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40日戦争SS(3)


「…そろそろ日が暮れます。もうお別れしないと…。アンドレア。私の最後のお願い聞いてくれますか?」
「どんなこと?」
「明日がきて、まだ狼が生き残っていることがわかっても絶対に自分を責めないでください。私はアンドレアの力を信じています。絶対村に平和をもたらしてください。そして平和になったら、私のことは忘れて、どうかアンドレアを大事にしてくれる人を見つけて幸せになってください。」

その言葉に私はゆっくりかぶりを振り、体を起こして、彼の胸のあたりに銃口をぴったりと押し付けた。
「…両方とも聞けませんわ。まず第一に明日には狼は生きていませんわ。先ほどまでは悩んでいました。リンクさんが村人だったら一生後悔することになると。
でも…イーリンさんがみなの反対を押し切ってデールさんを処刑しようとしたことで確信しました。イーリンさんが最後の狼であるあなたを庇っている狂人であると。
…もし私が狂ってしまえればあなたを守れたんでしょうね。…でも今まで流した血の重さを考えると狂ってしまうわけにはいかなかったんです。
そしてもうひとつ。あなたが狼であっても私は自分自身の手で最愛の人を殺すことになる。そんな私が幸せになれるとも思えませんし、第一あなた以外の人と幸せになれるとは思っていませんから…。
さようなら…愛しています。」

私は静かに引金を引く。そのほんの数瞬の間に、誰にも聞こえないような小声で、確かに彼の声が聞こえたような気がした。
「…やはり私を追い詰めるのはアンドレアでしたね…。私はアンドレアの鋭さがたまらなく怖かったんです…。ふがいない狼でごめんなさい…。」

銃声が鳴り響き、一瞬の静寂の後――村をおおう霧がはれ、残った村人たちの歓声があがった。
これですべてが終わったのだ。

「…リンクさん。あなたは立派な狼でしたわ。あなたはあなた自身の死をもって私の心を喰って、永遠に離さないのですから…」



終わり