もうこの世界はオシマイだ。どうしようもない。
梨花は陽の当たる教室の中で、周りの生徒達とは明らかに異質の空気を放っていた。
明るい未来が詰まっているはずの小さな体……器とは裏腹に魂は深く絶望し、疲弊しきっていた。
この世界での梨花の死に方が決まったのだ……レナの学校爆破によって木っ端微塵………
苦しまずに一瞬で死ねるかしら…?そう思って口を皮肉に歪める。
…ふと視線を感じて顔を上げると、近くの席の岡村と目が合った。
にぱっ☆と、いつもの笑顔を向けると、岡村は真っ赤になって慌てた様に黒板に視線を戻した。
ふんっ…梨花は小さく鼻で笑う。
彼が自分に好意を持っているのは知っていた。百年間まったく進展のない少年の淡い恋。
……滅びに向かっているこの世界では、それはただ疎ましいだけだ。その恋には未来が無い。意味が無い。
梨花の頭はもう次の世界を事で一杯だった。
沙都子の横顔をちらりと見たとき、ほんの僅かだけ梨花の表情に光が指した。
次の世界…その世界で必ずみんなで幸せになりましょう?
そして光はすぐに陰る。
この悪夢のような世界…早く終わってしまえばいいのに……それはこれから仲間達が傷つくのを恐れる、小さな女の子の願いだった。
「古手…あ、あのさ…ちよっといいかな?」
後ろから遠慮がちに声を掛けられ、梨花はゆっくりと振り向いた。その先には……岡村。
「なんですか、岡村?僕はこれから夕飯のお買物に行くのですよ。忙しいんです」
今は放課後。魅音はバイト、圭一は風邪で休みでレナは宝探し、沙都子までもが用事があると言ってさっさと教室から出ていった為、部活は休みだった。
「あ、ごめん…すぐ済むよ。ここじゃ話にくいから……誰も来ない所にいかないか?」

「…いいですよ」
そう返事をして、先に立って歩く岡村の背中をトコトコ追いかけた。
なんだろう…百年かかってやっと告白する気にでもなったのだろうか?
…そんな訳が無い…梨花は浮かんだ考えを即座に否定した。
だって…今までの世界でも「告白」なんてなかった。「告白」されないのはきっと運命かなにかなんだろう…
やがて二人は校庭の端にある、用具入れの小屋に辿り着く。
その裏で…と思ったが、鍵をかけ忘れている様で少しだけ扉が開いている。
岡村はきょろきょろと辺りを見回し誰もいない事を確認すると、梨花を伴って小屋の中に滑り込んだ。

「こんな所に連れ込んで、岡村は何をするつもりなのですか?」
「違っ…そ・そんなんじゃないって!ただ…心配で」
「…心配…なのですか?」
「最近の古手の様子がおかしいから…なんていうか、元気ないよな?」
「僕は元気なのです。にぱー☆」
「――…ふざけるなよっ!…悪い…大きな声だして…」
若い岡村の激情は、長い時間を生きてきた梨花の静かな湖面の様な心を波打たせる事はなかった。
「元気が無いのとも少し違うかも…何かに失望してるとか、悲観してるとか…そんな感じ」
梨花は作った笑いを引っ込め、じっと岡村を見つめる。
「悩みごと?俺に話してみてくれないか?…力になりたいんだ」
…ほんのちょっぴり意外だった。
普段はニッコリ笑って見せるだけで自分に夢中だった岡村が、その笑顔の下に隠していた負の感情に気が付くとは。
だけど、ほんのちょっぴり意外だっただけ。
「そんなお話なら退屈なので、僕は帰りますです」
「古手っ…!!」
岡村は出口に向かおうとする梨花の肩を掴み、強引に自分の方へ振り返らせた。
ブチブチッ……思いの外強い力で引っ張られたせいで、梨花のシャツのボタンの幾つかが弾け飛ぶ。
「あっ…!」
岡村の動揺したな声…梨花の胸元が少年の目の前であらわになったからだ。
まだブラジャーの必要がない小さな白い膨らみとピンク色の先端が、子供の未発達なモノでありながら少年を魅了する。
「うわっごめ…ごめん!!代わりに俺のシャツ…じゃ嫌か…そうだっ、古手の体操着持ってくるよ!」
「何をそんなに慌てているんですか?」
クスリと梨花が笑う。歳にそぐわない「女」の顔で。
そういえば…百年の間で経験したことがないモノがあったっけ…興味はあったが、梨花の小さな体ではその行為は耐えられないから試さずにいたけれど。
「岡村の顔が赤いです。僕の心臓もバクバクなのですよ。み~☆」
震える岡村の右手を梨花の柔らかい両手が包み込み、自分の胸元に当てた。
触れた瞬間、岡村はビクッと指を震わせたが、梨花のか弱い手を振りほどく事が出来ない。
「岡村…僕は恐いんです。誰かにギュって抱き締めて欲しいのですよ」
「え、こう…?」
岡村は自由な片手で梨花を強く抱き締めた。
梨花は力強い包容と、自分の下腹部に当たっている少年の高ぶりに瞼を震わせる。
この世界は終わる。
もうすぐ燃え尽きてしまうこの体…壊れたっていい。

「服…古手の服をなんとかしないと…」
梨花を抱き締めたまま、岡村は形の良い耳元で囁いた。
「そんなの後でいいのですよ」
梨花は自分の小さな手をそっと岡村の股間の辺りに滑らせ、少しだけ膨らんでいたソコをやわやわと揉みしだいた。
「っ…古手っ…ダメだって…!」
ビクビクと全身を震わせて岡村が上辺だけの拒否を唱える。
「岡村…僕は悪い猫さんなのです。いけない事に興味があるのですよ?…くすくす…岡村は興味が無いのですか?」
「…古手…」
「嫌な出来事がこれからあります…忘れさせて欲しいんです」
「それが…古手の望みなのか?」
「……はい」
こっくりと梨花が頷くと、岡村はおずおずと梨花の顔に自分のそれを近付け、額の上に軽くキスを落とした。
「…場所が違いますよ、岡村」
梨花にコロコロと鈴が鳴るような声で笑われ、岡村は焦った様に乱暴にその唇を奪う。
「ん…ふっ…」
急に呼吸を奪われ、息苦しさに岡村の肩に爪を立てる。
「――………ぷはっ!!」
勢い良くお互いが顔を離し、新鮮な空気を求めて深呼吸を繰り返した。
「はー…はー……ふっ…ははははっ」
「ふふふ…っ…くすくす」
キスも満足にできない自分達が可笑しくて、小屋の中に初めて明るい笑い声が響いた。
岡村は目の前の花のような笑顔を見て、少しだけ胸を撫で下ろす。
「この後どうするか…岡村はやり方を知っていますか?」
「だ…大体は……本とかで」
「岡村も悪い猫さんなのですね。みー☆」
「う……」
すう…っと、梨花の目が細目られ、大人びたその表情に岡村はドキリとする。
「じゃあ…岡村の勉強したやり方で、僕を美味しく食べてください」
食べられるのはどっちだろう?そんな事を考えながら、岡村は梨花に手を伸ばした……

破れたシャツの間から覗くピンク色の乳首を指の腹で摘みあげる。
コリコリと押しつぶす様に先端を弄ぶと、ソレはムクリと大きくなり硬さを増していく。
「あっ…痛っ」
慣れない刺激に身を捩って逃れようとしたが、ギュッと乳首を掴まれているせいでそれはかなわない。
かえって岡村に力を込めさせる結果になってしまい、強すぎる刺激に梨花は泣いた。
「あうっ…あぁ…っ」
長い黒髪を揺らしながら悶える梨花の姿に岡村は夢中になってそこだけを重点的に責め続ける。
「いやっ…うぅ…岡村ぁ…あんまりそこをいじらないでくださいぃ…あっ」

「古手から誘ったのに…もう降参なのか?」
ぐにぃっ…と爪の先で、いじり倒している乳首を柔らかいおっぱいの中に押し込んだ。
「あっ!あんっ……へ…変になっちゃいますですぅ…」
こんな感覚は初めてだった。
二つの乳首の先から梨花の股にまで糸が繋がっている様に、そこを触られる度に快感の振動が糸を伝わってビリビリと股間を刺激している錯覚に襲われた。
「あぅ…あぁあっ…くぅぅぅんっ!」
太ももを擦り合わせて快楽をやり過ごそうとするが……それは無理で。
糸…見えない糸を捜し当てようと、梨花の手が自分の秘部へと伸びていった。
スカートを少しだけ捲りあげ、辿り着いたパンティに包まれたソコは…しっとりと濡れていた。
(私の体…こんなの知らなかった…熱い……もっと熱くなって融けてしまいたい…!)
「岡村…ここも…いじって欲しいのです……」
「ここって…ここ?」
向かい合って座っていた岡村は自分の膝を梨花の股の間に滑り込ませ、コツンと軽く潤ったソコを蹴りあげた。
「ひぃんっ…!」
「あ…ごめんっ、痛かった?」
「痛かったですぅ…じんじんするのですよ……なでなでしてください」
ごくり…岡村の唾を飲み込む音がやけに大きく鳴り響いた。
そろそろと岡村は梨花の足の付け根に顔を近付け、濡れて中心の色が変わっているパンティへと手をかける。
「あ…」
強引に下着を引き下ろされ、濡れたソコが感じる空気の冷たさに梨花は身震いをした。
そして、吹きかかる熱い吐息。
「うわ…綺麗だ…僕みたいな毛も生えてないし……光ってる…?濡れてるんだ…」
「恥ずかしいのです…そんなに見ないでください…っ」
「こんなに可愛らしいトコを俺の指なんかでなでなでしたら…壊れちゃいそうだ」
「ああぁっ!?ひあぁああんっ!!」
ビクンッ…と大きく梨花の体が跳ねる。
梨花の花びらの間に岡村の舌が差し込まれたからだ。
「ひっ…やぁぁ…止め…あぁ…!」
かぷりと梨花の秘部に噛み付く様に口を開け、熱い舌は花びらを掻きわけて狭すぎる壁の間を進んでいく。
「はう…はうぅ」
ズズズ…中心から沸き上がる愛液を啜る音に堪らなくなった梨花は岡村の頭を引き剥がそうとその髪の間に指を差し込む……そして…気が付いた。
岡村の片手が、忙しなく動いていて……梨花のソコを舐めながら…自慰をしている。
子猫みたいに懸命に梨花の花弁を舐め回す、岡村の表情にクラクラした。

きっと…自分もこんな余裕の無い顔をしているのだろう……
「あっ…あっ…岡村ぁ…!くぅっ!」
岡村の髪の毛をギュッと掴んで、背中を丸めて縮こまる。
「―――っ!!」
梨花は産まれて初めて、他人から与えられる愛撫で達した…荒い息をつきながら岡村を見つめる。
「古手…」
岡村も顔を蒸気させ、梨花を見上げる。
僅かに見えた彼の下の床は白濁した精液で汚れていた。
「岡村…岡村……僕は…」
岡村を利用して、自分の性行為への好奇心を満足させようとしていた梨花だったが……岡村に求められる事が、今は素直に嬉しかった。
自分を遠巻きに見つめるだけで直接的なアプローチをしてこなかった彼を、いつしか梨花は空気みたいな存在だと思うようになっていた。
「岡村……」
このドキドキはどこからくるのだろう…
「岡村……やり方はわかるのですよね?…僕の中に…来て欲しいのですよ」
「でも…こんなに…あ、古手のここ、小さいから…壊れちゃうよ?」
「いいの…っ…壊して!私を岡村で一杯にして…っ」
「古手……!」
二人は抱き締め合いながら床に倒れこんだ。
岡村は梨花の足の方に体をずらし、両膝を立たせて間に入りこむと、まだ迷いがある声色で梨花に囁く。
「…痛かったらいってくれよ?すぐに止めるから…」
「はい……あっ」
クチュ…と、微かな水音がして、猛り狂った欲望がりかの未発達な花弁に触れた。
一度達したせいか幼さからか、梨花の蕾は堅く閉じて男根の侵入を許さない。
「あれ…?ここでいいと思うんだけど…ん、と…」
「…っ…んっ…!」
少年の挿入を試みようとする度、梨花にピリピリとした痛みが走る……しかし、梨花は唇を噛んで岡村に悟られまいと必死に声を殺した。
「やっぱりダメそうだ…痛いんだろ?古手…」
「そんな事はありませんよ?壊れたっていいんです…だって」
だって、もうすぐ死んでしまう体なんだから。あなたと沙都子も一緒に!
「壊したりなんてしない!一時の快感の為に…古手を壊したりなんかしないよ!」
「岡村…」
「中は無理だけど…コレなら大丈夫そうかな?」
梨花の膝を抱え、岡村は腰を前後に動かして梨花の性器の上を擦り上げる。
「あうっ…あぁ…い…いいですぅああっ…痛くないっのぉ!」
岡村の性器を梨花の花びらはヒクヒクと挟み込む。
その花を散らす様に、グヂュグヂュ音を立てながら男根が擦り付けられた。

「ふわぁぁぁ!おかしくなりますっ…こんな…ひっ…岡村っ岡村ぁ…!助けてぇ…っ!」
「古手…気持ちいいよ。古手もいいの?いんんだよな?…だって、こんなにトロトロだもんな」
「やぁ…あぁっ!熱いのぉ…擦れて熱いのですよ…ああっ…燃えてしまいますぅ!!」
岡村の腰が打ち付けられる音が一つすると、それに合わせて小さな乳房がプルルと震え、梨花の喘ぎ声漏れた。
喘ぎ声はどんどん切羽詰まった様に狂おしいものになり、梨花は無意識のうちに腰を揺らめかし快楽を貪欲に求めた。
「…っ!古手…そんなに擦り付けられたら俺…」
「いくっ…僕はイキますぅ…!あぁあぁっ…あぁーっ!!」
「古手…古手っ!」
「ぁぁぁあっ…!!」
岡村が達する瞬間に腰を引いたため、梨花の花びらに濁った精液がたっぷりぶちまけられる。
「あぅぅ…」
梨花は熱い精液に指を絡めると、いとおしげにソレを自身の中に押し込め、震える吐息を吐き出した…
……ぼんやりした頭で考える。
百年前…自分は岡村の事を好きだったのかもしれない……度重なる惨劇でその淡い無自覚の恋心は消えてしまったけど……そうならいいな…きっとそうだ。
岡村の優しい口付けをうけながら……体を酷使した為か急激に襲ってきた眠気に身を任せ、満ち足りた気分で眠りについたのだった。
〈小屋の外に二人の人物…中の様子にやきもきしていた〉
「ううぅ…岡村が梨花を元気付けるって言うから二人きりにしてさしあげましたのにっ!さっきから梨花の苦しそうな声が聞こえてきませんこと!?ねぇ、富田!」
「いや…あれは…だ、大丈夫だと思うけど。なぁ…もう行こう?な?」
小屋の中で何がおこなわれているかさっぱり解らなでいきり立つ沙都子を、大体想像のつく富田が必死になだめていた…前かがみで。
「古手…俺も行くっ!俺のロープも解いてくれ!!」
「…そんな時間はないのですよ、岡村」
時限発火装置を探しに行った圭一をレナが追いかけていったのだ。
以前の梨花はすべてを諦め、悪夢が過ぎるのを耳を塞いで待つだけだった…だけど…
「岡村、僕は未来を手に入れる為に戦いますです。僕達が大人になるために……大人になったら、あの時の続きをしますよ☆」
「梨ぃ花ぁ~!一人じゃ危険ですことよ!?」
心配する級友達に、にぱー☆っと最高の笑顔を向けると梨花は走っていった。
運命に立ち向かう為に。

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最終更新:2007年07月05日 13:53