第十三話


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この端整な顔立ちの男こそが二人が倒すべき相手『日向小次郎』。日向はゆっくりと近づき堂島を睨んだ。
「…来たか。鬼軍二。」
この状況を予想してたのか、久しぶりの再開に別段驚くような様子はなかった。
「なんの用だ?………と聞くだけ野暮だな。」

「罪の無い人々を苦しめるのはヤメロ!!………と言うだけ野暮だな。」
「その通り…。言いたいことがあるならその刀で示せ!」
日向が刀を抜くと同時に周りに居た忍者が一斉に襲い掛かってきた。
(くっ…、動きがかなりトリッキーだ。攻撃が読み辛い。)

縦横無尽に飛び回り、離れたと思えば手裏剣が飛んでくる。
(…だが、楓と比べたら全然弱い。スピードも十分ついて行ける!)
次第に技のパターンが解り全て避けていく。そして反撃に移ると次々と手や足を斬りつけて行動不能にした。
(よし、後は日向さんだけ…)

そう思い日向に意識を移そうとした瞬間、後ろから殺気を感じた。振り返ると忍者が目の前に迫っていた。
(まだ残りが…!攻撃が浅かったか!?くっ、防御が間に合わ…)
忍者の刀が振り被られると、突然刹那の視界に大きい手が入ってきた。その手そのまま忍者を掴んだ。
「堂島さん!」

堂島は掴んだ忍者を自分の金鎚に引っ掛けるとそのままジャイアントスウィングの要領で投げ飛ばした。
忍者は頭か橋の下の川に落ち、辺りに鈍い音が響くと物言わぬ体となった。
「あ、ありがとうござ…」
「バカヤロウ!!何でトドメを刺さなかった!!?」

刹那が礼を言おうとした時、堂島が物凄い形相で怒鳴ってきた。
「わ、私は人殺しなどしたくありません…。」
「そんな甘えた事戦場で通じると思っているのか!?殺らなきゃ殺やられるぞ!!」
「ですが……!」

「フッ!!」
「!!」
口論の最中に日向が刹那に切りかかってきた。
「戦闘中に口論とは随分余裕ですね。」

目にも止らぬスピードで斬撃を繰り出す日向。刹那は防御するので精一杯だ。
いや、刹那ならこの攻撃の嵐でも反撃できるかもしれない。しかしそうしないのには訳がある。
今のギリギリの状態で反撃すると手加減できない。つまり殺す事になる。だが刹那は人殺しなどしたくない。
しかし先程の堂島の言葉が頭によぎる。

『殺らなきゃ殺やられるぞ!!』

(そんな事わかってます!わかってますけど……。)
「全部防ぐとは中々やりますね。だが…!」
日向は全身のバネを使って切り上げた。防御した刹那だったがあまりの勢いに尻餅をついてしまった。
「しまった…!!」

日向は高々とジャンプして刹那に切りかかる。絶体絶命と思ったその時又しても堂島が刹那を助けた。
「チッ!鬼軍二か…!」
日向はバク転で距離を取ると堂島を睨み付けた。
「刹那…。よく見とけ。これが本当の真剣勝負だ…。」

刹那は鳥肌が立った。堂島から発せられる気、昨晩の鉄心とはまた違った殺気によって。
この気は“相手を倒す気”ではない。“相手を殺す気”だ。
対する日向は涼しい顔をしている。これが当たり前だと、言わんばかりに。
(これが…幕末を生き抜いた…侍……。)

お互いにじりじりと間合いを詰めていく。
「そう言えば、昔の決着がついてなかったな。鬼軍二。」
「……そうだな。」
半歩近づく。

「今日こそ決着をつける!」
「……ああ。」
更に半歩近づく。
「…………行くぞ!!」

同時に踏み込み同時に技を放った。刀と金鎚が激しくぶつかり合う。スピードと手数は日向だが、
それを補うパワーと洞察眼で対応する堂島。勝負は五分五分だった。
「…ッ!」
その時、日向の攻撃が堂島の肩に当たった。すかさず好機と見て追撃を狙う。

「貰ったぞ!!」
首を刈り取らんと横に振る刀を予測してたかのように堂島はそれを上に弾いた。
「何ッ!?」
「おまえを殺すために俺はあえて斬られた。…お前の負けだ!」

弾いた勢いで回転して攻撃を放った。がら空きの胸に向って。
(…ッ!!不味い!!)
日向は咄嗟に身を引いて威力を和らげようとするが所詮は焼け石に水だった。

―――ボゴオォォン!!

凄まじい音と共に日向の体がまるで大型トレーラーに撥ねられたかの様に吹き飛ぶ。
回転力に加え、堂島の腕力。即死にならなかったのは日向の咄嗟の反応のおかげか。
しかし内臓は滅茶苦茶、折れたアバラがあちこちに刺さりどちらにしても死は免れない。
堂島は倒れている日向に歩み寄ると静かに見下ろした。

「小次郎…。」
「よせ、鬼軍二…そんなツラは似合わん。それに俺らは任務を遂行しただけだ。」
「何!?」
「さらばだ!地獄で会おうぞ!!」

そう叫ぶと懐から黒い球体を取り出した。それを見た堂島は全速力でその場を離れて刹那に叫んだ!
「伏せろ!!!」
「え!?」

―――ドゴォォォ!!!!

爆発が晴れる。そこにいた日向は跡形も無く消えていた。
「………日向さん。」
「これが勝負だ。負ければ死。…覚えておけ。」
周りを見ても生かしていた忍者達はすべて自害していた。

「昔はもっと酷かった。俺達は数多くの犠牲の上に成り立っている。だからその犠牲のためにも生き抜かなきゃいけねぇ。」
堂島の思いを刹那は黙って聞いてた。
「皆死ぬ覚悟は出来ている。それを生かして覚悟を台無しにするのがどういう事か…わかるか?」
刹那には答えられない。この問題に対して何が正解なのか。たった十五年しか生きていない自分にとって重すぎるのだ。

「まあいい。それにしても任務とは…?」
堂島は先程の日向の言葉を思い出し考えていた。
「……まさか宿場か!?」
二人は急いで宿場に向った。その途中刹那は色々な事を考えていた。

(ネギ先生はどう思うだろう?アスナさんや龍宮、楓、エヴァンジェリンさんは?)
先程の堂島の話した事について。必死に答えを探していた。
(もし私が人を殺したら…お嬢様は……。)
彼女の葛藤は続く。

~その頃宿場では~

すずが外に出て夕焼けを眺めていると声を掛けられた。
「おい、お前。ちょっと一緒に来てもらおうか?」
「な、何のようですか…?」
制服をみにまとい、帽子を被っている。政府の役人だ。

「いいからついて来るんだ!」
役人は強引にすずの腕を引っ張った。
「や、やめて下さい!」
「ええい!大人しくしてろ!」

役人は無理やりすずを担ぐとそのまま去って行った。

連れ去られたすず。政府軍の目的は何なのか?果たして二人は間に合うのだろうか?


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