Fallusion -風神小紀行-
サークル:Sensitive Heart
Number | Track Name | Arranger | Original Tune | Length |
01 | 二つの秋 | koutaq | 人恋し神様 ~ Romantic Fall | [4:25] |
稲田姫様に叱られるから | ||||
02 | やくさいながし | koutaq | 厄神様の通り道 ~ Dark Road | [4:45] |
03 | 幻秋 | koutaq | 芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend | [4:36] |
04 | Maple Flowed | koutaq | フォールオブフォール ~ 秋めく滝 | [4:14] |
05 | Speed Master | koutaq | 妖怪の山 ~ Mysterious Mountain | [4:50] |
06 | 神様と共に | koutaq | 信仰は儚き人間の為に | [4:33] |
07 | 小さな旅の記憶 | koutaq | 御柱の墓場 ~ Grave of Being | [2:36] |
詳細
レビュー
- 実に二年ぶりのアルバム。
今作もキャラクター自体の雰囲気が実に上手く表現されており,様々なジャンルの曲が混在しつつも,
かつアルバム全体に不思議な統一感がある。
ここら辺はさすがkoutaq氏。
しかし,今作,「ネイティブフェイス」アレンジを入れなかったのが成功であるかといわれると,正直なところ僕は失敗であったと思う。
たしかに,前作「Scarlet Destiny」では,「U.N.オーエンは彼女なのか?」のアレンジを入れなかったことで,
アルバム全体の統一感を強化することに成功していた。
「U.N.オーエン」は人気があるものの,曲の雰囲気があまりに異色であるが故に,他の曲を潰してしまう可能性があるからだ。
だが,「Scarlet Destiny」ではラクトガール,ルナダイアル,セプテットなど,インパクトが非常に強い曲があるために,
オーエン抜きでもアルバムの強調性を保つことは十分に可能だった。
しかし,風神録曲は基本的に静かで平坦な曲が多く,ネイティブフェイス無しでは,どうしてもインパクトが弱くなってしまう。
悪くいうとやや緩めのアルバムになってしまっているように感じた。
最後の締めとしてはやはりネイティブフェイスが欲しかったというのが正直な感想。
だが,それさえ目をつぶればクォリティ的には十分。
細かいところまで本当によく出来ていると思う(Tr.06の木琴など)。
-- 名無しさん (2009-03-13 13:36:59)
- 相変わらずの良曲ぞろい。
Tr.3はにとりアレンジ。
小川のせせらぎのように清楚で美しい。 -- 名無しさん (2009-04-22 20:05:53)
- 「東方風神録」のニューエイジ/フュージョン系インストアレンジ。約2年ぶりとなる通算4作目。
映像感覚を誘発する確かな編曲力と音楽センス、原曲を尊重し真っ正面から丁寧にアレンジに取り組む姿勢に妙諦があるこのサークル。待望の新作はミニアルバムとあって小粒な印象が拭えないものの、そこは流石のkoutaq氏、十分に聴き応えのある良盤に仕上げてきた。
風神録の季節設定が秋だったことに呼応して、どこか物憂げでノスタルジックな叙情の塗布されたサウンドスケープが詩情豊かに広がる様はとても鮮やかだ。これで作品のリリース時期が秋のイベントだったら…と恨めしく感じてしまったりも。持ち味のアコースティック主体のサウンドについては、マンドリン、バグパイプなど郷愁誘う民族楽器群を効果的に配し、季節感を演出するのに何役も買っている。
個人的には序盤から中盤にかけての緩急をつけた流れが非常に良かった。オープニングを厳かに彩るフュージョン風"人恋し神様"のTr.1から早くも惹き込まれる。弦のメリハリの効いたアレンジによって、晩秋の冷たく張り詰めた空気感が伝わってくるようだ。新兵器としてEWI(ウインドシンセ)の演奏を導入したと見られ、メロディー表現力の向上を図ったのも注目すべきポイントだろう。Tr.2"厄神様の通り道"はXL Project「Faith of Shrinemaiden」収録曲の別バージョンだが、CDコンセプトに合わせ、儚げで透明感のある雰囲気にガラッと様変わりした。イントロのピアノリフにジョージ・ウィンストンの名曲 "Longing/Love"(「AUTUMN」所収)を髣髴とした向きもいるのではないか。続くTr.3"芥川龍之介の河童"はあの三拍子メロディーをオカリナやパンフルートなどの笛が切々と奏する、美しくもセンチメンタルなド直球アレンジ。懐かしさへの憧憬のような感情を掻き立てられることだろう。
中盤は勢いのある曲が続く。アップテンポの爽快なTr.4"フォールオブフォール"はkoutaq節全開の曲。4つ打ちビートにアコーディオンがフィーチャーされ、coba的なアプローチか。最もアグレッシヴなTr.5"妖怪の山"は割とオーソドックスなロック風だが、やはりkoutaqアレンジの刻印がしっかり施されている。
少し残念だったのがTr.6"信仰は儚き~"のバラード。シンセ臭さが抜けないサックス音色と、やや盛り上がりに欠ける曲調とあって中だるみになった感がある。だが一方ではR&B風のシャッフル系リズムが効いていて、不思議と温かみのある雰囲気を醸し出しているのは良い。エンディングのTr.7"御柱の墓場"は生録音バックコーラス(!)を試みたらしく、幻想的なアンビエンスを齎している。
トータルでのバランスや構築性では前作「Scarlet Destiny」に譲るものの、スロー~ミッドテンポの曲が目立つ今作は表現の繊細さが際立っており、より音楽が立体的になった印象を受ける。このサークルの"静"の部分に魅力を感じる人は入手でまず間違いない。勿論、関連諸作同様クオリティは折り紙つきであり、多くのリスナーにアピールできる普遍的な良さを持った秀作だ。 -- 蝦夷の人 (2009-04-30 22:47:36)
- 「原作」を非常に重視するSensitive Heartの久々の新盤
一曲ごとの詳しい説明に関しては他のレビュアーさんが詳しく書かれているので割愛しますが、
風神録のもつ、どこか田舎的なノスタルジアが好きな方にはたまらないのでは
某夏休みゲームをやりながら聞くと、なかなかいいかんじ(アルバムの雰囲気は秋っぽいけどね)
僕が一番気に入ったのは、Tr.7でしょうか
アレンジャーさんが意図したものではないでしょうが、
MetallicaのMaster of Puppetsを思わせるようなノスタルジックなギターに思わずニヤニヤしてしまいます -- 名無しさん (2009-08-03 17:25:15)