顔を洗った後もまだ眠気の残る眼を擦りながら、梨花は朝食の用意を始めていた。
彼女が寝不足気味なのには理由があった。
やかんをコンロに載せようと手を伸ばした時、突然背後から、ガバッと抱きかかえられる。
これこそが寝不足の元凶であった。

「…圭一。いきなりは危ないわよ。今朝ごはんの準備してるんだから、邪魔しちゃだめ」

つい一ヶ月前に苗字を変えたばかりの夫の名を困ったような声で呼ぶ。
「朝ごはんならもうここにあるじゃねぇか」

ニヤニヤと笑いながら圭一は梨花の腰を軽くポンポンと叩く。

「もう…ふざけないで。昨夜さんざん食べたでしょ?」
「梨花は昨夜自分の好きなようにたっぷり楽しんだから満腹かもしれないがなぁ…俺はもう腹が減ったぜ」

二人には少し変った習慣がある。夜の営みの前に簡単なゲームをして、どちらが主導権を握って、どんな内容にするのかを決めるのだ。
無論決定権は勝者にある。因みに、昨夜の勝者は梨花であった。

「一晩中俺の上に乗っかって、降りようともせず、乱れまくってもんなぁ…。滅茶苦茶可愛かったぜ」
「バ、バカッ…そんなこと…」
「それはそれでいいんだが…やっぱ旦那としてはこのままってわけにもいかねぇ」
「こんな朝から節操無さ過ぎ、幾らなんでもがっつきすぎよ」
「旦那が嫁さんにがっついて何が悪い」

付き合い始めて以来、梨花の成長を遂げるまで随分と長い事我慢を強いられてきた反動からか、新婚生活における圭一はまるで堤防が決壊してしまったかのような絶倫ぶりであった。
もっとも、何気にそれを平気で受け止めてしまっている梨花も大概ではあったが。

「悪くはないけど…ものには限度という…ひゃっあ!」

口を尖らせる梨花をあえて無視して、圭一は彼女のパジャマのズボンを引きおろしてしまう。
そのまま間髪入れずにショーツの中へと手を挿し入れて梨花の秘密の花園を荒らし始める。そう、かつては固い蕾だったそこも、今では花を咲かせていたのだ。

「んっ…あ…っくっあ…けーいちぃ、こんなところで…いやぁ」
「全然嫌じゃないだろ。場所なんて関係ないぜ。いやむしろ俺はこの方が燃えるっ!」

弄り始めて2分と経たないうちに、圭一の指は花園から溢れ出す蜜に塗れる。
梨花のショーツにたちまちシミが広がってゆく。―あぁもう…また一枚洗濯しないといけないじゃない。
右手で弄り続けながら、圭一は不意に腰に差していたあるものを左手で取り出して梨花の頭に乗せる。

「ちょっ…何よこれ?」
「やっぱ梨花にはコレだよなぁ、大人になってもよく似合うぜ」

彼が取り出したのは猫耳のカチューシャであった。
余談だが、昨夜は圭一が犬耳のカチューシャを付けさせられていたりする。

「昔みたいに、『みぃ~』って言ってくれたらもっといいんだけどなぁ」
「嫌よ、お断りよ。変態」
「男はみんな変態だ」

悪びれもせず、いやワザと芝居がかった風に変態っぽく笑う圭一。
荒らされて開ききった花園の入り口をこじ開けて指を侵入させる。
その一方で梨花の胸にある二つのさくらんぼの片方を摘みながら弄ぶ。
かなり固くなったさくらんぼであった。

「滅茶苦茶感じてるじゃねぇか。不思議だよな~梨花って」
「んはっ、な、なにがよっ!」
「昨夜みたいに俺を責めるのが大好きかと思えば、こうやって俺に責められるのも好きと見える。SとMどっちなんだ?」
「ふふっ、認めたくないけど、実はどっちも好きよ。責められるのも好きってのはちょっと不本意だけど…んっ…」
「梨花は本当に二つの顔があって楽しめるよなぁ。大人びた男勝りなとこと可愛い雌の仔猫みたいなとこ。付き合い始めた頃から、そんな所が堪らなかったぜ」
「んっ、あっはっ…圭一だって似たようなものでしょ?結局責めるのも責められるのもどっちも好きなくせに…そんなところもあるから飽きないけど」
「だな。つまり俺たちは相性が抜群に良いってこった!」

最早燃え上がった赤い炎を消すには一戦交えるしかないと観念した梨花は立ったまま目の前にうつ伏せになる。そして微かな声で「みぃ」と鳴いた。
頃合やよしと見た圭一は右手を梨花のショーツから引き抜くと、彼女の蜜を口で舐め取り、ズボンのポケットからコンドームを取り出した。
それを一旦口で咥えるとズボンとトランクスをセットで脱ぎ下ろし、初めてのときとは比べものにならないほど慣れた手つきでゴムを己が分身にかぶせる。
将来的には子作りに励む予定ではあるのだが、新婚一年目は夫婦水入らずで―――というのが二人の合意事項であった。

「さて、朝ごはんを食べるとするか。いただきます、梨花」

梨花のぐっしょりと濡れたショーツを下ろしながら、圭一は満面の笑みで囁く。
意図的に梨花の上着とエプロンは脱がさないまま。

「召し上がれ。でも朝ごはんなんだから、こってりし過ぎない程度にお願い」

「ん…くっ」

猫耳梨花の秘密の花園に己の分身を宛がった圭一は、そこを荒らすかのようにぐりぐりと侵入を開始する。

「ふぁ…あっ…んあぁあああっ!」

昨夜の逆襲の意図からか、圭一は容赦なく一気に貫いて突き上げる。
そして最初から一気にハイペースでピストンを開始した。
昨夜はずっと梨花のターンであり、彼女の成すがままでさほど動かさなかったので、圭一の腰は朝から絶好調であった。

「んっ、く、んふっ、んっ、あんっ」

圭一は激しく突きながら、腰から手を放すと、今度はエプロンと上着の上から梨花の胸を揉みしだく。

「ふぁあああ、そ、そこっ、あっ、いいっ」
「梨花は本当に胸を揉まれるのが好きだな」

付き合っていた頃から、圭一はよく梨花に胸を揉むようにせがまれたものである。
その甲斐あってか、十年前は絶望的といわれた梨花の胸は、巨乳には程遠いもののそこそこの美乳には育ったのだった。

「くっ、揉んだら急に締まったなっ、もう…くっ、イクっ、おっおおおっ!」

そのまま圭一は新妻の中で果てるのだった。

「ん…ふ…圭一、もういいでしょ?」

梨花は縋るように言うが、背後の圭一は一向に引き抜く様子が無い。

「…おかわり」
「ええっ?」

呆れた声を上げて振り返る梨花。

「やっぱ梨花の中は最高だぁ…胸揉んだ途端、すげえ締め付けだぜ。よし決めた。このまま朝食から食べ放題に変更!今日は日曜だし、いいだろ?」
「で、でも…今日は町会の集まりが…」
「今日くらいサボっちゃえ。先週まで綿流しの祭の準備に本番に後片付けに、古手家は大変だったんだからさ。今週は多めに見てもらおうぜ」
「そんな…あっ…」

圭一は分身を引き抜くと、ゴムを外して先端を軽く拭うと、新しいゴムをつける。
実に慣れた手つきであった。

「今日は確か園崎家が議長担当だったな。じゃあ連絡はしとこう」

そのまま梨花を電話台まで引っ張ると、ナニを思ったかその場で梨花の背後から挿入をし始める。
「あ、ん、け、圭一っ?」

面食らった梨花は振り返って抗議の声を上げるが、圭一は意に介さず受話器を取って肩に置くと、園崎家の電話番号をプッシュする。
梨花と一体になったまま、圭一は何事も無いかのように通話を始める。

「もしもし…古手です。くっ…そ、園崎さんは…おう、魅音か。今日の町会の議題ってなんだっけ?」

自分が『古手』と名乗った時、何故か圭一は梨花の膣がきゅっと締まるのを感じて軽く呻き声をあげる。
まだ新婚一ヶ月で、前原から古手に苗字が変わって間もない。
梨花は、圭一が『古手』と名乗った時、改めて彼の全てを手に入れたことを実感して感じてしまったのだった。
圭一は右手で受話器を持ち、左手は梨花の腰を抱えて放すまいとする。
下手に喘ぎ声を上げたら電話の向こうの魅音にも聞こえかねない。
梨花は歯を食いしばりながら、掌で口を覆う。

「あぁ、市主催の慰安旅行の打ち合わせと高速道路誘致問題か。じゃあ、古手家は園崎家に一任するわ、今日は園崎家が議長担当だろ?なので古手家は今日二人とも体調不良で欠席するんでよろしくっ…俺、どうも夏風邪ひいたらしいんだ。梨花も月一のアレで、な」

電話の向こうで魅音が何か言い返しているようだった。

「…え、何?頭首本人の委任と了承だぁ?…よし代わるぞ」

そう言って圭一は、受話器を目の前で必死に悦楽に耐えている梨花に差し出す。
梨花は恨めしそうに睨み返しながら、それを受け取るのだった。
圭一が頭首になるのは神事の修行が終えるの来年以降なので、現状ではまだ梨花が頭首である。

「……お、お電話代わりましたので…す。きょう…は、お月様で体調が…優れないので、欠席しますです。古手家頭首は、園崎家頭首の議案に賛成しますです」

後ろの夫と合体したまま、梨花は辛うじて用件を伝えた。

「…これで良いか?すまん、…先週までうちは綿流しの祭で立て込んでた上に、梨花がアレだったからな。この借りは返す、じゃあな」

電話を投げるように置いた圭一は、にんまりと笑う。そして再び突き上げ始める。

「これで、今日は一日フリーだな。古手家だけで一週間遅れの祭打ち上げだ、バンバンいくぜ!」
「あっ、あん、…んもうっ、みんなにどう思われてもしらないから!」



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最終更新:2008年05月08日 18:35