「いッ!」
「ど、どうした主!?」
「包丁で指切った……あーぁ。やっぱ黒曜石がいないとはいえ、慣れないことはすべきじゃなかったか」
「あ、主……それよりも、血、血が」
「ん? まぁ、別に傷は深くないし血もそんなに出てないから、舐めとけば大丈夫だろ」
(……確かに、主の言うとおりではある。けれど某は……)
「あぁ、そういえば珊瑚は血がダメなんだよな。悪い、変なもの見せちまって」
(主を守ると誓い、己が魂とも言える武具を携えた武人として、某はまだ……血が怖いと、言うつもりか?)
「ごめんな。とりあえず水で流して、そのあと絆創膏貼っとくか……」
「……待たれよ、主」
「へ?」
「その指、某に見せてはくれぬか」
「はぁ? だってオマエは……あ、ちょっ」
「……これは主の血だ。主に全てを捧ぐと誓った今、嫌悪する理由がどこにあろう」
「おい待て、それはちょっとちが――!?」
「あむ……っ、んぐ、じゅる……ちゅ」
「さ、珊瑚ッ!?」
「ん……ぷはッ。ふぅ、血は鉄の味がするとはよく言ったものだ。どうだ主、傷は治まりそうか?」
「あ、あぁ……そ、それより! オマエは大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫だ。主の血であったから、怯える自らを奮い立たせることができた」
「……オマエ」
「そ、それよりも、主。某は、その……お昼ごはんが」
「へ? ……あぁはいはい、腹減ったんだな。おーし、今度はヘマしないで作ってやる! 待ってろ!」
「ふふ……護るべき人のためならば、某はまだまだ強くなれるのだな……ありがとう、主殿」
「ど、どうした主!?」
「包丁で指切った……あーぁ。やっぱ黒曜石がいないとはいえ、慣れないことはすべきじゃなかったか」
「あ、主……それよりも、血、血が」
「ん? まぁ、別に傷は深くないし血もそんなに出てないから、舐めとけば大丈夫だろ」
(……確かに、主の言うとおりではある。けれど某は……)
「あぁ、そういえば珊瑚は血がダメなんだよな。悪い、変なもの見せちまって」
(主を守ると誓い、己が魂とも言える武具を携えた武人として、某はまだ……血が怖いと、言うつもりか?)
「ごめんな。とりあえず水で流して、そのあと絆創膏貼っとくか……」
「……待たれよ、主」
「へ?」
「その指、某に見せてはくれぬか」
「はぁ? だってオマエは……あ、ちょっ」
「……これは主の血だ。主に全てを捧ぐと誓った今、嫌悪する理由がどこにあろう」
「おい待て、それはちょっとちが――!?」
「あむ……っ、んぐ、じゅる……ちゅ」
「さ、珊瑚ッ!?」
「ん……ぷはッ。ふぅ、血は鉄の味がするとはよく言ったものだ。どうだ主、傷は治まりそうか?」
「あ、あぁ……そ、それより! オマエは大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫だ。主の血であったから、怯える自らを奮い立たせることができた」
「……オマエ」
「そ、それよりも、主。某は、その……お昼ごはんが」
「へ? ……あぁはいはい、腹減ったんだな。おーし、今度はヘマしないで作ってやる! 待ってろ!」
「ふふ……護るべき人のためならば、某はまだまだ強くなれるのだな……ありがとう、主殿」