夕刻。興宮の公立高校から帰宅した圭一がドアを開けると、思いがけない人物に出迎えられた。
「お帰りなさい、圭一」
「うわっ…!ビックリしたぁ。来てたのか、梨花ちゃん」
もう外では日が暮れようとしている。この時間に梨花が居ると言う事は、つまり。
「圭一、ハイこれ」
圭一が察するよりも早く、梨花はさっと一枚の紙を差し出す。そこには、『お父さんの仕事で泊りがけになるから、帰りは明日の昼になる』という趣旨の、母からの連絡が書かれていた。
圭一が、雛見沢分校を卒業するのを機に梨花と交際を始めて約二年。既に両親にも紹介済みである。仕事で遠出をすることもしばしばな圭一の両親は、自分達が留守中の息子を梨花に託す事が今ではすっかり定番となっていた。
「なるほど、そういうことか」
「ちょっと圭一?随分そっけない反応ね」
状況を把握するや、もう慣れたのか、意外に無感動な圭一に梨花は少し不満げな様子だった。と同時に不安げなようでもある。もしかして飽きられたのかと。
「そうか!?来てくれて嬉しいぞ!今日は二人っきりで水入らずだヤッホー!!」
「わざとらしい」
「すまん、そう不貞腐れるなって。嬉しくないはずはないだろ?二人っきりってことは…その、な?」
「ふふっ、わかってる」
顔を逸らしていた圭一は、その時、梨花の瞳が一瞬ギラリと光った事見逃していた。

「ごちそうさま…って言うのはまだ早いな。その…もう、…いいか?」
夕食の頃からどこか落ち着かずそわそわしていた圭一が、苦笑しながら何ごとかを促す。彼の意思を十二分に察している梨花は、満面の笑みで返す。それは彼女の意思でもあったから。
「くすくす、まだメインディッシュって言うわけにはいかないけど、デザートくらいにはなるかしら」
そう言った梨花は立ち上がって、おもむろにスカートのホックを外す。ぱさりと落ちたスカートの下にあるものを見て、圭一は驚愕の表情を浮かべる。
「お、おいっ!!梨花ちゃんっ、な、な、な、なんだぁそれはぁっ!?」
「にぱ~☆圭一の今晩のオカズはこれなのです。ちょっと勇気を出して冒険してみたのですよ」
「ぼ、ぼ、冒険し過ぎだろっ!ひ、ひ、ひ、紐でしかもっ、縞パンなんて、梨花ちゃんには早すぎるっ!!」
微かに頬を染めて圭一に晒した梨花のパンツ…それは彼女の歳で着用するには、ちょっと刺激的かつ不釣合いなものだった。晒している方の梨花よりも、圭一の顔の方が真っ赤な茹蛸状態なのが滑稽でもある。
「今夜は圭一と水入らずなのです。だから未来の妻として、気合を入れなおしたかったのです。にぱ~♪」
「いや、その…な」
それって所謂「勝負パンツ」ってヤツじゃないか、と心の中で叫ぶ圭一だった。
「どうしたのですか。嬉しくないのですか、圭一?」
ナニを期待していたのか、梨花はそれを裏切られたように顔を曇らせる。
「いや、梨花ちゃんはむしろお色気なパンツよりも…可愛い系の方が良いな。動物のキャラクターとかがプリントされたお子様パンツの方が似合う、つーか萌えるぜ!元・萌えの伝道師Kこと、この俺が保証する!!」

因みに圭一…もといKは、彼女が出来た事が切っ掛けで、ソウルブラザーを引退している。
有り体に言えば、梨花によって自主的に引退に追い込まれた、という方が正しいだろうか。
トミー、クラウド、イリーから提供された珠玉のコレクションを梨花に発見されて、ちょっとした修羅場になったのだ。
そのコレクションで強調されていた、女性のとある身体的特徴が梨花の逆鱗に触れる形で。
もっとも、それ以来梨花は圭一の欲求不満が溜まらないように――余所見をしないように、こうして不定期に精一杯のサービスをしてくれている。だから圭一にとっては、出たサイコロの目はそれほど悪いものではなかったのだが。
しかし、梨花の根深いコンプレックスは、こうして偶に圭一の前で炸裂してしまうこともあるのだった。



TIPSを取得しました。



「圭一っ!!まだボクをお子ちゃま扱いするのですかっ!折角気合入れたのに…あんまりなのですよ!!」
「ぐえっ、ま、待てっ、話せば分かるっ、ぐぐっぐるじい~!!」
激昂した梨花に首を絞められた圭一はバタバタと手を振るが、せっかくのサービスを貶められた梨花の怒りは収まらない。
――どういうことよ、「これで圭ちゃんはメロメロでイチコロです☆」って言ってたじゃない。詩ぃめ、謀ったか!?
「何だかんだ言って、圭一はやっぱりまだ私を女としては見てくれていなかったのね。どうせ本当はボインボインが好きなんでしょっ!!酷いっ、この変態っ!!」
「……そ、それだっ!!」
苦悶に喘ぎながら、圭一はまるで頭上に電球がピカリと点いたような表情を浮かべる。
「なによっ!?」
「さっきの喋り方じゃ、そのパンツは似合わねぇぜ。『かぁいい梨花ちゃん』って感じがするからな。やっぱりこっちの『大人びた梨花ちゃん』じゃないと」
「あっ」
今や圭一の前では、主に演出としてだけ使うようになっていたあの口調が、ミスマッチをもたらしていた事に梨花は気付く。
「つい、別の本能もチラリ…いやもとい、梨花ちゃんがあまりにも積極的だったからこっちが恥ずかしくなっちまってつい紛らわしたくてあんなこと言っちまった。そっちの『梨花ちゃん』なら十分アリだぜ。滅茶苦茶興奮する」
「ほ、ホント?ちょっとは大人っぽく見えるかしら?女として見てくれる?」
それは、梨花にとっては未だ不安の種であった。いや圭一が高校に進学してからは、むしろ増大傾向にある。何故ならば――
「ああっ!?梨花ちゃんを女として見てない?そんなことは無いぞ。他の何処よりも俺のココは正直にかつ雄弁に物語ってるからな」
我慢できなくなってズボンを下ろした圭一は、はちきれんばかりにそそり立ったテントを晒す。
「ふふふ、もうこんなにカチカチじゃない。溜まってるのね」
パンツ姿で歩み寄った圭一に軽くキスをされて、コロリと機嫌を直した梨花は、トランクスの上から彼の分身を愛おしそうに撫でる。
「当たり前だ。この年頃でアレ禁止は結構キツイんだぞ」
「やっぱりそこまで無理することはないのに…」
案ずるように言う梨花だったが、その言葉に本心などカケラも無い事くらいは、今の圭一にもわかる。巨乳のバニーさん本を見て憤慨した梨花の顔は、今でも忘れられない。
トランクスを下ろされ、年下の彼女に押し倒された圭一は苦笑しながら言い返す。
「バカ、嘘言うなって。俺が梨花ちゃん以外をオカズにして逝くのを絶対許せないくせに。あっ…いいっ」
分身を両手でしごかれ始めて、たちまち圭一は至福の表情と声を上げる。
「だって…圭一はもう…一緒の学校じゃないし。高校には私の知らない女子生徒もいっぱいいるかと思うと…。恋人のポジションに安住して、うかうかしてもいられないわ」
圭一にとってのちょっとした悩みの種がこれであった。元々親を早くに亡くした生い立ちの関係もあって、梨花は愛情を人一倍渇望してやまない。圭一を得てからは一切隠すことなく彼にそれを強く求め、自らも惜しげもなく彼にぶつけている。平たく言えば、独占欲が滅茶苦茶に強くなっているのだ。
梨花にとって、圭一の高校進学は決して心穏やかな事ではなかった。以前は同じ学び舎で自分の眼の届く場所にあって問題はなかったのだが。
圭一が高校へと入ったら、今までのようには一緒に居られない。その危機感が、梨花が圭一と付き合う決心をした理由の一つでもある。
両想いになれた現状にも、決して満足はしていない。
やや情緒不安定で、とかくネガティブな思考や不安に陥りやすい面のある梨花だ。彼女にしてみれば、圭一が自分の与り知らぬ高校でいつ魔が差してしまわないか、気が気ではなかったのである。
そんな梨花が何時疑心暗鬼に陥ってしまわないか、圭一もいささか不安ではあった。羽入はもういないし、こんな可愛い娘を放っておけない。ここは俺が支えてやらねば、と内心密かに思っている。
「心配すんなって。俺はモテないって事が高校に進学して証明されたからな。雛見沢分校時代は…まぁいい夢を見させてもらったぜ。あれは同年代の男子が悟史しか居なかったからだろうな。街の高校に行けば、俺は大したレベルじゃないさ」
「ふふっ。圭一の魅力に気付かないなんて、残念ね。それとも、私やかつてのレナや魅ぃたちの好みが変わってたのかしら。余計なライバルなんて居ないに越した事は無いけど」
そう言って梨花はニタリと妖艶な笑みを浮かべ、舌を出して圭一の分身の先端をチロチロと舐めだす。
「う、くはぁ、だ、だから、俺のココをこんな風に出来るのは梨花ちゃんだけだ。コレをしてもらえるのが不定期なのがちょっと辛いけどな」
「んっ、ちゅぱ、れろ、んっ…仕方ないじゃない。んっ、圭一の両親が居ない時にしか出来ないし。はむ、ん…」
「あ、梨花ちゃんっ。すまん、一つ頼んでも良いか?…今日は、その、一回目は手で思いっきり…で、梨花ちゃんの顔に…」
パクリと分身を咥えた梨花に、圭一はやや申し訳無さそうに懇願する。
「もう、顔にかけるのをご所望なんて悪趣味ね。ちょっと待って」
汚れないようにと、梨花は上着を全て脱ぎ捨てる。二年前に比べると、微かに膨らみを持ち始めた胸がそこにはあった。
今や彼女が身に纏うものは、目新しい紐の縞パンと、圭一の強い希望で脱がないのが定番になっている靴下だけだ。
「ほら、思いっきりイっちゃいなさい。圭一の熱いのを、一週間分溜まった濃いミルクを思いっきりぶちまけて!」
容赦なく右手で圭一の分身をしごきまくる梨花。びくんびくんと痙攣するが、今の彼女の手付きはそれを平然と押さえ込めるようになっていた。
「あっ、あはっ、イイッ、イクッ、が、我慢できねぇっ、出すぞ、梨花ちゃんっ、あっ、はっ、梨花ぁ!!」
ドクン。ビュッビュッ。ピチャピチャ。
圭一の分身から迸った欲望の白濁が、梨花の鼻先に、頬に、口元に、髪に、首元にべっとりと降りかかる。その光景を恍惚の中でぼんやりと見た圭一は、梨花を自分だけの色に染め上げた快感に昇天する。
「ひゃっ!あはっ。んっ…あぁ熱い…凄いわ、圭一…こんなにべっとり…圭一の匂いが」
口元の白濁に指を付けて、梨花はそれをぺろりと舐める。梨花もまた、圭一だけのものになった感覚を覚えて恍惚の笑みを浮かべた。

「はぁ、はぁ、…今度は俺の番だな。してもらってばかりじゃ申し訳ねぇし」
放出後の虚脱感に抗いながら、仰け反っていた圭一はむっくりと起き上がる。そして梨花のパンツを見てニヤリと笑った。
「でっかいシミが出来てるぜ。全くいけない娘だな、梨花ちゃんは」
「ふぁっ、け、けいいちっ」
生地の上から、乱暴に指を這わせる。その度にくちゅくちゅと淫靡な音が響く。
「んっ、あん、んっ」
「こんな色っぽいパンツを履くわ、それをこんなにぐちょぐちょにしやがるわ…早熟にも程があるぞ」
「だぁってぇ…ん、圭一のせい…よっ。圭一が私をこんなにめちゃくちゃにしたのよっ、じゃないと…んっ」
長い髪を振り乱し、遂には自らの胸を弄び始めて、足をじたばたさせる梨花から、不意に圭一は手を離す。
「ふぁっ、やめないで…こんなとこで…やめちゃいやぁっ、圭一っ!!」
胸を弄りながら、抗議の声を上げる梨花に、圭一は嗜虐的な笑みを浮かべて、彼女の腰元に手を伸ばす。
「紐パンのナニが良いって、こうしちゃえることだっ」
「あっ」
圭一は乱暴に片側の紐をぐいっと引っ張ると、ぺろっと布が捲れて梨花のまだ小さなヒップと蕾な秘所が片側半分だけ露になる。秘所の部分は蕾から漏れ出た蜜の湿り気でまとわりついたままだ。
「け、圭一…私、もうがまん…できないの…もっと、もっとしてぇっ!」
「喜んで」
そう言って圭一は、もう一方の紐も引っ張ってパンツを剥ぎ取ると、梨花を自らの膝の上へと抱き寄せる。付き合い始めて以来、行為の有無に関わらず、ここは梨花の一番のお気に入りの場所。
横向きに座らせると、股を開いて、秘所に指を挿し入れて、そこをこじ開ける。
「ふぁっ、やっぱり、ココがいいっ。あんっ、圭一の膝の上がいいのっ!ココは私だけの特等席!!」
瞳を潤ませて、快楽に溺れる梨花は必死に圭一にしがみ付く。左手で抱きかかえながら、あぁ、確実に成長しつつあるんだな、と梨花の柔らかさを満喫しながら、圭一は頭の隅で感慨に耽る。
「ひゃあ、あん、あん、んっ、ふぅん、そんなに弄っちゃダメッ、私っ、あっ、壊れっちゃうっ、ひゃんっ」
ぬちゅ、ぬちゅっといやらしい水音に、上気した圭一はすっかり梨花の身体にのめり込む。しがみ付いていた梨花を少し離すと、身体を抱えた左手の先で乳房の先をまさぐりだす。
「よかったじゃねぇか。膨らんできてるぞ、ココ。乳首もビンビンに立ってるぜ」
「んっ、ひゃっ、あん…言わないでぇ、もう…どうせ私は貧乳よっ…んむっ」
拗ねた声を上げる梨花の口を塞ぐと、圭一は更に左手の指先で転がすように乳首の先を弄る。
一方の右手の指で秘所を弄びながら、左手で硬く立った乳首をコリコリと弄る。そして口では舌を絡ませられて、三方面からの攻撃に梨花は崩れ落ちる寸前であった。
そしてトドメとばかりに、圭一の指が、蕾の中からぴょこんと跳ね上がった小さな豆のようなものを撫でる。
「け、けいいちっ、あ、あ、あっあ――っ!!」
快感の絶頂を迎えた梨花は弓のように仰け反り、憚ることなく女としての声を上げた。
見上げるとそこには圭一の顔。今や最愛の人となった、その顔を目の当たりにしながら、梨花は絶頂へと至ったその快感に浸る――

「…すごく、気持ちよかった。頭が真っ白に、弾け飛んじゃうくらいに…んぷっ」
反り返ったまま抱きすくめられた梨花は、圭一の顔をじっと見つめてとろんとした笑みを見せる。それに対して圭一は、覚えたての情熱的なキスで応えるのだった。
「本番がお預けなのがもどかしいぜ。でも、まぁいいか。楽しみは将来に取っておこう」
「あともうしばらくの辛抱よ。圭一が晴れて合格したら…高校を卒業するまで、浮気を一切しなかったら、その時こそ私は身も心も全て貴方に捧げるわ」
「おおっ、解ってるぜ。…ホントに梨花ちゃんはいつも俺を煽って火をつけるのがうまいなぁ。ご褒美が凄ければ凄いほどやる気になるってことを知ってやがるぜ、全く」
「くすくす、そうよ。だって私は赤い炎に火をつける火打ち石。…ほら、ここもまた元気になったみたいね」
腰の下で再び蠢動を開始した圭一の分身を感じながら、梨花はコロコロと笑う。
「うっ、すまん。二回戦頼むぜ。今度は…梨花ちゃんの口の中で逝きたいな」
「仰せのままに。でも、その前に…ちゅっ…」
「うわっ、なんだ、どうしたんだっ、おいっ!?」
突然、梨花は狂ったように圭一のあらゆる箇所に口付けを始めたのだ。頬に、額に、首筋に、胸に――ちゅーと強く吸い寄せて、赤い痕をあちこちに刻む。
「ふふふふ、刻印よ。圭一は私のモノである証。誰にも渡さないわ、絶対に。そこらの女子高生になんか負けないわよ。圭一が、余所見をしないように刻み付けるの」
「ったく、もう好きにしろっ」



初めての夜に続く

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最終更新:2008年05月08日 18:14