初めに感じたのは、鷹野さんの陰毛が俺の先端にさわる、くすぐったい感触だった。
「……うっあ、……ぁあああ……!」
 だが、すぐにそんな感触を気にする余裕は無くなった。
 俺の先端が、鷹野さんの柔らくてヌルヌルとした膣口に触り、あっという間にその中へ飲み込まれる。ローションがたっぷりと塗られた俺の棒は、引っかかることなく鷹野さんの奥へ進んでいった。
 中では、柔らかいヒダのような物が俺を出迎え、四方八方から巻き付いてくるように俺のモノを刺激するのがわかる。
 特に、粘膜と粘膜が擦り合わされる感触は、それだけで果てそうになるくらい大きな刺激で、俺は息を乱して上気した。
 そして、その感触が不意に止まる。どうやら、完全に俺のモノが鷹野さんの中へ飲み込まれてしまったようだ。
 結合部に目を動かすと、俺の棒の根元まで鷹野さんの膣口が降りている。俺の陰毛と鷹野さんの薄らとした陰毛が絡みついていて、それがひどく卑猥な様子に見えた。 
「……ん、はぁ……ふぅ……どう? はじめて女性の中に入った感想は? ……もう。声も出ないくらい感動したのかしら? くすくすくす……」
「……はぁ……はぁ」
 俺は答えずにただ息を乱す。
 ……まさに、それに近かった。
 鷹野さんの中は、動いていない状態でもヒダがしつこく俺のモノを締め上げて来て、正気を保っているだけで精一杯だったのだ。
 そんな俺に笑みを落しながら、鷹野さんは言った。
「……ぁん、……ふふふ、じゃあ動くわね?」
 直後、根元まで降りていた鷹野さんのソレが、ゆっくりと上にあがってゆく。それによって、肉棒は内部のヒダで撫でられるように刺激され、ゾクゾクと俺の体が身震いした。
 そして、膣口から亀頭が零れそうになったところで、鷹野さんは膣口を根元までゆっくり降ろす。
「……うぁっ……」
 不意打ち的に肉棒へそれまでと逆方向の刺激が伝わり、俺はうめき声を上げた。
 そして、膣口が根元に到達すると、またしても亀頭が零れるギリギリまで膣口が上げられ、また根元まで降ろされる。あとは、その繰り返しだった
 その、エンジンのピストン運動のような動きは、徐々に徐々に速まってゆき、擦り上げられる方向が変わる度に、俺は体を震わせ呻いた。
「……あんっ……はぁ……はぁ……ん。……まだまだ、ん……速く動くわよぉ……? いつまで……耐えられるかしら……はぁ、ぁんっ」
 膣内を俺の肉棒で刺激され、すっかり息を乱した鷹野さんが俺を挑発する。
「……はぁあっ……ああぁっ……ん、……ま、まだ、……はやく……? ぁあっ……!」
 この時点でもう限界を感じ始めていた俺は、まだまだ速く動くという言葉に、期待のような不安のようなよくわからない感情を覚えた。
 そして、鷹野さんの言葉の通り、ピストン運動はどんどん勢いを強め、いつしか結合部からグチョグチョと音が鳴り始めた。それが静寂に包まれた部屋内に響く。
 先走り汁やローション、俺の精液、鷹野さんの愛液など、色々なモノが混ざって打ち鳴らされるその音は、とても官能的で、耳に入る度にここが何処か異常な世界のような感じられた。
 そう、異常。今日のこの状況はとにかく異常なのだ。
 今日、鷹野さんは俺の風邪を治すために、入江診療所から来たはずだ。だというのに、それが今こうして喘ぎながら俺を激しく犯している。
 少し前まで診察やお粥を食べさせていたこの場で、今こうして腰を振って俺の精を搾り出そうとしている。
 何がどうしてこうなったのか、全く意味がわからない。さっきと今で、この部屋の雰囲気が別世界のように変わっている。そもそも、風邪を引いていることさえ俺は忘れていた。
 その意味不明さを考えると、俺の頭はひどく混乱する。
 ……だが同時に、そのギャップが俺を余計に興奮させるのも事実だった。

「……んぁっ……ぁん、……はぁんっ! ……はああっ……あぁあっ!」
 鷹野さんは、さっきまでの余裕が嘘のように喘ぎ声を出して乱れている。顔はすっかり桃色に染まり、あれだけこちらへ向けていた笑みも、今や見る影もない。
 しばらくして、鷹野さんは上下運動しながら両手を後ろへ回し、未だ着けていた黒いブラジャーのホックを外した。ブラの圧力に抑えられていた乳房が、プルっと揺れる。
 そうして、俺の体を散々に刺激した大きな乳房が、俺の目の前に初めて晒された。さまざまな液体に濡れ、精液で少し白に染まったその双丘は、先端を硬く勃起させていて、いかに今の鷹野さんが快感に酔いしれているのかがわかる。
 その柔らかそうな曲線美に魅惑され、俺は今すぐにでも揉みしだきたい、その柔らかさを堪能したいという感情に苛まれるが、肝心の両手が塞がれているため、諦めざるを得なかった。
 ……だが、その欲望はすぐに別の形で叶えられた。
 鷹野さんが結合したまま体をこちらへ倒し、その乳房を俺の胸板に押し付けてきたのだ。
 押しつけられた乳房が潰れ、ヌルヌルとした柔らかい感触と、小さな硬い感触を俺に味わわせてくる。その感触で、今も鷹野さんの中で擦り上げられている俺のモノが、更に硬くなるのを感じた。
「……ぁあんっ!」
 その時、硬くなった乳首同士が擦れあい、鷹野さんが大きな喘ぎ声を上げる。どうやら初めからその場所を探していたようで、その後も何度も何度も乳首同士を擦り合わせ、その度に鷹野さんは嬉しそうに喘ぎ声を出した。
 もしかしたら、乳首は鷹野さんの性感帯なのかもしれない。
 そして乳首が擦れあうごとに、更に鷹野さんのピストン運動が速まってゆく。
「はぁっ……ぅぁっ……あぁっ……! ……や、……やばい、ぁあ、鷹野、さ……ん、また、……出ちゃいます」
 とっくに限界を超えた俺の肉棒が、もう抑えきれないほどに射精欲を膨らませているのを感じ、俺は息を乱しながらも、何とかそのことを鷹野さんに伝える。
「……ぁああんっ……ん……はぁあっ! い、……良いわよ、前原くん……んんぅっ……全部、……出しちゃっても……あぁっ!」
 だが、鷹野さんは俺に射精を催促するだけで、膣から肉棒を全く解放しようとしない。それどころか、更に締め付ける力を強めてくる。
 俺はそれに焦りを感じ、すぐに腰を引いて鷹野さんの膣から肉棒を抜いた。さすがに中へ出すことのまずさは俺でも知っている。
 もし、鷹野さんが妊娠することでもあったら、俺はこの村自体にいられなくなるかもしれないのだ。
 鷹野さんの中から引き抜かれた俺の肉棒は、ビクビクと痙攣しながらも勃起したままで、何とか膣内射精を防げたことに、俺は安堵した。

 だが、鷹野さんはすぐにその手と足で身動きが出来ないように俺を固定し、……そして、強引に俺の肉棒をその膣口で飲み込んだ。

「……うあぁああっ……! ……ちょ、っと、……た、鷹野さん……?」
 再びあのヒダが俺のモノに絡みつき始め、俺はうめき声を上げながら驚く。
「……だぁめ……よ……ぁんっ。ちゃんと、……ぁあ、……中に出さないと。……大丈夫、妊娠したりはしないわ……」
 そう言い、再び上下運動を始め、結合部からニチャニチャと音が漏れ始める。体を完全に固定された俺は、それに抵抗することもできず、ただ股間からくる快感に身を捩じらせてた。
「……うぅっ……はぁっ……! も、もうっ……出るぅっ……!」
「……ぁあんっ! ……出して……、ん……お、お姉さんの中に……、ぁあっん……全部出してぇええっ……!!!」
 そうして、鷹野さんは下腹部に思いっきり力を入れたのか、膣内が急速に締め上げてくる。それは、まるで俺の肉棒から精液を吸い尽くそうとしているようだった。
 その刺激は俺の体全体を貫き、もはや精神的な我慢なんて全く意味がない。肉体的に、強制的に俺の肉棒へ精液が込み上げてくる。

「……うああぁあああああっ!!!」
 ……そして、それは鷹野さんの内部でついに爆ぜた。

 俺の肉棒が、膣内でビュッビュッと痙攣しながら精液を吐き出しているのがわかる。
「……ぁんっ! ……はぁんっ! ……ぁぁ……あっ! ……ん」
 鷹野さんは精液が膣内に放たれるたびに、体を捩じらせ、喘いだ。俺はその様子を、茫然とした表情で見つめる。
 俺の肉棒から精液が出尽くすと、鷹野さんはようやく膣内から棒を開放し、そのまま立ち上がった。その時、いくらかの精液が膣内からそのまま俺の肉棒に垂れ下がり、白色に汚れる。
 そして鷹野さんは、自らの手で陰部をグチャグチャと掻き回し、頬を軽く朱色に染めてうっとりとした表情をする。
 それは、俺を挑発するための行動ではなく、完全に自分の世界に閉じこもっているようだった。
 その様子はひどくいやらしい様子だったが、俺の肉棒はようやく出尽くしたのか、全く反応しない。あの獣のような欲望もすっかり消え去っていた。
 性的な興奮から解き放たれた俺は、鷹野さんの姿を茫然とした表情で見つめるしかなかった。

 ――その後、鷹野さんは急に無表情な顔をすると、そこら中に散らかった下着を身に着け、ヌルヌルに汚れた体を軽くティッシュで拭くと、ナース服を元通りに着用して、そのまま「お大事に」という言葉を残し、カバンを持って早々と帰って行ってしまった。
 俺は放心状態だった。鷹野さんの行動が理解できなかったのもあるが、それよりもこれからどうすれば良いのわからなかったのだ。
 何せ、俺の手に縛られた縄を解かずに鷹野さんは帰ってしまった。こんな状態では、とりあえずトランクスを穿くこともできない。というか、鷹野さんが部屋の襖を閉めて行ってしまったため、この部屋から出ることもできない。
 つまり、俺はこの部屋に閉じ込められてしまったのだ……。


 ピーーンポーーーン――。
 しばらくして、無機質なチャイムの音が俺の家に響いた。
 こんな時にいったい誰が? 俺は窓のそばまで何とか這って行き、窓から外を覗いた。
 瞬間、俺の目を朱い光が刺激する。いつの間にか、空は夕焼け色に染まっているようだった。それに耐えながら、俺は何とか玄関に目をやる。
 ……そこには、部活メンバーが立ってた。魅音、レナ、沙都子、梨花ちゃんと、全員が揃っている。
 俺はそれを見て慌てて時計へ目を動かした。
 忘れていた! この時間は学校が終わる時刻、つまりあいつらが見舞いに来る時間じゃないかっ!
 今更にそのことに気づき、俺は居留守を使って何とか誤魔化そうとした。
 だが、魅音たちはしばらくして玄関に手をやり――馬鹿な、開いただと!? もしや、鍵を閉め忘れていたのかと困惑し、すぐに俺は原因に気付く。
 閉めるも何も、たった今鷹野さんが帰ったところなのだ。外から鍵は閉められない。だから、玄関が開いているのは当然のことだった。鷹野さんの場合、それを狙ってやった可能性もあるが……。
 そんなことを考えている間に、あいつらはぞろぞろと家の中に入ってくる。そして、複数の人間が階段を上る音が、すぐにこっちへ伝わってくる。……というか、普通無断で入ってくるか!?
 ……まずい。この状況をあいつら、というか俺以外の他人に見られるのはマズすぎる!
 ひとりで縛られて、しかも股間を露出しているなんて、事情を知らずに見たらただの変態だ! しかし、だからと言って事情なんてとても話せない……。
 どうすれば……。どうすれば……。
 必死で頭を回転させるが、時というのは残酷で、部活メンバーらはあっという間に俺の部屋の前に到着した。
「圭ちゃーん?」
 魅音の声だ。つい、俺はいないからさっさと帰れと言いそうになって、慌てて口を押さえた。
 帰れッ……! はやく帰れよッ……!! 俺は必死に襖に向かってそう念じる。
 だが、そんな物は無視するように、誰かが襖の取っ手をつかむ音が響き、……そして、あぁ、……襖が、……完全に開いてしまった。

「あれ……? 圭ちゃんいるじゃな――」
 襖の向こうから現れた魅音がそう言いかけ、俺の姿を見てすぐに固まる。
 魅音の後ろから姿を覗かせる他の部活メンバーらも、俺を見て固まっている。


 そして、終わった。全部終わった。
 ――そう、ひぐらしのなく頃に。

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最終更新:2007年06月26日 01:33