「でも、なかなか硬くならないわねぇ……。じゃあ、こうすればどうかしら?」
 そう言って、鷹野さんは自身の乳房の中で溺れている俺のモノを握り、そのまま横へ動かしてゆく。そして、俺のモノが最終的に収まったのは、……黒いブラと乳頭の間だった。ブラのカップの中にすっぽり隠れる亀頭の姿が、少し滑稽に見える。
 そのブラは、鷹野さんの大きな胸に対して少し小さいようで、俺のモノは自然とその柔肉に強く押し付けられる形になった。
 それにより、その柔らかい乳房は少し凹み、更に先ほどよりも確かに硬くなっている鷹野さんの乳首が、肉棒の裏筋を優しく刺激する。その刺激だけで、肉棒はだんだんさっきまでの堅さと大きさを取り戻していった。
「……うっ」
 だが、肉棒に伝わる快感はそれだけでは終わらない。
 鷹野さんが自らの胸に手を伸ばし、ブラのカップの上から俺の亀頭ごと乳房を揉みしだく。
 それによって俺の敏感な粘膜が、滑らかで柔らかい乳房の感触と、心地良いナイロンの感触に強く挟み込まれ、俺のモノはいつの間にかさっきの硬さと大きさを取り戻してしまった。
「ふふふ……。本当に凄いわね。前原くんの硬いのが、私の乳首に凄く当たってるわよ? このままイカせちゃっても良いかしらねぇ?」
 そう言いながら、鷹野さんが徐々に手の動きを加速させているのを、肉棒に伝わる刺激の強さで感じる。
 ブラと乳房に挟まれ、密閉された空間はかなり気持ちよく、このまま擦られ続ければ、鷹野さんが言うようにあっという間に射精してしまいそうだった。
 そして、鷹野さんの乳首がしつこく俺の裏筋を刺激し、強引にまたしても射精感が込み上がってくる。俺の頭の中は、快感を求める欲望に支配されていて、それを拒むという思考は全く現れなかった。
「……うぅ……、ま、また出る……っ!」
 俺はそれに備えて股間の周囲を中心に、体中を強張らせる。
「……だ~め」
 だが、鷹野さんが突然そう言うと、手の動きを止めて俺のモノをブラから外し、そのままそれっきりになってしまった。そして、俺を見下すようにその場で立ち上がる。
 射精寸前で放置された俺の棒が、何もない空間に投げ出され、間抜けに震えた。それまで乳房の中に収まっていたため、亀頭に当たる外気が心地よく感じるが、勿論その程度では射精に至れない。
「た、……た、鷹野さん……なんで……」
 完全に出す態勢に入っていた俺は、苛めに近い鷹野さんのその行為に、声を搾って呻いた。
「……くすくすくす」
 だが、鷹野さんは口に手を当てて笑いながら、俺を文字通り見下すだけだった。
 貪欲に射精を求め、惨めに体を震わせる俺を、薄汚いゴミのように見つめる。その眼は、じっとりと黒く濁っていた。
 ……そして、それっきり。何も無い。鷹野さんが何を言うことも無く、ただ時間だけが残酷に過ぎてゆく。
 さっきまで快感の波で溺れていた俺は、それが地獄のように感じた。
 どうして、果てさせてくれないのか。鷹野さんの理不尽な行為に、俺は絶望に近い感情を覚える。
 笑う以外のことをしない鷹野さんを諦め、自分で自分のモノに刺激を与えようとするが、手の縄が邪魔で上手く動けない。
 布団に擦りつけて射精に至ろうともしたが、それも手の縄が原因で上手くバランスが取れず、無様な転倒に終わるだけだった。
 そしてそれを見て、鷹野さんが一層大きな笑い声を上げる。……俺は、まるで見世物小屋に入れられたような気分だ。
 頭が快感への欲望で支配され、時間の感覚がわからず、この拷問のような状況が永遠に続くようにさえ錯覚する。

「…………ぃの?」
 だが、それは鷹野さんの呟きで静かに破られた。
 その呟きは煙のように消え入りそうで、注意しなければ気付くこともできないほどだった。
「え……?」
 俺はその呟きをすがる様に聞き返した。
 一刻も早く、このあまりに何も無い空間で変化を感じたかったのだ。
 そして、鷹野さんが妖しく笑って、もう一度消え入りそうな声で呟いた。

「射精、…………したいの?」
「……!!」
 その直接的すぎる表現に、俺は一瞬面食らう。
 が、すぐに頭を何度も縦に振った。早く答えないと、またあの何も無い空間になると思えたのだ。
 そんな俺の様子を見て、鷹野さんは笑顔のまま黒い影を纏って俺に言い下す。
「……ふふ、やっぱり前原くんは可愛いわね……。もう少しお預けにしようかと思ったけど、これ以上はちょっと可哀そうになってきちゃった。……くすくすくす。……じゃあ、今までよりももっと良いコトをしてあげるわね?」
 言い終えて、鷹野さんはずっと口元に当てていたいた手を、下へ下へと降ろしてゆく。
 そして、ミニスカートの中へ下から両手を侵入させる。それはまるで、鷹野さんが自慰行為をしているような光景で、思わず俺は片唾を飲み込んだ。
 鷹野さんはそんな俺を目だけで笑って、スカートの中に入れた手をモゾモゾと動かした。そして、突然ピタッと動きを止め、今度は腰を曲げながら、手をスカートから出すように下へ降ろしてゆく。
 そうして、鷹野さんの両手と共にスカートの下から降りてきた物は、……鷹野さんの陰部を包んでいるはずの、下着だった。鷹野さんはそれを足もとまで降ろしてゆき、そして傍らに脱ぎ捨てた。
 俺の心臓が、ドクドクと病的に活動しているのがわかる。
 下着を脱ぎ捨てたということは、スカートという軟な布の向こうには、鷹野さんの……女性器が隠されているということだ。そして、それをわざわざ外界に出させたということは、つまり……。
 ゴクリと唾を飲み込もうとして、既にそれだけの唾が無いということに気付く。
 体が熱い。心臓が耳元で聞こえるかのように強く鳴っている。口の中がカラカラだ。頭の中を、妙な高揚感が支配している。俺の棒が、痛むくらいにガチガチに勃起し、痙攣している。
 そう、俺は今までにない程興奮していた。
「……くすくすくす」
 鷹野さんが笑顔を崩さずに、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。そして、近づけば近づくほどに、ドクドクという心音が早まってゆく。
 とうとう鷹野さんが俺のすぐ前まで近付き、その足を止めた。
 そして、ミニスカートの両端を掴み、まるで何処かのお姫様のように、それを上へたくし上げた。
 鷹野さんの陰部を守っていた布はあっさりと退けられ、……俺のすぐ目の前でそれが露出される。
「…………!!」
「……どう? その様子だと、女性のここを見るのは初めてかしら? くすくすくす。……でも、これから前原くんに何をするかくらいはわかるでしょ?」
 俺は鷹野さんの問いに答えない。いや、鷹野さんの声自体が耳に届かず、答えられなかった。目の前に姿を現した鷹野さんの陰部に、俺はすっかり目を奪われていたのだ。
 それは、うっすらと陰毛に包まれて、ピンク色のその中心部から液体のようなものが流れ出ていた。恐らく、さっきの乳首の刺激で、鷹野さんもかなり興奮しているのかもしれない。
 見れば、鷹野さんの顔は薄く火照っている。俺に陰部を見せつけながらしているその表情は、ひどく淫乱だった。
「わっ……!?」
 突然、鷹野さんが俺の肩を掴み、押し倒す。何の構えも出来ていなかった俺は、驚いた声を上げて成すがままに後ろへ倒され、布団に仰向けに寝るような形になった。
 手を縛られているため、そこから起き上がることもできない。
 鷹野さんは、そんな状態の俺に膝を立てて跨っている。見れば、鷹野さんの陰部から垂直に下った場所に俺のモノがあった。それも、鷹野さんが少し体を下に降ろせば、簡単にくっつきそうな距離だ。
「くすくすくす……。大丈夫、全部私に任せて。前原くんは、そのまま動かなくても良いの。……じゃあ、行くわよ?」
 そう言って、鷹野さんは俺のモノを細い手で握って固定し、更に膣口をその先端に向けて、体ごと徐々に下へ降ろしてゆく。それは、まるで膣口が俺の肉棒を喰らおうとしているかのように見えた。
 段々と下腹部に迫ってくる鷹野さんのソレを、俺は心音を高鳴らせながら見守る。その距離が数センチ、数ミリまで狭まり、心臓が破裂しそうなほど脈を打つ。
 ――そして、ついにそれらは接触した。

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最終更新:2007年06月26日 01:32