国からあれほどの批判を受けるのか、なぜ今従軍慰安帰の問題がさわがれているのか。そのことを日本人は考えねばならないと思う。ヒロシマやナガサキを世界に伝えたいと思うなら、中国における南京大虐殺も同じように、もう二度と繰り返してはいけないこととして、考えるべきではないだろうか。自分たちは加害者の立場だったということをもう一度考えて、日中十五年戦争の歴史を改めて見直すことが必要だと思う。そのためには、真実を知ることがまず必要であり、そういった機会をこれからの教育の面で取り入れる必要があると思う。(A・M)

◇日本人は日本軍が南京で行った虐殺の真実をよく知らないことが問題である。現にアメリカではその当時フィルムが上映されているのに、私は先日の授業で初めてフィルムを見た。写真ですらほとんど見たことがなかったし、授業でも少し触れるだけであとは深入りをしなかったのである。そのため私を含む日本の若者の多くは、アジアの人々、あるいは中国の人々に対しての考え方が甘く、五〇年以上もたっているのだから時とともに忘れるだろうとか、戦争を知らない若
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者たちはそのようなことは気にしていないだろうという勝手な考え方をもっている。これらは大きな間違いであり、中国の人々は五〇年以上たった今でもあのことは忘れていないし、日本に対する恨みも忘れていないのだということが講義でわかった。

私たちはテレビのニュースなどでは真実を知らされていないし、教育の場においても虐殺行為を隠そうとしている政府の人達によって真実を知らされていない。これではあの戦争当時、真実を知らされることなく勝利だけを祝っていた国民たちと同じです。我々は真実を知る必要があり、そのためには教育の場において、まず詳しく子どもたちに真実を教えて考えさせていく必要があると思います。日本が事実を隠そうとしている間は絶対に真の日中友好関係は実現できないと思います。(T・U)


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