朝日新聞社さん得意の文体で書いてみよう。

     毎度のことながら、何とも呆れ果てた朝日新聞社の対応である。
    昨2014年9月2日から続く、
池上彰氏の本誌連載コラム「新聞
    ななめ読み」に係る本社の一連の対応のことである。

  いや、こんな感じに明日9月4日朝の天声人語が書かれていたなら、多少は見直すのだけれど。

 朝日新聞朝刊に月一回掲載される、池上彰氏の新聞紙面批評コラム「新聞ななめ読み」の9月掲載分予定稿が
 朝日新聞社より掲載拒否とされたことについて、池上氏が連載中止を朝日新聞に申し入れた件

  週刊文春2014年9月11日号スクープ速報によれば、
  
      朝日関係者が明かす。

       「月に一度の連載『新聞ななめ読み』は、池上氏が一つのニュースについて各紙を読み比べ、
      その内容を自由に論評するもの。8月末の予定稿では、慰安婦報道検証を取り上げており、『朝
      日は謝罪すべきだ』という記述があった。朝日幹部が『これでは掲載できない』と通告したところ、
      池上氏から『では連載を打ち切ってください』と申し出があり、その予定稿はボツになったのです。
      これまでも同連載は、『朝日の記事は分かりにくい』、『天声人語は時事ネタへの反応が鈍い』な
      どの批評を掲載しており、今回の反応は異常ですね」

  と言うことなのだけれど、これについて、毎日新聞web版19時58分配信によれば、明日9月4日朝刊に朝日
 新聞社は

      
 朝日新聞がジャーナリストの池上彰さんの連載コラム「新聞ななめ読み」の掲載を断り、池上
      さんが連載打ち切りを申し入れた問題で、朝日新聞が一転して4日朝刊にコラムを掲載するこ
      とが分かった。池上さんは取材に対し「朝日側から、『おことわり』と私のコメントを付けて掲載
      すると連絡があり、今回は受け入れた」と話した。次回以降の執筆については「全くの白紙」と
      している。

 と報じている。
  このことだけでも、呆れ返る話だろう。(天声人語氏風)

        『これでは掲載できない』

 と検閲紛いの通告をして、打切り申出を池上氏に為さして、連載を掲載しないと言う実質的な検閲を行った、朝日
 新聞幹部氏には「言論表現の自由の侵害」として社会的な反発を招くことになる可能性について、池上氏が直接
 発言せずとも、氏の現在の影響力を考えれば、何等かのかたちで露見するであろうことが想像できなかったのか
 と言うこと。
  恐るべき想像力の欠如と言うほかはない(天声人語氏風)

  もっとどうしようもないのは、朝日新聞社に所属する記者、社員と称する従業員各氏であろう。9月3日15時48分
 配信のJ-CASTニュースが

      
 この朝日新聞の対応には、記者からはツイッターで異論が相次いだ。神田大介テヘラン支局長は、
      「事実だとすれば極めて残念であり、憤りを感じる」
      「私は言論の自由、表現の自由を愛する者です。それが妨げられたことに憤っています」
      とツイート。大阪本社社会部の武田肇記者も、
      「私は組織に忠実な企業内記者の一人ですが、夕方、このニュースを聞いて、はらわたが煮えくりかえる
      思いでした。極めて残念です(査定に響きませんように…)」
      と無念さをにじませた。ハフィントンポストに出向中の吉野太一郎記者も、
      「なぜこんな判断に至ったのか理解に苦しむ」
      とツイートした。

 などとtwitterで発言されていることを報じている。
 
  言論人なら、こんなアリバイ工作するより、まず問題が明らかになったときに、社内で
『これでは掲載できない』と
 検閲紛いの通告をした幹部氏に「言論を封殺するのか」と発言すべきだろう。朝日新聞社員であるならばこそ。
  そして、言論人としての発言の場として、新聞と言う媒体を持っているのだから、今回の件を取材して、徹底的に
 事実を詳らかにすべきだろう。朝日新聞社は経営と編集の分離をうたい、言論表現の自由を至高のものとすること
 を規範や綱領でうたっているのであるから、それが冒されていることを紙上で詳らかにする事は朝日新聞社員であ
 り言論人であるならば、「独禁法の適用除外の根拠を言論表現の自由から至当のこと」と言うならば、当然に紙面
 で明確に説明すべきだろう。
  それがまずもっての「企業人としての言論人」の責任ではないだろうか。いわゆる一般企業について言うならば、
 規範や綱領を遵守しないこと、それができないことは、企業人としての責任が果たせない、果たさないことである
 と、そのことを常日頃より、新聞をはじめとするマスコミがそれを「不祥事」と呼んでいることが、自らは理解できて
 いないとしか言いようがない。

  以上のようなことを朝日新聞社は絶対に行わない。朝日新聞社従業員各位もtwitterで「怒りを感じ」たり
 「はらわたが煮えくり返る思い」をしたと書いても、本来記事とすべき朝日新聞紙上では本件に限らず黙した
 ままである。
  一般企業における規範や綱領が、第一に顧客に対する約束であることは、論を俟つまい。朝日新聞社が規範や
 綱領に掲げることは、第一に購読者に対する約束であるはずだ。上記の「検閲紛いの通告をした幹部氏」も規範
 や綱領を遵守しておらず、云わば太平洋戦争中の陸軍参謀の私物命令のごとき行為を以って購読者を蔑ろにし、
 twitterで「怒りを感じ」たり、「憤りを感じ」たり、「はらわたが煮えくりかえる思い」をしていると書き込む
 従業員も本来の記事なりを通じ、あるいは当然に規範や綱領あるいは法令により、社内での相手に対して、拘束
 力あるいは抑止力を持ちうる発言ができ得るはずなので、少なくとも朝日新聞社は紙上で「ブラック企業」なり
 に対して、その様に言っているのだから、それを為さずに「つぶやいて」いる限りは、購読者を蔑ろにしている点
 においては何等代わるところがない。
   まあ毎度のことではある、朝日新聞が読者を蔑ろにするのは。朝日新聞社役職員は天に唾して己の顔に掛け
 るのではなく、実質購読者の顔に唾を掛けて読者を辱しめるのは。

                                                                                                                           OPDAY.2014.09.04

最終更新:2014年09月04日 02:26