魅音は、なぜか楽しそうだった。俺はというと、視界がぼやけて、息が荒くなっている。
もう、抵抗の力も残されていない。が、魅音がひざまずき、俺は手で自分の体を起こすことを許された。
「ちょっと、圭ちゃん座って。拭いてあげるから。カッターシャツ、持ち上げててね」
俺は、小さい子供がするように、シャツをたくしあげた。
「圭ちゃんかぁいいね、レナだったらお持ち帰りしてるよ」
こちらから魅音は見えないが、感覚からして、俺のさっき放出したものを拭いているようだった。
そのうち、また気持ちよくなってくる。
「あっ……あっ……あぅ……」
途切れ途切れの息で、ヘンな声が出てしまう。
「はは、圭ちゃん出しすぎ……まだ残ってたんだね……よし、準備完了。圭ちゃん、寝て、もう一回」
もはや俺は、魅音の言われるままになっていた。シャツをたくしあげたまま、俺は寝転がった。
「圭ちゃん……いくよ?」
「な、何?」
魅音が、魅音が……少しずつ、下がってきた。一体これから、何が起こるというのだろう?
「あぅ……つっ……」
「みぉっ……あぁああ!!」
先ほどとは比べ物にならない快感が、俺の頭まで突き抜ける。
「あっぁああ、あっ……ああ……あ、あ……、あああ……あうっ……」
快感が先に来て、他の感覚が少しずつ後に追いついてくる。
狭い空間に、急に包み込まれるような感触。
さっき手でされたより、きつい刺激が、俺のものを締め上げた。そして、また爆発。
二度、三度……
「ふぅっ……ん、はん……」
「ふふ、圭ちゃん女の子みたい……私、圭ちゃん犯してるみたいだね、ふふ……動くよ? 圭ちゃん?」
俺は、どうやら魅音の中に射精してしまったらしい。
それなのに、未だに勃起したままの俺のものを、魅音は放さない。しかも、動くらしい。動くって……何?……
「あふっ……いつっ……やっぱ、無理、だよ、こんなの……いたぃ……ん……」
魅音は、俺のものを解放した。つるんと抜ける感覚がし、自分の分身が跳ねる感触。
あきれたことに、俺はまた、射精してしまったらしい。
「け、圭ちゃん、壊れちゃった? 出しすぎだよ、もぅ……あ、だ、ダメだわ、無理」
魅音がその場にへたり込む。
「ああ、圭ちゃん、返事してよ?」
「ん、うん……なんだ?」
「へへ、圭ちゃんのちんちん、びんびんのまんまだよ」
「ちんちん言うな、ちんちんって!」
そんな魅音の言葉にも、反応してしまった。
「あは、跳ねてる」
「いや、たぶん……こんなこと、したことなかったから……」
「こんなことって?」
「お、俺……その、ォナニーとか、その、やり方、知らないんだよ」
ごにょごにょと、俺は言った。オナニーや自慰という単語は知っている。でも、どうやってやるのかは知らない。
「ま、マジで?」
「その、こすりつけたりしたことはあるけど、どうするのかって……」
「そりゃ、出るわ……へへ、ちょっと待っててね」
ごそごそと、魅音が何か動いているのが見えた。
「圭ちゃん、私の胸、その……時々見てたよね? 気付いてるんだよ、私」
「うっ、やっぱりわかるか……」
「そんなのあたりまえじゃん……私、気にしてるし。こういうの……」
   「だって、その、ぉっきいし……」 
「ふふ、普段ならもっと大きい声でいうのにね……その、こういうのでも……気持ちよくなるらしいよ?」
今までとは違う、柔らかい感覚が、俺のものを包み込んだ。
「はぅっ……」
にちゃにちゃと音がする。さっきと違って、拭いていないからだ。
「ふふ、圭ちゃんの、えっちな音がするよ? ほら、聞こえる?」
「み、みぉ、おやじみたい……」
「失礼だなぁ、やめるよ?」
「ごめん……」
「そうそう、正直が一番」
魅音は、包むだけじゃなく、今度は上下に動かしてみた。
「む、難しいな、これ……」
つるつる滑って、俺のものがちゃんと固定できないらしい。それでも十分気持ちよかった。
「よっ、ほっ……」
まるで、俺のものをオモチャにでもするように、魅音はつつきまわした。
「ちょ、魅音、また……でるっ……」
「出させないよ」
魅音は、自分の髪の毛を結んでいるゴムを、俺のものの根元に括りつけた。
「ちょ、そんなことしたら、ちぎれちまう……」
「大丈夫大丈夫。その代わり、出ないけど」
魅音の動きが、突如として激しくなる。
「あぅ、出るっ……アムロぐらい出る……いっきまーす……」
「ナニわけのわからんこと言ってるの、出ないって」
本当に、出ない。確かに射精したい感じがあるが、なぜか止まっている。ああ、さっきのゴムか……
「みお、はずして……くれ……」
「だーめ、出ちゃうでしょ?」
「つ、つらいんだよ……なぁ?」
「ふふ、徹底的にいじめてあげる」
魅音は胸でいじくるのをやめた。びくびくと跳ねる自分のものが、どれだけ反り返っているのか、見ないでもわかる。
「びきびきだよ、圭ちゃんの……はむっ」
また、電撃が走る。足が何度も何度も、まっすぐになって、机をがたがたとゆらした。
「ダメだね、手もしばっとかないと」
魅音は、近くにあった、誰かが忘れた袋の紐をぬきとり、俺の手を後ろ手に縛った。
やたら手馴れた動きだ。
「あ、危ないって、魅音……」
「ふふ、このまま放置しようかな?」
「やめてくれ、魅音……」
「やめてください、でしょ?」
「やめて……ください……」
「うん、やめてあげる。その代わり、圭ちゃんの気が狂っちゃうぐらいゴーモンしてあげるけどね」
今度は魅音がなにをしているのか見えた。俺のちんちんを、口に含んでいる。
そして、もごもごと口の中で動かしている。それを見た俺は、二重で快感が走ってきた。
「だ、出させて、魅音……千切れる……」
「だめだよ、節操のないおちんちんは、おしおきしないと」
魅音が一度口を動かすたび、俺の足はぴんと張った。
「出させて……ください
「あーめ。あとりゅっぷんらえて」
「ふぇ、そ、そんなぁ……」
あと、十分……本当に気が狂ってしまう。
「魅音っ!」
「ふぇ、へ、へいちゃん!」
俺は、魅音を体重に任せて倒した。
もちろん、口のなかに俺のものが入ったままだ。
「うぇ、へ、へいちゃん、ろいて!」
「あ、あぅあああ、あああ!」俺は、狂ったように腰を振った。自分でも壊れていたと思う。魅音の口を犯すように、ただただ振り続けた。
魅音の歯で、ゴムが外れたのか、俺はいつの間にか射精していた。やがて、俺の腰の動きも収まってくる。
「あぅ……おぇっ……ひどいよ、圭ちゃん……無理やり……するなんて」
「あ、ああ……あ……あ、あ、あっ……ああっ……」
俺は、魅音の口の中から出しても、まだ射精していた。

気がつくと、俺は服を着て、手を解かれた状態だった。
「圭ちゃん、そろそろ起きて?」
あたりは真っ暗。魅音がそこに要るのかさえ、疑わしい。
「ん……魅音……」
俺は、魅音を抱きしめた。
「ちょ、圭ちゃん……ダメだって、もう……」
「魅音、魅音……」
俺は、うわごとのように、魅音を抱きしめ立ったまま魅音に向かって腰を振る。もちろん、ズボンははいたままだ。
「圭ちゃん……ごめん、やりすぎて馬鹿になっちゃったんだね……」
「魅音……はっ、俺は何を?」
「ナニしてた。あははは」
魅音は、それだけ言うと、どさりとその場にへたりこんだ。
「魅音」
「圭ちゃん」
お互いの名前を呼び合う。
「おんぶ」
「はい?」
「立てない。おんぶ」
魅音は、座ったまま手を前に突き出す。俺に乗る気満々だ。
「仕方ねぇな……ほら!」
俺は、おんぶの準備動作に入った。魅音が後ろから俺に抱き付いてくるのを感じた。 

「ねぇ、圭ちゃん?」
「なんだ?」
「これから……毎日しよーね?」
「は、はぁ!?」
「毎日六回はしよう。オナニー禁止。他の女の子見るのも禁止。圭ちゃんのちんちんは私のものー」
「だから、ちんちん言うなって! 女の子見るなって、生活できねぇじゃねえか!」
魅音は、俺を後ろからゆする。
「だってー、圭ちゃん絶対浮気するもん」
「しねえよ」
「なんでー? 証拠は?」
「ほらよ」
俺は、突然うしろに振り向いて、魅音の顔を手で寄せた。そして、ほっぺにキスをする。
「ふえっ!」
「俺が魅音を好きだから。不十分か? それで?」
「う、うん、不十分だね」
「そうか……じゃあ、どうすんだ?」

「ケッコンして」
「ぶっ!」
俺は、一瞬前のめりに倒れそうになる。が、魅音がうまく体重移動をして、それをさせなかった。
完全に俺を乗りこなしている。
「するときはやさしくして」
「おいおい……」
「寝る時は、電話でお休みって言って」
「それぐらなら、やってやるよ」
「さよならって、言わないで。絶対」
「ああ」
「それから……それから……」
「ちょっと待てよ、その前に、俺から一つ。魅音、笑ってくれ。泣くな」
魅音は、ずっと泣いていた。俺の背中で、ずっと、ずっと。
「だって……だって……私、レナ、裏切ったんだもん……
同じ高校生になるまで、絶対待とうって……私から……言ったんだよ?」
「ひでぇな」
「ちょっと、圭ちゃん、フォローしてよ」
「ダメだね。それは出来ない。魅音は悪い子だ」
「圭ちゃぁん」
また、魅音が俺をゆする。
「でも、言うこと聞いてくれたら、きっといい子だ。保障する。」
「ん……わかった」

魅音は、やっと俺の願い通りの笑顔を見せてくれた。
俺は、雛見沢の馬鹿みたいに綺麗な星空の下、ふらふらになった腰を支えつつ、魅音の家へと歩いていった。

俺の願いは魅音の笑顔 ―完―

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最終更新:2007年03月02日 23:26