宝石乙女まとめwiki 試金石とクリスマスの前
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世の中にはクリスマスというお祭りがある。
それが間近に迫ってきた今日……。今までなら僕はクリスマスを心から反対しただろう。
何故ならクリスマスパーティーを開くような友人はいないし
当然のことなら彼女もいない。実に陰気な日だったのだ。
だが今年は違う。今年のクリスマスには試金石がいる。
これは大きな変化だ。試金石が隣にいるだけで大分救われる。
……最も、聖夜を性夜にしようなどという輩とは違うので静かなものになりそうだが。
「いやぁ、楽しみだな、クリスマス」
あまりにも楽しみなのでつい口に出た。本当に、ついだ。
「クリスマスなら私は珊瑚の家にでも行くが」
などという思ってもいなかった返答がきたのだ。
……そうなると今年も陰気なクリスマスですか。それ、僕も行っちゃダメですか。
ショックの表情が顔に出たのだろう。試金石は意地が悪い笑みを浮かべた。
「冗談だ」
「……またわかりづらい嘘を」
思わず苦笑する。……良かった、冗談で。
「それにだな、私もクリスマスは主人と過ごしたい」
「……今度は嘘じゃないだろうね」
今度は彼女が苦笑した。どうやら今度は本当のようだ。
「……ケーキの代わりに」
「代わりに?」
「餅はどうだろう。まだ私食べたこと無いぞ、餅」
「お正月までまってね……」
何が悲しくてクリスマスに餅を食べなければいけないのか。
試金石は少し唸ってから会心の笑顔へと表情をかえた。
こうも一人百面相されると思わず笑いがこみ上げるがそこは我慢だ。
「餅がダメならカロリーメイトはどうだろう」
「……何で保存食なのさ」
「蛇がコードネームの人がうますぎると言っていたんだ」
「いや……おいしいけどさ」
だからってクリスマスにカロリーメイトはないだろう。
また試金石は唸りだす。しかしその時間は微々たるもので再びさっきの笑顔に。
「炒り豆はどうだ?」
「節分まで待ってね、ていうかもう一月ですらない」
わざとか、わざとやっているのか。
しかし本人はいたって真面目なようでまた唸りだしている。今度は長い。
しかし笑顔を浮かべることなくため息をついた。
「ケーキに代わるものはないのか……」
「そりゃ、クリスマスっていったらケーキだしねぇ」
「……む、主人。セリフが違う」
ムッとした表情で僕を睨む試金石。
……セリフ? 一体何の話だろうか?
「そこは‘なら君が食べたいな’だろう」
盛大にズッコケる。一体何を言い出すんだ。
「何で覚えたの、それ」
「インターネットで」
「……悪いインターネットに毒されない」
何処かで聞いたような言葉を呟いてため息一つ。クリスマス当日は一体どうなるんだ?