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日向の匂いと僕の勇気

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
  青い透き通ったゼリーみたいな空に、そこだけ食べちゃったみたいな白。はたはたと、風に揺れる真っ白な布をつかまえる。
「いい天気だなあ……」
  少し寒くなってきたけど、天気のいい日にお洗濯するのは気持ちいい。僕はとりこんだ洗濯物を抱えてお屋敷に入った。
  お日様の匂いが部屋の中にも広がる。一枚一枚、しわにならないように畳んでいく。
「これ、ボタンとれそうだな……つけ直してからしまおう」
  次の一枚を手に取ったとき、ちょっと違う匂いがした。
「あ……」
  マスターの、匂い。ちょっとどきどきしながら丁寧に畳む。
(コーヒー飲んだのかな……煙草……吸い過ぎは体に悪いって言ってるのに……)
  畳み終わっても、そのシャツだけどうしても手を離せなかった。僕はそっと周りを見回すと、シャツをぎゅっと抱きしめた。
(……マスターの匂いだあ……)
  なんだかすごく恥ずかしくなって、慌てて洗濯物をしまった。


  恥ずかしくていつも言えないけど、いつかちゃんと『抱きしめてください』って……言えたらいいな。

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