2007/11/12(月)投稿


「お二人とも、沙都子ちゃんの容態は安定しました。もう大丈夫ですよ・・・」
沙都子の治療を終えた入江が心配そうに治療を待っていた悟史と梨花に報告する。
「本当ですか?監督。・・・はぁ・・・良かった・・・」
肩の荷が下り安心したかのように悟史は体を脱力させた。
土曜日、学校が昼で終わったその日の帰りに沙都子が急に発症した。
その場にいた悟史と梨花は大急ぎで診療所に運んだのだった。
「しかしながら、また悪化する可能性も否めません。ですので、この週末は沙都子ちゃんの
経過を計るために入院が必要です。」
「入江・・・そんなに沙都子は悪いのですか?」
心配そうに入江を見返す。
入江はちらりと悟史を一瞥した。
「・・・・・・いえ、もしもということがありますから。大丈夫です。特に何もなければ、来週の始めには退院できますよ。」
しばしの沈黙の後、入江は答えた。
「・・・わかりました監督。沙都子をお願いします。・・・じゃあ梨花ちゃん行こうか。」
「・・・はいなのです・・・」
梨花は少しの疑念を感じていた。いつもの悟史なら診療時間ギリギリまで残って
沙都子に付き添うはずなのに・・・今日はしなかった。
「二人とも、帰り道には気をつけて・・・」
背中に入江の見送りを受けながら、二人は診療所を後にした。


診療所からの帰り道、悟史は静かに口を開いた。
「ねえ、梨花ちゃん・・・」
「みぃー、何ですか悟史。」
沙都子の容態について聞いてくるのだろうと、梨花は考えていた。
しかし悟史の口から紡ぎだされた言葉はその考えとはまったく違うものだった。
「今から、梨花ちゃんの家に寄っていいかな・・・少し相談に乗ってほしいんだ・・・」
「みぃー・・・別にいいですけど・・・」
最近、悟史には生気がない。普段は物静かで落ち着いている雰囲気を持つ温和な少年だ。
しかし今の悟史にはその雰囲気が無く、終始うつむき加減で日々を過ごしている事を梨花は気づいていた。
その少し病んでいる悟史が自分一人に一体、何の相談をするのだろう。考えを張り巡らせる梨花。
悟史を見ると、やはりややうつむいて暗い表情をしている。悟史も何かを考えているようだった。
おそらく沙都子のことなのだろう。
それぞれの思いを馳せながら二人は梨花の家に向かって行った。


「それで、何のお話なのですか?」
梨花の運んできた二つのオレンジジュースが置かれたテーブルを挟んで二人は向かい合う。
「うん・・・」
しばしのためらいの後、悟史は口を開いた。
「・・・あ・・・足音が聞こえるんだよ。」
「え・・・?」
一瞬悟史が何を言っているのか、理解できなかった様子の梨花。
それを察して悟史は再び話を始める。
「僕が帰り道や学校の中を歩いていると聞こえてくるんだ・・・僕の足音の紛れて、ひたひた、
ぺたぺたって・・・そして、僕が足を止めるとその音が止むんだ。そして、また歩き出すと再び聞こえてくる・・・」
悟史の告白に梨花は少なからず驚く。悟史の聞こえる足音というのは恐らく雛見沢症候群によるものだ。
病状が進行すると、幻聴や幻覚の類が聞こえてくる。症候群の知識については少なからず梨花は持っている。
悟史の病状に関しては梨花も知っていたが、まさかここまで進行していたとは・・・
「それで、レナから聞いたんだ、レナも足音が聞こえていた頃があったって。・・・それでレナはこう言ったんだ。」
うつむきかげんの悟史は、オレンジジュースのコップに映った自分を見つめながら言った。
「・・・オヤシロ様の崇りだって・・・悪いことをした雛見沢の人間の後ろにぴったりついて来て
・・・そして、崇りを起こすんだって・・・」
「そんな・・・」
梨花はショック受けた。オヤシロ様は雛見沢村民を縛り付けるために畏怖と尊厳を持たされ奉られている存在だ。
本来はそのような神ではない。しかし、畏怖の念を与えているとはいえまさか崇り神の域まで達していたとは。
「悟史、オヤシロ様はそんなことする神様ではないのです。それに悟史は何も悪い事をしていませんです。
もし崇りがあるとしても、悟史に降りかかるようなことは無いのですよ・・・」
崇りを否定し諭すように話す梨花。しかし悟史は、梨花の目を見ようとはしない。
そして声をガクカクと震わせながら自分の思いを吐露する。

「・・・あるんだよ、梨花ちゃん。僕には罪が・・・沙都子への。」
「沙都子に・・・?」
「僕は・・・自分で言うのもなんだけど、沙都子を守ってきたつもりだ・・・叔母からの小言にさらされていたり、村の人から
邪険な目で見られていたらすぐに庇ってあげた・・・沙都子は心も体も弱いし僕の妹だから・・・でも」
悟史の瞳が暗さを増した。
「・・・僕は、沙都子の事を・・・し・・・次第に・・・」
息を呑む梨花。
「疎ましく感じ始めたんだ・・・沙都子が泣くたびに僕の心に・・・ひびが入っていくんだ・・・あいつがいなかったら
こんなに追い詰められる事も無いって・・・沙都子のことを・・・はぁ・・・はあ、沙都子のことを何度も邪な目で見てきた。」
頭を抱えて震えながら悟史は続けた。
「・・・・今日、さ・・・沙都子を置いて行ってしまった。診療所に。さっき監督が入院が必要だって言ってただろう?
・・・あれ僕が無理やり監督に入院させてもらうように頼んだんだ。・・・僕は沙都子を置いて行ってこの週末あいつがいない間
体を休めようと思ってたんだ。・・・・・・沙都子が一人で泣いているのかも知れないのに・・・」
悟史の目が大きく見開く。
「にーにーって沙都子は一人で泣いているのに・・・誰も助けちゃくれない・・・僕たち北条家は除け者にされてるから・・・
それなのに・・・う・・・ぁあ・・・ぼ、僕は、沙都子を見捨てて・・・」
悟史の真っ青になった唇から紡ぎ出される。
「悟史・・・!」
梨花が身を乗り出す。
「あなたはその身で沙都子を守ってきました・・・自分の身を削ってきながら。何時いかなる時も、沙都子のために戦ってきた
のをボクは知っています。だからあなたが思っているそれは、決して罪なんかでは無いのですよ・・・!」
必死に説得する梨花。しかし悟史は耳を傾けずに言葉を続ける。
「だから、崇りが下ったんだ・・・どうして・・・僕らが何をしたって言うんだよ・・・!沙都子が何を・・・!」
カタカタと震えながら凝り固まったどす黒い自分の感情を吐き出していく。
「悟史・・・だから、崇りなんか存在しな・・・・・・っ!」


「・・・嘘だ・・・」
悟史が初めて梨花と視線を合わせた。
漆黒で冷徹な氷点下の眼差し。
梨花は突き刺さる鋭利な目つきに戦慄を覚える。
「さ、とし?・・・」
「僕ら北条家は、あのダム建設に賛成したから除け者にされた・・・それを村人たちに扇動したのが雛見沢の御三家だ。
あいつらが僕や沙都子を・・・」
悟史は梨花から目を離さず言葉を紡ぎだす。
御三家という言葉にぴくりと耳を動かす梨花。
「梨花ちゃん・・・君もあの御三家の一員だろう・・・僕らを村八分にするのを決めたあの・・・!」
キッと梨花を睨みつける悟史。
「それ・・・は・・・」
言葉が出てこない梨花。
「それに・・・梨花ちゃん、君はオヤシロ様の生まれ変わりなんだろう・・・?村を捨てたり、裏切ったりした人間に
・・・崇りを下す事だって難しくないはずだ・・・!」
「悟史・・・!ボクは悟史や沙都子を除け者したいなんて思いもしないし、崇りなんか起こせるはずも無いのです!
落ち着いてください!悟史・・・!」
必死に悟史を落ち着かせようとする梨花。その重いとは裏腹に悟史は続ける。
「じゃあどうしてあいつらに加担した!!その思いがあればあの時、僕らを救ってくれたはずだ・・・
なのにどうしてっ・・・!」
怒りに震える悟史を前に言葉を返せない梨花。
「・・・はあ、はあ・・・もう・・・許してくれ・・・あ・・・く・・・ごめんなさい・・はあ、はぁ・・ごめんなさいごめんなさい・・・・・・」
再び頭を抱えて、謝罪の言葉を連呼する悟史。
「悟史!落ち着いてくださいなのです!・・・悟史・・・!」
尋常ではない様子を見て悟史に駆け寄る梨花。悟史の腕を取り落ち着かせようとする。
「・・・っ!!うるさい!!」
腕に触られたのを不快に感じとったのかとっさに梨花の手を振り払う。
「きゃっ!!」


体躯の小さな梨花は腕ではなく体ごと吹き飛ばされる。
テーブルにぶつかる梨花。その衝撃でテーブル上のオレンジジュースが床にこぼれる。
悟史の振った腕が梨花の制服のブラウスに引っかかったためであろうか、梨花のブラウスのボタンが
飛び、梨花は肩口から胸に掛けてその柔肌をさらしていた。
こぼれたオレンジジュースがさらに梨花の肌蹴たブラウスの袖を染める。
「・・・・・・っ!」
悟史は目を見開き息を呑む。
目の前にはまるで生まれたばかり仔馬のように弱々しく倒れている少女。
肌蹴たブラウスからのぞく柔らかな肌。
乱れた短めのスカートから見える純白のパンティと肌色の形のいい太もも。
自分を見つめている少し怯えを含む潤んだ瞳。
こぼれたオレンジジュースのにおい。
悟史の中で何かがはじけた。
雛見沢症候群が悟史にそうさせたのか、自分に眠る性への欲求がそうさせたのか知る術は無い。
「・・・!?悟史・・・?・・・えっ!!いやっ・・・!」


肘を突いて仰向けになっている梨花に覆いかぶさるように悟史がのしかかってきたのだ。
「・・・・梨花ちゃんがいけないんだ・・・梨花ちゃんが・・・!」
「さ、悟史・・・何を・・・?!・・・はぁぁぁん!!」
悟史は肌蹴た梨花の胸に顔をうずめ、いきなり未発達の小さな萌芽に吸い付いたのだ。
突然の悟史の行為に羞恥と徐々に湧き出してくる快感に梨花は困惑した。
「い・・・や・・・悟史・・んくぅ・・・!は、離して・・・」
「・・・ふぅ・・・ふぅ・・・っ!!」
悟史は梨花の嘆願を無視し夢中で隆起し始めた乳首を吸い続ける。
ちゅうう、ちゅぷちゅぷ・・・ちゅくううう・・・・
卑猥な音と快感が梨花の全身を襲う。
「・・・はぁん・・・悟史・・・うぅうん・・・!どうし・・て・・・んんっ!!」
梨花は自分の両手を悟史の胸に押し付けて、悟史の体を遠ざけようとする。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・っ!」
愛撫を止め血走った目で、梨花を一瞥する悟史。
悟史は梨花の乱れた髪の毛が張り付くその首筋に視線を合わせた。

カプリとその白い首筋を梨花の髪の毛ごとむしゃぶりつく。
「んんんん!!さ・・としぃ・・・駄目ぇぇ・・・あん!」
悟史の愛撫を受けている側とは逆のほうに顔を背け必死に耐えようとする梨花。
悟史は梨花の首筋に流れる熱い血の鼓動をその舌越しに感じていた。
梨花の血の温かさをまるで吸い取ろうとしているかの如き愛撫であった。
悟史の愛撫によって白い梨花の首筋に張り付いた髪の毛がぬらぬらと艶めかしい黒色の光を放っている。
「・・・あぅぅ・・・!はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ん!」
必死に己の体から湧き上がる快感を押さえつけようとする梨花。
しかし、少しづつこみ上げる快感は梨花の下半身に向かっていく。
それ察したのかどうかは分からないが悟史は梨花の首筋を攻め続けながら、彼女の下半身に手を伸ばしていった。
「きゃうぅん?!・・・い、いやぁ・・・さ、悟史・・・そこは・・・んくううううん!そこはだめぇぇぇぇえぇぇ!!」
悟史はゆっくり梨花の柔らかい膨らみをパンティー越しに蹂躙する。首への愛撫をとどめることなく。
梨花は自分を犯している悟史の腕を必死に両の手を使って払い除けようとする。
しかし所詮は小さな少女。欲望を貪る悟史の腕を退けることには敵わない。
同時に梨花は足を動かして、悟史から逃れようと試みるが、梨花の股の間にどっしりと悟史の右足が降ろされており
くねくねと体を動かすことしか出来なかった。
「・・・はあ・・・はあ・・・り、かちゃん・・・!」
自分の下で甘美な声を上げながら必死に艶めかしく蠢いている少女を見て悟史の思いはさらに加速する。
「んんーー!・・・そんなに!・・・動かしちゃ・・・んくぅぅぅん・・・!!」
梨花の膨らみからわずかに勃起している部分を中心に、悟史は指を擦り付けるように愛撫する。
激しい愛撫から生まれる激しい快感が梨花を濡らす。
梨花の白いパンティに少しずつ染みが出来ていく。
梨花の流した愛液の感触に気づいた悟史はさらに快楽を与えようと、自分の愛撫を加速させる。
「んっんっ・・・!はぁ・・・はあ・・・!んくうううううぅ!」
これ以上、感じるわけにはいかない。そう感じた梨花は眉間にしわを寄せ、八の字に眉尻を下げて
目をつむる。さらに、自分の指を口にくわえて自ら漏れていく嬌声を押さえつけようとする。
「・・・ん・・・んむ・・・!んんっ・・・・はあん・・・!」
快楽を与え続ける悟史と快楽を耐える梨花。
そんなふしだらな対立がしばし続いた後、悟史の愛撫が止まった。


顔を上げ梨花を見下ろす悟史。荒い息遣いをしながら潤んだ涙目携ていた梨花。
「はあ、はあ、はあ、はあ、・・・・・・・・!」
悟史は意を決したように、自分のベルトを緩めていった。
「・・・・さ、とし。それは・・・だめ・・・」
ガチャガチャという金属音で察したのだろう。梨花は静かに悟史をなだめる。
「・・・ごめんよ・・・梨花ちゃん・・・」
悟史は大きく染みのできた梨花のパンティを横にずらすと、自分のものを梨花の秘所にあてがう。
「・・・ん・・・!んん・・・」
「はあ、はあ、はあはあ!」
梨花はこれから自分を襲うであろう破瓜の痛みに身を小さくする。
「・・・・・・っ」
しばしの沈黙の後悟史は腰を突き出した。
「!?んん!あん・・・!んくうううううう!」
梨花は困惑した。自分を今襲っているのは、痛みではなくさらに強大になった快感だったからだ。
悟史は梨花を貫いてはいなかった。梨花の秘所に自分の物を擦り付けていたからである。
悟史は挿入ではなく素股を選んだのである。
梨花の秘所は十分に濡れていて、無理やり挿入することも悟史には可能だったはずだ。
それを選ばなかった悟史。梨花の貞淑を守ろうと感じたのか、人を傷付けたくないという優しさが
そうさせたのか、答えはいずこにあるのだろう。
「はあ、はあ、ふう・・・くっ!!」
悟史は梨花のクリトリス目掛けて自分のものを打ちつける。
「んん、くぅん・・・!!んんんん!!」
悟史から与えられる直接的な快感に指をくわえて耐える梨花。
梨花のぬるりとした愛液が悟史のものを包み込んでいく。
同時に梨花のパンティの感触が悟史を襲う。
梨花のぬらりとした秘所と純白のパンティに挟み込まれるような形となった悟史のものに
徐々に射精感がこみ上げていく。


「はあ、はあ・・・う・・・く・・・どうして・・・どうしてなんだよ・・・り、かちゃん。」
悟史が愛撫を弱めながら、つぶやくように梨花に言い放った。
「・・・ん、ん・・・さ、とし・・?・・・んくぅ・・・」
「どうして、はあ・・・はあ・・・僕らを、はあ・・・救ってくれなかったん・・・だ・・・」
愛撫は続けられているが、それが弱まったことにより梨花に少しの余裕が出来た。
「・・・はぁん・・・ん・・悟史・・・あなたは・・・」
悟史の目は先ほどまでとは打って変わって角の取れた静かな悲しみをたたえていた。
「・・・君は僕らの、はあ・・・はあ、沙都子を救ってくれると思っていた、村の大人からその矛先をやわらげて・・・
はぁ・・はあっ・・・くれるんじゃないかって、君にはその力があったから・・・!」


ああ、悟史は私の罪に気が付いていたんだな・・・私は悟史や沙都子を事前に救うことが出来たはずだ。
それが出来なくても、頭首の力を用いて彼らへの風当たりを妨げることも出来たのに・・・
それをしなかった。ただ傍観して眺めていただけ・・・


悟史によって与えられ続けている快感に耐えながら梨花は言葉を紡ぎ出す。
「はぁ・・・はぁ、悟史・・・ごめんなさい・・・私もそれを・・・わかっていたわ・・・ん・・・んん・・・・
自分はあなたたちを救える立場にいたのに」
悟史が梨花の瞳をじっと見返す。
決意したかのように強い口調で言葉を続ける。
「・・・はあ・・・はぁん・・・でも、私は自分の罪を・・・背負っていくつもりよ・・・そして・・・これからあなたたちを・・・全力で守る・・・」
梨花は悟史を真っ直ぐに見つめる。
「・・・あなたは沙都子に・・・はあ・・・ん・・・罪を犯したって・・・言ったわね。・・・・あなたが罪だと思うなら・・・
私はあなたの罪の全てを・・・はあ、はぁ・・・否定することは出来ない・・・でもね・・・悟史・・・!」
悟史の瞳から涙がこぼれる。
「あなたの罪を私も背負うから・・・!あなた一人に背負わせなんか・・・しないから・・・
だから・・・!・・・・・・悲観なんかしないで・・・」
悟史は静かに再び涙を落とす・・・悟史の静かに心が洗われていく。
そこにあったのは、魂の救済。
「悟史・・・来て・・・」
梨花は両手でやさしく悟史の頬の涙をぬぐう。
悟史の目が普段のその優しさの色を取り戻していく。

「・・・うっ・・・くッ・・・梨花ちゃん・・・ありがとう・・・」
悟史は再び腰を動かす。これまでになく強く大きく。
「!・・・んんん!!んくうううぅぅん・・・!!」
「はあ、はあっはあ!梨花ちゃん、もう僕・・・!!」
こみ上げてくる快感に促され悟史の腰がより一層速さを増す。
「ん、ん、あんん!!はぁっ、・・・いいのよ・・・はあっ!・・・悟史・・・んくぅぅっ・・・!」
梨花が自分の小さな手を悟史の手に絡ませる。
「・・・はぁ、はぁっ!!うくぅぅううううっ!!」
大量の精が梨花の太ももに向かって吐き出されていく。
「はぁ・・・はあ・・・はあっはあ・・・・」
肩で息をする二人・・・窓の外はもうオレンジ色の黄昏が雛見沢を染め上げていた。


玄関口に立つ悟史と見送ろうとする梨花。
「梨花ちゃん・・・今日はいろいろとありがとう・・・あとその・・・何か・・・ごめんね・・・」
頬を染めうつむきながら悟史は言った。
「・・・そうなのです。ボクはもうすぐで処女を奪われそうになったのですよ・・・」
いたづらっぽく微笑む梨花。
「むぅ・・・本当にごめんよ・・・その・・・えーと・・・」
うまく言葉を返せない悟史。
「ふふ、いいのですよ悟史・・・」
にんまり笑って見せる梨花。それにつられて微笑みを見せる悟史。
「ふふふ、ありがとう。これから、僕は沙都子を迎えにいこうと思う。沙都子きっと一人で
寂しがってるだろうからね・・・」
「そうしてあげてくださいなのです。きっと沙都子も諸手をあげて喜びますです。」
「うん、そうするよ。・・・梨花ちゃん・・・」
悟史が梨花に近づく。
「何なのですか悟史・・・・・・みぃ!?」
梨花が困惑する。悟史は梨花の頭を優しく撫でていたからだ。
温かい。心の中から優しく撫でられる感覚を静かに梨花は感じ取っていた・・・
自分の鼓動が早まっていく。
「じゃあね、梨花ちゃん・・・また・・・」
悟史が背中を向け黄昏とともに去っていく。
自分の中で燻り続ける何かを感じながら梨花はぼんやりとその背中を見つめていた。



「はぁあぁあん!!んくうううん・・・!悟史・・・さと、し・・・ぃ・・・!」
一人になった梨花から聞こえる耽美なあえぎ声。
悟史が帰った後、梨花は一人でその身を慰めていた。響き渡る卑猥な水音。
じゅぶり、じゅぶじゅぶ・・・
「はぁ・・・はぁ・・・悟史が・・・やっと立ち直ったのに、んっ!んんんっ!・・・私・・・
こんなこと・・・・してちゃ・・・駄目なのに・・・」
思いとは裏腹に梨花の自慰は止まらない。
「だ・・・め・・こんなこと・・・でも・・・指が止まらな・・・はぁあん!」
先ほど悟史から受けた愛撫の余韻が梨花の体の中にまだ宿っていたのだ。
さらに頭を撫でてもらったあの温かさと感触がそれに拍車をかけていた。
悟史が精を放出した自分の太もものその部分を自分の手で撫で回す。
少しでも悟史のにおいを染み付けようと、太ももをこねくり回す。そして自分の鼻腔にその手を持って行く。
悟史の青いにおいがした。
「んくうぅぅん!!悟史の・・悟史のにおいがいっぱいしてる!!・・・はぁはぁはあ・・・」
においを鼻腔に焼き付けた後、その手を今度はずぶ濡れになった自分の膣口に持って行く。
・・・・ちゅく
「・・・んっ!ん!・・・はああ・・・!悟史のがいっぱい・・・いっぱい入ってくる・・・」
快楽を悟史とともに貪り続ける梨花。電撃のような快感が梨花の下半身を襲う。
梨花の指が一層速度を増した。
「ふぁあ!!もう駄目・・・悟史!さとし・・・ぃ・・・イくぅ・・・!!イっちゃううううう!!!」
一気に梨花は真っ白な絶頂へと達していった。


自分の腕を顔の下においてうつ伏せに横になる梨花。
自慰をした後の特有の気だるさが梨花の体に残っていた。
「悟史・・・あなたは強い人ね・・・あんなににも心も体も追い込まれていたのに、立ち上がって
自分の罪を刻んでそして、沙都子を迎えに行ったのだから・・・私なんかよりずっと・・・」
悟史の強さをまざまざと見せられた梨花。
帰りがけに見た悟史の微笑を思い出す。
しかしその強さも近い未来に打ち砕かれるのを梨花は知っていた。何千回と転生して来た梨花はその回数だけ
悟史の顛末を見てきた。結果は無論変わることはなかった。
「あんなに強い意思の悟史が運命を乗り越えることは一度もなかった・・・だから私のこの・・・悟史への想いも
届くことなんて・・・」
自分のちっぽけな想いなど届くはずはない。運命は既に決められたもの。そう悲観する梨花。
ふいに誰かに声が聞こえたような気がした。
ある言葉が鮮やかに去来する。
「・・・ふふ・・・そうね・・・そうだったわね・・・運命なんて薄い紙みたいなもので簡単に打ち破れるんだった・・・わね・・・」
梨花が前の世界で大切な仲間の一人から教えられた言葉であった。
梨花の袖からオレンジジュースの香りがほのかに立つ。
「・・・悟史の馬鹿・・・・染みになっちゃったら・・・どうしてくれるのよ・・・」
静かに微笑む梨花。横たわる梨花に心地よい眠気が彼女を襲う。
「・・・・・・ずっと・・・運命になんて負けないぐらい・・・しっかり心を強く持って・・・ずっと悟史を想い続けていれば・・・
きっと・・・・・・きっと・・・・・・・・・・・・・届くよ・・・ね・・・」
悟史が梨花の頭を撫でる。
柔らかな感触と悟史のぬくもりが梨花を温めていく。
優しいまどろみが彼女の意識を奪っていく。
「・・・・・・悟史・・・・・・・・・・・・・・・・・・さ・・とし・・・ぃ・・・」
梨花の瞳から一筋のしずくがこぼれていく。

雛見沢をオレンジ色に照らす太陽が梨花の体をゆっくりと包み込んでいった。


Fin

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最終更新:2007年12月24日 00:04