第五話


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夕方になり刹那は地図の確認がてら辺りを散策する事にした。まず刹那が向ったのはのは川だった。
川に着くと橋の上に人影が見えた。特徴的なアフロ、間違いなくドナドナだ。
ドナドナは何やら一人でブツブツ呟いてる。刹那は気になって近付いてみた。

「何してるんですか?」
「おお、刹那殿。実は今ある人に捧げる愛の句を考えてたでござるよ。」
「へぇー、素敵ですね。」
「でも中々いいのが思いつかなくて・・・、そうだ!刹那殿ならきっといいのを思いつくはずでござる!」
「へ?」
「拙者が最初の句を考えるから刹那殿は最後の句を考えてほしいでござる。」
「ちょ、ちょっと待っ・・・」
「いくでござるよ。」

どうしてこうも無理矢理なのか?外人は皆こうなのか?そんな考えを他所にドナドナは俳句を詠み始める。
「秋の川~、あなたとともに・・・」
(どうしよう、俳句なんて作った事ないから・・・。)
とりあえず刹那は今の俳句を自分と木乃香で照らし合わせて続きを考える事にした。

その1

「せっちゃん川が綺麗やね。」
「そうやね。あっ!このちゃん見てトンボ!」
「ほんまやね。捕まえてみよか?」
言うが早いか木乃香は走り出した。それを見て急いで追いかける刹那。
「あ!まってよ。」

~数分後~

「ふぅ・・・。走ったらお腹空いたなぁ」
「ふふふ、せっちゃんのために料理作ったんよ。」
そういって木乃香が出したものは・・・
『秋の川、あなたとともに、“オムライス”』
(絶対だめだ!川でオムライスってなんだ!?他のを・・・)

その2

『うちな、結婚する事になったんよ。』
木乃香の衝撃の告白。刹那はおめでとうとしか言えなかった。所詮は主従関係、わかっていたが・・・
「はぁ・・・」
川原の土手に座りため息を吐く。この川は昔よく木乃香と遊んだ場所だ。
その頃の記憶が次々と思い出される。自然に目から水滴が落ちてきた。
「このちゃん・・・」
『秋の川、あなたとともに、“夢のあと”』
(うう、悲しすぎる・・・。とても愛の句とは思えない。次・・・)

その3

木乃香と刹那は川沿いを散歩していた。幼い頃よく遊んだ場所だった。
『うちら大きくなってもずっとずっと一緒にいような。』
(お嬢様はもう覚えてないだろうなぁ・・・)
そんな昔の事を思い出していると突然前を歩いてた木乃香が止まった。
「どうなされましたか?」
「なあせっちゃん。うちが昔ここで言ったこと覚えとる?」
「そ、それって・・・」
「あの時の言葉は本物や。ずっと・・・一緒にやで?」
「このちゃん・・・」
「せっちゃん・・・」
二人はどちらからともなく抱き締めあった。強く、しっかりと・・・。
『秋の川、あなたとともに、“愛つむぐ”』
(これだ!これしかない!)

「“愛つむぐ”です!」
「おお、さすが刹那殿!とってもいい句が出来たでござる。」
ドナドナも大変気に入った様子で刹那も満足している。しかしその満足感も彼の言葉で一気に崩れる。
「・・・やはりこんなものではなく行動で示した方がいいでござる。」
「・・・!(私の苦労はいったい・・・必死で考えたのにこんなものって・・・。) 」
真っ白だった。刹那はしばらくその場に立ち尽くしていた。


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