前編

最近、圭一くんの様子がおかしい。
いつも一緒に学校に行っていたのに、ある日を境に突然私を置いて学校へ行くようになった。
授業中も部活も生き生きとしていたのに、ある日を境に突然ぼーっとすることが多くなった。
そして何より、帰りが遅い。一緒に帰ろう、といってもいつも断られる。
知恵先生の花壇に水をあげたり、セブンスマートで雑誌やえっちな本を立ち読みしたりなど、理由はいろいろあったが、それらの共通点はすべて『普段の圭一くんなら絶対にやらなかったこと』というもの。
私が一緒に帰ろうと待っていても、うまくまかれてしまう。たまに魅ぃちゃんと、私抜きで遊びに行く。普段の圭一くんなら、私も誘ってくれるのに。
そう。ある日を境に、圭一くんはおかしくなってしまったのだ。
どうしよう。私が悪いのかな、かな。でも心当たりは何もない。それどころか、圭一くんに嫌われるようなことは何もしていないはずなのに。
沙都子ちゃんも、魅ぃちゃんも、梨花ちゃんも、知恵先生も、監督も鷹野さんも富竹さんも、誰も介入している様子はない。
でも落ち着きなさいレナ。よく周りを見なさい。七度どころか既に十三度は人を疑っている。既に人を訪ねていい段階のはず。
私に心当たりがないのなら、それ以外の身近な人間が圭一くんの活力を奪っている、そう考えるのが筋というものだ。
まずは圭一くんに直接聞いてみよう。

放課後になった。
圭一くんはうつろな目で、セブンスマートで買ったと思われるクリームパンを食べている。…お昼ご飯とっくに食べたのに。
「圭一くん、聞いていい?」
「…ん。いいぜ。」
発言に対する反応も遅い。絶対におかしい。こういうときは単刀直入に行くと、すぐにぼろを出す。
「レナのこと嫌いなのかな、かな。」
「い、いや、そんなことはないぜ…」
男が目をそらすときは、たいてい疚しいことがあるということ。どうしてわかりやすいんだろう。でも、こういう男には攻めの一手に限る。
「嘘。圭一くん、何かレナに隠しているでしょ。」
「何も隠してないし、レナが嫌いなんてことはない。」
「嘘だ。」
「嘘じゃない、レナ、俺は…」
圭一くんがしどろもどろになり始める。もう一押し。
「嘘d」
「圭ちゃーん。」
そこに空気を読まずに、あるクラスメートが入ってきた。圭一くんの表情がこわばるのを、私は見逃さなかった。
「魅ぃちゃん?」
「魅音さ…」
「あっれ~?何話してるの?」
圭一くんの言葉を遮るように、魅ぃちゃんは私に話しかける。
「ううん、別になんでもないよ。」
悟られたらまずい話ではないが、ややこしくしないために、私は笑顔であしらった。
それは本当に異様な光景だった。
圭一くんも、魅ぃちゃんも、私も、縁日の夜店のお面のように不自然に作られた微笑みを浮かべている。
圭一くんのは本当に下手な笑い方だったけど。
人間なんて、腹の中で何考えているかわかったもんじゃない。

「じゃ、圭ちゃん。行こっか。」
「あ、ああ。じゃあなレナ。」
魅ぃちゃんに引っ張られて、圭一くんは行ってしまった。
…明らかに、おかしい。魅ぃちゃんにおびえているかのような表情の変化。それよりも『魅音さ…』というあの不自然な『さ』。
あの『さ』が敬称だとすれば、魅音さん、もしくは魅音さまと言おうとしていたことになる。どちらも目上の人につけるものだ。今まで年齢なんて関係なしに呼び捨てで呼んでいた圭一くんが使うにはあまりにも不自然。
昨日、一昨日と圭一くんは部活で3位と普通の成績だった。最下位は沙都子ちゃんと梨花ちゃん。圭一くんが罰ゲームに干渉することはほぼありえない。ゆえに罰ゲームという線はなくなる。
ということは、魅ぃちゃんがプライベートで何らかの関係を持っている。
それが圭一くんの活力を奪っていると見て、間違いない。

後ろを、気づかれないようにつけていく。魅ぃちゃんも圭一くんも、たまにぼそぼそと何か話す程度。どこへ行くのだろう、と私は思った。
どこへ行くかは、すぐに明らかになった。この道の方向で大きな建物なんて、園崎本家、つまり魅ぃちゃんの家しかない。
「圭ちゃんにはお仕置きしないとねー」という声が耳に届いた。
園崎本家のお仕置きと来れば…間違いなく、拷問。縛られて血まみれになっている圭一くんを想像する。…それはいやだ。
ではなぜ、圭一くんは魅ぃちゃんにお仕置きされなければならないのか。いや、正確にはなぜ圭一くんは無抵抗なのか。おそらく、弱みを握られているからだろう。強請りの典型的なやり方だ。なんと浅はかなことか。
だがこのままではいけない。どうにかして、園崎の魔の手に絡めとられた圭一くんを救い出すんだ。そのあと、私と圭一くんはどこかへ逃げればいい。
私の不安に比例するかのように、影が伸びていく。

家に忍び込むのは造作のないことだった。広い家だ、抜け道のようなもののひとつやふたつはあるものだ。
そこに警備をつけていない園崎家は、なんと愚かしいことか。よほど他の組に攻め込まれない余裕があるのだろう。
いや、僻地の組なんてそんなものか。不審者が居ればすぐにわかるから、それを袋叩きにすればよい。体内に侵入した雑菌は、白血球により始末される。雛見沢に忍び込んだ異物は、園崎を中心に、村人によって排斥されるのだ。
しかしあらためて見ると本当に広い家だ。こんな広い家では、掃除も大変なことだろう。
そして圭一くんたちは、妙な場所にある洞窟に向かったようだ。
前にドラマで見たことがある。大体こういうところには、拷問道具や牢獄があるんだ。
圭一くんが危ない。
私は意を決して、洞窟に向かい…

「ようこそ、レナ。」

気を失った。


頭が、痛い。割れるように痛い。意識が覚醒していく。あれ、どこだここ。
「お目覚めかな?」
私は地下牢の中に居た。やっぱりあの洞窟は地下牢だったんだ。
鉄檻を挟んで、魅ぃちゃんが何かに座っている。…圭一くんはどこへ行った?
「気づかれないとでも思ったの?」
魅ぃちゃんが足を組んでいる。女王のような余裕の表情。
「だってラブラブに見えたもん。そういう人たちって、周りのことあまり気にしないでしょ?」
「そう見えてた?おじさん嬉しいなぁ!」
心にもないことを。どちらも腹の底じゃそう思っている。
暗赤色の憎悪が渦巻く。体中の血が沸き立つ。笑みを貼り付けるのも限界だ。
「ところで圭一くんは?」
「圭ちゃん?ほら。ここにいるじゃない。」
魅ぃちゃんはにやにやと笑っている。どこにいると?からかうのもいい加減にしろ。少なくとも私の視界には入っていないはず…
「よく見てみなって。」
魅ぃちゃんが座っているもの。それは。
「これが本当の人間椅子、なーんてね。」
素っ裸で四つんばいになった、前原圭一だった。

「圭一くん!?」
薄暗くてよく見えないが、息は荒く表情は苦しそうだった。魅ぃちゃんはその上にどっしりと座っている。
許せない。圭一くんを、よくも。このふざけた女は、哀れな圭一くんを…!
「圭ちゃんね、レナが起きるまで…大体1時間くらいかな?ずっとこうしてるんだよ。」
「圭一くんを放せ。」
「それはできないねぇ?だって、これは圭ちゃんも了承の上でやっていることだもん。」
魅ぃちゃんは立ち上がった。圭一くんはその場に倒れこむ。
「圭一くん!」
「…レナ…」
よかった、意識ははっきりしているみたい。でも。
「レナと話していいなんて誰が言った!?」
魅ぃちゃんが圭一くんの頭を踏みつけた。
「あぅ!」
「あうだのはにゅだの言ってんじゃないよ、この下僕!言ったよね!レナと話すなって。ど う し て 守 れ な い の か な。」
「ご、ごめんなさい…」
容赦なく、ぐりぐりと足で踏みつける。圭一くんは涙を流しながら謝る。
「ごめんですめば大石は綿流しに来ないんだよ!」
「あがっ…」
しかし魅ぃちゃんは謝罪を無視して、太極拳の技のように、思いっきり容赦なく踏みつけた。
圭一くんの顔が、土と涙が混じりあったものでどろどろになる。あまりにも凄惨で、私は目を背けたかった。
でも、なんだろう。圭一くんは、ただ痛い、悔しいだけじゃないような、そんな表情を浮かべている。
例えるなら針灸の客のような表情。痛いんだけど、気持ちよさそうな…
「まぁいいや。…レナ。圭ちゃんがかわいそうに見える?」
「これ以上圭一くんをいじめないで。」
「言ったでしょ?それはできないって。」
魅ぃちゃんは厭な微笑を浮かべる。

「レナは知らないと思うけどね。圭ちゃんは私に冤罪を吹っかけて、罰ゲームと言って私に恥辱極まりない行為を要求したんだよ。」
魅ぃちゃんが圭一くんの顔を踏み躙りながら言う。
「ふぅん?圭一くんにメイド服を着せるのは『恥辱極まりない行為』じゃないの?」
そうだよ。魅ぃちゃんだけ罰ゲームに逆上するなんて、なんかおかしい気がする。
だが、私の考えはすぐに変わることになった。
魅ぃちゃんは目を見開いて私を見つめる。無知な者に対する怒りを込めた、狂気の雑じったその瞳に、私は若干の恐怖を覚えた。目の前に居る人間が、私の知っている園崎魅音ではないような気さえしてくる。
「四つんばいになって村中歩かされて、お尻に変な尻尾まで入れさせられて、挙句の果てに犬のまねしておしっこしろなんて言われて!これがメイド服とつりあうと思うの!?」

え?

「泣きながら家に帰ったよ。婆っちゃにも母さんにも、何があったか聞かれた。話さなかったけどね。ホント、夜は悔しさと恥ずかしさで眠れなかったんだよ。…どれだけ私が傷ついたか、レナにはわかるの!?」
確かに傷つく。でも嘘だよ。圭一くんはもっとモラルのある人だよ…一縷の望みを、私は圭一くんにかける。
「…圭一くん、ホント?」
圭一くんは、寝転がったまま魅ぃちゃんを見上げる。その視線を受けて、魅ぃちゃんは疲れ果てたような表情で、つぶやくように言った。
「圭ちゃん、あとは話して。私疲れちゃったよ。」
「は、はいただいま…」
圭一くんは起き上がって四つんばいになる。魅ぃちゃんはその上にどっしりと座った。
「…私、前原圭一は…魅音に」
「魅音?」
その言葉を聞いた瞬間、魅ぃちゃんの表情が豹変した。
仕事帰りのお父さんのような疲れ果てた表情から、閻魔も裸足で逃げ出すような表情に。子供が見れば三日三晩ずっと泣き続けるような、まさに『鬼の形相』がそこにあった。
「いぎっ!」
「なんて呼べって言ったかなぁ?ここは学校じゃないんだよ?ホント物覚えが悪いね、圭ちゃんは。」
「ごめんなさいごめんなさい!」
「だぁーかぁーらぁー!謝ってもらってすべてが済むなら警察なんていらないんだよ!」
「ごめんなさい魅音様なんでもしますから許して!」
「ね?レナ、こいつ情けないでしょ?」
魅ぃちゃんはケタケタと笑いながら、つねっていた手を離した。つねられていた部分は真赤に腫れ上がっていた。本当に、容赦がない。
「ほら圭ちゃん、とっとと終わらせて。」
「はい…この下僕めは、失礼ながら魅音様の下着で自慰行為をぐぁっ!」
「もっとわかりやすく!」
思いっきりお尻を叩く。ピシッ、といういい音がして、圭一くんは苦悶の表情を浮かべる。
痛そうだ。すぐにでも救いたい。でも、それを見ていることしかできない。今の私は檻の中の囚人なのだ。
無力だ。本当に無力だ。
「魅音様のパンティーの匂いで欲情して、汚いくさいチンポに擦り付けて、汚らわしい精液をぶっ掛けていたグズ野郎です!今は魅音様のお情けでこうして下僕として雛見沢に住むことができています!私は感謝の気持ちでいっぱいです!」
圭一くんは、泣き叫びながら大声で叫んだ。
「ふん、やればできるじゃない、圭ちゃん。」
「魅音様ぁ…」
背中に乗った魅ぃちゃんになでられて、圭一くんはちょっと嬉しそうな表情を浮かべている。さっきまで泣き叫んでいたのに。
無様だ。本当に無様だ。
圭一くんは確かに変態さんっぽいところはあったけど…まさかこんな、変質者のようなことを…

「さ、ご褒美あげちゃおうかな。」
魅ぃちゃんは立ち上がり、いつもの赤いロングスカートを捲り上げた。下着が丸見えになり、圭一くんがもの欲しそうな表情になる。
薄桃色の、レースなどはまったくあしらっていない、シンプルな下着だ。魅ぃちゃんって意外と着飾らないのかな。私は結構入念に選んでいるけど…って。そんなこと考えている場合じゃない。
「ねぇ、圭ちゃん。」
「は、はい!」
「圭ちゃんは私の何?」
「奴隷!下僕!所有物です!」
「だよねー。ごめんね、当然のこと聞いちゃって。」
場違いなほど明るい声が、鋭いトゲとなって突き刺さる。
圭一くんは少し傷ついたような、それでいて気持ちよさそうな、例の『針灸の客』のような表情を浮かべている。
「ほら」
魅ぃちゃんは下着を脱いで、それを放り投げた。圭一くんの目が見開かれる。そんな圭一くんを、心底軽蔑しきったような目で、魅ぃちゃんは言い放った。
「貸してあげるよ、今日一晩。」
「ああ、ありがとうございます!」
圭一くんは頭を何度も地面につけて礼をした。なんだろう。すごく情けなく見える。たかが布ごときにここまで必死になるなんて。
「さ、拾ってきて。」
「はい!」
圭一くんは立ち上がった。次の瞬間、魅ぃちゃんの足払いが、映画の一こまのように美しく圭一くんを転倒させた。
ど素人の圭一くんが受身など取れるわけがなく、その場に思いっきり倒れこむ。魅ぃちゃんは追撃とばかりに、倒れこんだ圭一くんの髪を思いっきり引っつかんで、無理やり顔を向き合わした。
「だ れ が立っていいって言った!圭ちゃんは犬なんだよ!わかってるの!?ほんっと物覚え悪いなぁ!」
「は、はい申し訳あぐっ」
「まったく、ホント駄目だね圭ちゃんは。ちょっとばかりお勉強できても、物覚えは悪いんだね。」
魅ぃちゃんが足を上げる。圭一くんは脅えたような表情を見せる。さすがにかわいそうになってきた。
「魅ぃちゃん…やめてあげてよ。」
「そだね、どうせ殴っても蹴っ飛ばしてもわかるわけがないんだから。ほら圭ちゃん、取ってきな。」
「は、はい!」
圭一くんは四つん這いになって、投げ捨てられた魅ぃちゃんの下着のところへ走っていった。圭一くんってこんなに気味の悪い行動を喜んでする人だったかな。
投げ捨てられていた下着を、口でくわえて、やはり四つん這いの格好で戻ってくる。
「はふはふ!」
「よくできたね~、やればできるじゃない。」
魅ぃちゃんが圭一くんの頭をなでる。
いやだ。気持ち悪い。生理的に受け付けない。
好きだった男の子が、今、私の目の前で、全裸になって女の子の下着をくわえてうれしそうにしている姿なんて、誰が見ても気持ち悪いとしか思えない。
「ね?レナ。無様でしょ?これが、私たちが惚れていた男の本性なんだよ。」
「…」
何も言えなかった。
あまりにも無様すぎて、擁護しようにもできなかった。

「ね?ほら。レナが気持ち悪いってさ。嫌われちゃったね圭ちゃん。」
魅ぃちゃんが圭一くんの頭をなでる。圭一くんは相変わらず下着をくわえっぱなしだ。涎が下着をどろどろと濡らしているのを見て、私の嫌悪感は加速した。
「ごめんなさい…」
「謝る必要なんてないよ。詩音でも梨花ちゃんでも鷹野さんでも知恵先生でもお母さんでも沙都子でも悟史でも、今の圭ちゃんを見たら無様で気持ち悪い最低のクズだって思うだろうからね。そうだ、この気色悪い圭ちゃんの姿をみんなにも見てもらおうか!」
「ううっ…」
「おちんちんこんなに硬くしてさぁ!圭ちゃんもしかして自分がバカにされているって気づいてないの?」
圭一くんを蹴飛ばして仰向けにする。股間の、そこまで大きくはないが醜悪な形をした肉棒が、天を貫かんとばかりにいきり立っている。
「ねぇ見てよレナ。圭ちゃんってばこんなにひどいこと言われているのにすっごく興奮しているんだよ!」
魅ぃちゃんの高笑いが、地下洞に響いた。
圭一くんは、反論もせずに顔に魅ぃちゃんの履いていた下着を乗せて深呼吸なんてしている。呼吸に合わせて、あのグロテスクな物体がぴくぴくと震えた。
「うわ、圭ちゃん気持ち悪いなぁ…そんなにパンツがいいわけ?」
「はい、前原圭一は魅音様のパンツに欲情する変態です!」
「あっははははは!確かにそうだねぇ、ここに来てから今までずっとおちんちん勃起させっぱなしだもんねぇ!レナ、信じられる?ずーっとカチカチにしてたんだよ?私の椅子になっていたときからずーっと!どうしようもない変態野郎だよねぇ!」
「はい、前原圭一は魅音様に座られている間ずーっと興奮していました!」
「散々ゴミみたいに言われて、蹴飛ばされて、ぶたれてもカチカチのまんま!今日だけじゃないよ、昨日はたしかあそこにあった貞操帯つけさせたんだけどさ、その間もずーっと勃起してんの。おちんちんのことしか考えられないんだよ、圭ちゃんは。」
「はい、ずーっと興奮してチンポ硬くしてました!」
「どうよレナ!これが私たちの惚れていた男の本性!いじめられることで大喜びしている変態だったんだよ!」
魅ぃちゃんが壊れたように笑っている。
圭一くんの表情は下着に隠れてよくわからないけど、なんか…すごくつらそうなんだけど、嬉しそうだった。
相変わらずグロテスクな肉棒をいきり立たせて。本当に。気持ち悪いことこの上ない。
「魅音様…どうかこの前原圭一めをお見捨てにならないでください…」
「見捨てるわけないじゃない。圭ちゃんみたいなのを学校に野放しにしてたら、梨花ちゃんや沙都子が危ないからね。」

それを見たとき、
頭の中で、何かが、はじけた。

「ねぇ魅ぃちゃん、私も入れてくれないかな。」
そうだ。圭一くんはクズのように扱われても、こんなに喜んでいるんだ。かばっちゃいけないよね。興が冷めちゃう。
「え?」
魅ぃちゃんは私をまじまじと見つめた。信じられないかな。確かに急な心境の変化ではあるけど…
「こんな社会の吹き溜まりみたいなの、魅ぃちゃん一人で飼うのは大変でしょ?夜は一人でおうちに帰すんでしょ?ダメだよ、帰り道に詩ぃちゃんや梨花ちゃんに会ったら大変なことになっちゃうよ?」
魅ぃちゃんはにんまりと笑う。部活のときと同じ。意思の疎通ができたしるし。
女王は仰向けになった奴隷に、見下すように言い放つ。
「ほら、圭ちゃん。レナが気持ち悪いの我慢して飼ってくれるってさ。なんていうの?こういうときは。」
「ありがとうございます!魅音様だけでなく、レナ様にも飼っていただける私は果報者です!」
「…ま、いっか。圭ちゃんにしちゃ上出来だよ。ちょっと待っててねー。」
魅ぃちゃんはスカートのポケットから錆び付いた鍵をだして、鉄檻の扉を開けた。
外に出て改めてみると、意外と凄惨な場所だった。同じような牢獄がいくつもある。牢獄のある部屋はホールのようになっていて、声が響くようになっている。この牢獄の入り口と思しき場所には、いやな形をした拷問器具がたくさんおいてある。
おそらくこの声を響かせることで、牢獄の中の者を恐怖におののかせようという意図なのだろう。なんとも悪趣味な話だ。
「ほら圭ちゃん。新しいご主人様に挨拶しな。」
「今日から竜宮レナ様のものになる前原圭一です…」
這い蹲る圭一くんを見下ろす。土下座した背中の曲線、きっちり地面についているおでこ、なお手放さない魅ぃちゃんの下着…
なんて無様なんだろう。部活で勝ち誇っていたあの表情が嘘のようだ。
「レナ、靴下脱いで。」
「うん。…あれ?私の靴は?」
「ここは一応祭具『殿』だから。神殿に土足で踏み入ると祟られるよ。」
祭具殿…だが、祭具というにはあまりにも不気味すぎる道具が多い。
圭一くんは、靴下を脱いだ私の右足をすんすんと嗅ぐ。
「あっはははは!足なんて嗅いでどうするの、圭一くん!」
「レナ、これは圭ちゃんなりの服従の表現なんだって。」
「へぇ…」
圭一くんはそのまま、私の足の指の間を入念になめ始めた。
「あはは、くすぐったい!」
「あー、おじさんにはやってくれなかったのにー!ぶーぶー!」
ぬめぬめとしている気持ちの悪いものが、足の裏、甲、指までを嘗め尽くす。
時に入念に、時に激しく。舌先が土踏まずを撫ぜるときに、妙にくすぐったくなる。
圭一くんはおそらく必死になってやっているのだろうが、あまり気持ちのいいものではない。むしろ足の裏をナメクジが這いずり回っているような、不気味な感覚。
「下手っぴだね、圭一くん。蹴飛ばされたいのかな、かな?」
「はい、下手です…」
「圭ちゃん、よっぽどレナのこと気にいったんだね。」
魅ぃちゃんが圭一くんの頭を撫ぜた。
「圭ちゃんね、パンツ大好きだからあげると大喜びするよ。」
「だから魅ぃちゃんのパンツずっと握り締めてるんだね。気持ち悪いね。」
「はい、圭一はパンティーが大好きです…匂い嗅ぎながら自分のチンポこするような気持ち悪い無様な変態奴隷です…」
「ほら。レナ、こんなこと言ってるよ。あとでレナもパンツ渡してあげないとね。」
「もっちろん!こんな格好でパンツ握り締めて女の子の足を舐めてる圭一くんの無様な姿、みんなにも見せてあげたいなぁ…」
もう、人としての尊厳すらないように思える。無様で、自分の欲望のために動く、バカにされて大喜びしている気持ち悪い男だ。
「ところで魅ぃちゃん。」
「何?」
「圭一くん、ここパンパンに張らせて苦しそうだよ?」
汚らしくて、穢らわしくて、厭なにおいをあたりにぷんぷんさせている。さっきも私の声に反応するように、びくびくと震えた。
魅ぃちゃんだけじゃなくて、私にもいじめられて興奮しているのかな。
「あー、たしかにねぇ…こりゃぴくぴく痙攣してて苦しそうだ。」
魅ぃちゃんも乗ってきた。もう少し過激にいってみよう。
「こんな汚いの、切っちゃおうよ。」
「そうだね、これ切っちゃえば圭ちゃんも少しは楽になるでしょ。」
魅ぃちゃんが、指先で茎の部分を突っつく。もちろんそんなつもりなんて毛頭ないが、圭一くんは本気にしたらしい。不安げな表情になってうろたえ始めた。
「こりゃ本当に切らなきゃまずいよ。ハサミ持ってくる?」
「お願いしますっ!それだけは、それだけはどうか!」
「ダメだよ圭一くん。これは圭一くんのためを思ってすることなんだよ?」
「そうだよ圭ちゃん。熱持ってるし、このままほっといたら本当にまずいって。」
「病気になっちゃったらレナたち悲しいんだよ?」
「何でもします!なんでもしますからぁ!だから切らないでください!」
とうとう泣きながら土下座までし始めた。…本当におちんちんだけで生きているんだろうな、圭一くん…
「何でも、って言ったよね。」
魅ぃちゃんがにやりと笑った。
「どうする?レナ」
「じゃあさ、魅ぃちゃん…」
おしっこ飲ませてみよっか。
「おっ!それいいねー」
魅ちゃんと私は器におしっこを出した
「それじゃあ圭ちゃん一滴でもこぼしたらお仕置きね」
もし一滴も溢さずに飲めたらレナのパンツあげるね
そして圭一君は器に入ったおしっこを犬の様にぴちゃぴちゃ舐める
本当に無様だ無様で汚らわしい
圭一君が余りにもゆっくり舐めるので
怒った魅ちゃんが圭一君の頭を掴んで器に押し付ける、その拍子におしっこが床に飛び散る
「く、苦しい魅音、ん何?何回言ったら分かるのかな様を付けろって!」
「申し訳ありません!魅音様」
「全く早く飲んでよ圭ちゃん」
そして圭一君は魅ぃちゃんと私のおしっこを全部飲んだ
「よく飲めたね圭ちゃんでもこぼしたらお仕置きって言ったよね」
「ねぇレナそうだったよね」
うん!そうだよ
「こぼした圭ちゃんにはお仕置きしないとね」
そして魅ぃちゃんと私の2人で圭一君のお腹を蹴ったりお尻叩いたり
こぼしたおしっこを舐めさせたりする
圭一君はお仕置きされてるのに嬉しそうな顔をする
「圭ちゃんおしっこ舐めとって」あっ!ずるいよレナのも舐めとって欲しいな
魅ぃちゃんのおしっこ舐めとっている時の圭一君の顔はすごくやらしかった
そうだスケべな圭一君にはお仕置きしないとね
「そうだね、圭ちゃんにはお仕置きが必要だね」と魅ぃちゃんが言う
魅ぃちゃんは圭ちゃんにはこんなのはどうかなと言い首輪とムチを
持ってきたそして首輪を圭一君の首につけまるで犬のように四つん這いに
させ2人で圭一君の体を引っ叩くドSの魅ぃちゃんは物凄い力で
圭一くんの体を引っ叩く「圭ちゃん、気持ちいいでしょ引っ叩かれると」
魅ぃちゃんがそう言うと圭一君は、ききき気持ちいいですもっと引っ叩いてくださいと
言うそして圭一君を仰向けにさせ勃起したチンポに向かって
鞭を放った、何度も何度も鞭が当たるたび喘ぎ声をあげる圭一君
とっても気持ち良さそうで汚らわしい変態だ。

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最終更新:2021年04月20日 22:28