「…はぁっ…んん…」
くちゅ、と卑猥な水音が布団の中に響く。
夜の静かな雛見沢の竜宮家。
小さな一人部屋で、レナは秘所に指を入れ自らを慰めていた。
「…やぁ…あぁ……っ!」
脊椎に直接訴えかけるようなその感覚に、早くもレナは軽く達してしまった。
「……はぁ……はぁ……はぁ……」
今レナの靄のかかった頭の中には、はっきりと圭一がいた。
「…………圭一くん……………」
――――圭一くんはこんなレナに気づいているのかな。
――――いや、むしろレナを妄想の種に色々してくれてるのかもしれない。
くすりとレナに微笑みができる。
想い人の事を考える時間は甘く美しい。
感覚か気分かの違いはあれ、
その辺りはどことなくこの行為に似ているのかもしれない。
「……はぁ…っん……ぁ…ぅ…っん……」
また布団の中で行為に浸る。
圭一のことを考えると身体の芯のほうが疼いてたまらないといった様子で、
もはや今のレナは欲に呑まれたただの『女』でしかなかった。

「…ぁ…あぁああっ……はぁっ…あん…や……だ…めっ…」
だんだんと水音もいやらしくなり、顔も蒸気している。
そろそろラストスパートに入ったようで、腰もひとりでに動く。
「…はぅ……うぅんっ………ゃ……もうだ……めっ……ぁ……ぁあっ…
…圭一く…んっ……けぃ…いちく……あぁああああっ!」
トロンとした目で荒い息を吐きながら余韻に浸る。
しかし先ほどよりもさらに靄のかかった頭では、少し別の方向に意識が向いていた。
――――いつからこんなことになったんだろう

最初は本当に手が滑っただけだった。
電気あんまで足の疲れをとっていると、秘所に当たっただけ。
「…っ?!……ひゃぁ……何…これ……?」
思春期の身体が快感を拒むはずもなく、一度火のついた欲は止まらなくなっていた。
「…ひ…ぁああ……っぁ……はぁ…ん…ん…ぁ…
…ぁあ…っあ…ひぁ…あ…あぁぁ……ひゃあぁああああっ!」
夢中で快楽を貪り続ける。
はじめて味わう未知の感覚に、
レナは訳もわからず声を上げ、すぐ絶頂を迎えてしまった。

そこから快楽の虜になるにはもう時間の問題だった。
いつものゴミ置き場でレディースコミックや成人誌などをかき集め、
そこに書いてある色々なことを見よう見まねで繰り返し、
いつしか毎日行為を繰り返さないと自分を保てなくなっていた。
ちょうどその頃はリナが毎日家に来ていた時期だったので、
父親との行為で漏れ出る声を聞き、興奮を高めることも少なくはなかった。

――――そして今に至る、か。
だいぶ思考が冷静になったところで記憶の振り返りは終わった。

今でもはじめて味わった感覚は忘れられない。
…思い出すとまた身体が疼く。
「……はぁ…ぁ……ぁん……んん………ぁあっ……はん……ひぅ……ん…」
気付いた時には手が動いていた。
こんなことで満たされる罪悪感なんて捨てていた。
何もかもがもう遅い。

「…ん……ん……はぁっ……ぁ……はああ……やぁああああっ…………」

――――さぁ、明日も笑おう。レナは幸せな子なんだから。

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最終更新:2007年08月01日 16:17