「仮装パーティー」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

仮装パーティー」(2006/09/30 (土) 16:12:25) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

  最近鶏冠石が家を空けることが多い。どうも瑪瑙と一緒にいるらしい。 「なぁ、瑪瑙と何やってんの?」 「秘密です」 「ケチ……」 「ケチでけっこうですわ」   こんな調子でいつも教えてくれない。でも指先の絆創膏から、料理か裁縫をしてるんだろうってことはわかる。んで瑪瑙と一緒ってことは後者だ。 「まぁ体壊さないようにな」 「はい」   それから数日が経った。鶏冠石から、あした黒曜石のマスターの家に来て欲しい、と一言だけポツリと言われた。俺も二つ返事で答えた。   翌日。 「私は先にいってますわ。では十二時になったらまた」   昨日からの言動から推測するに、俺は十二時に黒曜石のマスターの家に行けばいいんだな? なんか鶏冠石がテンパっているというか、どこか抜けてるな。らしくない。   そんなことを考えているうちに出発の時間になった。 「いらっしゃいませ。今日は楽しんでいってください」   柔らかい微笑みに迎えられて到着した。いつも通りの黒曜石ちゃんだ。 「今日はなんなのかな? 鶏冠石に来るように言われたんだけど」 「はい、今日は宝石乙女の十二支仮装パーティーです」   なるほど……なんか馬が走ってる……いやアレはイノシシか……? 「お料理もいっぱいありますので、楽しんでいってくださいね」   さて、楽しむと言われても何しようかな。とりあえず鶏冠石を探そうか。 「あ、瑪瑙ちゃん。鶏冠石知らない?」 「こんにちは。鶏冠石ならあっちの奥の方にいますよ」   なんでまたあんな隅っこの方に……。 「あのさ、最近鶏冠石と何やってたの? 変なことしてないよね?」 「ふふ、これ言っていいかな。鶏冠石がね、『マスターが来るのにあんな着ぐるみ着られない』って駄々こねて……とりあえず会ってみてあげてよ」   これは内緒でお願いします、と瑪瑙。着ぐるみってのはああいうののことだろうな……虎……。   んで鶏冠石はどこだ、と―― 「あら、やっときましたのね」   ――俺の目の前に、天使がいた。 「? どうしましたの?」   あまりの神々しさについ見惚れてしまった。 「いや……なんていうか……なんかいつもと違ってて」 「な、何を言ってらしてっ」   珍しい……鶏冠石のテレ顔か。 「着ぐるみ着たくなかったんだって?」 「!? 瑪瑙ですわね……く……」 「でも、すごい似合ってる」 「い、いちいち言わなくてもわかってますわっ!!」   きっと瑪瑙と一緒に作ったんだろうな……鶏冠石はプライド高いし、瑪瑙も苦労しただろう。   にしても今日の鶏冠石は格別に綺麗だった。正直ドギマギしてしまう。 「ほら、何してますの。女性をエスコートするのは殿方の仕事ですわ」   今日は楽しくなりそうだ。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー