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猫に鈴」(2006/09/05 (火) 23:07:50) の最新版変更点

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あるところに、三匹のねずみと、一匹の猫がいました。 猫は毎日毎日、ねずみを追いかけ回します。 そこでねずみの一匹がとある提案をしました。 瑪「これをつければ、猫が来た時にすぐにわかるぞ」 ねずみの手には、黄色い鈴が握られていました。 #ref(12162.jpg) 瑪「さぁ誰か、この鈴を猫につけてきてくれ」 そこで、別の一匹が言いました。 真「?あなたがつけてくればいいんじゃないのかしら」 一匹目のねずみは、困り顔です。 #ref(12163.jpg) 瑪「う!いや、えっとその……お腹!お腹が痛い痛い痛い、これでは鈴をつけにいけない!」 すごくわざとらしい声をあげました。 それを見て、二匹目のねずみが言いました 真「……ハァ、自分で出来ないことを人に頼むもんじゃ」 ないよ、まで言おうとしたところで、三匹目のねずみが口を開きました。 雲「雲母がやる」 真・瑪「……へ?」 一匹目のねずみと二匹目のねずみは驚きました。 もしも、鈴をつけるところを見つかったら、食べ殺されてしまうかもしれません。 それなのに、三匹目のねずみが、自分が猫に鈴をつけてくる、というのですから当たり前です。 瑪「やめておきなよ、食べられてしまうかもしれないよ?」 真「そうそう、命は一つだけなんだよ?」 二匹は、一生懸命説得しました。 雲「雲母がやらねば、誰がやる」 しかし、三匹目のねずみは一向に聞きません。 もしも、鈴をつけるところを見つかったら、食べ殺されてしまうかもしれません。 それなのに、三匹目のねずみが、自分が猫に鈴をつけてくる、というのですから当たり前です。 瑪「やめておきなよ、食べられてしまうかもしれないよ?」 真「そうそう、命は一つだけなんだよ?」 二匹は、一生懸命説得しました。 雲「雲母がやらねば、誰がやる」 しかし、三匹目のねずみは一向に聞きません。 真「……分かったわ。でも気をつけなさい、猫は狡賢いから」 瑪「決して気を抜いちゃいけないよ、気を抜いたらすぐにお腹の中に入れられちゃうんだから」 二匹のねずみは、精一杯のアドバイスをしました。 雲「では、行ってくる」 そろりそろり、そろりそろり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆっくりゆっくり、寝ている猫に近づきます。 りん。 鈴の音がなってしまいました。 月「に゛ゃ゛~……何の音かにゃぁ?」 猫は寝惚けているようです。 雲「風の音、風の音」 月「にゃぁんだ、風の音かぁ……」 猫は再び眠り始めました。 そろり、そろり、そろり、そろり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆっくりゆっくり、寝ている猫に近づきます。 ちりん。 鈴の音がなってしまいました。 月「に゛ゃ゛~……何の音かにゃぁ?」 猫はまだ寝惚けているようです。 雲「雨の音、雨の音」 月「にゃぁんだ、雨の音かぁ……」 猫は三度眠り始めました。 そろぉりそろぉり、そろぉりそろぉり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆっくり、ゆっくり、寝ている猫に近づきます。 ちりりん。 鈴の音がなってしまいました。 月「に゛ゃ゛~……何の音かにゃぁ?」 猫はやっぱり寝惚けているようです。 雲「戸の音、戸の音」 月「にゃぁんだ、戸の音かぁ……」 猫はやっぱり眠り始めました。 そろぉり、そろぉり。そろぉり、そろぉり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆぅっくり、ゆぅっくり、ゆぅっくり、ゆぅっくり、寝ている猫に近づきました。 しゅるしゅるしゅる、きゅっ。 三匹目のねずみは無事、猫に鈴をつけることが出来たのでした。 心なしか、グッジョブ!と言いたそうな表情です。 #ref(12164.jpg) 三匹のねずみは物陰から、そぉっと猫の様子を見ていました。 月「ん゛に゛ゃ゛~……」 ちりちりん。 月「んにゃ?これは……にゃんだこれ」 #ref(12165.jpg) 三匹目のねずみが苦労してつけた鈴は、猫の手によって簡単に外されてしまいました。 月「旦那さんがつけのかにゃ?でもぉ……いらにゃぁい」 ぽいっ。 ちりちりちりん。 猫は鈴を放り投げてしまいました。 月「ん~!……外でもう一眠りするかにゃ」 猫はやっぱり、眠たそうに声をあげるのでした めでたし、めでたし。 #ref(12166.jpg) 瑪「おのれ、猫め……!」 真「まぁ、ねずみが紐結べるんだから、猫が紐解けてもなんら不思議はないわね」 雲「……」 これでほんとに、めでたし、めでたし。
あるところに、三匹のねずみと、一匹の猫がいました。 猫は毎日毎日、ねずみを追いかけ回します。 そこでねずみの一匹がとある提案をしました。 瑪「これをつければ、猫が来た時にすぐにわかるぞ」 ねずみの手には、黄色い鈴が握られていました。 #ref(12162.jpg) 瑪「さぁ誰か、この鈴を猫につけてきてくれ」 そこで、別の一匹が言いました。 真「?あなたがつけてくればいいんじゃないのかしら」 一匹目のねずみは、困り顔です。 #ref(12163.jpg) 瑪「う!いや、えっとその……お腹!お腹が痛い痛い痛い、これでは鈴をつけにいけない!」 すごくわざとらしい声をあげました。 それを見て、二匹目のねずみが言いました 真「……ハァ、自分で出来ないことを人に頼むもんじゃ」 ないよ、まで言おうとしたところで、三匹目のねずみが口を開きました。 雲「雲母がやる」 真・瑪「……へ?」 一匹目のねずみと二匹目のねずみは驚きました。 もしも、鈴をつけるところを見つかったら、食べ殺されてしまうかもしれません。 それなのに、三匹目のねずみが、自分が猫に鈴をつけてくる、というのですから当たり前です。 瑪「やめておきなよ、食べられてしまうかもしれないよ?」 真「そうそう、命は一つだけなんだよ?」 二匹は、一生懸命説得しました。 雲「雲母がやらねば、誰がやる」 しかし、三匹目のねずみは一向に聞きません。 真「……分かったわ。でも気をつけなさい、猫は狡賢いから」 瑪「決して気を抜いちゃいけないよ、気を抜いたらすぐにお腹の中に入れられちゃうんだから」 二匹のねずみは、精一杯のアドバイスをしました。 雲「では、行ってくる」 そろりそろり、そろりそろり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆっくりゆっくり、寝ている猫に近づきます。 りん。 鈴の音がなってしまいました。 月「に゛ゃ゛~……何の音かにゃぁ?」 猫は寝惚けているようです。 雲「風の音、風の音」 月「にゃぁんだ、風の音かぁ……」 猫は再び眠り始めました。 そろり、そろり、そろり、そろり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆっくりゆっくり、寝ている猫に近づきます。 ちりん。 鈴の音がなってしまいました。 月「に゛ゃ゛~……何の音かにゃぁ?」 猫はまだ寝惚けているようです。 雲「雨の音、雨の音」 月「にゃぁんだ、雨の音かぁ……」 猫は三度眠り始めました。 そろぉりそろぉり、そろぉりそろぉり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆっくり、ゆっくり、寝ている猫に近づきます。 ちりりん。 鈴の音がなってしまいました。 月「に゛ゃ゛~……何の音かにゃぁ?」 猫はやっぱり寝惚けているようです。 雲「戸の音、戸の音」 月「にゃぁんだ、戸の音かぁ……」 猫はやっぱり眠り始めました。 そろぉり、そろぉり。そろぉり、そろぉり。 抜き足、差し足、忍び足。 ゆぅっくり、ゆぅっくり、ゆぅっくり、ゆぅっくり、寝ている猫に近づきました。 しゅるしゅるしゅる、きゅっ。 三匹目のねずみは無事、猫に鈴をつけることが出来たのでした。 心なしか、グッジョブ!と言いたそうな表情です。 #ref(12164.jpg) 三匹のねずみは物陰から、そぉっと猫の様子を見ていました。 月「ん゛に゛ゃ゛~……」 ちりちりん。 月「んにゃ?これは……にゃんだこれ」 #ref(12165.jpg) 三匹目のねずみが苦労してつけた鈴は、猫の手によって簡単に外されてしまいました。 月「旦那さんがつけのかにゃ?でもぉ……いらにゃぁい」 ぽいっ。 ちりちりちりん。 猫は鈴を放り投げてしまいました。 月「ん~!……外でもう一眠りするかにゃ」 猫はやっぱり、眠たそうに声をあげるのでした めでたし、めでたし。 #ref(12166.jpg) 瑪「おのれ、猫め……!」 真「まぁ、ねずみが紐結べるんだから、猫が紐解けてもなんら不思議はないわね」 雲「……」 これでほんとに、めでたし、めでたし。

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