「…っ」
頭がガンガンする。鈍い頭の痛みと直接的な手首の痛みで少しずつ意識が現実に引き戻される。
「やっと起きた?圭一君?圭一君がお寝坊さんだから
 魅ぃちゃんはレナがお持ち帰りしちゃったよ」
「…レナ?」
ぼんやりしていた視界がクリアになってきた先には
「み…魅音!?」
「いやああああああああ!見ないで!圭ちゃん見ないでぇぇ!」
紅に染まる教室の一角。両腕を縛られて寝転ぶ俺の前には
同じように両腕を縛られ衣服はだけた魅音が
レナに押し倒され無理やり足を開かされていた。
「レナ、お前…!何してんだよ!!!」
「ほら、魅ぃちゃん?だーいすきな圭一君が見てくれてるんだよ?
もっと可愛い声で鳴いてあげなよ」
震える魅音の耳に唇を寄せそっと息を吹きかけるよう囁く。
疲労と快感と嫌悪感がぐちゃぐちゃになったような魅音の表情は
普段、俺達をリーダーとしてひっぱる勝気な「園崎魅音」とすぐに結びつかなかった。
「んあっ…アアぁっ、やだ!レナ!けいちゃっ、アァ!」
レナは魅音の豊満な胸に吸い付きながら白く細い指を魅音の中に入れこねくり回し続けた。
「く…」
俺は一瞬刺激の強い魅音の痴態に目を奪われたものの
泣き崩れる魅音の表情に耐え切れなくなりせめてもと頭を地面につけて目を逸らすしかない。
「圭一君、これは罰ゲームなんだよ?ちゃんと魅ぃちゃんを見てあげて。
 じゃないともっと酷い事を魅ぃちゃんにしちゃうよ」
レナは左手に握り締めた鉈を魅音の左脚にゆっくり突き立てる。
白い肌にツゥ…と紅い線が伸びていく。
「痛っ、アアアっ、あぐっ…レ…ナ、ごめん、ごめんなさ、あぅ…」
魅音の悲痛な喘ぎ声が響く。思わず俺は顔を上げた。
「なっ…!レナ!!お前いい加減にしろよ!!…っ、俺はちゃんと見てるだろ」
「アハハハハハハハ!魅ぃちゃんは痛いのが気持ちいいのかな?
それとも圭一君に見られて感じる?さっきから何回もイってるのに魅ぃちゃんは欲張りさんだね」
レナは暴言を吐きつつも俺が魅音を見ているのを確認すると鉈を捨て、
余った左手は魅音の乳首を弄る事に費やす。
「ああっ、んあっ、はぁっ…!駄目…もうだめぇっ」
くちゅくちゅと激しい水音と魅音の嬌声がほぼ同時に止んだ。
「はぁ…はぁ…は…」
魅音の首ががくっと力なく項垂れた。どうやら失神してしまったらしい。
「………っ」
いつも皆で楽しく過ごしているはずの教室なのに
違う空間に迷い込んでしまったような錯覚を覚える。

なんで?どうしてこんな事になってるんだ?
確か放課後、魅音に呼び出されて…――――――――

「え…?これ俺に?」
渡されたのはピンクのハート型の箱に可愛らしい赤いリボンでラッピングされたチョコレート。
そう、今日はバレンタインデーだった。
「お、おおおじさんね…日頃圭ちゃんにはお世話になってるし、感謝の気持ちだよ!うん!」
「アハハ。有難うな、魅音。お前からもらう物だと
タバスコでも入ってるんじゃないかって疑っちまうぜ」
「ひどーい!圭ちゃん!で、でも今回は絶対にそんな事…してないよ」
「…?なんでだ?」
頬を染めて下を俯く魅音。おいおい、なんだか可愛いぞ。ちょっぴり期待してしまう。
「だ、だっておじさんが圭ちゃんに作ったそのチョコは…」



ゴッと鈍い音がした。後頭部に焼ける熱さを感じる。
「圭ちゃん!」と焦ったような魅音の声が聞こえた気がした。
…―――――――――――――――――――――

「あははははははははははははは!!!」

レナの高笑いで回想からハっと我に返る。
俺は魅音からチョコをもらった時に誰かに殴られた?
ぼやける頭で今の状況を必死に整理する。俺を殴ったのはレナ?

「魅ぃちゃん、イキ過ぎて気絶しちゃった。レナを裏切るからこうゆう目に合うんだよ?
 レナも圭一君が大好きだったのに。抜け駆けするなんて酷いよ、魅ぃちゃん!」
まるでレナは壊れた人形に興味がなくなった子供のように
魅音を地面に叩きつけると俺の方に歩みよってきた。
手には禍々しく光った鉈を手にしたまま。
俺はふと自分の横に魅音からもらったチョコレートが
ズタズタに崩されて転がっているのに俺は気づいた。
「…っ!お、おい!レナ!お前どうしちまったんだよ!なんだよ、これ!
お前はこんな心無い事をする奴じゃないだろ!?聞いてんのかよ!?」
悲しさと悔しさで涙が浮かぶ。おかしい。レナはこんな奴じゃない!
「圭一君は相変わらず鈍感だねぇ?でも身体は素直だよねぇ?
魅ぃちゃんのエッチな姿見て股間を膨らませてたんじゃないの?」
その言葉を頭が理解するよりも早く身体がビクっと素直な反応を返す。
すかさずレナが俺の股間を痛いぐらいに蹴飛ばしてきた。
「ウぁっ…!!!」
なんともいえない感覚に俺はのた打ち回る。
レナは鉈を俺の横に放り出すと
悶える俺を仰向けに押さえつけて圧し掛かってきた。
「んぐっ!んんんっ!」
俺の顔を白い手で拘束してきたと思ったら乱暴に唇を重ねられる。
「レナ…!ぅ…は…」
叫ぼうと開いた俺の口に今度は舌が入り込んできた。
女の子とキスなんてした事ない俺は、レナの甘い香りと柔らかい舌に酔いそうになる。
レナにされているのか、俺の方からレナを貪っているのか分からなくなってきた頃には
お互いの唾液で口周りはべとべとになっていた。
「圭一君、女の子とこうゆう事するの初めて?」
「…」
「アハハ。相変わらず圭一君は分かりやすいなぁ」
気持ちの良いぐらいの笑顔でレナが笑い飛ばす。
でも目はちっとも笑っていなくて、どこか影があるように見えて仕方ない。
「で、もっとここは気持ちよくなっちゃったんでしょ?」
ズボンの上から膨らみを撫でられたかと思うと強く摘まれ上下される。
「ィ…」
魅音のあんな姿を見て、レナにねちっこいキスをされ
不謹慎ながらも下半身は収まりがつかなくなっていた。
「圭一君、ズボンに染みが出来てる。苦しいだろうからズボン脱がしてあげるね」
「…!や、やめ!」
「圭一君のオットセイかぁいい~!はぅっ」
パクっとまるでアイスでも食べるかのようにレナの口内に含まれる。
「ヒっ!あ、ああっ…ぐっ!」
生暖かいレナの口は信じられないぐらいに気持ちよかった。
こんなのレナじゃないと頭で分かっていても腰が揺れて止まらない。
「っ、んぅ…ふ…ぅ…」
「うぁ!レナ!レナ!も…」
俺は無様にもレナの口内に欲望を放ってしまった。
「あは☆圭一君の不味ーい。出したのにこんなにカチカチだね。こっちはどうかな?」
まだ余韻が冷めないというのに
あろう事かぬるぬるした細い指でとんでもない所に指を突き入れられる。
そのまま余った手で玉を揉みしだかれ、
口で亀頭を吸われてしまえばひとたまりもなかった。
「い!っ…!あ、ひぃ、あああぁっ、あァ…!」
恥ずかしいとかコンナ事とか考える事すら出来ない。二度目の絶頂はすぐそこ。
「何?またイクの?でも駄目だよー。圭一君ばかりずるいんだから。はぅ☆」
もうイキそうというところで愛撫をピタっと止められる。
…苦しい。これではほとんど拷問だ。
「れ、な…っ」
「レナも気持ちよくなりたいな。見て圭一君、
レナのこここんなにぐちゃぐちゃなんだよ?レナのここに圭一君は入れたくない?」
レナはスカートをめくり上げ、下着を足首までずらすと、
人差し指と中指で中を拡げて見せた。
ぬらぬらと濡れたレナの中を見て
興奮が余計に高まってしまう。思わず喉が鳴る。
「ちゃんとお願いしてみなよ。家畜なら家畜らしくお願いしなきゃ」
レナは敏感になってる俺の息子を思いっきり握り締める。
「ヒっ…!!い、痛い!レナ!」
「”お願い”するんでしょ?ほら」
「い、れさせてくれ…」
「圭一君は言葉遣いが悪いね。もっと丁寧にお願いしないと虐めちゃうよ」
このままじゃ焦らされて気が狂う。
「…レナの中に俺のだらしないペニスを入れさせて下さい…!」
「うん、合格。見て、圭一君。レナの中に圭一君が入っちゃうよ」
ゆっくりとレナの体重が俺の身体にかかっていく。
ズルズルと俺の息子がレナの中に埋まっていく。
きゅうきゅう締めつけられて待ち焦がれていた快感に
俺は手が動かせないじれったさを感じながらも快感に従うように
腰を揺らし始めるしかなかった。
「あはっ…ん、ああ!圭一君、圭一君。イイ、いいよぉ」
レナも腰を激しく上下に動かす。止まらない。何もかも。
「はっ、はぁ…!れな…っ…んっ…!ア」
どちらともつかない嬌声が漏れる。すぐにイってしまいそうだ。
「んっ…ぃ!」
「ね…圭一…君、私、圭一君をね…どうしたら独り占めできるか考えたの」
レナは右手にそっと鉈を握り締める。
「はっ…っ…?」
警告を知らせる鐘が頭に響いてるのに身体は動かない。動かせない。
「圭一君が私と同じ快感の中で死ねたら幸せだと思わない?」


彼女の鞄の中にあったのは青い包みの可愛らしいチョコレート。

さっきまで汗を流し、快楽に頬を紅潮させていたはずの彼女は
残酷な笑顔でこの世の物とは思えない位に綺麗に笑った。

…――――――――終

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最終更新:2007年03月10日 00:19