前回

俺は、なんてモノを目撃してしまったのだろう。

その日、俺はとても退屈だった。
休みの日だから家でゆっくりと寝ていても、身体が物足りなくて寝付けない。
このまま家に居ても何もすることもないのなら外に遊びに行こうかと、思ったんだ。

太陽から降り注ぐ日差しに身を焦がされながら、俺はどこに行こうかと悩んだ。
最近、悟史は魅音と詩音を連れて家の片付けをしているらしく、部活も無かった。
部活の無い学校など暇で仕方が無い。でも「あと数日で終わるから」と悟史に頼まれたのでは断れない。
レナは家の家事で忙しいらしく、彼女もすぐに家に帰った。
ぽつん……と、俺と沙都子、梨花ちゃんが取り残され、そのまま部活は自然解散の流れとなったのだった。

悟史……か……。
俺の第一印象では穏やかで争いごとを嫌うタイプなように見えた。
実際その通りであったし、害の無い人間だった。
今はまだそこまで打ち解けてないが、そのうち仲良くなる日が来るのだろうか。
そこまで考えて、考えを思い改める。そのうちではなく今、仲良くなろうと思った。

だから俺は何の前触れも無しに、悟史の手伝いに行ったんだ。

それが、俺の未来を変えたとも知らずに……。





どうかこの夜に何があったか教えてください。

それは例えるなら猫を詰めた箱。

どうかこの夜に何があったか教えてください。

箱の中の猫は、生か死かすらもわからない。

どうかあの夜に何があったか教えてください。

箱の中の猫は、死んでいたのです。

               Frederica Bernkastel


ひ ぐ ら し のく 頃 に ~ 鬼 畜史 ~


第六話~異端者~




悟史の家が目の前にそびえ立っている。
俺自身、ここには入った事は無かったし、沙都子でさえ入ろうとはしない家だった。
一時の緊張。
決意し、玄関前に取り付けられたチャイムを鳴らそうとしたとき━━━━

「にーにーのザーメン!私にたっぷりかけてくださいまし!ふあぁぁぁ!」

なんだ今の声は。沙都子なのか……?
チャイムを押そうとする指を寸前で引っ込め、代わりに聞き耳を立てる。
そこから聞こえてくる声と音は、引越しの作業で間違っても出てこないものだった。
もしかして沙都子は誰かに襲われているのか?まさか、北条鉄平か……!?
居ても立っても居られなくなった俺はドアを開けようとするが鍵が掛かっていて開かない。
チャイムは相手にこちらの存在を知らせてしまう。もしチャイムを鳴らして犯人の神経を逆撫でしてしまえば、それこそ沙都子が危ないかも知れない。
せめて沙都子の安否さえ判断できれば……!
そう思い、他の窓から部屋の様子をこっそり見ることにした。
一つ目、二つ目、そして三つ目の窓。どれも家の中の様子が分からない。
しかし、四つ目の窓の前で本能が警告する。ここは見てはならない。見ればきっと何かが壊れてしまう。
でも、止まれない。仲間の沙都子の為なら……俺はどうなっても良い!

危険を知らせる信号を無視し、その部屋の中を覗き込む。
心臓の高鳴りが一層高く感じられた。そして次に我が目を疑った。
な…………!?
裸体の上から白濁液に穢された沙都子。一目で沙都子が陵辱された事を理解する。
そして何故かその部屋には魅音が居て、騎乗位の体勢で淫らに腰を振って喘いでいた。
だが何よりも驚いたのは、魅音の下から肉棒で貫いている悟史の邪悪な笑みだった。
あれが悟史なのか……!?いつもの朗らかで優しそうで気の弱そうな性格はどこにいったんだよ!? それよりも沙都子を犯した犯人はどこに居るんだ!?
━━分かってるくせに……。内なるもう一人の自分が俺に話しかける。
この状況を考えれば、犯人は悟史だと分かる。
だけどアレがいつもの『悟史』と同一人物だという確証が持てない。
あの悟史がこんなことを出来るはずがない。きっとアレは悟史によく似た違う人物なんだ。
…………いい加減にしろよ、前原圭一。
そんなのは関係がない。一番重要なのは沙都子が、魅音が悟史に穢されたことだ。
そして一つ分かった事。それは悟史には注意が必要だという事だ。
あれは悟史かもしれない。そうでないかもしれない。でもそれは悟史への注意を怠らせるモノではない。
沙都子と魅音はどうなんだ……?
二人は悟史に弱みでも握られているのか?それとも喜んで悟史のモノを咥え込んでいるのか?
……結論は付かない。だからと言って、今ここでドアを蹴破って家の中に入り込んで、理由でも聞くのかよ。
結局、今の俺には成す術など無い。もし悟史と会話が出来ても上手く誤魔化されそうな気もした。
ん?家の中の空間には一人足りない気がする。悟史といつも居るはずの人物、それは詩音だった。
悟史に恋心を持った詩音がいないのだ。
悟史が好きなあいつなら何か知っているかも知れない。今日、電話で聞いてみることにしよう。
今、こうして何も出来ない自分に歯痒さを感じたが、それを胸の奥に押さえつけ、俺は北条家を後にした。

「圭ちゃん?何の話ですか?」
「その……言いづらいんだけど……最近、悟史に変わったこととか無かったか?」
息を呑む音。その音は悟史がおかしいと答えたのと同じ意味だ。
「圭ちゃんの言いたいことは分かっています。なので、圭ちゃんに警告をしておきます」
「警告……?」
「圭ちゃんはレナさんのことが好きですか?」
「お、おい!俺は真面目に聞いているんだ!そんなのはどうでもいいだろう!?」
なんでそこにレナが出てくるんだよ。レナには関係のないはずだ……!
「いいえ良くありませんよ。だって、数日後にはレナさんは悟史君の物になりますから」
「……何を言ってるんだ詩音は。詩音の言っている意味が分からない」
「本当ですか?圭ちゃんは今日、悟史君の本性を垣間見たんじゃないんですか?
これは警告です。 もしも圭ちゃんがレナさんのことを好きなら、彼女を明日にでも抱いてあげてください。そうでもしないとレナさんは悟史君の虜になってしまいますよ」
「でもだからといってレナをいきなり抱くなんて出来ない……」
「抱く事が出来ないなら彼女の側にいつでも付き添ってやってください。そうすればあの悟史君でも諦めるかもしれません」
悟史は一体どうしてしまったんだろう。悟史からレナを守ることになるなんて。
「では、頑張ってくださいね。私には、何も出来ませんから」
「どうしてなんだ?」
聞かないほうが良かったかもしれないが、俺の余計な好奇心は詩音の先を促した。
「だって私は悟史君の肉便器なんだから」
ガチャン!

「おっはよ~圭一君!」
「おはようレナ」
次の日。俺とレナはいつも通りの通学路で待ち合わせ、学校に向かう。
空は青く澄み渡っていて、蝉の声が少々うるさい日だった。
何もかもいつも通り。でも、すでに異変は始まっているんだ。
レナはいつもと同じように見える。恐らく悟史の豹変のことなど知らないのだろう。
こんなに眩しく優しいレナがあの悟史の餌食になるというのか。俺にはとても信じられなかった。

彼女と一緒に歩いているときはいつもシャンプーと彼女の汗のにおいが俺の鼻腔をくすぐる。
レナは俺が引越してきてすぐに俺がこの雛見沢に打ち解けれるように世話をしてくれた。
料理も上手で誰に対しても優しく、なによりその可愛さに俺の目は自然に彼女を追うようになっていた。 清楚に切り揃えられた髪。小さく、柔らかそうな唇。透き通った西洋人形のような白い肌。その全てが俺を魅了した。
俺はその魔力に屈し、何度も妄想の中でレナを穢したりもした。
彼女のセーラー服をビリビリと切り裂き、嫌がる彼女を無視して胸を荒々しく揉み、バックからガンガンと俺のモノを突き上げる。
そして彼女の中に俺の性欲をぶちまけたあとで、必ず俺を罪悪感が襲った。
妄想の中とはいい、仲間である彼女を穢すなんて許される事ではなかった。でもレナに告白する勇気も持てない俺は今も仲間として彼女と付き合っている。
「ねぇ圭一君。聞いてるの、け~いちく~ん」
「おわっ!」
彼女の可愛らしい顔が俺の顔の目の前まで接近していた。大きな瞳が俺を捉えている。
「昨日は寝不足だったのかな?かな?」
俺の顔は眠たそうだったのか、レナが不安げに尋ねてくる。
「そんな事ないぜ。俺はこの通り正常だ」
そういいつつも俺の頭は違う事を考えていた。

『数日後にはレナさんは悟史君の物になりますから』

昨日、詩音と話したときの会話。その言葉が俺に重くのしかかっていたのだ。
「なぁレナ。お前は悟史についてどう思ってる?」
さりげなくレナに悟史に対する心情を尋ねてみると、レナは可愛らしく微笑みながら答えた。
「悟史君?優しくて妹思いのいい人だよ」
以前の俺と全く変わらない言葉。それが嘘だと言えば彼女は信じてくれるだろうか。
いや、信じてくれないだろう。俺だって仲間を疑うのは良心が痛んだ。でも、事実なんだ。
彼女が悟史のことをどう思っていても事実は変わらない。
でもレナにわざわざこのことを言うのも躊躇われた。悟史だって俺がレナの側にいれば諦めてくれるかもしれない。 なら黙ってレナの隣にいつでも居よう。学校も見えてきた。
━━俺は、悟史にレナを穢させたりしない。
その想いを胸に秘め、俺たちは教室のなかに入っていったのだった。

授業中に悟史を監視していても、悟史に変わった様子は無い。
極めていつも通り。むしろ俺がおかしいのではないか、とさえ思えた。
だがやはり昨日のあれは本当にあったのだ。それは沙都子と魅音を見ればわかる。
二人とも呆然としていて授業の事など上の空。生気の宿っていない瞳はその何よりの証拠だった。
そして詩音。彼女は魅音や沙都子に比べるとだいぶマシだったが、時折悲しそうな表情をしている。

『だって私は悟史君の肉便器ですから』

電話を切る前に詩音が呟いたあの言葉。あの言葉を額面どおりに受け取るならば、 詩音はもう悟史に純潔を捧げたという事になる。でも、そうすると何故、詩音は悟史を裏切るような行為をしているのだろうか。
俺には何もわからない。詩音や悟史、沙都子や魅音の表情からそれを察することは無理のようだった。
だが、例え何も分からなくても。それでも俺はレナを守ってみせる。仲間としての行動かもしれない。レナにどう思われてもいい。 俺が願うのはレナの幸せただ一つ。
だって俺はレナのことをこんなにも好きなんだから。 レナにいつかこの想いを打ち明けるときは来るのだろうか。
「……えばら君!前原君!先生の話をちゃんと聞いていますか!?」
「わ!す、すいません!ちょっと考え事してて……」
またか。今日の俺は少し考えすぎているようだ。
先生がチョークを構えて鬼のような表情でこちらを見ている。 しばらく頭でも冷やしてきたほうがいいかもしれない。
「ちょっと俺、眠いので顔洗ってきてもいいですか?」
先生の許可を得ると俺はクラスの皆に笑われながらも教室を出た。そのなかに無垢な顔でじっと俺を見つめる顔にも気付かずに。

顔に当たる冷水が気持ちいい。何度も顔に水を打ち付け意識を覚醒させる。
俺が蛇口を捻って水を止め、後ろを振り返ると誰かが俺の後ろに立っていた。
逆光でその姿を認識できなかったが、次第に目が慣れてきた。
「なんだ、梨花ちゃんか……」
「僕も顔を洗いに来たのですよ、にぱ~☆」
愛くるしい笑顔が俺を癒してくれる。彼女も蛇口を捻ってその顔に水を当てている。
梨花ちゃんか……。彼女はまだ悟史の異変には気付いていないのだろうか。
縁起でもない話だが、もしレナが襲われてしまったなら次は梨花ちゃんだということも十分に考えられる。
もしかしたら、悟史について何か話しておいたほうがいいかもしれない。
梨花ちゃんとは雛見沢全体に関わる陰謀を打ち破った仲間だ。俺は、救えるのなら仲間全員を救いたい。
「梨花ちゃんに一つ話しておきたいことがある」
「みぃ?何の話ですか?」
こんなにも純粋な彼女に、悟史がおかしいと伝えるのは忍びなかった。
でも…………。
「単刀直入に言う。悟史に気をつけてくれないか」
「え……?圭一は何を言っているのですか?」
「悟史の様子が最近おかしいんだ。もしかしたら症候群が再発してるのかもしれない」
「本当ですか圭一?」
「本当かどうかは分からない。でも様子がおかしいんだ。だから気をつけてくれないか?」
どうおかしいかなんてこんな少女に話せるレベルではない。
話しても意味など理解できないだろう。
「……そこまで圭一が言うのなら僕は信じます。それで具体的にはどういう風に気をつければいいですか?」
「少なくとも悟史と一人っきりになるのはやめてくれ。誰かの目につくところ以外で悟史と行動しないでほしい」
「わかりましたです」
結構すんなりと受け入れてくれて助かった。これなら梨花ちゃんに悟史の魔の手が襲い掛からないかもしれない。
俺たちはそのあと少しばかり他愛の無い話をして教室に戻ったのだった。

その後も悟史は何も行動を起こさず、ついに楽しい部活の時間になった。
しかし梨花ちゃんは御三家の会合で忙しいとかなんとかで帰ってしまったが、魅音は帰っていない。
「さ~今日はなんの部活にしようかな~」
魅音は元気よく某ネコ型ロボットのポケットのようなロッカーからトランプを取り出し、机に置いた。
「今日は大貧民でもしようか!」
全会一致で即決。すぐにカードが配られる。ちなみに五回負けると罰ゲームらしい。
(お?なかなかいい手札じゃないか!)
ジョーカーは無かったがペアが結構揃っており、少なくとも最下位は免れる手札。 これなら運次第でいけるかもしれない。が……
「負けた……」
何故か負けてしまった。俺の思考能力がおかしかったに違いない。
その後も大貧民から脱出することは出来ず、ついに罰ゲームを受けることになってしまった。
「くそ~、こうなりゃコスプレでもなんでもかかってこいや!」
魅音の手が指令内容を筆記してある紙を箱からランダムに取り出す。それは

『今日一日中部活に参加出来ない』

「ちょ、まじかよ!?それってコスプレとかより酷いぞ魅音!」
「まぁまぁ。罰ゲームだから諦めなよ圭ちゃん♪」
椅子に縄跳びの紐で縛り付けられ身動きが出来ない俺。情けないぜ……。
はぁ、今日はもう部活出来ないのか……。
そんな俺を置き去りにして部活は再開される。 次に最下位になったのはレナだった。
「はぅ~……。負けちゃったよ……」
レナは五回負けたので、魅音がまた罰ゲームが記された紙を取り出す。そこに書いてあったのは

『負けたら一回で一枚ずつ脱衣』

おいおい!どこのどいつだよこんなの書いたのは!そいつを褒め称えてくれ!
「魅ぃちゃん……」
「罰ゲームだから仕方ないよ」
仕方なくレナはまず両足の靴下を脱ぐ。まぁ、最初だもんな……。微妙にがっくりする俺がそこにいたのだった。

しかしレナは次の勝負にも負けてしまった。
恥じらいながらも、レナはいつも着ていたセーラー服を身体から取り外す。
まずはかぁいいおへそが空気に触れ、その上についている形の良い胸を保護するピンクのブラが目に入る。
彼女はこの状態で次も勝負しなければならない。
そんな状況で本領発揮できるはずもなく、レナはまたも惨敗してしまった。
流石にこの先はまずいんじゃないのか……?そう思いながらも、それを口に出せない自分が恥ずかしい。
レナは顔を先ほどよりも沸騰させながらスカートを脱ぐ。
ついにレナを覆う衣服は無くなり、かろうじて下着がレナをカバーしていた。
下着のみになった彼女の体のラインは美しく、細い手足は恥ずかしげに身体を少しでも隠そうと動いている。
魅音ほどではないが年齢的には充分大きな胸。白い肌で浮き彫りになった鎖骨も俺の欲情を駆り立てた。
「ねぇ魅ぃちゃん……。まだ、やるのかな。かなぁ……」
次に負けてしまえば下着さえも外さなければならない。それだけは俺と悟史という異性がいる状況で避けたいようだった。 でも魅音は
「罰ゲームだからね」
その一言でレナの異論をばっさりと切り捨てる。

そして、次の勝負。
レナの手札がちらっと見える。
(おお!?強いじゃないか。これならレナが負けたりはしないな)
しかし、
「嘘……レナ、負けちゃった……?」
(そんな馬鹿な!?あの手札で負けるなんてありえないだろ!?)
「じゃあレナ。そのブラジャー脱いでね。異論は認めないよ」
そのころには俺もレナも、魅音の様子がおかしいことに気付いていた。
いや魅音だけじゃない。沙都子も詩音も。様子がおかしい。
レナは躊躇いながらも、ブラジャーのホックを外し、肩から遠慮がちに紐をずらしていく。
パサリ、と床にブラジャーが落ちる。
彼女の胸がついに俺たちに披露された。柔らかそうな胸にちょこんと添えられたかぁいい乳首が俺の目を釘付けにする。
レナはとっさに手で胸を隠しながら俯いていたが、その手を魅音が胸から引き離す。
「ほら。隠したら罰ゲームじゃないでしょ」
「ぅぅ……」

そしてレナの最後の砦をかけて勝負が始まる。
レナの手札は2が4枚というかなりの手札。ジョーカー2枚は大富豪の沙都子に取られてしまったが 今度は勝てる!
そう思っていたが、見てしまった。レナ以外の全員が机の下で手札を交換しあっているのを。
なるほど。だからレナは負けてたわけか。今までの不自然な勝負が思い出された。
しかしこの部活は『勝つためならなんでもして良い』というのがモットーな為、それに口を挟むことは出来ない。
そして予想通り沙都子が最初の番で革命し、レナの2は最低カードへと成り下がったのだった。

耳まで真っ赤にしながらレナは自分の下着に手を掛けゆっくりと下にずらしていく。
ごくり、と唾を呑みこむ俺の前で、ついにレナは身に纏っていたもの全てを脱いでしまった。
散らかっている彼女の衣服の上に、彼女はもじもじしながら立っていた。
レナの秘裂に薄く生えた毛の奥はぴっちりと閉められている。
(綺麗だ……)
改めて彼女の裸体を見つめるとレナが俺の視線に気付き、更に顔を赤くする。
「ねぇ、魅ぃちゃん。もう……いいよね……? レナ、脱ぐものが無いよ……」
一刻も早く彼女は部活を終えて帰りたいだろう。しかし、魅音はレナが忘れたかったであろう罰ゲームの存在を伝える。
「で、でも! まだ4回目じゃないの? 5回目じゃないよ」
「最初の罰ゲームの時のも含めて5回だよ。言ってなかったっけ?」
そんなこと言ってなかったはずだ。
「魅音! こんなこと止めろよ! レナが可哀そうじゃないのか!?」
「全然。罰ゲームなんだから」
きっぱりと言い放ち、罰ゲームの紙を取り出す。そこに書いてあった内容は分からない。
でもそれがレナに危険な物だと、直感的に分かってしまった。
魅音はレナにその紙を渡し、声に出してその内容を読むように指示する。
レナがその紙を見たとき、彼女の目が大きく開かれる。そしてその華奢な身体が小刻みに震える。
声を震わせながらレナは紙に書かれた内容を読み上げた。

「北条悟史……から……犯される……」

「なっ……!?」
しまった!今日の部活は全てレナを陥れるための巧妙な罠だったのか!
そのために、邪魔者の俺の自由を先に奪っておいたのだ。
そして、今ここにいるレナ以外のメンバーは全員悟史の手篭めにされていた。悟史だけに気をつければ良いなんて思っていた俺を自分で呪いたかった。
悟史の顔を見る。そこには、三日月のように開かれた口から爬虫類のように舌を出す悟史の顔。
くそ! はめられた!

「逃げろレナ! この教室から早く出るんだ!!」
あまりのことに我を失っていたレナは俺の言葉で正気に戻り、とっさに身を翻し教室の扉を開こうとする。
「駄目! 開かないよ!」
力一杯開こうとしているが扉は開かない。鍵がかかっているのか!?
「あっ!?」
必死に逃げようとするレナを後ろから魅音が羽交い絞めにする。
レナが抜け出そうともがいても、それは彼女の乳房を揺らす程度にしか意味を成さない。
「駄目だよレナ。罰ゲームはちゃんと受けなきゃね?」
「やだ! 離して魅ぃちゃん! 離してよぉ!」
悟史がレナに近付いてくる。そして、声をあげるレナの唇を悟史の唇が塞いでしまった。
「ふむぅぐ!! んん! んんん! んむぅ!」
最初は抵抗していたレナだったが、次第に力が抜けていく。
「ふぅ……はぁ……んんん……」
ああ……レナと悟史との間に絡めつけられた舌が見え隠れするのが悔しかった。
俺が最初にレナのファースト・キスを貰いたかった。
でも、動けない!ここから動けないんだ!

魅音がレナを床に押し倒す。レナが起き上がった時には、レナを囲むようにみんなが立ちはだかっていた。
「い、嫌ぁ! 圭一君! 助けてぇ!」
レナは全員に手足を押さえつけられ、全員から身体を舐め回される。魅音は顔を、詩音は胸を、沙都子は手を、悟史は脚を。
各々がレナの身体に己の唾液を付ける。その状況に、俺は愕然とした。
俺たちはあの6月を乗り越えた仲間だった。なのに、ただ一人の男にその友情は壊されたのだ。
「やぁ! みんな止めてよぉ!」
レナがたまらず悲鳴を上げる。全身が唾液によって舐められた身体は妖艶な光を含ませていた。
しばらくするとレナの口から先程までとは明らかに異なる甘美な声が出されるようになる。
「あっ……あん……なんか変だよ……」
「どうしたんだいレナ?」
「レナね……なんかおかしいの。さっきから身体が熱いというか……」
胸を舐めていた詩音が今度はレナの胸を手で揉み始める。
「どうですかレナさん? 気持ちいいんじゃないですか?」
「あ、はぁぁ……。詩ぃちゃん。そこ、胸が気持ちいいの……」
「ふふふ。私、素直な女の子って好きですよ」
「あ~も~ずるい~! 詩音ばっかりいいところ責めて! 私は顔だけなんだよ~!」
目を開いて、閉じて。もう一回同じ動作を繰り返して、思った。

━━━━あれ? なんかおかしくね?

先ほどまであんなに嫌がっていたレナは、いつの間にか周りと話したりしてるし。もうちょっと嫌がらないか普通?
それともこんなもんなのか……?
困惑する俺の目の前でその行為は徐々にエスカレートしていく。
魅音が顔を舐めることを止め、詩音に弄られていないほうの乳房に手を伸ばす。
「あ! あぁ……ん……はぅぅ……」
硬く尖った乳首を、魅音は軽く捻るとレナは甲高い声で反応を示す。
それが面白かったのか、魅音は一層乳首に専念したようだ。そして、そこはやはり双子。詩音も同じように突起を指先で転がす。
「はふぅ! はぁ……はぁ……はうん!」
ああ……レナの胸がぐにゃぐにゃと姿を変えていく……。
それはなんて……羨ましい光景だろうか。
双子の口に挟まれた両乳首はそのまま大きな音を立てて吸い上げられる。
ジュブジュボジュブジュボ!
一定のリズムで吸い上げられ、レナは身体を大きく仰け反らせた。
「あっはぁぁぁ! ああ! いいよぉ、気持ちいいよぉ!」
現実離れした光景は、俺のオットセイの盛り上がりで現実だと思い知らされる。
「レナ。こっちがもうぐしょぐしょだよ」
レナの居る床の上には既に小さな水溜りが出来上がっている。それはレナの愛液のみならず、唾液も混じっているだろう。
ぴちゃり……。悟史はレナのつま先から舌を這わせ、レナの脚をその汚らわしい舌で上へ上へと舐めていく。 レナの秘部を目指す舌とは対照的に、悟史が濡らした唾液はレナの脚から落下していく。 それが水溜りに跳ね、極小の波紋を立てた。粘つく音はレナの身体中から広がり、教室内に木霊する。

それを聞いて興奮する俺は何なんだ? 今日学校に来る前、俺はレナを守る事を決めた。
なのにレナの喘ぐ声を聞いて勃起している俺は一体何なんだ!? 俺は偽善者なのか……?
でもレナだってレナだ。最初はあんなに抵抗してたのに、今じゃあんあん喘いで。そうさ、確かに悟史の目論見に気付けずに拘束されたが、俺だけが悪いんじゃないんだ……。

悟史の舌はついにレナの秘裂に辿り着く。
「ふやぁぁぁ!!」
明らかに今までより高い声。悟史はレナのアソコを大きく指で押し広げ、ご親切な事に俺に見せ付けてくる。
レナのソコ、ヒクヒク動いてる……。綺麗なピンク色のそこは男を拒むように蠢いていた。
そしてその中にくちゅりと指を一本差し込む悟史に反応し、一瞬、身を震わせるレナ。そして緩慢な動きで悟史は指を動かした。
「ひぅぅ! あぁ! はぅぅ! あっ! あっ! ああっ!」
テンポを乱し、ランダムに快楽を与える指。部活メンバーを堕としてきたテクは伊達ではないようだ。
ああもう。俺のペニスはギチギチに硬く反り返っている。
だれかこの生殺し状態から開放してくれ!
レナのあんなに気持ちよさそうな顔を見て、我慢できる男なんて居ない筈だ。
でも叫びたくても、そんなこと恥ずかしくて言えやしない。
ずっと執拗に舌を動かしていた他のメンバー達は休憩しているようだ。
でもそんな彼女たちだって丸裸。今の俺にとってはまさに地獄だった。
沙都子は悟史とレナの行為を羨ましそうに見つめていたが、火照った身体を押さえきれなくなったのか自慰を始める。
「ッ! にーにー! 気持ちいいですわ! おっぱいが疼くんですのぉ!」
あの沙都子があんなことを言うなんて信じられない。けどその身体はすでに女そのものだった。
「みんなどうかしてる! どうしたんだよみんな!?」
その光景に耐えられず、思わず叫んでしまった。みんなが一斉にこちらを振り返る。
でも、その目はとろんとしていて俺の目を直視してはいなかった。
「お前ら洗脳されてんのか!? どうなんだよ! 何とか言ってくれよ!」
みんな答えない。俺一人だけが隔離された世界に存在するかのような錯覚。
もはや俺は異端だった。世界に対応できずに慌てふためき、この世界を否定する。
でも、こんな現実は否定したかった。
「お前ら全員悟史が好きだってわけじゃないんだろ? ならなんで悟史の言いなりになるんだ!?」
俺の出来る唯一の抵抗も彼女たちに届かない。むしろ彼女たちは俺を蔑むような視線を送りつけてきた。
━━何故、この愚か者は分からないんだろう。悟史君は私たちのご主人様なんだよ。
そんな言葉を俺は聞いた気がした。

「じゃあさ、圭一にも判らせてあげようよ」
悟史の声。レナは動けない俺に近付いてきて、俺のズボンのチャックをゆっくりと下げた。
「レナ、止めろ! こんなのは止めるんだ!」
「はぅぅ、圭一君のオットセイさんおっきいのかな? かな?」
もうレナに俺の声は届いていないようだった。レナは俺のズボンから反り立つペニスを取り、目を輝かせた。
「わ!圭一君のオットセイ、ビクビクしてる!レナがすぐに鎮めてあげるからね……」
レナはちろちろと俺のペニスを舌で舐めあげたあと、そのかぁいいお口一杯にペニスを頬張る。
恐らくはそういう類の本を少し見た程度であろう。レナの舌使いはとてもたどたどしかった。
好きな女の子にフェラチオされるというシチュエーションに俺のペニスは更に興奮したが、こんな状況でしたくはなかった。
もっと愛し合う状況でしてほしかった。このフェラチオには、好きだからやってあげる、というものが無い。

じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ……。

それでもレナは必死に頭を動かし俺を気持ちよくさせようとスピードをあげた。
「…………ッ!」
普段、清楚な彼女が俺のペニスをいやらしくしゃぶっているという事を再認識すると、欲情が高まってくる。
この頭を俺が上下させたい衝動が高まるが、俺の手は拘束されていて、何も出来ない。
「はむぅ……んん……んはぁ……んむぅ」
「くっ!出るぞレナ!」
「ふむぅ!んんんんんん!」
俺の精液はそのままレナの口の中で発射され、レナの口をべとべとに汚す。
ごく……ごく……ごく……。
そのままレナは細い喉を鳴らし、全てを飲み込んでしまった。
「ふふっ。圭一君のせーえき、おいしかったよ♪」
もう、何が何だか判らなかった。判るのはこの世界がおかしいという事だけ。

俺の目の前にいるレナの身体がビクンと揺れ、レナの後ろからずちゅ、という音が聞こえてきた。レナの顔は悦びで一杯になる。
「はぁぁぁぁ♪悟史君のオットセイ大きいよぉ♪」
「じゃあレナ。いくよ?」
レナの後ろにいた悟史がゆっくりとレナの中を突き進んでいく。そして全部入りきったのか、再び引き抜き、突き入れる。
……って、おいおい! レナは処女じゃないのか!? なんでちっとも痛がらないんだよ!?これじゃあ本当の痴女じゃないか……!
そんな俺の心配をよそに結合部からは卑猥な水音が響く。
「あぁぁ! はぁあん! おっきぃ! 悟史君のオットセイ、最高だよぉ♪」
「じゃあもっと激しく行くよ?」
悟史は今までの腰の動きの倍はあるスピードでレナのお尻に腰をぶつける!
「あああ、ああ、あああああ、あん、あ、あああん、あっ、あっ、あっ、あっ、あああっ!!!」
パンパンパンパンパン!! レナの胸が俺の目の前で激しく揺れ、レナの口から涎が飛び散る。
グチョグチョグチョグチョ!! レナのマンコから愛液が零れ落ちる。
「ああん、あん、あん、あん、ああああぁん!」
レナの吐息が俺の顔に吹き付けられる。レナの唾が俺の顔に撒き散らされる。
「出すぞレナぁ!」
「はぁん! あああっ! ああっ! あああっ! ッあああああああああ!!!」
ドピュドピュドピュ!!
レナは身体を大きく仰け反らせ、数秒痙攣する。
「あはぁ……♪ 悟史君のせーえき、暖かいよ……♪」
レナの蕩けた瞳を見たとき、俺の中で何かが弾けた。

こんな現実なんて嫌だ。でもこれ以上否定してどうなる。
否定しても傷しか付かない。全てを受け入れたならここは天国のはずなんだ。

世界が壊れているのなら……俺モ壊レテシマエ。

だから、自分でトドメをさすように。俺はあと少しで壊れそうなガラスの心を、自ら金槌で叩き壊したんだ。

<続く>


TIPS 「竜宮レナ」

気が付いた時にはみんな悟史君と圭一君の白濁液で身体中が汚れていました。
けど、それは全然嫌な事ではありません。だって自分の身体から好きな男の子のにおいがするのって、嬉しいじゃないですか。あ、今度は圭一君が来ました。さっき圭一君を縛りつけていた縄をほどいてやったら、圭一君は獣のような勢いで私たち全員に中出しをしました。男の子って元気なんだね、はぅぅ。今度はレナの太ももを片手で持ち上げてから、レナのおまんこにオットセイを入れてきました。硬くて暖かいオットセイさんは私の精神を心の内側からかき混ぜていきました。自分の声とは思えないほどのオンナっぽい声を出していて、自分でも驚きました。レナはいけない子なんだよ。だからその凶暴なオットセイさんにお清めしてもらっているの。ああでも、やっぱりご主人様の方が大きいかな。私はご主人様からお仕置きされるのを心から願ってます。
圭一君も良かったね。ご主人様に受け入れて貰えて。これで圭一君も幸せになれるよ。みんなみんなご主人様のことが大好きみたい。でも、でもね。これは女の勘なんだけど、詩ぃちゃんは心の底からご主人様に忠誠を誓ってない気がするの。そんなわけないかな。……いや、やっぱりそれでもいいよ。詩ぃちゃんがその気でないならご主人様を貰っちゃうんだから。でもね、もし詩ぃちゃんがご主人様を裏切るなら……そのときは、どうなっても仕方ないね。仕方ない仕方ない。
あ、なんか来る……。くるくるくるくるくる!あはぁぁぁ♪もう、圭一君も元気なんだから。
ふぁぁ……。急に眠くなってきたよ。お休みなさいご主人様、圭一君♪

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最終更新:2008年05月16日 20:08