黒「マスター!」
マ「どうしたんだい、黒曜石。そんなに大声をあげて……」
黒「雲母ちゃんが、雲母ちゃんが……」
そこにはいつもの雲母はいなかった。
おびえたように物影に隠れ、知らない人を見るかのようにこちらを伺う、小さな子供がいた。
マ「どうしたんだい、黒曜石。そんなに大声をあげて……」
黒「雲母ちゃんが、雲母ちゃんが……」
そこにはいつもの雲母はいなかった。
おびえたように物影に隠れ、知らない人を見るかのようにこちらを伺う、小さな子供がいた。
マ「きらら……」
びくっ! 雲母は声におびえて目を閉じ、震えている。
黒「私たちのことも、忘れてしまっているようです……」
黒曜石の声が、悲しげに震えている。
びくっ! 雲母は声におびえて目を閉じ、震えている。
黒「私たちのことも、忘れてしまっているようです……」
黒曜石の声が、悲しげに震えている。
金「うんも、うんもうんも。どうしちゃったのよ」
金剛石が、隠れた猫を捕まえるような勢いで話しかけている。
金「うんもー! ……はあ、だめか。いつもなら『う』のあたりでノコギリ構えられるのに」
雲「……?」
金剛石が、隠れた猫を捕まえるような勢いで話しかけている。
金「うんもー! ……はあ、だめか。いつもなら『う』のあたりでノコギリ構えられるのに」
雲「……?」
珊「雲母殿、某のことも忘れてしまわれたか」
雲「……?」
珊「共に荒巻を狩った思い出も……ああ、あのときは楽しかったな。雲母殿が狩った百荒巻の山、いまだに忘れられん」
雲「……あらまき……」
珊「思い出したか雲母殿!!」
黒「あ、珊瑚ちゃん、そんなに大声あげたら……ああ、雲母ちゃん逃げちゃった」
雲「……?」
珊「共に荒巻を狩った思い出も……ああ、あのときは楽しかったな。雲母殿が狩った百荒巻の山、いまだに忘れられん」
雲「……あらまき……」
珊「思い出したか雲母殿!!」
黒「あ、珊瑚ちゃん、そんなに大声あげたら……ああ、雲母ちゃん逃げちゃった」
瑪「きららちゃん、おいで……怖くないよ」
雲「……」
瑪瑙が小声で雲母に耳打ちする。
瑪(一緒に、また荒巻の着せ替えしよう?)
雲「……」
瑪(新しいドレスも作ろうね)
雲「……」
とことこ。
瑪「うん、おいで。みんな、雲母ちゃんを怖がらせたりしないから」
雲「……」
瑪瑙が小声で雲母に耳打ちする。
瑪(一緒に、また荒巻の着せ替えしよう?)
雲「……」
瑪(新しいドレスも作ろうね)
雲「……」
とことこ。
瑪「うん、おいで。みんな、雲母ちゃんを怖がらせたりしないから」
黒「瑪瑙ちゃんのおかげで、雲母ちゃんが逃げなくなったのはいいんですけど……」
いまだに記憶の戻らない雲母に、みんな思案顔。
マ「雲母、おいで……」
とことことやってきた雲母の頭を、マスターが優しく撫でる。
マ「覚えてるかい? おまえの名前を金剛石が読み違えて、大変な騒ぎになったねえ……」
金(ちょっとマスターよけいなこと言わないでよ! ですわよ!)
雲「……」
マ「雲母が荒巻をいっぱい獲ってきてくれるから、私たちはいつもおいしいごはんが食べられるんだよ」
雲「……」
珊「雲母殿、また共に狩りにいこうぞ」
マ「瑪瑙がよく一緒に遊んでくれただろう? 荒巻のおままごと用に、ドレスもたくさん作ってくれたよね」
雲「……」
瑪「ちょ、な、なんで知って」
金「知られてないと思ってたの?」
いまだに記憶の戻らない雲母に、みんな思案顔。
マ「雲母、おいで……」
とことことやってきた雲母の頭を、マスターが優しく撫でる。
マ「覚えてるかい? おまえの名前を金剛石が読み違えて、大変な騒ぎになったねえ……」
金(ちょっとマスターよけいなこと言わないでよ! ですわよ!)
雲「……」
マ「雲母が荒巻をいっぱい獲ってきてくれるから、私たちはいつもおいしいごはんが食べられるんだよ」
雲「……」
珊「雲母殿、また共に狩りにいこうぞ」
マ「瑪瑙がよく一緒に遊んでくれただろう? 荒巻のおままごと用に、ドレスもたくさん作ってくれたよね」
雲「……」
瑪「ちょ、な、なんで知って」
金「知られてないと思ってたの?」
マ「それから。いつも黒曜石が、優しくしてくれてただろう? 寝ちゃった雲母に毛布をかけてくれたり、おいしいおやつを作ってくれたりしただろう?」
雲「……こくようせき」
黒「雲母ちゃん?」
雲「……黒曜石。マスター、瑪瑙、珊瑚……」
皆[雲母!!]
金「ちょっとぉ! 私は!?」
雲「……あと金剛石」
雲「……こくようせき」
黒「雲母ちゃん?」
雲「……黒曜石。マスター、瑪瑙、珊瑚……」
皆[雲母!!]
金「ちょっとぉ! 私は!?」
雲「……あと金剛石」
マ「そういえば、どうして記憶をなくしたりしたんだい?」
雲「2L……荒巻……仕留めそこねた」
マ「ははは……」
雲「2L……荒巻……仕留めそこねた」
マ「ははは……」