茹だる暑さに少しでも対抗しようと、ホースを使って道路に水を撒いてやる。
ちなみにレッドベリルは隣でバケツと柄杓を使っている。
「あっ、レッドベリルちゃん。それに【レッドベリルのマスター】さんも」
唐突に名前を呼ばれる。
声をかけられた方へ振り返ると、蛋白石ちゃんがこちらに歩いてきていた。
あの子とはあまり面識はないが、前に働き先の店にマスターさんと一緒に来てたっけ。
レッドベリルの隣に、蛋白石ちゃんが立つ。
「こんにちはー」
「あぁ、こんにちは」
しかしいつもニコニコしてるなぁ、ホント。
それに比べて……。
「ん……」
挨拶も無しにそっぽを向いてしまうレッドベリル。
こっちは愛想が足りないなぁ……って、いつもなら挨拶ぐらいはすると思うんだが。
レッドベリルの反応に、蛋白石ちゃんも少し困った表情を浮かべる。
「水撒きですかー?」
「ああ、少しでも涼しくしたいからな」
「うちもご主人様と一緒にやりましたよー。あまり変わらない気がしますけど」
「少しは変わるんだよ。やるとやらないとでは」
と、二人で他愛もない話。
……なんか、レッドベリルの視線が痛い。
「……エロエロマスター」
そしてこいつはいきなり何を言い出しますか。
「な、何でそうなるんだよっ!」
「蛋白石の、胸見てた」
どうして話をしていただけでそうなるんだか。
いや、確かに蛋白石ちゃんのアレは、男としては自然に視線が行きそうに……いや、決して凝視していた訳ではない、ホント。
「み、見てねぇよ……」
「嘘。マスターエッチだもん」
「れ、レッドベリルちゃん、私は気にしてないから」
いや、蛋白石ちゃん、そのフォローはちょっと傷つく。
「ふんっ」
そしてそっぽを向いてしまうレッドベリル。何なんだよ一体……。
「喉渇いた。何か飲んでくっ……」
そう言い残して室内に戻ろうとするレッドベリル……だが。
ろくに足元も見ずに歩いていたせいか、道ばたでとぐろを巻いていたホースに足を取られる。
転びはしなかったが、バランスを取るためによろけたところでホースを思いっきり踏む。
そしてすぐに離してしまったモンだから……。
「きゃっ!」
出しっぱなしだったせいで、俺の持っていたホースの口から勢いよく水が噴き出す。
その水は真っ直ぐ蛋白石ちゃんの方へ向かう……あぁ、思いっきり水かぶせちゃったよ。
「うわっ、ご、ごめ……っ!?」
「あうー……びしょびしょぉ」
……【蛋白石のマスター】さん、ごめんなさい。
水を被ったドレスは、中の素肌を見事に透かしている訳で……良かった、下着を着けていてくれて、ホント。
「え、と、その、えー、ホントごめん」
「いいですよぉ。このお天気ならすぐ乾きますから」
うーん、なんと心の広い。
ホント、レッドベリルにも見習ってもらいたい物だ……。
「うわっ!!」
突然後ろから水を大量にかけられる。
振り返ってみると、バケツ片手に眉をつり上げたレッドベリルが、こちらを睨んできている。
そして一言……。
「いーっだ!!」
と、言い残して家の中へ戻ってしまう。
「……何なんだよ」
「あはは……」
互いに、雨も降っていないのに濡れ鼠になってしまった訳で。
まぁこんな暑い日は、水被って涼しくなるぐらいがいいのかも知れないが……。
「そ、それじゃあ、私はそろそろ」
「え? いや、その格好で?」
ちなみにレッドベリルは隣でバケツと柄杓を使っている。
「あっ、レッドベリルちゃん。それに【レッドベリルのマスター】さんも」
唐突に名前を呼ばれる。
声をかけられた方へ振り返ると、蛋白石ちゃんがこちらに歩いてきていた。
あの子とはあまり面識はないが、前に働き先の店にマスターさんと一緒に来てたっけ。
レッドベリルの隣に、蛋白石ちゃんが立つ。
「こんにちはー」
「あぁ、こんにちは」
しかしいつもニコニコしてるなぁ、ホント。
それに比べて……。
「ん……」
挨拶も無しにそっぽを向いてしまうレッドベリル。
こっちは愛想が足りないなぁ……って、いつもなら挨拶ぐらいはすると思うんだが。
レッドベリルの反応に、蛋白石ちゃんも少し困った表情を浮かべる。
「水撒きですかー?」
「ああ、少しでも涼しくしたいからな」
「うちもご主人様と一緒にやりましたよー。あまり変わらない気がしますけど」
「少しは変わるんだよ。やるとやらないとでは」
と、二人で他愛もない話。
……なんか、レッドベリルの視線が痛い。
「……エロエロマスター」
そしてこいつはいきなり何を言い出しますか。
「な、何でそうなるんだよっ!」
「蛋白石の、胸見てた」
どうして話をしていただけでそうなるんだか。
いや、確かに蛋白石ちゃんのアレは、男としては自然に視線が行きそうに……いや、決して凝視していた訳ではない、ホント。
「み、見てねぇよ……」
「嘘。マスターエッチだもん」
「れ、レッドベリルちゃん、私は気にしてないから」
いや、蛋白石ちゃん、そのフォローはちょっと傷つく。
「ふんっ」
そしてそっぽを向いてしまうレッドベリル。何なんだよ一体……。
「喉渇いた。何か飲んでくっ……」
そう言い残して室内に戻ろうとするレッドベリル……だが。
ろくに足元も見ずに歩いていたせいか、道ばたでとぐろを巻いていたホースに足を取られる。
転びはしなかったが、バランスを取るためによろけたところでホースを思いっきり踏む。
そしてすぐに離してしまったモンだから……。
「きゃっ!」
出しっぱなしだったせいで、俺の持っていたホースの口から勢いよく水が噴き出す。
その水は真っ直ぐ蛋白石ちゃんの方へ向かう……あぁ、思いっきり水かぶせちゃったよ。
「うわっ、ご、ごめ……っ!?」
「あうー……びしょびしょぉ」
……【蛋白石のマスター】さん、ごめんなさい。
水を被ったドレスは、中の素肌を見事に透かしている訳で……良かった、下着を着けていてくれて、ホント。
「え、と、その、えー、ホントごめん」
「いいですよぉ。このお天気ならすぐ乾きますから」
うーん、なんと心の広い。
ホント、レッドベリルにも見習ってもらいたい物だ……。
「うわっ!!」
突然後ろから水を大量にかけられる。
振り返ってみると、バケツ片手に眉をつり上げたレッドベリルが、こちらを睨んできている。
そして一言……。
「いーっだ!!」
と、言い残して家の中へ戻ってしまう。
「……何なんだよ」
「あはは……」
互いに、雨も降っていないのに濡れ鼠になってしまった訳で。
まぁこんな暑い日は、水被って涼しくなるぐらいがいいのかも知れないが……。
「そ、それじゃあ、私はそろそろ」
「え? いや、その格好で?」
◇
別に、マスターがどこを見たって構わない。
構わないのに……どうしてこんなに腹が立つんだろう。
「マスターのバカ……」
あんなマスターはずぶ濡れになって風邪でも引いちゃえっ。
構わないのに……どうしてこんなに腹が立つんだろう。
「マスターのバカ……」
あんなマスターはずぶ濡れになって風邪でも引いちゃえっ。
◇
「ご主人様ぁー、ただいま戻りましたー……あれ? どうして目を合わせてくれないんですかぁ?」
「え、いやだって、その……服」
「え、いやだって、その……服」