SIDE:圭一

明朝4:00に48時間作戦が開始される。
梨花ちゃんの命を狙う……いや、そうじゃない、雛見沢の命を狙っている鷹野さん達との戦いが始まる。
俺達は戦いに備えて、魅音の家に寝泊まりすることにした。
朝は早い。それまでに少しでも睡眠を取っておくというのが魅音の指示だった。
それは分かっている。……しかし、俺はなかなか寝付けないでいた。
時計の針は夜の11:00をまわったところ。
いつもならまだ起きている時間なのだから当然だといえば当然なのだろうが……。
畜生。最高のコンディションを整えなくちゃいけないってのに、こんなんじゃ明日になってみんなの足を引っ張りかねない。
寝返りを打って、目を開ける。
あれ? 障子の向こうに誰かいないか?
月明かりに照らされて、人影が映っている。

誰だろう……こんな時間にやってくるっていったら、それは――

1,レナかもしれない
2,魅音かもしれない
3,沙都子かもしれない
4,梨花ちゃんかもしれない
5,羽入かもしれない


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rァ レナかもしれない

俺以外にまだ眠れない奴がいるのかと思い。そっと布団から抜け出し、障子へと移動する。
「レナ? ……どうしたんだよ? こんな時間に」
戸を開けると、そこにはレナが立っていた。
「あ…………その。ゴメンね圭一君。起こしちゃった?」
「いや……別に構わないぜ? 俺は寝付けなかったから、まだ起きてた」
「そうだったの? 圭一君も眠れなかったんだ……」
そう言うとレナは照れくさそうに笑った。
「っていうことはレナもか? じゃあ、ひょっとしてみんなも……?」
「ううん。みんなはもう寝ちゃったよ。布団に入ってすぐだった。魅ぃちゃんと沙都子ちゃんなんて凄いいびきなんだよ?」
俺は苦笑した。なんとなく容易にその様子が想像できたからだ。
同時に、彼女らの強さを少し羨ましくも思った。
「……そりゃ確かに眠れないよな。それでレナは部屋を抜け出してきたっていう訳か」
レナは頷いた。
「出来たら圭一君とお話し出来ないかなってここまできたけど、よく考えたら圭一君だって休んでるんだから邪魔しちゃ悪いよねって……」
「仕方ないから部屋の外に突っ立ってたっていうわけか? なら、取り敢えず部屋に入れよ? いくら夏だからって、いつまでも夜風に当たっていると風邪引いちまうぞ? 魅音の言葉を忘れたのかよ?」
そう言うと、レナはくすくすと笑った。
「そうだね。……それじゃ、お言葉に甘えてそうさせてもらうね」
レナが部屋に入って、俺は障子を閉めた。
二人して布団の上に座る。
でも話す切っ掛けが見付け出せなくて、俺達は互いに無言だった。
庭園に流れる水の音しか聞こえない静寂。
月明かりしかない暗がりで、レナがどんな顔をしているのかよく見えない。
でも、俺の隣にレナがいる。それだけで、なんだか少しほっとする。
「レナ。……話ってなんだよ?」
「ん? ……何だっけ。もう忘れちゃった」
「おいおい。なんだよそれは。……別にいいけどさ」
わしわしとレナの頭を撫でてやる。
「でも俺は、レナが来てくれてよかったと思う」
「え……?」
「……あっ」
慌てて口を押さえたがもう遅い。頭の中だけで言うつもりだった……かなり恥ずかしい台詞を、俺は既に口にしてしまっていた。畜生、俺の馬鹿、俺の馬鹿……。
きっと、この暗闇の中でも俺が顔を真っ赤にしているのはレナに丸見えだったと思う。
でも……そうだよな。ここまで言ってしまったんだから、もう隠す必要も無い。
「ホント言うとさ……俺、ずっと考え事してしまってて……それで眠れなかったんだ」
「…………うん」
「みんなと一緒なら絶対に勝てるって分かっているし信じてる。さっきみんなの前で言ったように燃えていて、興奮しているから寝付けないっていうのもある。
……けど、みんなと別れて一人っきりになると……不安も湧いてきてしまって……。男のくせに情けないって思うけどさ」
「……圭一君…………」
「怖いんだよ。レナも魅音も沙都子も梨花ちゃんも羽入も、みんな俺の大切な、かけがえのない仲間なんだ。誰一人だって欠けるのはイヤだ。……俺達部活メンバーがそんなことになるはずがないことは分かってる。……けれど…………」
そんな考えたくもないイメージが次から次へと湧いてきてしまう。
レナがいない世界。魅音がいない世界。沙都子が、梨花ちゃんがいない世界。羽入がいない世界。そんな世界は……駄目だ、想像しただけで涙が出てくる。何故だか分からないけど……どうしようもなくリアルにイメージ出来てしまう。
「…………レナ?」
いつの間にか、俺は俯いていて……レナが俺の両肩に手を置いていた。
「大丈夫だよ。……レナは死なない」
俺は顔を上げて、右手をレナの頬に添えた。
「ああ、分かってる。……レナは死なない」
何故なら、俺が絶対に守ってみせるからだ……。
「私もね。……圭一君と同じこと考えてた」
「レナ……?」
「私の大切な仲間達が……私の大好きな圭一君がもしもいなくなっちゃったらって……そしたら、胸が痛くて……」
そっ とレナは俺の右手を掴み……自分の胸に押し当てた。
「レナっ?」
「ほら……分かるでしょ? 私の胸もドキドキしてる。……そして私も、そんな風に悩んでいたのが私だけじゃないって知って、少しほっとしたの」
俺は静かに目をつむって、レナの鼓動に集中した。
レナの温かみ。レナが生きているという確かな証拠。
「どうしても眠れなくって……そうしたらどうしても圭一君と会いたくなって……」
俺は閉じていた目を開けた。
そして……何も考えないうちに、いつの間にかレナの顔へと自分の顔を寄せていた。
レナも……目を閉じていた。
俺は再び目を閉じて……レナと唇を重ねた。
互いに互いの唇を押し付け合い、存在を確認する。
どれくらい……ひょっとして一分ぐらいか? 長いキスをして、唇を離す。
右手の中のレナの鼓動は、より強く激しいものとなっていた。
俺の息も激しいものとなっていた。
プツリと上着のボタンを外す。ゆっくりと右手をずらし、レナのパジャマの中へと差し込んでいく。
レナは……抵抗しなかった。
レナの胸に直接触れる。そこは柔らかく、そして温かかった。優しく揉みしだくと、その分優しく手を押し返してきた。……そして、その乳首は固く尖っていた。
「んんっ はぁっ」
レナの甘い吐息。
レナは目を閉じたまま、俺の愛撫を黙って受けていて……ときおりそのまぶたがぴくぴくと震えていた。
ごくりっ
生唾を飲む。
俺の頭の中は、既に沸騰していた。
右手をレナの胸から離し、余った左手をレナへと伸ばすと、気配を感じたのかレナが目を開けた。
「……圭一君? …………きゃっ」
俺はレナの両肩を掴んで、力いっぱい引き寄せ……そして、布団へと押し倒した。
俺はレナの上で四つんばいになっていた。
はあ~っ はあ~っ はあ~っ はあ~っ
俺の息が荒い。レナの息も荒い。
二人の呼吸が、月明かりに照らされた部屋に響く。
そして、ただそうして見つめ合っていて……。
「…………いいよ。圭一君となら……」
その言葉を聞いた瞬間、俺はレナに覆い被さっていた。
夢中でレナの唇を貪る。レナもまた俺の首に腕をまわして、舌を絡めてくる。
左手をレナの胸の上に置いて、中指と人差し指の間で乳首を軽く押さえる。
右手をレナの下着の中に突っ込んで、柔らかい恥毛とその中にある秘部を撫で回す。そこは既に熱を帯びていて、仄かに潤っていた。
レナは軽く喘いで、俺の首から右腕を離し……俺のズボンの中へと手を入れた。俺の胸を撫でて……、その手は徐々に下半身へと移動していく。そして、するすると俺の下着の中にその手を入れて……俺のものに添えた。
互いに互いの性器を刺激し合う。
それは決して激しいものじゃないけれど、それでも俺のものはこれ以上ないほどに固くなっていった。
レナもまた同じらしい。レナの秘部の潤いもまた、俺の手の動きに応じて増していった。
俺はレナから唇を離し、上半身を起こした。
「…………圭一君?」
とろんとしたレナの瞳。
「レナ……脱がすぞ?」
そう言いつつも、レナの返事を聞く前に脱がしていく。
レナの秘部を覆うものが無くなると、そこから濃密に淫蕩な……俺の雄としての本能を刺激する匂いが立ちこめてくる。どこかすえたような、それでいて甘いようなレナの匂い。
俺は無言のまま、下着から自分のものを取り出した。
「レナ……もう、いいか?」
レナが俺を見つめ返す。その時間が、途方もなく長く感じる。
「うん。……来て、圭一君」
俺は頷くと、レナの秘部に俺のものをあてがった。亀頭にレナの愛液をまとわりつかせながら、膣道を探す。
「……はうっ」
レナが軽く身悶えする。この刺激で感じたらしい。俺も、正直言ってこれだけでイってしまいそうだった。
やがて亀頭の先が手で触っていたときと同じようにくぼんだ位置にくる。ほっそりとしたレナの入り口。
「レナ…………いくぞ?」
レナは何も言わず、ただ頷いた。
俺はレナの腰を掴んで、一気に自分のものをレナの中へと挿入した。
「んっ …………んんん~っ」
レナの処女膜を破り、その奥まで突き入れる。
結合部に愛液とは違う温かいものが流れた。
俺のものを押し出すように、レナの中は固くきつく締め上げてくる。
と、俺の下でレナが目を閉じて小刻みに震えている。
「レナ。大丈夫か?」
しかしレナは答えない。パジャマの袖を噛んで、黙って痛みに耐えている。
「レナ。……ごめん。無理ならすぐに抜くから」
畜生。何やっているんだ俺は……いくら頭に血が上っていたからって、これはないだろ。
「…………えっ?」
レナは俺の腰に両脚をまわして、首を横に振った。
「私は……大丈夫だから。痛いけど……もっと、圭一君を感じていたいの」
その上……ゆっくりと、レナは腰を上下した。
「レナ……」
「お願い。……圭一君が気持ちよくなってくれないと、私はヤダよ?」
レナは泣いていた。痛みよりも、俺との繋がりが無くなることを恐れて泣いていた。
俺の目からも、一筋の涙が流れた。レナのその想いが胸にいたいほど伝わったから。
「じゃあレナ。……俺、ゆっくり動くからな」
「うん」
俺がそう言うと、レナは嬉しそうに微笑んだ。
くちゅ    くちゅ    くちゅ
宣言通りに、ゆっくりとピストン運動を開始する。レナもまた、俺の腰に脚をまわしたまま、俺の腰の動きに応じて腰を振る。
くちゅ    くちゅ    くちゅ
その動きはとても遅いけれど、それでも互いの想いが伝わる、優しい営みだった。
互いが互いの温もりを伝え合い、互いを包み込みそして包まれる幸福感を味わう。
俺は文字通り身も心もレナと一つになっているということを実感していた。
「…………圭一君」
「なんだよ? レナ」
「あのね。……レナ、ちょっとだけ気持ちよくなってきた☆」
レナは幸せそうに呟いた。
「レナ……」
「何? 圭一君」
「俺も……レナの中、温かくて気持ちいいぜ」
そう言うとレナは、満面の笑顔を浮かべた。
「じゃあ、……もっと気持ちよくなろ?」
「ああ、そうだなっ」
もう少しだけ腰の動きを速くする。
レナの中を入り口からその奥まで満遍なく出し入れして、その奥を小突く。
俺が出し入れするたびに、レナは軽く呻いた。
「レナ?」
レナは再び袖を噛んでいた。
「……ゴメン。こうしてないと声が……出ちゃうの。……はうっ」
それは俺も同じだった。
レナの中にあるひだが締め付けて、俺の男性器にある性感帯のすべてをあますところなく、しかも休み無く刺激し続けているのだ。
何度となく俺も呻き声を漏らしていた。
でも、お互いに腰の動きを止めることが出来ない。快楽を貪ることを止められない。
あともう少し……あともう少しと、限界まで登り詰めていく。
「ごめん。レナ、俺……もうイク」
だめだ……もう腰が言うことを聞いてくれない。
レナもいつまでもしがみついて離れてくれない。
「私も……私ももうイっちゃうからっ……」
がくがくと腰が震える。ダメだ……もう、限界だ……。
「あっ ああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
「うああああああああああああっ!!!!」
レナがイクのとほとんど同時に、俺はレナの中に精液を流し込んでいた。
どろどろの精液がレナの中を満たしていく。
レナは力無く大の字になったまま、それを受け止めていた。
俺はその様子を見ながら……いつのまにか自分から不安が消えていることを自覚した。

翌日。
「おっ持ち帰り~っ☆」
ドッゴオオオオオオオオオオオオオンンッ!!
レナの萌える拳によって山狗が吹き飛ばされてくる。
そして、その落下地点には俺が一本足打法で待ち構えていた。
「うおおおおおっ! バスターホームランッ!!!」
カキイイイイイイイイイィィィィィィィンンッ!!!
寸分のタイミングのズレもなくジャストミートした山狗は再びレナの方向へと飛んでいき、挙げ句レナの頭上を飛び越えて落下していった。
「よっしゃあっ! 次行くぞレナあっ!」
「うん。ガンガン行くよ圭一君っ!」
威勢よくハイタッチを交わす俺とレナ。
結局あの後、後先考えずに汚してしまったシーツやパジャマやらを誤魔化すために色々と大変ではあったけれど……別れ際にレナともう一度キスをして、それぞれの部屋に戻ってからは、短い時間だったけれどよく眠れた。コンディションは最高だ。
「なんだか、今日の圭一さんとレナさんは見ていて震えが来ますわね。コンビネーションがもう芸術的でしてよ?」
「……まったくだね。おじさんちょっと嫉妬しちゃうよ」
指揮官としてコンビネーションには参加していない魅音が口を尖らせる。
「まったく、あの二人に何があったのやら…………。知ってる? 羽入?」
「さあ? 僕は何も知らないのですよ? きっと愛の力なのです。あぅあぅあぅあぅ☆」
そう、互いの絆をより深いものにした俺とレナのコンビはもはや無敵だった。レナと一緒なら怖いものなんかありはしない。俺達のいる部活メンバーに敗北なんてありはしない。
魅音から次の指令が下る。
どうやらまた俺達のコンビネーションに出番が来たらしい。
俺はレナと目を合わせて、一緒に次の標的へと駆け出した。

―レナEND―
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最終更新:2023年06月13日 19:55