旧日本海軍の爆撃機に一式陸攻という機体があったそうだ。主翼内に燃料タンクが有り、攻撃を受けるとすぐに火達磨になって墜ちていったらしい。だから『ワン・ショット・ライター』と敵から呼ばれていたんだそうだ。
いつだったか軍隊で整備兵をしていたという大叔父から、そんな話を聞かされた。



ありがとう。



第一部 『ワン・ショット・ライター』



「むぅ・・・。ゴメン。・・・僕、詩音とは付き合えないよ・・・」
嘘・・・だよね?悟史君・・・。
「一年間も沙都子の事を放ったらかしにしてたし。・・・今は恋愛をしている心の余裕は無いよ。ゴメン。・・・沙都子が待ってるから。行くよ?」
じゃあね。と言って悟史君は申し訳なさそうに帰ってしまった。
私は悟史君に告白をして・・・断られた。
昭和58年8月。悟史君が入江診療所から退院し半月程した今日。私は悟史君に告白したのだ。
『絶対に大丈夫。成功する。』私は変な自信を持っていた。自惚れていた・・・。結果は・・・言うまでも無いだろう。
悟史君の心が安定して、他の事にも気を向けれる様になってから告白すれば良かった・・・。
そうすれば結果は違うものになっていたかも知れない。
悲しいのに涙すら出ない。
モウ何モ考エタク無イ・・・。
私はフラフラと夢遊病者の様に歩き出した。何らかの目的や行きたい場所があって歩いている訳では、もちろんない。



どのくらい歩いただろうか?ふと我に帰った私は、道の端にある煙草の自販機が目に入る。
私は前に葛西に質問した事があった。「葛西は何で、煙草なんて煙たい物を吸っているんですか?」と。
すると葛西は「はあ・・・?煙草ってのはイライラやストレスを解消してくれるんです。だから吸っているんですよ」とか言ってたな・・・。
私の、この惨めで悲しい気持ちも煙草は癒してくれるのだろうか?
無意識のうちに私は財布を取り出し、小銭を投入して煙草を買っていた。銘柄なんて適当だ。ついでに百円ライターも売っていたので購入する。
フィルムを開け包み紙を破り中から煙草を一本取り出し、口に咥えて火を付けた。
「おい!詩音!何やってんだよっ!?」
誰かの怒鳴り声が聞こえて、私は顔を上げる。
「圭・・・ちゃん?」
5m程離れた場所に圭ちゃんが立っていた。
「コラ!煙草なんて吸うな!」
と言って私の口から煙草を奪い取り、 地面に捨てて足で踏みつぶした。
「・・・」
私は俯いて、圭ちゃんの顔を見ない様にする。
「ったく!いつもの詩音らしく無いぞ!一体どうしたってんだ?」
と圭ちゃんが私の顔を覗き込みながら心配そうに言った。
圭ちゃんの顔を見た瞬間、瞳に涙が溢れて来るのを感じた。
「・・・うっ。うっ。・・・うわあああんっ!」
私は思わず圭ちゃんに抱き付いて号泣してしまった・・・。
「し、詩音っ!??」



泣きじゃくる私を圭ちゃんは道から外れた森の中に連れて行き、倒木の上に座らせてくれた。
いつの間にか雛見沢と興宮の境界辺りまで来ていた様だ。
「・・・ぐすっ」
「急に泣き出すから驚いたぜ?何かあったんだろ?良かったら話してみろよ?相談位には乗れるぞ?」
圭ちゃんも私の横に座り優しく問い掛けてきた。その気遣いが嬉しくて、そして誰かに聞いて貰いたかったのだろうか?一から十まで今日の出来事を全て私は話してしまった。

絶対成功すると思ってた告白を断られた事。
茫然自失して歩いた事。
煙草を吸ったら嫌な事を忘れてしまえるかも知れないと思って買った事。
途中泣いたり、話がループしたりしたと思う。
けど圭ちゃんは黙って聞いてくれた。

何とか話し終わり、私は俯いて「圭ちゃん・・・話を聞いてくれてありがとうございます・・・」と感謝の気持ちを伝える。ほんの少しだけ気持ちが楽になったから。
「気にするな!・・・しかし煙草でイライラなんて治るもんなのか?」
そう圭ちゃんが言って煙草を手に取って見ている。
私は「・・・分かりません。でも私辛かったんです。」
「悟史君は私と付き合ってくれるって自惚れていた自分が惨めで・・・。少しでも気を紛らわせたかったんだと思います。」
と呟いた後、顔を上げて無理矢理作った笑顔で
「でも!こんなのっていけませんよね?未成年だし、体に良く無いし!私って馬鹿ですよね」
と言った。
すると圭ちゃんが
「・・・一緒に吸ってみるか?本当に忘れる事が出来るかも知れないぞ?」
と言って煙草を二本取り出し口に咥えて火を付け、私に一本差し出してきた。
「・・・じゃあ一回だけ・・・」
煙草を受け取り口に咥える。
そして二人で一緒に煙を吸って肺に入れてみた。
すううぅぅぅ~・・・。
「「げほっ!!!ゴホッ!ゴホッ!!!」」
案の定むせた。口の中は苦いし、喉はイガイガする。肺の辺りが気持ち悪い・・・。
「けほっ・・・。マズいですね・・・」
煙草の火を揉み消しながら言う。
「ごほっ・・・。ああ・・・」
圭ちゃんも私と同じ様に火を消して口を開く。
「こんなのに頼らなくても、俺がいるじゃねぇか?他にも魅音やレナだっている」
「まあ沙都子や梨花ちゃんには、まだ早い話だから言えないけどな」
「仲間じゃねぇか?もっと頼れよ?一人で思い詰めて考えても仕方無い。話すだけでも全然違うだろ?」
ドクンッ
何だろう?凄く胸がドキドキする。
「そうですね・・・。じゃあ圭ちゃんに頼っちゃおうかな?男の子の事は男の子が良く知ってますしね?」
そう私の意思に反して、勝手に言葉が紡がれる。悟史君に抱いている感情を、圭ちゃんにも抱いている?
「おう。何時でも頼って来いよ!出来る事は何でもしてやるよ」と笑って手を私の頭に伸ばす。
「あ・・・」
悟史君みたいに優しく無い撫で方。少し乱暴だけど気持ちの籠った撫で方だ。
「・・・ありがとう。圭ちゃん・・・」
どうしよう?私は・・・圭ちゃんに恋をしてしまった・・・のかもしれない・・・。



その後、圭ちゃんと別れ私は興宮に帰った。実家に帰らず、隠れ家であるマンションの一室に引き籠もる。
こんなモヤモヤした気持ちで家に居たくないからだ。
暗い部屋のベッドの上に寝転がって考える。
私は悟史君が好き。
昨日までなら自信を持って言えた事が、今は自信が持てない。
恋をする切っ掛けなんて些細な物だ。去年の私が体験済みなのだから良く分かっている。
「圭ちゃん・・・」
少し乱暴だけど凄く優しくて、面白くて明るい。
一緒に居ると楽しいし、今日に至っては・・・どうも惚れてしまったらしい。
悟史君への想いは嘘では無い。でも・・・。
本当に付き合って幸せなのは??
・・・分からない。
悟史君にフラれたから圭ちゃんに乗換えるのか?
そんなの圭ちゃんの事が好きなお姉やレナさんに申し訳が立たない。
でも自分の気持ちに嘘は付けない。
「圭ちゃんは・・・私の事、どう思ってるんだろう?」
知り合い?仲間?親友の妹?それとも・・・。

結局、一週間悩んで悩み抜いた末に決意した。
「悟史君がいけないんだからね?」

もしかしたら周りの人間関係を崩しかねない決断を・・・。



プルルル~。プル、ガチャ
「もしもし?前原ですけど。」
「あ、もしもし?圭ちゃんですか?」
「ん?魅お、ああ。詩音か?どうしたんだ?」
「あの~今日は、お暇ですか?」
「まあ・・・。暇っちゃあ暇だぜ。それがどうしたんだ?」
「その、もし良かったら私のマンションに来てくれませんか?ちょっと、お話したい事があるんですけど。」
「分かった。別に良いぜ?何時に行けば良いんだ?」
「じゃあ、お昼の十二時に私のマンションの前に来て下さい♪お昼ご飯も御馳走しちゃいます☆」
「マジかよ?期待しとくぜ?」
「期待しちゃって下さい♪じゃあ、また後で☆」
カチャ
首尾は上々だ。
電話を切って、風呂上がりな私はタンスを漁りだす。
深いスリットの入った黒いミニスカートとオレンジのノースリーブ。白と水色のチェック柄のショーツとブラを取り出して、身体に巻いたバスタオルを取って着替える。
軽く化粧をして、お気に入りの香水「むらさき」を付ける。
時計を見たら十時半。
部屋のクーラーを強めにセットする。
料理の下拵えをしておこう。と言ってもパスタなのですぐに済む。

そろそろ約束の時間だ。マンションの入口に行き、圭ちゃんを待つ。
「よぉ!待たせたな!」圭ちゃんがMTBを押してやってくる。
「いえいえ☆呼んだのは私の方ですし☆ところで圭ちゃん?MTBどうしたんです?押して来たみたいですけど」私は何となく気になって聞いてみる。
「ああ。途中でパンクしちまったんだよ。そんな事より、腹減っちまったよ?昼飯を御馳走してくれるんだろ?」駐輪場にMTBを置いてエレベータに乗って部屋に向かう。
「とうぞ☆入って下さい♪」
「御邪魔します」
私はスリッパを出してあげる。



「ところで何を食わせてくれるんだ?」
「オリーブオイルとバジリコのパスタですよ♪あと少しで出来るんで待ってて下さいね?」
私は料理しながら圭ちゃんの問いに答える。
「おお~美味そうだな!」
「フフフ♪」
料理が完成し、お皿に二つ盛ってテーブルに置いて、私はエプロンを外す。
圭ちゃんと席に着き、談笑しながらパスタを食べ始めた。

「ふう・・・。美味かったぜ!ご馳走さま!」圭ちゃんが、そう言いながら口をナプキンで拭いた。
「お粗末様でした♪ところで、圭ちゃんに聞いて貰いたい事があるんですけど・・・」
私も同じくナプキンで口を拭いた後、圭ちゃんに言う。
「ああ。分かってる。で、話って何だ?」
「私の部屋でお話します。先に部屋に行って待っててくれませんか?」
「分かった。じゃあ部屋で待っておくぞ?」
「ええ♪」
圭ちゃんが席を立って私の部屋に向かって行った後、コップにジュースを注ぎ盆に乗せて持って行った。

「何か・・・。この部屋寒くないか?」
ベッドの前に持たれ掛かって居る圭ちゃんが、体を震わせながら言う。
遮光の為にカーテンを締めて、クーラーの設定温度は18℃にしてある。
「そうですか?私は寒く無いですけど?」
本当は凄く寒い。けど平然を装って続ける。
「寒いならこれでも羽織って下さい☆あ。隣り失礼しますね?」
目の前にある小さいテーブルにジュースを置いて、大きめのブランケットを渡して、私は圭ちゃんの横に座る。それも体を密着させて。
「と、ところで詩音。話があるんだろ?い、言ってみろよ?」
顔を真っ赤にした圭ちゃんが、しどろもどろになって聞いてくる
「はい♪・・・あのですね。私。悟史君の事吹っ切れちゃいました。圭ちゃんのおかげで・・・」
ブランケットの中の圭ちゃんの手を握って言う。
「お、おう!けど良いのか?悟史の事好きなんだろ?」
「ええ。確かに悟史君の事は好き・・・でした。でも、もう良いんです。もっと大好きな人が出来ましたから・・・」
私は圭ちゃんの手を強く握り直して、そう言った。
「そ、そうか!ま、まあ良かったじゃねぇか!詩音に惚れて貰えた奴が、う、羨ましいぜ!あ、あははは!」
鈍感なのか、わざとなのか分からないが圭ちゃんがそう言う。
私はブランケットの中に入り、更に圭ちゃんに身体をすり寄せて顔を見て言った。
「私。圭ちゃんの事が・・・好きになっちゃいました。男の子として」
「え?・・・はあ?俺の事が・・・好き?詩音が?」
圭ちゃんが驚いた顔で聞いてくる。やっぱり鈍感だ。最初からヒントは、あげていたのに。
「私。嬉しかったんです・・・。落ち込んでいた時に、圭ちゃんに優しくしてもらえて」
「本当に辛かった。そんな時に私を包んで癒してくれたのは、悟史君じゃなくて圭ちゃんだったんです」
「気が付いたら一目惚れしちゃってました。でも私。混乱しちゃって一週間考えたんで」
「圭ちゃん・・・私の事・・・どう想ってくれてますか?」と圭ちゃんに聞いてみる。
ちなみに私は嘘は付いて無い。本当に圭ちゃんに惚れてしまったのだ。
今は悟史君の事は頭の片隅にしかなくなってしまった。
酷い女だと思う。
相手にされなかったから他の男の子に乗換えた様なものだ。いや事実だ。
でも私が悩んだ末に導き出した結論が、さっき圭ちゃんに言った事なのである。
私は圭ちゃんに『ワン・ショット・ライター』にされた。
圭ちゃんに優しくしてもらって、私の心は火達磨になって墜とされてしまったのだ。
惚れやすく飽きやすい訳では無い。悟史君に不良から助けて貰った時以上に、圭ちゃんから助けて貰って、嬉しくて一瞬で心を奪われたのだ。
悟史君に抱いていた以上に圭ちゃんに恋愛感情を抱いてしまった。
そして私は大切な操を圭ちゃんに捧げたくて呼び出した。
お願い。圭ちゃん。私を悟史君みたいに見捨てないで?私に優しくして、もっと私を癒して?はしたない女だと思わないで?
私にほんの少しだけでいい・・・悟史君の事を諦める勇気を下さい・・・。
未練がましい私は、まだ悟史君の事を引きずっている、だって一年間も想い続けたんだから。
片思いで終わった私の一年間を圭ちゃんに補完して貰いたい。
でも、それはお姉やレナさんへの宣戦布告になるだろう。
それでも良い。
私は絶対あの二人には負けないし、引かない!

「あ~詩音。その何だ、気持ちは嬉しいが、急な話で頭が混乱しているんだよ。少しだけ待ってくれないか?考えをまとめるからさ」
そう圭ちゃんが言って『Coolになれ!』だの『1500秒あれば!』とかブツブツ言いながら頭を抱えて考えている。
独り言が出る位、真剣に考えてくれているのだろう。まあ即答で何か言われるよりは良い。悟史君は即答だった・・・。
三十分程して圭ちゃんが
「詩音。お前は凄い可愛いし、一緒に居て楽しいぜ?好きだって言われて凄く嬉しかったしドキドキした。いや今でもドキドキしてる」
「俺。詩音の事好きだぜ?女の子として。だから告白は俺からさせてくれるか?」
と言って私の手を握り返してくれ、更に口を開こうとするのを私は止める。
「圭ちゃん。実はその前にケリを付けたい問題があるんです・・・。告白は・・・その後じゃ駄目ですか?」
そう聞いて圭ちゃんが残念そうな顔をして「・・・じゃあ、それが解決したら、告白して良いのか?」と聞いてくる。
「ええ。明日の夜までにケリを付けて来ます。それが終わったら・・・圭ちゃんの家に行きます。それで良いですか?」
と言った。
「分かった!明日を楽しみに待ってるぜ!」
圭ちゃんが笑いながら言う。
「あと・・・もう一つお願いがあるんです・・・。聞いて貰って良いですか?」
「ん?何だ?」
圭ちゃんの手に指を絡め「私の・・・初めて・・・バージンを貰ってください・・・」と言って私はブランケットに顔を埋める。
「え?あ?・・・ええっ!?」
圭ちゃんは動揺しているのだろう。慌てふためいているのが良く分かる。
「私を圭ちゃんのモノにしてください。・・・無理は承知でお願いしてます」
顔が熱くなるのを感じる。恥ずかしい。いやらしい女だと思われて無いだろうか?
「冗談じゃないよな?俺達はまだ付き合っても無い。それでも後悔しないか?」
私の気持ちを悟ってくれたのか、そう優しく問い掛けてくれる。
私は後悔なんてしない。本当に好きだから。
「・・・はい。私は圭ちゃん以外にあげる気はありませんし、後悔もしません。圭ちゃんの温もりを私に分けてください・・・」
圭ちゃんが私の肩を抱き寄せて、真っ赤な顔で「・・・詩音。身体を抱き締めて良いか?」と聞いてくる。
「むしろ、してくれなきゃ嫌です」
と言って私は圭ちゃんの肩に頭を預けた。
圭ちゃんが身体を私の方に向けて私を抱き寄せる。私も身体を動かして圭ちゃんと向き合う形になる。
「詩音。身体が冷えてるぞ?」
圭ちゃんが力を入れて抱き締めてくれる。
「暖かい・・・です」
私も力を入れて抱き返す。
数分して、圭ちゃんが私をお姫様抱っこしてベッドの上に乗せてくれる。
「あ・・・」
「詩音。じゃあ・・・するぞ?」
圭ちゃんがベッドの上に乗ってくる。
「はい・・・」
そして部屋の灯を消して、私を優しく押し倒す。
そしてそのまま私の首筋に顔を埋め「凄く良い匂いがする・・・」そう言って軽く吸い付いてくる。
「ん・・・。は、恥ずかしいです・・・っあ!」
圭ちゃんの手が私の胸に触る。異性の身体に触れるのは初めてなのだろう。何処かぎこちない。
「ふ・・・あ・・・」
その後ノースリブの下から手を入れてブラの上から優しく手を動かす。
くすぐったい・・・でも少し気持ち良い。
「詩音・・・。直接胸触って良いか?」
「強くしないでください・・・ね?」
そう言って私はブラのホックまで圭ちゃんの手を誘導してあげる。
圭ちゃんが試行錯誤しながらホックを外した後、上にずらし胸を優しく揉み始める。
「んっ!ふあ・・・」
初めて異性に触れられ、声が少し出る。
「柔らかい・・・」
圭ちゃんが耳元で小さく言って耳たぶに舌を這わす。
「あっ・・・!」
全身をゾクゾクとした震えが走る。気持ち良い・・・。
そして圭ちゃんの口の中で耳たぶが舌で転がされ、段々と身体の力が抜けていくのを感じる。
「んうっ!あっ!」
乳首を指でゆっくりと転がされ甘い刺激が私を熱くさせる。
次に圭ちゃんが服の上から胸を口に含む。
「あっ!そ、それダメ・・・はぁん!」
乳首の先を舌でつつかれた後、舌でねぶられる。
ちゅっ!ちゅぱ!
軽く吸われただけで乳首が硬くなっていく。
「け、圭ちゃん・・・!そんなに吸わないで!ください!オッパイが溶けちゃいそうです!」
圭ちゃんが「詩音の胸の触り心地が良くて夢中になっちまったよ」と口を離して言う。
「はあはあ・・・。圭ちゃん・・・赤ちゃんみたいでしたよ?・・・美味しかったですか?」
私は圭ちゃんの頬を撫でながら言う。
「凄く美味しかったぞ?次は・・・服を脱がして、続き良いか?」
「はい・・・。もっとしてください・・・」
圭ちゃんがノースリーブを捲りあげ胸に熱い視線を向けてくる。私は恥ずかしくて顔を横に向けた。
「綺麗だ」
圭ちゃんが短くそう言って、再度口に乳首を含み、舌で愛撫してくれる。
「あっ!」
頭が痺れそうな刺激が私を支配する。
ぢゅ!ちゅぷ!ちゅ!
「け、圭ちゃん・・・!もう少し!や、優しくして・・・くだっ!んあっ!」
ビクンッ!
乳首を甘噛みされて身体が大きく跳ねる。目の前がチカチカして、私の秘部が、何というのかキュンとする感覚に襲われる。胸を愛撫されて、何故、秘部が感じるのか分からない。けど・・・癖になりそうな程の快感。
「ふあ!それっ!凄い気持ち良いですっ!!も、もっと乳首を噛んでください!」
そうおねだりすると、圭ちゃんが胸への愛撫を激しくし始める。
吸われ、噛まれ、ねぶられる。 私の心も身体も快感に支配される。胸でこれだけ気持ち良いのだ、秘部を愛撫されたらどうなってしまうのだろう?
「はあはあ・・・。圭ちゃん・・・こっちも可愛がってください」
胸を揉んでいた圭ちゃんの手を持って秘部へ持って行く。
くちゅ・・・。
凄い濡れてる・・・。私も自慰位した事あるが、胸だけでここまで濡れた事は無い。私の女の部分にスイッチが入ったのだろうか?
そこは熱を帯びて、圭ちゃんの指が触れただけで甘く疼く。
「圭ちゃん・・・。私の下のお口が切なくて・・・泣いています。慰めてあげてください」
私の中の『女』が更なる快感を求めて圭ちゃんに甘えた声で囁く。
「ここって、こんなに濡れるんだな?お漏らししたみたいになってるぞ?」
余裕が出てきたのか圭ちゃんが、意地悪な事を言ってくる。
「やっ!恥ずかしいから言わないでください?け、圭ちゃんが私をこんなにしたんですよ?」
好きな人に愛撫されている。好きな人が私を女にしてくれている喜び。心臓がバクバクして、私はおかしくなってしまいそうだ。
「じゃあ、今からもっと乱れてくれよ?色んな詩音が見たい」
圭ちゃんが囁いてショーツに手を潜り込ませる。
くちゅ。くちゅ。ちゅ・・・。
「んあ・・・!ああっ!あっ!!ら、らめぇ!」
処女の私には刺激が強すぎる。そう思う位の快感が私を乱れさせる。
圭ちゃんに言われて演技でしている訳では無い。本当に気持ち良くて、こんな声が出るのだ。
圭ちゃんは「凄く可愛い声出すな~?そんなに気持ち良いのか?」と私の秘部を縦に指で、なぞりながら聞いてくる。
「ふあ・・・。す、凄く気持ち良くて、はあんっ!!身体に力が入ら無いッ・・・です!あっん!」
私は快感に酔い痴れている。それと同時に新たな快感を見出だす。
『意地悪な事をされると興奮する』私はMなのだろうか?言葉責めされるのが気持ち良くて仕方無い。
「じゃあ・・・。ここはどうだ?」と、圭ちゃんが中指で私のクリトリスを強く転がす。
「んあ!?あっ!あうっ!!あっっ!!!!」
脳を揺さぶられる様な気持ち良さで、目の前が真っ白になっていく・・・。
身体が溶けてフワフワと飛んでいるような感覚だ。これが絶頂というヤツなのだろうか?身体が弓なりに反って、足の指に力が入る。
「わ、悪い!大丈夫か!?」
圭ちゃんが私を抱き起こす。
「はあはあ・・・。ふぇ・・・?なんふぁ、フワフワしちゃいましゅ・・・」
呂律が回らない。頭がボーッとする。身体に力が入らない。
「凄く・・・気持ち良かったれふぅ・・・」
まだ呂律の回らない口で、そう圭ちゃんに伝える。よく見ると圭ちゃんが顔を真っ赤にして私を見ている?
「今の詩音・・・凄く可愛い。これが萌の真髄なんだな?親父・・・?」
などとブツブツ言いながら感動している様だが良く分からない。
何故か私は笑いが込み上げてくる。
「あはははははは!け、圭ひゃん!急に何言いらすんれすか?お、面白すぎれすっ!」
さっきまでの緊張がほぐれる。やっぱり圭ちゃんは面白い人だ。
「そ、そんなに私は萌えますか?あっははは!!」
ようやく呂律が回り始める。だが気分はぶち壊しだろう。けど笑いが止まらないので仕方無い。私は『箸が転がってもおかしい年頃』ってヤツなのだろうか?
「そ、そんなに笑うな!恥ずかしいだろっ!!」
圭ちゃんが我に帰って必死になっている。
「はあ・・・。ご、ごめんなさい。私。何だか酷い事しちゃいましたね・・・」
数分して落ち着いた私は、猛省して圭ちゃんに詫びる。
「いや・・・。緊張がほぐれて良かったぜ!で、・・・その、俺、そろそろ・・・」
と圭ちゃんが微笑んだ後、私の手を股間に触らせる。
「我慢できない・・・。入れて良いか?」
と言って私を再度押し倒す。
私は「・・・入れてください・・・。私も早く圭ちゃんと繋がりたいです」と言いながら圭ちゃんのズボンのチャックを指で持った。
ジーッ。
チャックを下まで開けて、私はトランクス越しに圭ちゃんのオットセイを撫でる。これが今から私の初めてを捧げるモノなんだ・・・。こんなに太いモノが入るのだろうか?
「圭ちゃんのおちん〇ん、凄く大きいです・・・」
続いて圭ちゃんのズボンのボタンも外し、トランクスと一緒に下げる。部屋が薄暗くて分からないが、そそり立って元気いっぱいなオットセイが見える。
私は身体をずらし、ズボンを脱がしてベッドの下に落とした。
シュル。
圭ちゃんが私のショーツを脱がす。私は脱がせやすい様に腰を少し上げてあげる。
何故かショーツを全部脱がさず、片方の足首に残した状態で圭ちゃんが、私の膝を持って開脚させる。
「じゃあ入れるぞ?」
「はい・・・」
私は軽く頷いた。
ちゅく。
圭ちゃんがオットセイを私の秘部にあてがったので、私は手でオットセイを入口まで持っていった。
ちゅぷぷ・・・。
「ん!・・・ひぐっ!」
膣を押し広げてオットセイが侵入してくる。痛い。でも先っちょすら入って無い。
「い、一気に入れちゃってください・・・」
そう言って腰に両手を回して力を込めて押した。
ぶち!
「うあっっ!!んう!あ、あう・・・」
痛くて息が出来ない。何とか呼吸をしようと私は喘ぐ。
「だ、大丈夫か?」
圭ちゃんが心配そうに聞いてくる。
「はあ・・・はあ・・・。だ、大丈夫・・・です。動かしちゃってください」
何とか呼吸出来る様になった私はそう言って、圭ちゃんの背中に手を回し、抱き締める。
「なるべく優しくするから、痛かったら言えよ?」
圭ちゃんが私の首の後ろに腕を回して腰をゆっくりと動かし始めた。
ギシッ!
ベッドの軋む音が聞こえ、鈍い痛みが私を襲う。
「ん!!んう!!んんっ!!」
痛くない!痛くない!心の中で叫びながら、私は背中に回した腕に力を入れて堪える。
「はあはあ。詩音の中、柔らかくて、暖かいぞ?それにギュウギュウに締め付けて痛い位だ」
よほど気持ち良いのか、圭ちゃんは私の膣の中を詳しく説明してくる。
「ふぅ!い、言わないでください!!ん!」
そう言うと、私の中でオットセイが更に大きくなる。少しだけ痛みが和らいでいた膣内に、また痛みが走る。
「それに、ち〇ぽに絡み付いて来るんだ。あと・・・上の方がザラザラしてて腰が抜けそうだぜ」
圭ちゃんが凄く恥ずかしい事を言いながら、腰を先程より少し早く動かす。
ぱちゅ!ぱちゅ!
「あっ!あっ!あっ!!」
オットセイに膣が慣れたのか、痛みより快感が強くなる。一突きごとに、気持ち良くて声が洩れる。
「あっ!はあんっ!だ、段々気持ち!良く!なってきまし!た!んあ!」
圭ちゃんが私の鎖骨を舌でなぞり始める。くすぐったくてゾクゾクする。
「お!また締め付けてきた!そんなにコレ気持ち良いか?」
圭ちゃんが首や肩、そして耳に舌を這わし始める。
「ふあ、あ!それ気持ち良すぎです!!も、もっと舐めてください!!」
全身が性感帯になった様に敏感に反応する。
「そ、そんなに締め付けたら、イッちまう!」圭ちゃんが辛そうに叫ぶ。
「あんっ!イッちゃって良いですよ!!今日!安全日だからっ!膣内に出して!いい!あっっ!!ですよ!!」
圭ちゃんが激しく動き始め、腰が砕けそうになる。
「じゃあ!イクぞ!ん!くうっ!!!!」
ビュルッ!ビュルッ!
「んう・・・!」
熱い。精液って熱いんだな。これ癖になりそう・・・。
私は圭ちゃんと抱き合いながら心の中で呟いた。
悟史君バイバイ・・・。一年間幸せでした。今日から圭ちゃんと幸せになるね・・・。サヨナラ。



初体験の後、私は圭ちゃんに腕枕して貰ってピロートークというヤツをしている。照れてしまう。
「ねえ?圭ちゃん。そう言えばキスまだしてませんよね?」
初体験で余裕が無くて忘れてたが、私のファースト・キスはまだ奪われていない。もしかして身体目当てだったのか?と、少し不安になってきた。
「いや。それは明日まで残しておこうと思ったんだ。順番がアベコベでゴメンな?」
そう言って圭ちゃんが頭を撫でてくれる。この前より少しだけ優しく撫でてくれている気がする。
「ふふ♪そうですか♪まあ順番がアベコベなのは私が悪いんですから。気にしないでください☆」
良かった。不安な気持ちが消し飛び、また幸せな気持ちになる。圭ちゃんの首に口を付け、強く吸う。
「キスマーク付けちゃいました☆浮気したら駄目ですよ?」
「する訳無いだろ?」
「嘘ですよ♪」
そして二人で笑い合って、少しだけお昼寝タイムに突入した。

起きたら夕方だった。流石に圭ちゃんを引き止めるのは悪い。
一緒に親類の経営する自転車屋に行き、パンクを修理してもらった。
その後マンションまで送ってもらい、『また明日!』と言って別れた。



翌日
昼過ぎ、私はバイクで雛見沢に向かっていた。
ふとした事で手に入れたCBX400F。半キャップを被った私が跨がり、ヨシムラ菅のエキゾースト・ノートを響かせ道を駆けて行く。
まだ免許は無いので、近頃は乗っていなかったが、今日は仕方無い。
私の事情に葛西を巻き込む訳にはいかない。下手したら夜中まで帰れない可能性もあるからだ。

雛見沢に近付き、そろそろ舗装路面が無くなる。
車速を落として転倒しない様にする。
未舗装路をスピードを出して走る事など、私には出来ない。
山の中を進み、ダム工事現場跡にバイクを停めて、半キャップを脱ぎ辺りを見回す。
まだ来て無い・・・か?
バイクを降りて、その場で待つ。
どのくらい時間が経ったか分からないが、後ろから肩を軽く叩かれた。
「ああ。今日は急に呼び出したりして、すいません」
「ううん☆良いんだよ?魅ぃちゃんは、まだ来てないのかな?かな?」
竜宮レナ。そう今日呼び出したのは『ケリを付ける』為だ。お姉も呼んである。
「詩音!早いねぇ~!てか、また単車乗ってんの?バレたら怒られるよ?」
直後、お姉がやって来て開口一番そう言う。
「お姉。今日は特例って事で♪」
「ん~。まあ良いか!おじさん見なかった事にしとくよ!」
お姉が、そう言って三人で笑う。
「今日、お二人に話があって来て貰いました」
私は笑うのを止め、本題を切り出す。
「詩ぃちゃん?どうしたのかな?何か辛そうだよ?日射病かな?かな?」
「そうだね。大丈夫?詩音?」
二人が心配してくれるが、私は別に体調不良では無い。これから起こるだろう修羅場を想像して辛くなったのだ。
圭ちゃん。私頑張るからね?
「実は私・・・。先週、悟史君に告白しました・・・。そして、断られました・・・」
しばしの沈黙の後、レナさんが口を開く。
「し、詩ぃちゃん・・・」
続いてお姉が「え?嘘?本当に?」と真面目な顔で聞いてくる。
くそっ!口を開くのがためらわれる!けど!言わなくては先に進まない!coolになれ園崎詩音ッ!!!!
「そして・・・昨日・・・」
私は覚悟を決め口を開く。
「・・・圭ちゃんと・・・寝ました・・・」

ミーン!ミーン!!
蝉の鳴く音だけが辺りに響く。
私は負けない!お前らに負けない!!



<続く>

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最終更新:2007年11月19日 10:29