前回

沙都子のにーにーを確認するだけなら学校でも済ませることができる。
しかし僕自身が聞いてもうまくはぐらかされる気もしたので、ここは詩音にいかせることにした。
詩音は沙都子に『ねーねー』として慕われているようだし、実際とても仲が良い。
もちろん終わったあとの詩音には『ご褒美』がある。
詩音は僕の話を聞くとすぐさま話を聞き入れ、沙都子に話しかけていた。

容易い。容易すぎる。このまま一日に一人のペースで落としていけば沙都子を含めてもあと3日で終わる。
あと3日が部活メンバー全員のタイムリミットなのだ。僕を傷付け、裏切った女たちを絶対に逃がしはしない。
たとえどんな事が起きても絶対に全員を喰らいつくし、僕の性奴隷にしてやる。



井の中の蛙は幸せでした

井戸の外に何も興味がなかったから

井の中の蛙は幸せでした

井戸の外で何があっても関係なかったから

そしてあなたも幸せでした

井戸の外で何があったか知らなかったから

                   Frederica Bernkastel


ひ ぐ ら し のく 頃 に ~ 鬼 畜史 ~

第四話 ~にーにー~




校舎裏に沙都子を呼び寄せ、率直に『にーにー』とはどちらを指すのか聞いてみた。
「詩音さんは何を言ってるのでございますの?にーにーはにーにーですわよ」
「じゃなくて、今の沙都子のにーにーっていうのは悟史君と圭ちゃんのどちらを指すのかってこと」
「それは……ん……えぇと……」
案の定、沙都子は悩みだした。
恐らく『にーにー』という言葉は両者に使っていたのでどちらかと聞かれても答えきれないと言った所だろうか。
「どっちですか?あ、両方というのは無しでお願いしますね」
「ぁぅぁぅぁぅぁぅ……」
困ってる困ってる♪あ~もう本当に可愛いな~。
これならレナさんがお持ち帰りしたくなる気持ちも分かる。
そんな事を考えていると沙都子が本当に小さく、ぼそっと、呟いた。

「圭一さんですわ……」

悟史君の予想が的中してしまった。
今の沙都子は恐らく圭ちゃんに恋をしているのだろう。しかし、流石に年齢差や圭ちゃんがレナさんを好きだと知っている事が告白に歯止めを掛けている状態。
そして、圭ちゃんを『にーにー』と呼ぶことでまるで恋人のような気分を擬似的に味わっている。
しかし例えそうであっても、沙都子には悟史君を嫌う要素なんていうのは無い筈だ。
仮にもかつては悟史君を『にーにー』だと呼んでいたのだ。その気持ちがすぐさま薄れることは無い。

やはり杞憂は杞憂のままだった。
私はそのまま踵を返し、その場を立ち去ろうとしたが沙都子が呼び止める。
「あの……詩音さん。少しお聞きしたいことがあるのですけど……」
「何ですか沙都子。遠慮せずにどんどん聞いちゃって構いませんよ」
沙都子はしばらく俯きながら何かを考えているようだった。
聞きたいんだけど、こんなこと聞いてもいいんだろうか?
という心の声が丸分かりだ。
やっと決心した様子の沙都子。

しかし、その後続く沙都子の言葉は、私には全く予期できないものだったのだ。

「私のにーにーは……一体何を……詩音さんとやってらっしゃたんですの……?」
「何の話ですか沙都子?」
「私見てましたの。にーにーと詩音さんが裸で絡み合っていたのを」

え…………?私の身体が足のつま先から頭の先まで徐々に石化していくのが分かる……。

「一昨日でしたかしら。私はにーにーが詩音さんに家のお手伝いをして欲しいと頼んでいるのを耳にしましたの。
その時は、何故私も誘ってくれないのだろうと怒りましたわ。だけどすぐに考え直して、きっとにーにーは私に手を煩わせたくなくて言ってくれなかったのだと思いました。それでも私はにーにーの役に立ちたかった!だから……だから……!私は……にーにーを驚かせる意味も含めて、気づかれないように他の部屋から家の中に入りましたの!」

そ、そんな……。
まさか、沙都子が家の中にいるなんて考えもしなかった。

「私はにーにーを驚かせたかった!きっとにーにーは驚きながらも喜んでくれると思ってた!だから私はにーにーが居る部屋まで忍び寄って勢いよく開けようとしたんですの。そうしたら、中から詩音さんの声が聞こえてきましたわ。私は何の気もなしに襖を少し……少しだけ開けて、中を見てしまいましたの。そうしたら…………!」

沙都子は途中から涙目になりながらも『あの日』の出来事を語っていく
その様子はとても見るに堪えないものだった。

「怖かったですわ!あんなにーにー見たこと無かった……!詩音さんだって!詩音さんはまるで洗脳されているみたいでしたわ。わたくしは襖の間からにーにーの顔を見ましたわ。詩音さんがにーにーに何かを誓ったときのにーにーの顔は、まるで悪魔のようだった!」

沙都子の言葉の一つ一つが私に突き刺さる。
私は何をやっていたのだろう。あんな悟史君が今まで好きだったのだろうか。
そんなはずは無い。私が好きな悟史君は……優しくて、でも心が強くて、私を心の中から暖かく包んでくれる太陽のような人だった。
なのに何処で、何処で悟史君は『悟史君』では無くなったのだろうか。

「詩音さんお願いです。あのにーにーはねーねーの理想の『にーにー』では無くなった。だからあのにーにーから別れてくれませんか。わたくしは決して意地悪で言ってる訳じゃないんですの。ただ、ねーねーが心配なんですの。このままいくとねーねーがどんなことをされるか分かりませんわ。だから……お願いですの……」

沙都子は私の痴態を見ても私をねーねーだと見てくれた。そして私を心から心配してくれている。
こんな沙都子を……私は……悟史君に売り渡そうとしていたなんて……!

そっと沙都子の身体を抱きしめる。その身体は華奢で、こんな子にあんな心配をさせていた自分を殴り飛ばしたくなる。
今まであんなに好きだった悟史君を拒絶するのは辛かった筈なのに、この子は今まで全く辛さを見せなかった。
そして私はこの子の苦しみに気づけなかった!

「沙都子……!ごめんね……!!つらかったでしょう……!!」
「大丈夫ですわよ……。わたくし、耐えるのは慣れているんですのよ……」

私は涙が出てくるのを抑えることができなかった。
そしてそれを見て、沙都子も堰を切ったように涙が零れる。
私たちは抱き合いながら、しばらくの間二人で泣き続けていた……。

そして私たちは泣き終った後、二人で悟史君の心を元に戻す方法を探り合うことを誓い合い、
明日また興宮の図書館で会うことを約束して別れた。

けれども、今まで気づかなかった。

カラン…………。

空き缶が転がる音に私は、はっとする。
そう、私たちの他にさっきの話を聞いている人物の存在に気づかなかった。
そして気付いてしまった。
私の背後に悟史君が立っていることに。

ぞくり、と背筋が凍る音。
悟史君の鷹のような鋭く冷え切った眼光が私を射抜く。
「あ……ぁ……」
その眼光に射抜かれた私の心は既に悟史君に掴まれていた。
足がガクガクと震え、崩れ落ちる。
こんな悟史君を私は見たことが……無い。それは昭和57年に沙都子のことで喧嘩をしたときの比ではなかった。
そしてその首には血がわずかに見える。

悟史君の眼光は私にこう言っていた。コノ裏切リモノ、と。
謝る為の言葉さえも喉に突っかかって出てこない。

「悪い猫さんには躾が必要だね」

穏やかに、しかしその中に確実に怒りが混じった言葉。
悟史君が右手に握っていたバットに力が入る様子が見て取れる。
でも、恐怖で足が動かなかった。

私は……駄目かも知れない……。

沙都子、ごめんね

その言葉を呟いたとき私は後ろから何かを背中に押さえつけられ……意識はそこでブラックアウトした。



「遅かったですわね。約束をしたほうが遅れるなんて無様にも程がありましてよ」

次の日。詩音さんと約束した通りに図書館で私たちは落ち合いました。
けれど遅れてきた詩音さんは体調が悪いのか少しフラフラしてる。

「どうかしましたの?なんだか凄く顔色が悪いように見えますけど」
「昨日は少し風邪を引いたみたいで。まだちょっと体調が優れないです」
「全く……。どうせこれからの事を考えていたら夜更かししてしまったんでしょう?今から二人で話すんですから
そんなに考えなくても良かったのですのに」
詩音さんは本調子ではない様子。ここは私がしっかりしなければ!
「で、これからどうしますの?もしかしたらまたにーにーが雛見沢症候群を発病しているのかもしれませんから
一度監督の身体検査を受けさせるべきかも知れませんわね」

自分ひとりで今後のことについて詩音さんに話す。
でも、詩音さんはほとんど喋ってくれない。もしかしたらかなり詩音さんはきついのかもしれない。

「仕方ないですわね。今日はもうお開きにしますわ」
「え、沙都子?」
「今度来るときはもっと体調を整えてから来ることですわね」
今日はもう解散すると詩音さんに伝え、その場を立ち去ろうと思い詩音さんに背を向ける。

ばたん。

「………………?」
何の音?私の背中の後ろで何か変な音がした。
振り向くとそこには床に倒れた詩音さんの姿が。
「し、詩音さん!?」
急いで駆け寄り、身体を起こす。
しかし、私が駆け寄ったときもう一人駆け寄ってきた。
恐らく図書館の職員さんだろうと思ってその人物を見て…………。
「詩音!大丈夫かい詩音!」
なんとあのにーにーだったのだ。
にーにーがここに居る!?今日ここに来る事は二人だけの秘密だったはず!
一体何故にーにーが!?
「沙都子!」
呼びかけられ少し身体を震わせる。駄目だ。にーにーを私が怖がっていることを知られちゃ駄目だ。
それに、にーにーは本を読むのが好きだったじゃないか。だから本当にたまたまここに居るのかもしれない。
いつも通りの反応をするんだ。いつも通り。いつも通り……。
「何ですのにーにー!?」
「詩音を僕の家に運ぼうと思うから手伝ってくれ!」
にーにーの家……か。確かにここから近いし、部屋も多い。とりあえずにーにーの家で看病して監督に連絡するのが良いかもしれない。
けどあそこは『あの日』の行為を見たせいであまりいきたくなくなった。
でも今はそんなことを言ってられない緊急事態だ。
「よし!じゃあ行くよ!」
にーにーは詩音さんをお姫様抱っこして人目を気にせずに走る。
タクシーを呼びたかったけどお金が無くては仕方がないですし。
ふと、詩音さんのポケットの中にお金が入ってるんじゃないだろうかと思ったが
そのときにはもうにーにーの家は近くだった。

詩音さんをお布団に寝かせ、額に水で濡れたタオルを被せる。
本当にどうしたのだろうか?大体、私の健康管理までしている詩音さんが自分の体調を悪くするなんて有り得ない。
一体何が……?
「詩音は大丈夫かな……?」
「詩音さんの事ですから明日にはケロってしているに違いありませんわ」
「そうだね……」
しばらく沈黙が場を支配する。私には『あの日』のせいでにーにーと話すことが思いつかなかった。
「ねぇ沙都子。ちょっと話があるんだけど」
「……なんですの?」
「沙都子はさ、一昨日僕と詩音のセックスを見てたよね?」
「え…………!?」
「誤魔化さなくてもいいんだ。あの時僕は気付いていたんだからね」

ばれていたみたいだ。では、にーにーはばれていることを承知の上で行為に及んでいたということ。
一体何のために?

「沙都子は今、僕のことを警戒しているよね。それは仕方ないと思う。誰だってあんなものを見れば僕を疑う」
「じゃあ……にーにーは何故、私に見せ付けていたんですの?」
するとにーにーは恥ずかしがりもせずさらっと言ってのけたのだ。

「沙都子にセックスの気持ちよさを伝えたかったんだよ」

躊躇いも何もなく、真面目にこんなことを言い出した。これじゃあ、私の方が恥ずかしくなってしまう。

「な……なんて破廉恥な事を……不潔ですわ!」
「破廉恥……?沙都子だっていつも言ってるじゃないか。早く大人になりたいってさ」
「確かに言ってますけど、それとこれとは話が違いますわよ!」
「何も違わないよ。大人はセックスをするんだ。だから沙都子にも早くできるようになってほしいんだよ」

あのにーにーがこんな破廉恥な人だったなんて……。男の人っていうのはみんなこんな感じなんだろうか。
でも、一昨日の詩音さんだってかなり気持ち良さそうな顔をしてらしたし……。
圭一さんだってロシア系AVなんて物を見てるらしいですし……。

「それでね、僕は思ったんだ。最近沙都子は身体的に成長してるし、そろそろ僕がセックスがどんなものか
教えたほうがいいかなってね」
「セ……セックス……ですの……?」
「ああ。嫌なら別にいいんだ。でも、沙都子だって早く大人になりたいよね?」
「それは……そうですけど」
「じゃあ練習しようか」
「……うぅ」

にーにーは早速ベッドやらなんやらの準備を始める。観念しよう。
今日はとりあえずにーにーに教えてもらおう。

「あの……にーにー、優しく……お願いしますわね」
「うん、分かってるよ。沙都子は僕の妹なんだから」

そう。沙都子は僕の唯一の肉親なんだから……ゆっくり、じっくり、調教してやるよ……!



「じゃあ、まずキスから行こうか」
「うぐぅ……」
「大丈夫だよ。何も怖くないし、僕に身を委ねてくれればいい」

まず、羞恥心に染まる妹の唇を奪う。年端もいかない少女━━しかも妹━━の唇は柔らかい。
「ふむぅ……む……はふぅ…」
最初はただ唇を合わせるだけのキス。そして徐々に激しく。
小さな舌を絡めとリ、僕の唾液を沙都子に塗り、沙都子の舌の裏を舐め、歯茎をなぞり、下唇を吸い上げる。妹は息づかいを荒くし、ファースト・キスをただただ味わっていた。その顔がたまらなく可愛くて僕はさらに舐め回す。

ぴちゅ、ちゅ、ぴちゃ……

響き渡る音で、さらに沙都子は赤面する。耳だって真っ赤でまるで沙都子が沸騰したようだった。
その初々しい反応が僕をさらにたきつける。一切の抵抗を許さないように、さらに沙都子の口内を侵食した。
「はむぅ、うん、んん……!」
あらかた舐めてから沙都子に聞く。
「どう?気持ちよかった?」
「……すごく……変な気持ちでしたわ。これを…気持ちいいって言うんでしょうか……?
それに、身体がこう……何かを求めるんですの……」
何かって?アレしかないだろう!だがまだ前戯が終わってない。終わったらたっぷりとその身体にアレを埋め込んでやる。

「よし、じゃあ次のステップに移ろうか」
「次は何ですの?」
「胸だよ、沙都子」
沙都子のボタンに手を掛け、全て外すとそこからは少し膨らんだ胸が出てくる。
……ってか、おい。ノーブラだと?男を誘っているのか?
まぁ、ブラジャーを外す手間が省けた。それに沙都子の乳首を早く見られたことでよしとしよう。

「沙都子は胸を大きくしたい?」
「もちろんですわ。大人の女の人はみんな大きいんですもの」
「じゃあ、胸は揉まれると大きくなるって知ってた?」
「そ、そうなんですの?じゃ、じゃあ、揉んで下さるかしら」

揉んでくださるかしら、だとさ。……も、萌える!赤面しつつも
『勘違いしないことですわ。胸が大きくなるから揉んで欲しいんですの!決して気持ち良いからなんて理由ではありませんわ!』
という感じのツンデレっぷりに萌え死んでしまう!しかも妹属性付きの上、(似非)お嬢様言葉という特殊能力付き!?
これはもう喰ってしまうほかあるまい!ではさっそく……!

「ひゃあ!にーにー、そんなに激しく……きゃう!」

我慢できなくなった僕は、いきなり沙都子の乳首をしゃぶる。
まるで赤ん坊のように力の加減を忘れ、しゃぶりつつも余った手で沙都子の両胸を揉んでやる。しかしこれはこれでいい。
沙都子は胸を大きくしたがっているが、無理に大きくする必要を感じなかった。小さいものには小さいものなりの良さがあるようだ。

「あぅ……んっ、んぁ!これが…気持ちいいって事ですのね……」

やっと自覚し始めた沙都子に追い討ちをかけるように、今度は沙都子の乳房を舐めてやる。
乳房を、乳輪を、乳首を……。あらゆるところを舐め、沙都子に快感を蓄積させていく。
いつの間にか硬く尖った乳首を引っ張り、押しつぶし、吸い上げる。乳首を傷つけないように軽く噛み、舌で硬い乳首を転がしてやる。
すると沙都子は僕のあらゆる責めに色っぽい声をだして反応する。
胸を重点的に責められたせいかもしれないが、どうやら沙都子は胸が弱いようだ。これからのためにも記憶しておかなくては。
最後に強く乳首を吸い、唾液で濡れた乳首に息をふっと吹きかける。
「ふあぁぁぁぁ!」
沙都子はいきなりの温度差を伴う責めに対して過剰に反応してくれた。

よし。沙都子は既に出来上がっているようだ。これなら……。

「やぁ!」
沙都子のわずかな抵抗は無視して沙都子のズボンを下げると、やはりパンツには大きなシミが出来ていた。
そのシミの中心を布の上から強くなぞって見る。
「はぁ!ああふぅ!ひぅぅ!」
感度は十分。さて、妹の未開の地でも開拓するか。
沙都子のパンツを脱がせ、本人でさえも触らなかったスジが僕の前に披露される。
……これが我が妹のスジなのか……。まだ毛も生えてない、とても小さな入り口を手で開き視姦するように凝視する。
そこからは愛液が溢れており、とても綺麗なピンク色をしていた。

━━━そろそろ本気でヤるか。少し浮かれすぎて本来の目的を忘れかけていたようだ。

「魅音。起きろ」
僕は隣で寝ている「詩音」に話しかける。
「へ?そこにいるのは詩音さんですわよ?」
すぐに「詩音」は目を覚ました。そして、起きあがるとすぐに「詩音」の服を脱いでいく。
「詩音……さん……ですわよね……?」
そこにいる「詩音」は答えない。身に着けていたもの全てを脱ぎ終わると「詩音」のスカートの中に入っていたゴムバンドを取り出し
それを自らの髪の毛に縛り付ける。何所からどう見てもその姿は「園崎魅音」だった。そして、その人物は遂に口を開く。
「いや~!私もそろそろ我慢できなかったんだよね!悟史……この子、頂いて良いんでしょ?」
「あぁ。僕の邪魔にならない程度なら沙都子は好きにしてかまわないぞ」

沙都子はこの状況に対応できていない。しかし、本能的に身の危険は感じているようだ。
だがその身体は僕にがっちり捕まえられていて動けない。
「にーにー……?これはどういうことですの?何故魅音さんがここにいらっしゃるんですの?」



全ては昨日計画されたことだった。
昨日僕はそれとなく沙都子と詩音の後を付けていった。当初目論見は達成されたように思えたのだが事態は予想外の方向性を見せる。
なんと沙都子が僕と詩音の性行を目撃してしまっていたのだ。あのときは確かに無防備だったかもしれない。
その上、沙都子は詩音に僕と離れることを勧め、それに詩音が賛成してしまった。

『にーにーがにーにーでなくなった』だと?
妹の分際で何をほざいている!お前は僕の疫病神でしかなかったのに、お前は何様なんだ!?
そして詩音も。家畜が主人を裏切るなどあってはならない行為。家畜風情が……!
突然首が痒くなってきた。でも精神は限りなくクールだ。
あいつらは僕に逆らおうとしている。すぐに×しなければ。あぁ、痒い痒い痒い痒い痒い!

僕は詩音が沙都子と別れたあと、詩音の後ろから近寄る。
詩音は何かに気付き、僕を見て、そして跪いた。ゆっくりと近づく僕の手にはいつの間にかバットが収められていた。
その目だ。その目。自分より立場の強いものに怯える目。恐怖が織り交じったその顔。その顔をこのバットで殴りつければ
その顔はひしゃげるのだろうか。そしてその身体から暖かい朱い水が溢れ出て来るのだろうか。

だが、僕がバットを振り下ろす寸前に詩音の背中からバチッ、っと音がして詩音が倒れる。
{詩音の後ろに立っていたのは果たして魅音だった。倒れた詩音を二人でじっと見つめる。
「この子、どうすればいい?」
「じゃあ地下拷問部屋でこいつを調教してやってくれ」
必要最低限な会話で終わらせる。そして帰ろうとしたときに思いついたのが今回の作戦だった。
魅音が詩音になりすまし、病気を偽り僕の家に連れてくる。最近沙都子は僕を避けている節があったので好都合だった。

そして、現在に至るわけだ。
「にーにー、離してくださいませ!こんなの……!」
「大丈夫だよ沙都子。悟史と一緒に気持ちよくなろうね……」
魅音に沙都子を押さえつけてもらった僕は、ついに沙都子のスジに手を伸ばしたのだった。


<続く>

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最終更新:2008年05月01日 08:52