第三話


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神社に着くと知床と子分が二人いた。
「よく来てくれました。さあ行きましょう。」
「どこへ行くんですか?」
「宿場にある小さな飯屋だ。仕事内容は着いてから話す。」
(飯でも食べながら仕事の話でもするのかなぁ・・・?)
「油断だけはするなよ!」
「へい!!」
(油断?・・・どうやら仲良く食事という訳ではないらしいな。)

~宿場~

宿場に着くと刹那達はT字路で作戦会議を始めた。
「ではあなたはここで見張りをしててください。」
「へい。」
「あの、何故見張りを?」
刹那は怪訝そうな顔を浮かべて知床に尋ねた。

「我々を付け狙う組織があるのです。その名も『赤玉党』。」
「なんですか?その赤玉党と言うのは?」
「最近この、六骨峠に現れた士族達の集団です。・・・さあ目的地はすぐそこです。行きましょう。」
知床に案内されとある店の前で止まる。
「ここです。しつこく居座るこの店の連中を立ち退かせなくてはいけません。」
「えっ?立ち退くって・・・」

言いかけた時には店内に何かがひっくり返る音と悲鳴が聞こえた。刹那が慌てて駆けつけると子分が暴れていた。
更に刹那はある人物を見て驚愕する。先ほど助けた女性がいたのだ。
「あ、あなたは・・・!」
(さっきの人!?この店の住人だったのか!?)
「むぅ~、黒生家の新しい用心棒でござるか・・・。」
(もう一人は・・・!!!!)
刹那はもう一人の方を見て固まった。15年間生きてきた中でこの仰天っぷりは間違いなくベスト5入りだろう。その人物とは・・・

(黒人+アフロ+着物+ござる言葉でとってもファンキーだとーーー!?)
あまりのインパクトに少し壊れた刹那だったがすぐに落ち着きを取り戻す。そして状況を理解する。
(これが武家のやる事か!?これではチンピラではないか!こんな罪もない人達を・・・。)
「さあ、あなたもやるのです。」
「・・です。」
「何?」
「いやです!こんな事、あなた達は間違っています!」

子分「テメェ―裏切る気かぁっ!」
「おのれ・・・!」
刹那の反抗に対し即座に刀を抜き容赦なく襲う二人。
(店の中で戦うのはマズイ。一先ず外へ・・・)
体術などで応戦しながら何とか外に出ると刹那も刀を抜き構える。
「ぬうぇい!」
力任せの攻撃。そんなものが通用するはずもなく刹那は難無くかわしそのまま後頭部に一撃。
倒れてく様を見ていた刹那だが突然の背後からの殺気にすぐにその場から飛びのく。
遅れて刹那の正面にいた子分が吹っ飛ぶ。知床の念力だ。

「チッ・・・。」
「もうその技は効きません。」
「小癪な。」
次々と念力を飛ばす知床だがそのすべてを避けながら徐々に近づく刹那。
(見えないなら感じるんだ!知床さんからの殺気を感じて・・・、あと少し・・・。あと少しで私の間合い。)
その時知床の念力が止まった。その一瞬を見逃さず一気に切りかかる。


―――――何故だ!?


刹那はうつ伏せに倒れていた。頭がグラグラする。
(な、何故私は倒れている?)
あの時、刹那が切りかかろうとした瞬間、知床は鳩尾に一撃を入れた。更に首筋への手刀で崩れ落ちる刹那。
彼は狙っていた。念力を止めたのも刹那が攻撃する一瞬の隙を突く為の罠である。伊達に黒生家の参謀を務めてない。

背後には刀を逆手に持ち今にも突き刺そうとする知床の姿が見える。最早あきらめたその時刹那の耳に聞き覚えがある声がした。

―せっちゃん!

(お嬢・・・様・・・?)
やがて知床は刀を振り下ろす。刹那にはそれがスローモーションに見えた。

―諦めたらあかんよ!がんばって、せっちゃん!

「おおおおぉぉぉ!」
ガッ
「!!」
刀は刹那には刺さらず地面に突き刺さった。刹那は咄嗟に身を捩ってかわしたのだ。
しかしかわしきれず背中に横一文字に傷ができた。焼ける様な痛みに耐えながらも必死に立ち上がる。
「はぁはぁ・・・グッ・・・!」
鳩尾、首筋への手刀、背中の傷でフラフラになりながらも相手を睨め付ける。その目はいまだ光を失っていない。
「そんな状態で避けるとは・・・。しかもその溢れんばかりの闘志。一体何故!?」
「・・・私には大切な人がいます。」
静かに、しかしはっきりと話し始めた。
「・・・その大切な人を護るため私は剣を持ちました。」
知床は黙ってそれを聞いている。
「・・・その人の笑顔のため、その人の下に帰るため・・・。こんな所で負ける訳にはいきません!!」

刹那から発せられる闘志で知床の額に冷や汗が出てくる。本能的に足が下がり距離を取ろうとする。
「はあぁぁぁ!!」
目にも止らぬ攻撃で知床は避けるのが精一杯だ。
(何と言う速さ!それに一発一発が重い!このままでは・・・!)
防御に集中しすぎて腕を上げている。刹那はそこを見逃さず脇腹に強烈な蹴りを入れた。

「ぐはぁっ!」
思いっきり横に吹っ飛ばされ尻餅を着く。なおも攻めてくる刹那をを近寄らせまいと切り払う。

――バキィィン!!

攻撃と攻撃が激しくぶつかり知床の刀が折れた。そして刹那は知床の眉間に剣先を突き付ける。
「はぁはぁ・・・勝負・・・ありましたね。」
「・・・なぜ殺さない?」
「大切な人の笑顔を護る為です。」
「?」
「その人は人殺しなど望まない。私が人を殺してしまったらその人は悲しむ。そんなのは見たくありません。」
さっきとは打って変わって優しい目で語る。
「・・・フッ。やはりあなたは素晴らしい。仲間にできないのが惜しい。」
刹那が刀をしまうと、知床も立ち上がり立ち去る。
「仲間にできない以上あなたは敵です。・・・この借りは必ず返して貰います。」
「・・・はい。」
去り際に知床が言った言葉に静かに返事をする刹那だった。


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