お空に浮かぶ、大きなお魚。
ひらひらで、青とか、ピンクとか、いろんな色。
……あまりおいしそうじゃない。皮だけ?
「鯉のぼりがどうかした?」
「んー?」
こい、のぼり?
「うちの大家さん、いつもこうして大きな鯉のぼり立てるんだよ」
こい、のぼる……お空に?
んー……。
「僕の家でもこんな感じの立ててたけれど……電気石、何してるの?」
「のぼりー……のぼれない」
「しょんぼりする気持ちは分かるけど、危ないから登っちゃダメだよ」
マスターの、だっこ。
……あまりのぼれない。
ひらひらで、青とか、ピンクとか、いろんな色。
……あまりおいしそうじゃない。皮だけ?
「鯉のぼりがどうかした?」
「んー?」
こい、のぼり?
「うちの大家さん、いつもこうして大きな鯉のぼり立てるんだよ」
こい、のぼる……お空に?
んー……。
「僕の家でもこんな感じの立ててたけれど……電気石、何してるの?」
「のぼりー……のぼれない」
「しょんぼりする気持ちは分かるけど、危ないから登っちゃダメだよ」
マスターの、だっこ。
……あまりのぼれない。
こい、のぼり……。
こい……?
「そんなに鯉のぼり気に入ったの?」
マスターから、おやつをもらう。
「あんまり見上げてると首が疲れちゃうよ。食べながら休憩しよう」
チョコレート……。
……あまーい。
「おいしい?」
「うん」
「よかった。結構高いチョコレートなんだよ、これ」
高くて、おいしい……。
「蛋白石だったら、全部食べちゃうから……いないうちに食べないとね」
「独り占め……めー」
「あー……今日だけ。ね?」
マスター、悪い子。
でも、チョコおいしい。
「それにしても、もう5月かぁ」
「……あったかい」
「うん。暖かいね」
マスターと、一緒。
こい……。
「ん、電気石?」
……マスターの、お膝。
もっと、あたたかい……。
「甘えん坊さんだね」
「……めー?」
「ううん、めーじゃないよ」
……こい……恋?
「マスター……」
……好きぃ。
こい……?
「そんなに鯉のぼり気に入ったの?」
マスターから、おやつをもらう。
「あんまり見上げてると首が疲れちゃうよ。食べながら休憩しよう」
チョコレート……。
……あまーい。
「おいしい?」
「うん」
「よかった。結構高いチョコレートなんだよ、これ」
高くて、おいしい……。
「蛋白石だったら、全部食べちゃうから……いないうちに食べないとね」
「独り占め……めー」
「あー……今日だけ。ね?」
マスター、悪い子。
でも、チョコおいしい。
「それにしても、もう5月かぁ」
「……あったかい」
「うん。暖かいね」
マスターと、一緒。
こい……。
「ん、電気石?」
……マスターの、お膝。
もっと、あたたかい……。
「甘えん坊さんだね」
「……めー?」
「ううん、めーじゃないよ」
……こい……恋?
「マスター……」
……好きぃ。
◇
「ご主人様ーっ、ただいまー♪」
蛋白石のにぎやかな声が、電気石の寝息をかき消す。
「蛋白石、しーっ」
「え? あ、お姉様……可愛いー♪」
「そうだね」
頭を軽くなでる。
少しだけくすぐったそうな、そんな感じで体を動かす。どんな夢見てるのかな?
「それよりご主人様、この箱……」
「え?」
「ペロ……これは! 高いチョコレートっ!?」
……箱、処分し忘れちゃった。
つまり蛋白石に黙って全部食べたのもばれたわけで……あぁ、涙目で拳を震わせてる。
「た、蛋白石、女の子が箱をなめるなんて行儀の悪いこと……」
「チョコ……チョコぉ……」
「いや、落ち着いて、ね? ほら、電気石も起きちゃうよ」
「チョコ……ご主人様ーっ!!!」
「アッー!!!」
食べ物の恨みは、恐ろしい……。
蛋白石のにぎやかな声が、電気石の寝息をかき消す。
「蛋白石、しーっ」
「え? あ、お姉様……可愛いー♪」
「そうだね」
頭を軽くなでる。
少しだけくすぐったそうな、そんな感じで体を動かす。どんな夢見てるのかな?
「それよりご主人様、この箱……」
「え?」
「ペロ……これは! 高いチョコレートっ!?」
……箱、処分し忘れちゃった。
つまり蛋白石に黙って全部食べたのもばれたわけで……あぁ、涙目で拳を震わせてる。
「た、蛋白石、女の子が箱をなめるなんて行儀の悪いこと……」
「チョコ……チョコぉ……」
「いや、落ち着いて、ね? ほら、電気石も起きちゃうよ」
「チョコ……ご主人様ーっ!!!」
「アッー!!!」
食べ物の恨みは、恐ろしい……。